TOSCクラブマネージャー 山岸孝太朗さん(25)
スポーツ通じて地域づくりを
3年目を迎える伊那市総合型地域スポーツクラブ東部地区クラブ(TOSC)。本年4月から、2代目のクラブマネージャーを務めて、会員の活動を支援する仕事に力を注いでいる。
会員412人が集う、市内でも大きな地域スポーツクラブのマネージャー。「キッズビクス」「ベビースイミング」「ジュニアフットサル」などの5講座を運営するほか、東部中学校の部活動や地域の少年スポーツ活動の支援などにも当たる。
「会員を中心に、地域の体育指導員、スポーツ少年団関係者、小中学校の教員などの運営委員からアンケートを取りながら、講座、イベントの企画を立てるのが一番の苦労」
数々の関係者と連絡を取り合い、講座募集のための広報活動、会場確保などの仕事にも汗をかく。
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大学卒業後、帰郷し、事務機器を販売する会社へ就職するが、友人の前クラブマネージャーに代わって仕事を引き受けた。「スポーツ関係の仕事がやりたかった」竏窒ニの思いもあり、2年間勤めた職業を迷いなく転職した。
小学校3年から現在までの15年間、部活動などでサッカーに携わってきた。子どもたちのサッカー技術の向上へつなげるため就任後「ジュニアフットサル」講座を企画、開講。自ら、受講生の指導もする。
サッカー王国ブラジルの名選手と言われる「ロナウジーニョ」「ロビーニョ」も幼いころはフットサルで技術を磨いていたという。
「ブラジルサッカーは判断の早いプレーや個人の技術が秀でている。狭いコートの中でマークを外し、精度の高いパスを出すことは、子どものうちから必要な技術だと思う」
これまでの経験を仕事に生かそうと努力する、アイデアマンでもある。
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TOSCのコンセプトは「いつでも どこでも だれとでも」。地域スポーツクラブの発足理念である、単一種目ではない多種目を多世代で楽しむこと、それを含めてスポーツを通じて人との係わり合いによる地域づくりを目指している。
子どもから大人までが気軽にいろいろなスポーツを経験でき、レベルに応じた「生涯スポーツ講座」と、技術向上のための「競技スポーツ講座」を両立させることが理想の形となる。
少子化でスポーツ少年団の加盟者も少なくなっている時代。「今の子どもたちは運動能力が低下してきているので、小さいうちからスポーツを楽しむことを覚えてもらいたい。そして、世代を越えた地域の人とのつながりの中で交流を広げ、成長した時に地域を盛り上げてくれる存在になってくれれば」と願う。
現在は高齢者から小学生までが一緒にプレーできる「ふわっとテニス」講座で活動の枠を広げようと試みる。通常より大き目のゴムボールを使う、誰もが簡単に楽しめる競技をクラブの柱にして、多世代の交流を活発化させる狙いだ。
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「今までは競技者としての立場だったが、スポーツを支える立場の仕事も魅力がある。会員がいろいろな種目を楽しんで、地域間に多くのふれあいを生んでもらえれば嬉しい」
◎各講座内容などについての問い合わせは、伊那市総合型地域スポーツクラブ東部地区クラブハウス(TEL71・8175)へ