男児水死で村内に衝撃
宮田村町3区駒が原の農業用水路で、水遊びしていた3歳の男児が水死したが、同様の事故が近年なかった村内には衝撃も広がっている。水田がしろかきの時期を迎えており、現場の用水路も水量が平常時より増加。コンクリートで固めたU字溝構造の用水路がはらむ危険性も浮上するが、村内含め全国どこにでもある普通の用水路だけに、関係者は対応に頭を悩ませている。
「誰に責任があるわけでもない。不運が重なってしまった」「本当にやるせない」「家の孫も水遊びが好き。しかし、どう注意したら良いのか」。幼い命を失った悲しい事故から一夜明け、多くの村民が肩を落とした。
現場の用水路は夏から冬場は水量も少ないというが、今月初めの連休明けからは稲作のために水かさが急増していた。
事故当時は水深20センチほどに達しており、村産業建設課の担当者は「流れがきつく、大人が立っているのもやっと」と説明。表面にはコケなども生えており、滑りやすい状況とも指摘した。
全国的に昭和40縲・0年代にU字溝が普及。村内でもほ場整備により、大半の用水路がU字溝になった。
「真っ直ぐの滑り台を水が流れて来るようなもの」と担当者。現場も用水路が長い直線で続いており、勾配も急なことから、見た目以上の強い流れになることも考えられる。
U字溝の危険性の高さは以前から全国的に指摘されるが「全てに防護柵を設けたり、ふた(暗きょ)をすることは物理的に不可能」(村産業建設課)なことも確かだ。
男児が通っていた保育園を含む村内の教育機関は急きょ、園児、児童、そして保護者らに再度注意を徹底するよう喚起した。
村教育委員会も近く予定している通学路の安全点検パトロールで、用水路を含め危険箇所の再徹底を図るが「最終的には子どもと保護者に自覚を促すしかない」と話した。