春の叙勲
旭日双光章
地方自治功労
前南箕輪村長
山口一男さん(75)
「栄えある章をいただいてありがたい」
日本通運に27年間勤務。野球と組合活動に盛んに取り組み、組合執行委員長を務めた。社会党上伊那書記長も務め、退職後の91年4月、社会党公認候補として村議会議員に初当選し95年5月から議長を務め活躍。3期目途中の01年に無所属で村長選に出馬し当選。1期4年務め05年4月、退任した。
村政運営は、真に恵まれない人に対する行政サービスを最も大切にし、個人的に相談を受けるなど心を砕いた。「7歳で父親が戦死。貧乏で育って底辺の人の気持ちがわかるから、それはやってきたつもり」と振り返る。
「村にとって激動の4年間だった」任期中は、硫酸ピッチ、子ども未来センター、市町村合併と大きな問題が次々とあった。
合併問題は、当時は「村のままでいければ基本的にはいいと思っている。でも今はいいけど、勇気をもって合併したほうが将来的には村のためになる」と村民への説責任を果たし、住民投票を実施。結果は合併反対6割で自立の道を選択。村民参加の「むらづくり委員会」を組織し、自立のむらづくりへの道筋を立て、職を退いた。
「私は人に恵まれた」。全国町村議長会の理事を務めた当時の人脈が村長時代に役立った。「まさか村長をやるとは思わなかったけど村民、行政にお世話になり、皆さんのおかげ」という。
現在はゴルフを楽しみ、権兵衛峠開通に伴う村への波及効果に関心を寄せる。田畑の自宅で妻と2人暮らし。