トリクロロエチレン住民説明会
駒ケ根市赤穂町四区の龍水社赤穂工場跡地の井戸水と土壌の一部から環境基準を超えるトリクロロエチレンが検出されたことを受けて市と土地を所有していたJA上伊那は28日夜、周辺住民を対象にした説明会を町四区の市老人福祉センターやまびこ荘で開いた。集まった住民約60人に対し、市とJAのほか調査会社の担当者らが汚染の状況と今後の対応などについて説明。JA上伊那は今後責任を持って浄化対策を行い、市は周辺の井戸水の調査を行いたい竏窒ネどとして住民の理解と協力を求めた=写真。
住民からはトリクロロエチレンについて「稲作用水の汚染の恐れはないのか」「龍水社では使っていなかったというが、自然に存在するものなのか」などの質問が出たのに対し調査会社の担当者は「地下水が用水に流入するとは考えにくいし、万一混入したとしても地上に出るとすぐに揮発してしまう」「人工的に作られた物であり、天然に存在することはあり得ない」などと回答した。
同地では04年10月以降数回にわたる調査の結果、国が定めた環境基準の1リットル当たり0・03ミリグラムを大きく超えるトリクロロエチレンが地下水から最高8・9ミリグラム、土壌から1・4ミリグラム検出された。JA上伊那は1回目の調査結果を04年11月に駒ケ根市に報告したが、市はこれまで住民に対して説明や対策をまったく行ってこなかった。
トリクロロエチレンはドライクリーニングの染み抜きや金属・機械の洗浄などの用途に使われる有機塩素系溶剤の一種。人体に対しては皮膚や粘膜への刺激、頭痛や倦怠感などの症状を生じさせ、高濃度の暴露では死亡することもある。