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あばれ神輿今再び
町1区の小田切さん、伝統の祇園祭にむけて製作順調

あばれ神輿今再び<br>町1区の小田切さん、伝統の祇園祭にむけて製作順調

 350年の歴史を誇る宮田村津島神社祇園祭宵祭りを来月15日に控え、主役となる「あばれ神輿(みこし)」の製作が進んでいる。祭りの最後に境内石段から投げ落として粉々になるため、毎年全てを新調。今年は小田切建築=町1区=の小田切保鉱さん(63)が手がけ、寸分変わらぬ姿によみがえらせている。
 同神社の氏子である町1区、町2区、町3区の大工が毎年回り番で製作するのがしきたり。
 小田切さんは40年ほど携わるベテランで、今回で17基目となった。
 以前は数人の大工が協力してつくったというが、今は1人。それでも先輩譲りの技術と型板を駆使して、・ス壊れる運命・スの神輿を見事に再生している。
 若い頃は神輿を担いだこともあり、壊す側としてのポイントも心得ている。
 「壊れるのが早過ぎても、遅過ぎてもダメ。タイミング良く壊れるように、強度などは意識するね」と話す。
 屋根の曲線や鳥居の造作など、普段手がけている一般住宅の建築とは違った技術も要求される。
 「簡単にできるものは一つもない。この年になっても毎回勉強することばかりさ」。
 現在、神輿を造れるのは各区1人の計3人だけ。厳しい後継問題にも直面しているが、妥協を許さない職人が今年も祭りを支えている。

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