【春の叙勲】瑞宝単光章・消防功労 有馬史郎さん(68)
「照れ臭いというか…。消防団活動は無我夢中になって、任務でやっていた。振り返ると大変だった。現役の皆さんにはご苦労さまと伝えたい」と謙虚に叙勲をよろこぶ。
消防団歴は約30年。1957年、高校卒業後の18歳で入団。部長2年、副分団長2年、分団長2年、副団長8年間務め、団長は98年4月から04年4月までの3期6年。県消防協会会長も歴任する輝かしい功績がある。
団長時代は旧伊那市全戸への消火器設置や、女性団員が入団できるための制度の見直しなどに力を注いだ。
団員のけがや健康には人一倍気を遣った。「団員を現場で死なせてはいけない。部下をけがさせては長としての価値はない」。団員の家族がさみしい思いをしないよう、二次災害発生には注意し、大きな責任を背負って取り組んだことを振り返る。
火災などの現場へは誰よりも早く駆け付けた。サイレンが鳴ると、妻が作業着などを用意し、長女が車のエンジンをかけるなど、出動準備は家族が支援。「それいけ!!」と送り出す妻は、嫌な顔一つせず見送ってくれたという。
「消防団に対して、家族の理解がなければ続けられなかった。部下にも恵まれ、消防団活動を精一杯やらせてもらえた」
趣味は野球、ソフトボール、ゴルフなどで体を動かすこと。現在は有馬建設会長。伊那市狐島在住。妻、長女と3人暮らし。