三浦雄一郎さんが「夢に勇気を」と題して講演
駒峰山岳会50周年記念講演会
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駒峰山岳会は創立50周年を記念し9日、飯島文化館で、講師にプロスキーヤーの三浦雄一郎さんを招き、記念講演会を開いた。
ほぼ満席の250人が三浦さんの「夢に勇気を-高齢化社会における挑戦」と題した講演に耳を傾け、三浦さんの70歳のエベレスト登頂を成功させた勇気と、夢に向って真っ直ぐな生き方に共感した。
講演を前に、03年次男、豪太さんとともにエベレスト登頂、世界最高年齢登頂記録(70歳)を樹立した時の記録映画を鑑賞した。
85年、57歳で世界七大陸最高峰滑降を完全達成した三浦さんは「そろそろアドベンチャースキーから足を洗い、のんびりしたいと思った。のんびり過ごしているうちに、肥満、高血圧、高脂血、腎臓も悪く、不整脈もあり、いつ心筋梗塞で入院してもおかしくない状態になった。この時65歳、このまま病院で死ぬよりも山で死んだ方がいい、70歳で生活習慣病から脱却し、エベレスト登頂を成功させようと目標を持った」。
三浦さんは手始めに近くの標高500メートル余の里山にチャレンジ、目が回り、たちまち息が上がり、体力低下にがく然となった。
まず、普通の体力に戻るようにトレーニングを開始。飲み放題、食べ放題のがまんしない生活で、ダイエットをしようと考え、靴と背中に重りをつけて歩いた。続けるうちに、自然と体重が減り、体力、脚力が戻り始めた。
5年間掛けて、周到な準備をして臨んだエベレスト、感動の登頂を終え「心は若いままでも、手段は年相応が大事。夢を実現させるには、健康でなくてはならない。次の目標は75歳で再び、エベレストを目指すこと」となお、意気盛んなところを見せた。