市長選・市議選まで、あと1カ月
伊那市・高遠町・長谷村の合併による新伊那市発足に伴う市長選挙、市議会議員選挙が4月23日告示、4月30日投開票の日程(予定)で行われる。告示まで、あと1カ月となった。
市長選は、今のところ、伊那市長小坂樫男氏(70)=無所属・小沢=が出馬表明しているのみ。
市議選は、初回に限り、各市町村を単位とした選挙区が設けられるが、長谷を除く選挙区ではすでに定数を超え、選挙戦は確実だ。
【市長選】
市長選は、伊那市長小坂氏が出馬表明しているのみ。新人擁立の動きはあるものの、具体名が挙がるまでに至っていない。
新人擁立に動く共産党は「いつの段階で、結論が出るのかは未定」という。
市民有志は「市民の声を聞き、市政に反映できる」人材を求めて動いているが、選挙日程が市議選と同じであることから、人材確保など擁立が難しい状況。次期選挙も踏まえ、あきらめず何とか選挙戦に持ち込みたいとする。
市民の中には「新しいまちが立ち上がるとき。無投票でなく、市民の審判を受けるべき」という声もある。
1月中旬、正式に出馬表明した小坂氏は「7万4千人の市民が『合併してよかった』と思えるように最後の努力をしたい」と述べ、主な施策に▽自主財源の確立▽権兵衛トンネル開通に伴う観光▽少子化対策竏窒唐ーている。
【市議選】
市議会の議員定数は26で、伊那市18、高遠町5、長谷村3。
◆伊那市
出馬表明しているのは現職18人、元職1人、新人2人。
元職は会社役員飯島尚幸氏(60)=公明党・西春近、新人は前女性団体連絡協議会長竹中則子氏(64)=無所属・手良、NPO法人「クローバーコミュニケーション信州」代表野溝直樹氏(40)=無所属・東春近=。竹中氏は市女団連OB有志らでつくる「明日を担う女性の会」が「女性を政策決定の場へ送り出したい」と擁立。野溝氏は「NPO活動などの経験を生かし、建設的、実効的な施策を打ち出せる市議として役に立ちたい」と出馬を決めた。
現職引退は、無所属の北原斉=手良(1)(当選回数)、小林光豊=西箕輪(3)、高沢勝=中央(3)、藤島雄二=西春近(3)、共産党の小林和人=西箕輪(6)、公明党の赤沼利光=西箕輪(8)=の6氏。
西箕輪地区は、現職5人のうち3人が引退することから「地区内で何とか立てたい」と新人擁立に動いている。
東春近では、現職2人に加え、新人1人が立ち、激戦区となりそうだ。
党派は無所属16、共産党3、公明党2。共産党は現職1人が引退するが、3人が続投を、公明党は現職1人が引退、元職1人が出馬し、現有2議席の確保をそれぞれ目指す。
合併を機に、協働のまちづくりなどを掲げ、地元に限らず、市内全域から支持を集めたいとする立候補予定者も目立つ。
30代女性を推す動きもあったが、本人の意思が固まらなかった。
3月2日現在の有権者数は、4万9361人。
◆高遠町
現職7人、新人1人が出馬を表明。西高遠からは現職5人が立ち、混戦を極めそうだ。
現職はいずれも無所属で、西高遠の飯島進(52)、伊東實(70)、春日嗣彦(51)、原浩(68)、下山田の野々田高芳(69)、藤沢の伊藤明由(66)、共産党で西高遠の関森照敏(65)の各氏。新人は、前高遠町観光協会事務局長の農業・平岩国幸氏(68)=無所属・上山田=が名乗りを上げている。
引退表明はいずれも無所属の小松晃氏(69)=上山田、前林賢一氏(69)=小原、松井教一氏(50)=山室。
◆長谷村
羽場好美氏(47)=無所属、宮下金典氏(55)=共産党=のいずれも溝口の現職2氏が出馬を表明。非持地区からも現職の出馬が濃厚だ。
無所属の窪田清彦(66)=黒河内、中山達得(73)=非持、吉田由季子(38)=同、の3氏が引退を決めていて、そのほかにも年齢などを理由に退く考えの現職も数人いる。