「森本自然教室」3年目開講
不思議を体験 感動を
信州大学名誉教授の森本尚武さん(72)=伊那市御園=による「森本自然教室」が11日、南箕輪村の同大学農学部で始まった。上伊那をはじめ、北信や東信地域など遠方から定員(30人)を超える約50人の申し込みがあった。9月までの全9回の講座を通して親子で自然と触れ合う。
幼少のころから自然に親しんでほしい竏窒ニ、3年目。これまで同様、昆虫の採集や標本製作、草花や樹木の観察に加え、新たに水生生物で水質を調査したり、鳥類を観察して樹木と鳥の関係も学ぶ内容を盛り込んだ。
「体験して感動することが今の教育には欠けている」と森本さん。「信州のなかでも上伊那は自然の宝庫。複雑さやおもしろさ、不思議な現象がたくさんある自然のなかで、いろんなことを体感して興味をもってほしい。それをきっかけに環境保護などについて関心が高まれば」と話す。
初回は親子約40人が参加し、学部内の農場でモンシロチョウの卵を採集。無農薬畑で栽培しているキャベツの葉の裏を入念に探した。カメムシやガなどの卵もあり、子どもたちは見つけ次第「何の昆虫ですか」と積極的に尋ねていた。
採集したモンシロチョウの卵は自宅に持ち帰り、湿度が適当な場所で1日1回エサを与えながら成虫になるまでの成長過程を観察する。昆虫が育つ様子を自ら学ぶとともに、命の大切さについて考える。
下諏訪から訪れた小学5年の男子はアゲハチョウの成長を観察するなど大の昆虫好き。「昆虫についていろんなことを学べるから楽しみ」と話していた。