市長選・市議選告示まであと1週間
新市発足に伴い、23日告示、30日投票の日程で行われる伊那市の市長選・市議選が、あと1週間に迫った。住民の会話にも、選挙の話題が上がるようになった。
17、18日は本庁・総合支所で、それぞれ立候補届出書類・選挙公報などの事前審査がある。受け付けは午前9時縲恁゚後4時。
【市長選】
出馬を表明しているのは、前伊那市長小坂樫男氏(70)=無所属・小沢=のみ。
後援会組織は、16日に結成総会を開く長谷を含めて29支部。
これまで組織に市議を含んでいたが、今回は市議選と日程が同じであることから、役員は後援会幹部で固めた。青壮年、女性、熟年など各年齢層を網羅する。
また、市内の企業や6割近い区から推薦を得ている。
小坂氏は市町村合併に伴い、3月30日に市長を失職してから、25カ所の集落や市議選立候補予定者の集会に出向き、出席した住民に政策などを訴えている。
後援会では「新たな立候補予定者が出るのか先が見えないが、選挙体制は整えている」と気を引き締める。
小坂氏は、具体的な施策に▽過疎対策の充実(定住対策など)▽少子化対策(保育園の統廃合を進め、働く人の手助けをする、企業の育児休暇を取れる体制)▽旧伊那中央病院の後利用として▽保健・福祉の拠点整備、新規企業誘致と既存企業の支援竏窒ネどを挙げる。
新人擁立に動く市民有志は「市議選にエネルギーを吸い取られる」などの現状もあり「希望は捨てていないが、厳しい」という。市民有志の結論を待つ共産党上伊那地区委員会は「最終結論まで、時間をいただきたい。鋭意努力したい」としている。
合併を推進し、新しいまちづくりの道筋をつける意味から、新人が出にくい状況もあるようで、一部から「無投票になるのではないか」という見方も出ている。
【市議選】
市議選(定数26)は初回に限り、旧市町村を区域とした選挙区を設ける。定数は伊那18、高遠5、長谷3で、それぞれ21人、8人、5人が出馬を表明。各選挙区で定数を超え、選挙戦は確実となっている。立候補予定者は各地域を回り、組織拡大を図っている。
伊那選挙区は、地区別に伊那8人、富県1人、美篶3人、手良2人、西箕輪2人、東春近3人、西春近2人。
西箕輪の選挙人登録者数は4790人で、前職5人のうち3人が引退したため、他地域からの切り崩しが激しくなっている。
高遠選挙区は定数5に対し、前職7人、新人1人の計8人が出馬を表明。そのほかに動きはなく、現状のまま選挙戦に持ち込まれそうだ。
高遠地区は西高遠から前職5人が出馬を表明しており、混戦となる模様。候補者のいない他地区に拡大を図るなど動きも活発化している。
一方で、新市発足により衰退が懸念されている周辺部の三義、長藤、藤沢の3地区は、新人の擁立に苦戦し、前職5人のうち候補者は藤沢から1人のみ。河南地区は上山田から新人1人、下山田から前職1人が名乗りをあげている。
長谷選挙区は新人擁立の模索や周囲の動向を探るなど他選挙区に比べ低調な出足だったが、定数3に前職4人、新人1人が出馬の意向を示している。
地区別に見ると、有権者数約870人の非持に2人、約390人の溝口に2人、約90人の杉島に1人が立つ。溝口、杉島の立候補予定者は大票田、非持の切り崩しを回りながら候補者を出していない黒河内、中尾、市野瀬などの草刈り場からの集票を狙う。
高遠、長谷は前回選が無投票だっただけに、各陣営とも票読みに苦労している。