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宮田氏の末裔、故女性俳人の想い遠祖伝来の地に

宮田氏の末裔、故女性俳人の想い遠祖伝来の地に

 中世に宮田村一帯を治めていたとされる土豪・宮田氏の末裔(まつえい)で、戦後を代表する女性俳人だった故桂信子(本名・丹羽信子、1914‐2004)さん。祖先を想う気持ちが人一倍強かった故人の遺志を受け継ぎ、門下生で現代俳句協会長の宇多喜代子さんが12日、同村を訪問。故人が生前・ス幻の城・スと胸の内に秘めていた北割区の宮田城址に足を運び、30年に及んだ想いを遠祖伝来の地に届けた。
 桂さんは30年ほど前に一度来村。「句碑を建てることがあるならば、祖先の築いた城跡に」と、宮田城があった場所を探した。
 しかし、定かな位置を確定できず、その時の様子を雑誌に「幻の城を訪ねて」と寄稿している。
 地元の宮田城址保存会が中心になって城址の再整備が始まると、一昨年末に病床で聞いたが、病状は回復せず・ス幻の城・スを目にする夢は叶わなかった。
 そのことをずっと気にかけていた保存会の春日会長。桂さんの祖先を大切にする気持ちを知っていた宇多さんの思いも一致した。
 保存会が城址に建立した宮田氏一族の慰霊碑には、この日のために桂さんの遺影も掲げられ、約10人の保存会員が同席。
 一緒に祈りを捧げた宇多さんは「生きていたら、どんなにか喜んだことと思う。本当に地元の皆さんのおかげ」と感謝した。
 「句碑をつくるならば死後にして」と生前、言葉を残した桂さん。春日さんは「これも何かの歴史のつながり。ぜひ句碑もつくりたい」と話していた。

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