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南箕輪村
太鼓グループ「鼓龍」

南箕輪村<br>太鼓グループ「鼓龍」

 「仲間の顔を見ながら太鼓を打つのはいい。さらに人に見せる場があって、拍手でももらえば最高だね」
 94年、村おこしに-と、南箕輪村が太鼓を購入し、「大芝高原太鼓」という曲を外部委託で作成。村公民館が太鼓教室を開いた。同年暮れ、教室で学んだ有志が、クラブチームを作って演奏を続けよう-と、「鼓龍」を立ち上げた。
 最初は30人ほどでスタート。公民館教室はその後も2回あり、受講者の中から希望者が順次チームに加わった。太鼓初心者の集まりだったが、仲間同士で教え合い、学び合い、チームを作ってきた。
 その後、20人くらいで活動する時期が長く続き、10周年を機にメンバーが入れ替わった。現在は、発足当初からの仲間は3人だけだが、高校生を含む16人で活動。小・中学生のグループ「CoCo龍」を作り、後継者の育成にも努めている。
 太鼓のグループは、高価な太鼓の購入、音響の問題による練習場所の確保、太鼓の保管場所など活動に苦労していることが多い。さらに、打つのに熱心な人がいないと継続していくことは難しいという。
 鼓龍は、村の太鼓やメンバーが個々に買い足した太鼓を使い、毎週火曜日の夜、2時間ほど村民センターで練習を重ねている。
 「大芝高原太鼓」をはじめ、さまざな曲に挑戦し、大芝高原まつりや村民文化祭のほか、各地で公演してきた。手持ち曲の「大芝高原太鼓」にはファンもいる。「いい曲。大事に続け、後世に伝えていくチームにならないといけないと思っている」と井原夏二代表は言う。「村に新たな太鼓グループが生まれ、演奏してくれたら…」と期待もしている。
 チームの課題は「輪」を作っていくこと。熱過ぎず、冷め過ぎず、太鼓チームとしては中間くらいの状態。「それをずっとキープしないとつぶれてしまう」。時には外部の指導を受け、正しい打ち方を勉強する。技術の向上を図りながら、「楽しく打ちたい。打つからにはうまく見られる打ち方もしたい」と、ばちを握る手にも力が入る。
 新しい仲間をいかに育てていくかも課題で、「長年やってきた人と同じレベルとまではいかなくても、太鼓にのめり込むくらいにはなってほしい」と井原代表。「太鼓は奥が深くて魅力がいっぱい。それを自分で見つけてくれるようになってほしい」と願っている。
 運動量も多く、リズム感も要求される太鼓だが、演奏する曲は、少し難しいくらいがいいという。「簡単な曲は面白くない。ここまで練習して、完成したというのがいい」。発表の場も大切で、人に見られることで成長し、観客から元気をもらう。
 太鼓は、形は違えども、世界中どこにでもある。「自然発生的に、人間の欲求として太鼓があると思う。世界中の人が太鼓を打つ。その端くれに自分たちも携われるのはこの上ない喜び」。魂を揺さぶる太鼓の響き。その音に人が集まる。
 26日に迫った南箕輪村の大芝高原まつりでは、初の担ぎ桶太鼓で、鼓龍独自のアレンジをした「大芝高原音頭Newヴァージョン」と、「オケ鼓っこ」を演奏し、鼓龍の心意気を見せる。

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