ともに支えあう「なごみ家」2周年
介護予防等拠点施設として事業化され、開所から2年が経過した宮田村のなごみ家。24日には利用する障害者やボランティア、地域住民が集まり活動発表、報告会を開いた。用途や目的が曖昧なまま、国の補助で建設された経過はあるが、住民有志が積極的に運営参加するなど幅広い交流の場に成長。あらゆる自立が問われるなか将来的課題もあるが、孤独感を抱えた障害者や独居老人など・ス心の居場所・スとなっている。
「楽しみつつ支え合う。村が掲げる協働のむらづくり。その気になればできることを証明してくれた」と、清水靖夫村長はなごみ家の事業に胸を張る。
当初、障害者やその家族のケア、認知症予防などの利用を計画したが、昨年度の利用者数はのべ5895人。団体は20を越えた。
「施設はできたが利用がない」ではなく、「みんなで利用しよう」と発想を転換。開所前から有志が利用検討委員会を設けるなど、住民参画は進んだ。
管理する職員も地域連携を大切にしながら運営。住民を講師にした各種教室なども随時開き、誰もが自由に参加できるバリアフリー化が目につく。
検討委員会の辰野恒雄代表は「地域の力を再認識した2年間」と振り返る。
この日の報告会には、約60人が参加。なごみ家の開所とともに始まった聴覚障害者のデイサービス・もみじ会の参加者は「障害者は孤独だが、なごみ家では色々な人と交流ができ、友達になった。声をかけてもらうと、頑張ろうという気持ちになる」と話した。
村ボランティア連絡協議会の仁科智弘さんは「なごみ家には区別がない。私たちはボランティアしているようだが元気と勇気を逆にもらい、助け助けられる相互関係が成り立っている」と指摘する。
辰野さんは課題も挙げる。「利用者一人ひとりが、どのように自分自身の生活に結び付けていくか」。支えあいの中から自立の姿を模索したいと話す。