KDDIが伊那市高遠町長藤に携帯電話基地局
地元住民の理解得られず
KDDIが伊那市高遠町長藤地籍の市道小豆坂線に、住民説明をせずに携帯電話基地局を建設している問題に対して、同社は5日夜、町老人福祉センターで住民説明会を開いた。基地局から発する電波の安全性などについて話し合ったが、住民を納得させる解答には至らなかった。
小中学校の児童、生徒、保育園児の通学路の近くに設置することを望まない「三義子供会」が地権者の市へ、説明会の実施と工事の一時停止を同社へ求める陳情書を提出したのがきっかけ。集会には同会員や地域住民約40人が集まり、KDDI名古屋エンジニアリングセンター関係者約10人が説明した。
同社はスライドで、高遠地区を訪れる観光客らの要望でサービスエリア拡大のためとし、場所の選定は「長藤地区が見渡せ、電波が飛ばしやすい場所だった」竏窒ネどと説明。電波の安全性については「基地局電波は国の基準値の何十万分の一の値。人体に影響がないという定め内のサービス」とした。
住民説明の問題に対しては、「総務省から住民への周知、理解を得よとの要請は受けたが、説明会を実施せよとの指導ではなかった」とし、「建設地近隣には人が住んでいないので、(社内基準で判断し)長藤区長、隣りの地権者には説明し、承諾を得た」と返答。しかし、同区長は基地局建設との認識では話されていない竏窒ニし、互いの理解が合致していことが分かった。
出席者からの「子供の脳の方が電波の影響を受けやすいのでは」との質問には、「100パーセント安全ではないが、国の基準値を守っているので安全といえる。責任が認められれば、誠意を持って対応したい」とした。
工事期間は8月上旬を予定しているが、三義子供会の要望である、一時中止はしていない。同会の鄭震雄会長は「説明会があれば、あそこに建設されていない。大人として子供の立場に立って、(建設場所の是非を)社内で話し合ってほしい」とし、検討結果をまとめた報告書の提出を約束。会では、同地区と今後の方針を決めていく。