上農高校小澤君、ダチョウの人工ふ化に成功
上伊那農業高校生物工学科3年の小澤眞也君(18)がこのほど、ダチョウの人工ふ化に成功した=写真。最初にふ化した一羽は、生後15日で死んでしまったが、次にかえったもう一羽は順調に成長している。ダチョウの研究は始まったばかりで、ふ化も確立していないため、ニワトリなどと比べ、人工ふ化は難しいという。同校での成功は3例目。小澤君は「ふ化機の卵を毎日チェックするのは大変だったが、生まれた時は達成感があった」と語り、無事な成長を願う。
上伊那でも、経済的価値の高いダチョウの飼育に取り組む施設などが増えているが、その管理方法などは確立されておらず、未知の部分が多い。これらの実情に着目した小澤君は「飼育環境や管理方法を確立し、地域に少しでも貢献できれば」と研究を始めた。
6月から、伊那市西箕輪の「信州オーストリッチランドダチョウ牧場」から提供してもらった2つの卵をふ化機に入れ、毎日の状態を記録。そのうち一つは、無精卵だったためかえらなかったが、もう一つは7月にふ化した。しかし、もともと群れで暮らすダチョウを1匹で飼育したことによるストレスと、高温による脱水症などで死んでしまった。
その後、新たに卵を提供してもらい、現在のヒナが今月6日にふ化した。今回は、八ヶ岳ダチョウ牧場から借りてきた3羽のヒナと一緒に飼育したり、温度管理に気を配りながらストレスの軽減を図っている。
昨年は別の生徒が人工ふ化に成功し、約140日間、生きていたが、飼育小屋に移した時、環境の変化からくるストレスで死んでしまったため、早い段階から外の環境にも慣れさせていく。
現在も別の2つを人工ふ化させており、成功すれば9月縲・0月にヒナがかえる。