カワウ 稚アユ食べていた
天竜川漁協申請 有害鳥獣捕獲で確認
天竜川漁業協同組合(後藤治也組合長)から、「放流直後のアユの稚魚が食害を受けている」と、有害鳥獣捕獲の申請を受けた県は24日、同漁協と日本野鳥の会の立ち会いの下、猟友会の協力で捕獲したカワウの腹を開いて、実際にアユを食べているかを調査した
午前4時30分から同10時30分までの間、駒ヶ根と辰野の猟友会、総勢約100人が出動し、カワウ2羽を捕獲。そのうち1羽の食道付近からアユ2匹(体長=10縲・5センチ)と、ウグイ2匹(15縲・0センチ)を確認。胃の中からも消化されている魚の頭などを検出した。
同漁協は天竜川の総漁獲量が減少傾向にあるのはカワウの増加が原因とし、飛来数が最も多い冬場の捕獲を実施してきたが、5月の放流後のアユについても被害があると主張。野鳥の会は、冬に関しては理解を示してきたが、「放流直後のアユは食べない」とし、抱卵期の捕獲については難色を示していた。
日本野鳥の会特別会員の小口泰人さん=駒ヶ根市=は「カワウは20縲・0センチの魚しか食べないが、天竜川に生息する好物のウグイを食べ尽くし、小さなアユを狙い始めている」と分析した。
県では今回の調査データも含め、来年以降は稚魚が放流された直後のデータも収集していく考え。抱卵期の捕獲についても検討していく。