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村長のアイデアで、軽油と水の新燃料が開発

村長のアイデアで、軽油と水の新燃料が開発

 金属表面処理の宮田アルマイト工業(宮田村大田切区)が提案し、化学プラントメーカーの日本テクノ(東京)と東京工業大学が共同研究している軽油に水を加える混合燃料について、分離せず安定した品質を得る技術の開発に成功したと発表した。17日に宮田村で行ったディーゼル市販車の実走実験にも成功。同村は今後、公用車に同燃料を試験導入したい考えも明らかにした。
 数年前、宮田アルマイト工業の社長だった清水靖夫宮田村長が、日本テクノの攪拌(かくはん)による脱脂技術に着目。
 発想を転換して、「油と水を混ぜて燃料化できないか」と持ちかけた。
 その後、日本テクノと東京工業大学が共同研究。軽油7に対して水を3にする混合比や使用する界面活性体(洗剤)の種類、量などの技術を開発した。
 宮田村役場で行った実走実験には、村職員や商工会員ら約30人が参加。混合燃料を搭載したディーゼル車が駐車場を走った。
 軽油に水を混合すれば、油が硬直してエンジンは動かないのが常識だったが、日本テクノの大政龍晋社長は「分離せず安定する技術は世界初。研究により、二酸化炭素の削減や燃料効率のアップにもつながる」と説明した。
 清水村長は「省エネを村から発信できれば」と話し、今後は公用車に新燃料を試験的に導入し、効果を見極めていく考えも示した。

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