天竜川のカワウ 上伊那に抱卵期100羽とどまる
・ス結婚できずに残っている?・ス 食害に漁協が頭抱える
抱卵期は上伊那の天竜川から居なくなるはずのカワウが本年、100羽(日本野鳥の会調べ)ほど、上伊那に留まっていることが分かった。これにより、5月に放流したアユが食べられている。飛来数が最も増える冬場の食害は最も大きく、天竜川に生息する魚が減少傾向になっている。
野鳥の会の調査では、上伊那に生息するカワウが抱卵期に確認され始めたのは00年ごろ。繁殖のため生坂村(東筑摩郡)や天竜村に営巣を目的に移動するが、居残るカワウがいる理由は分かっていない。同会によると、・ス結婚できずに残っている可能性・スがあり、その群の巣が吉瀬ダム(駒ヶ根市)にあるという。
カワウが飛来を始める1月の確認数は、初飛来となった93年の2羽から、年々数を増やし、04年には最大の500羽へ増加。
天竜川漁業協同組合は03、04年2月末にそれぞれ、有害鳥獣捕獲の申請をし、数回の捕獲を試みたが増加の歯止めに効果は特になかった。
漁獲量の推移で変化が大きいのはウグイで、中川ヤナでは1990年の1500キロに比べ、05年は150分の1となる10キロに減少。つけば申請者数も漁獲量と同様に、減少傾向をたどる。
天竜川の魚を食べ尽くしたためか本年は240羽に減少したが、天竜川漁協の漁獲量は痛手を受けたまま。関係者は頭を抱えている。