伊那と木曽の工芸作家展(3)
伊那市西春近のかんてんぱぱホールは4日まで、権兵衛トンネル開通記念「伊那と木曽の工芸作家展」の第3シリーズを開いている。異なる素材を用いた2人の作家の多様な作品が、訪れた人を魅了している。
日展会員でもある彫鍛金の木下五郎さんは、日展や日本現代工芸美術展などに出品した作品を中心に20点を並べ、金属の持つ「さび」の表現方法(色)の違いが見られるような展示にした。
彫金は鋳造または鍛金、各種板金加工された金属器などの表面に文様を彫ったり、透かしたりして装飾する技法。鍛金は金・銀・銅・鉄など金属を打ち伸ばしや接合などで立体造型、平面造型する技法。
大作は抽象だが、小品は「仙丈岳残照」「唐もろこし」「あつもりそう」など身近な題材を選んだ。色は緑、硫化、焼成、赤銅など金属の深い味わいを出している。
木下さんは「変化する金属のおもしろさ、不思議さを見てほしい」と話している。
塩尻市木曽平沢の漆芸家・石本愛子さんは、何層にも重ね塗りした漆の上に彫りを施し、そこへ漆や金粉を流し込む「沈金」という手法をを中心とし、オブジェから椀、皿などの身近な生活道具まで幅広く手掛けている。。木曽にある川や花などの自然を題材とした作品も多く、見るだけでほっとする安心感が感じられる作品が多い。
石本さんは「伝統ある漆文化に関心を持ってもらえれば」と話していた。
入場無料。午前9時縲恁゚後6時(最終日は午後4時まで)。