塩尻市奈良井川河川敷男女焼死事件 保険金訴訟
塩尻市の奈良井川河川敷で02年10月12日、燃えた車から男女2人の遺体が見つかった事件で、無くなった会社員酒井宏樹さん=当時(24)の両親(伊那市在住)が生命保険会社に、保険金など約3600万円の支払いを求めた訴訟の第2回口頭弁論が8日、地裁飯田支部であった。
宏樹さんは02年1月1日付で、母親・倫子さんを受取人として保険を契約。保険会社は警察の無理心中の可能性が高いとの判断に、契約後1年以内に自殺した場合は支払わない竏窒ニし、遺族は息子が他殺されたことを立証するため、民事訴訟を起こした。
この日は倫子さんに対し、原告、被告側双方の代理人が尋問。原告代理人の長谷川洋二弁護士は、事件の数日前に宏樹さんが▽時計を修理に出している▽事件後に友人と会う約束を携帯のメールで交わしている竏窒ネどの事実を確認し、他殺を主張した。
保険会社側は、宏樹さんの借金や、死亡した女性との間にトラブルがあったか、などについて質問した。
倫子さんは司法解剖の結果について「自殺するなら肺中が煙でいっぱいになるはず。タバコ一腹分だけ(の煙の検出)なら(息子が)虫の息だった証拠」とし、焼死自殺を否定。「保険金請求が認められれば他殺と分かる。(県警)にもう一度、再捜査を伝える気持ちがある」とした。
10月24日午後4時からある第3回口頭弁論の後、結審の予定。判決は本年中に出る見込みになっている。