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2311/(土)

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マツタケ山が危ない?
富県地区で松くい虫への懸念が広がる

 伊那市富県地区は、拡大する松くい虫被害への強い危機感を募らせている。地区がグリーンツーリズム事業の一環として取り組む「きのこ山オーナー制度」は、マツタケが採れることが一番の売り物。マツタケはやせた土地に育つとされているため、マツタケ山の松は必然的に弱る。しかし、松枯れの原因を運ぶマツノマダラカミキリは、弱ったマツに卵を産む。そのことが大きなジレンマとなっている。
 伊那市の松くい虫被害は今年3月、東春近田原と西春近表木で確認された。松くい虫被害は標高は800メートル以下でしか確認されていないとされているが、年々高い標高でも確認されるようになっている。標高約1300メートルの高烏山を背負う富県の住民の中には「温暖化の影響で今後、もっと上にも飛んでくるのではないか」と懸念する声もある。
 4年目となるキノコ山のオーナー制度は、昔からマツタケが採れている山林を利用して、年に数本のマツタケを収穫するオーナーも出ている。今年も地元や県内から集まった86人が約35ヘクタールのオーナーに登録している。
 富県グリーンツーリズムは、高烏谷山を背景とした田園風景を売り物に事業を展開しているため、松枯れが深刻になればマツタケに限らず取り組みそのものにも影響を与えかねない。
 富県では、除間伐などで松林を整備し、松くい虫被害対策を図っていきたいとしているが、確実な防除策はないのが現状。センチュウは見つかっていないが、松枯れを確認している個所もある。

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