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スキーアーチェリーWカップで銀メダル
浦野裕之さん

赤穂小学校3年3組担任
駒ケ根市赤穂福岡

スキーアーチェリーWカップで銀メダル<br>浦野裕之さん

 クロスカントリー(距離)スキーとアーチェリーを組み合わせた冬の競技、スキーアーチェリーのワールドカップ(3月、モスクワ)スプリント(7・5キロ)で日本人最高タイの銀メダルに輝いた。 競技歴はわずか3シーズン。04年、日体大卒業直前に友人に誘われて初めてスキーアーチェリーを体験したが、直後に出場した全日本選手権でいきなりの2位入賞。
 「クロスカントリーはずっとやってきて慣れていたが、アーチェリーは始めて間もなかったから矢が当たらないこと当たらないこと…。何しろ20射で1発しか当たらなかったんですよ。でもその1発が当たった瞬間の感激は今でも忘れられない。やった! という感じ。言い表せないほどの喜びとともに、これならいけるかも竏窒ニいう手応えも同時に感じました」
 翌シーズン、ワールドカップ(イタリア)に初出場したが最高で11位の成績に終わった。その後は苦手のアーチェリーの的中率を上げるために努力を重ね、今シーズン出場した全日本選手権で初優勝。勢いもそのままにワールドカップで銀メダルを獲得した。
 ◇ ◇
 スキーの盛んな飯山市生まれ。小学校3年からクロスカントリースキーを始め、中学3年でジュニアオリンピック(10キロフリー)3位入賞。オリンピックを目指して高校、大学と練習に打ち込んだが夢を果たせないまま就職を考える時期を迎えた。
 スキーはずっと続けたい、だが果たしてプロとしてやっていけるものか? 特に在学中はこれ以上できないくらい練習したが、最後までトップにはなれないまま。アルバイトしてでも競技を続けるか、それとも竏秩B悩んだ末にプロはあきらめ、働きながらスキーを続けようと教員の道を選んだ。赴任した松川中で体育の講師を務めながら、トレーニングは欠かさなかった。
 冬が来た。大会に出場するため、心苦しい思いで学校を休むことを申し出たが、思いがけないことに生徒や先生たちは嫌な顔もせずに快く送り出してくれたばかりか、競技に打ち込む姿勢に大きな理解を示し、皆で熱心に応援してくれたのだ。
 「感動しました。教師を選んでいなかったら味わえなかったことです。プロになるよりよっぽど意味があったとこの時にはっきり思いました」
 ◇ ◇
 翌年飯山北高の講師を経て、今年4月から赤穂小の教諭として正式採用され、本格的に教員とアスリートの両立を目指してスタートを切った。
 「小学校は初めてで来るのが楽しみでした。来てみたら思った以上に楽しいですね。すべての教科を教える大変さや担任としての責任も感じますが、やりがいは大きい。教師もスキーも努力すればしただけのことはあります。今後の目標はしっかりと子どもたちを育てること。そしてスキーではやっぱり金メダルを取りたいですね」
 (白鳥文男)

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