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高遠町の小4年生入笠山にメギ苗木植える

ミヤマシロチョウの飛翔願う

高遠町の小4年生入笠山にメギ苗木植える

 伊那市高遠町の入笠山で20日、「自然環境保護学習会」があり、地元の高遠、高遠北の両小学校4年生46人が、県天然記念物に指定されているミヤマシロチョウの食草であるメギの苗木100本を植えた。
 絶滅が危惧(ぐ)されているミヤマシロチョウは、標高1600メートルから1900メートルに生息する高山蝶(ちょう)。7月中旬ころから8月下旬ころまで舞い、130から150個を産卵する。幼虫期にメギやヒロハヘビノボラズの葉をエサに成長する。
 県自然観察インストラクターの征矢哲雄さん(77)=南箕輪村=によると、入山する観光客の増加により、特有のとげがあるメギが伐採されたことや、ミヤマシロチョウが乱獲されたことなどが絶滅危惧の要因とみられている。
 旧高遠町では6年前に動植物や地質などの自然環境基礎調査でミヤマシロチョウの激減を確認。これをきっかけに2年後、復元を目指すとともに環境保全への意識の高揚を図るために学習会を始めた。
 これまでに植えてきた苗は順調に育っているものもあれば、降雪が少なかったことによりシカの食害にあった苗も少なくないという。
 児童たちを前に、「入笠山の青い空に再び多くの美しいミヤマシロチョウが飛翔することを願って植えてほしい」と征矢さん。児童たちは穴を掘って肥料を施し、高さ約50センチほどの苗木を一本ずつ丁寧に植えた。
 高遠小の宮島華菜さん(9)は「(ミヤマシロチョウが)いっぱい飛んでくれればきれいだし、みんなもうれしくなるから少しでも増えてほしい」と話していた。

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