定数削減と広い空白地帯で、各陣営票読みに苦慮
村議選、中盤の情勢
任期満了に伴う中川村議選は、定数10に対し、2人オーバーの12人が立候補。激しい選挙戦は早くも中盤にさしかかり、定数が16から10に大幅削減されたことや、片桐北部の大空白地帯など特殊な環境の中で、現職、新人を問わず、異口同音に「票が全く読めない」と困惑ぎみ。投票率を前回並みの87%と設定すると、ボーダーライン260-270票前後、ほとんどの現職が50-百票以上の上乗せが必要とあって、現職にとっても厳しい選挙になっている。
激戦区は牧ケ原トンネル南の片桐南部地区、現職4、新人1の5人が立候補。特に200票余に無所属3人(現職2、新人1)が立候補した南田島地区では、至近距離で三つ巴の激しい戦いを展開。村田豊氏は「前回の2倍以上とらないと当選できない」と、逃げる票を警戒しつつ、前職(JA職員)の関係で全村、特に片桐北部地区の果樹農家に浸透を図る。松村隆一氏は「非常に厳しい、新人に食われている。内を固め、北部に活路を見出したい」。新人の山崎啓造氏は「基礎票が少なく、全体的に浮動票も少ない。候補の意欲、やる気を前面に出し、フル活動していく」とした。
田島の桃沢時江氏は「南田島の影響を受けている。地元の目減り分を北部で回復させたい」とする。中央の松下昌嵩氏は前回がトップ当選だっただけに、「大丈夫」という雰囲気を怖れ、他陣営の激しい切り崩しを警戒する。
新人では立候補者説明会の直前に表明した湯沢賢一氏は「出遅れの感は否めない。ともかく地元が頼り」と中組の組織固めに力を注ぐ。6月中旬に出馬を決めた斉藤登氏も「出遅れが響き厳しい。ようやく、地元の美里を中心に組織が固まったが、美里は人口が小さい。他地区に支持を広げている」。村内全域で草の根的に展開する高橋昭夫氏は「組織がなく、1票1票の積み重ねだが、手応えは感じている。選挙を通じて、自分の考えを発信したい」とする。
大草地区と片桐地区に分けて、手堅い選挙を展開する共産党は、2議席死守を目指す。「党の基礎票があるからと言われるが、幻の票で、無所属の候補と同様に厳しい」とした。
また、片桐地区は大草地区より有権者が約百人多く、候補は5人と、大草地区よりも2人少ない。「最後は地域心理が働き、片桐地区は有利」との声もあった。