かんてんぱぱで高橋貞夫さんの木彫&彫彩展
漆と彫りを用いる独自の技法「彫彩」で、神秘的な空間をつくる大町市の木工芸作家・高橋貞夫さん(66)の個展「竏虫條ヤと空間の創造竏猪リ彫&彫彩展」が10日から、伊那市西春近のかんてんぱぱホールで開かれている=写真。郷土の自然や季節の植物を題材としたオブジェ約100点が、訪れた人を魅了している。
故・山本鼎氏が提唱した農民美術の活動拠点「日本農村美術研究所」の一期生として木彫を学び、日展や日本現代工芸美術作品展に数々の作品を出展してきた高橋さん。南信での個展は初めてで、過去の入賞作も多く集めた。
10年ほど前からは独自の世界を表現する方法を模索し、漆を施した版に木彫を組み合わせる「彫彩」を確立。木の素朴さと、それに相反する整った漆の表情を同じ作品に用いることで木彫だけでは実現できなかった世界をつくり、自然や宇宙が持つ生命力、神秘的な空間を表現している。
高橋さんは「こうした作品が信州で生まれていることを知らない人も多い。これを機会に、多くの人に知ってほしい」と話している。
入場無料。午前9時縲恁゚後6時。22日まで。