はら美術で水野敬子さんの作陶展
人間国宝・加藤唐九郎氏の黄瀬戸を今に引き継ぐ水野敬子さん(69)=岐阜県=の作陶展が23日まで、伊那市旭町のはら美術で開かれている=写真。黄瀬戸独特の落ち着いた黄色に彩られた食器や花器など約100点が、訪れた人の目を楽しませている。
加藤氏に20年近く師事した水野さんは現在、美濃焼伝統工芸士、美濃陶芸協会理事などを務めている。
黄瀬戸は志野、織部などと並ぶ美濃の代表的な手法の一つ。灰を主体とする釉(ゆう)薬がつくる深い黄色が「黄金色」にも例えられ、安土桃山時代から珍重されていた。
しかし、当時と現代の居住環境は大きく異なり、光の根源も違うため、水野さんは「現代生活の中でも美しい色彩を放つ黄瀬戸」追求。釉薬の原料である灰をつくることから自身で行い、独特の黄金色を再現している。
女性ならではの感性で仕上げられた作品は、優しさと温かみを放ち、見る人に安心感を与える。
午前11時縲恁゚後6時。入場無料。