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2311/(土)

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林業大学校を卒業後、長野県産のカラマツなどを製材にする民間企業で働く
 中川村 飯島克也さん(23) 
駒ヶ根市 柏原克好さん(22)

林業大学校を卒業後、長野県産のカラマツなどを製材にする民間企業で働く<br> 中川村 飯島克也さん(23) <br>駒ヶ根市 柏原克好さん(22)

木曽町の長野県林業大学校で2年間を共に学び、カラマツ、アカマツといった県産材や国産材を製材する今の職場に就職した。「外材はまず、見た目が味気ない。ある程度の強度はあるが、国産材に比べるとやっぱり弱い」「気候風土に合った木ならいいけど、やっぱり日本で育った木は日本で、長野県で育った木は長野県で使うのが一番いい」と口々に話す。
 チェーンソーやコンパスは学校でも扱っていたが、木材加工用の機械など扱ったこともなく、技術面は一から学び直した。「学校の作業は原木を見ることが中心だったから、最初は材を見てもその木の種類は分からなかった。でも今は、それが分かる。カラマツのように硬めの木は細かく、アカマツのように柔らかな木は粗めに仕上げるんです」と柏原さん。
 ◇ ◇
 林業大学校での2年間は、間伐・除伐の方法から、木の種類、育て方まで、山林整備に必要なあらゆる知識と技術を学んだ。講義の3分の1は実習。1日があっという間に過ぎ、林内での作業に心も和んだ。「部屋の中の講義より向いていたんだと思います」と口をそろえる。
 就職してからの生活は一変した。木を加工する側になり、山へ行くことはなくなった。「製品」をつくる作業は単調で、嫌気を感じることもあった。
 反面、嬉しかったこともある。納品を済ませたはずの職人さんが、納品後も度々材を買い足しにくることがあった。不思議に思い「寸法を間違えたんですか」と尋ねると、自分たちの製材した材を見た別の客が「自分のところでも同じ材を使ってほしい」と次々に依頼してきたのだという。
 本当に自分たちの材は実際の現場で使われているんだ竏秩Bそう実感し、多くの人が認めてくれたことが嬉しかった。
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林業大学校を卒業後、長野県産のカラマツなどを製材にする民間企業で働く<br> 中川村 飯島克也さん(23) <br>駒ヶ根市 柏原克好さん(22)

国産材を取り巻く環境は厳しい。輸入材に比べ、依然として国産材の価格は高い。国産材使用の機運は徐々に高まっているが、生活との折り合いもあり、なかなか普及につながらない。しかし、国産材と外材の長所・短所を知り、納得して買ってくれている消費者も増えてきた。「今はそうした長所・短所を知らない人の方が多い。だから消費も中々伸びないんだと思う。でも、需要が高まれば、価格面を安くすることもできる。そのためには、確かな技術を提供したり、需要が高まるような新しい方向を見出すことが必要。でも、やりようによれば、何でもどうにかなるんじゃないかって思うんです」

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