シュワスマン・ワハマン第3周期彗星 地球に接近
「すばる星の会」野口輝雄さん 写真撮影成功
伊那天文ボランティアサークル「すばる星の会」代表の野口輝雄さん(54)=伊那市西箕輪=が21日夜、シュワスマン・ワハマン(S・W)第3周期彗星の写真撮影に成功した。5月12日、地球に最も接近。同会では同月3日、一般を対象とした観察会を計画している。
21日午後11時すぎ、自宅の庭で撮影。地球に3千万キロまで近づいてきた彗星が、かんむり座のα星アルフェッカ近くを通過するのを同一フレームにとらえた。直径16センチ反射望遠鏡、キャノンEOSキッズデジタルボディーを使用。ISO1600設定、露出206秒で撮った。
12日には地球と月との距離38万キロの約30倍となる、1200万キロまで接近。野口さんは「光度が暗いわりには現在、尾が長く伸びている。近づいてくればもっと長く尾を引くと思う」と期待している。
およそ5・4年周期で接近するS・W彗星は1995年、数個に分裂し、10等級の明るさが6等級までに増光。それから2回帰目となる本年は、地球に大接近し、肉眼でも分かる彗星となって「夏の大三角」の中を通り過ぎるのを観察できるという。
5月3日(予備日4日)の「市民星空観察会」は午後9時から、伊那市の伊那西小学校校庭で実施。同彗星のほか、木星、春の星団を、すばる星の会会員の望遠鏡を使って観察する。参加費無料。問い合わせは、野口さん自宅(TEL74・7462)へ。