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大雨、各地で深刻な被害

大雨、各地で深刻な被害

 15日から降り続いた記録的な大雨は19日、上伊那各地で土砂災害や床上・床下浸水をもたらした。避難勧告や避難指示が相次ぎ、多くの住民が眠れない一夜を過ごした。

大雨、各地で深刻な被害

 上伊那では伊那市、南箕輪村、箕輪町などの天竜川沿い、傾斜面沿いで被害が発生。諏訪湖釜口水門の放流量が増えた結果、南箕輪村の北殿の天竜川水位観測所は19日午前6時に計画高水位を上回り、箕輪町松島地籍では右岸の堤防が決壊。伊那市棚沢川と天竜川の合流点では、消防団が出動して堤防の決壊を防ぐ土嚢を積んだ。
 伊那市は、天竜川の氾濫(はんらん)で被害が想定される中央区、山寺区、福島区などの15区や、土砂崩落などがあった西春近地区などに避難勧告を発令。天竜川の北殿観測所が計画高水位に迫った午前3時50分、勧告を指示に切り替え、市職員らが対象地区の民家を回り避難を促した。今回避難対象となった人は約5070人。担当職員は「おそらくこの20年で最も多い数」と話す。伊那市内では山寺天竜町、東春近の一部で床上浸水もあり、東春近は一時電気・水道が止まった。
 箕輪町は、土砂崩れが発生した北小河内地区の470世帯1237人に避難勧告を発令。また、午前10時25分に北島水源より少し上流天竜川右岸の堤防が幅約300メートル決壊。堤防から約60音メートル侵食しているが、堤内地側への浸水被害はなく、テトラポットを積む応急対策をしている。
 天竜川の水位が特別警戒水位に近づいた午前6時15分、北小河内、沢、松島、の一部に避難勧告を出し、堤防決壊の恐れから午前9時、松島天竜町から南へ町道6号までの地域に避難指示を発令。国道153号バイパスの松島区間を通行止めにした。堤防が決壊した午前10時40分。JA飯田線東側の帯無川までと三日町の一部に避難を拡大し、830世帯2100人に避難指示を出した。松島区、北島地域のみ避難指示を継続している。
 天竜川北殿水位観測所の水位を警戒していた南箕輪村は、北殿、南殿の集落の一部で避難指示を発動。一時8メートルを越える水位となったが、決壊はしなかった。
 19日午後には徐々に天気が回復し、伊那市、南箕輪村は指示を勧告に緩和。箕輪町は指示を勧告に、勧告を解除した。その後伊那市は、一部深刻な被害があった2地区を除き、全域で勧告を解除。水位上昇のために通行禁止としていた中央橋の通行止めも解除したが、19日午後4時半現在で天竜橋、水神橋、明神橋、殿島橋の通行禁止は解除していない。

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