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権兵衛トンネル、中京方面からの新たな通行ルートとしての利用が進む

権兵衛トンネル、中京方面からの新たな通行ルートとしての利用が進む

 念願の権兵衛トンネル開通から半年が経過した。1カ月の利用台数が2千縲・千台におよんでいる一方、大型車の混入率は、例外を除き最大でも4分の1程度に留まっている。乗用車は依然、観光目的の土日利用が多いものの、平日利用も増加。中には、休日に匹敵するほどの利用台数を記録する平日もあり、一般的な通行ルートとして定着してきている。開通当初に見られた物珍しさからくる観光は終息しつつあるが、中京圏から伊那を訪れる新たなルートとして、トンネルを利用する人が増えている。観光面だけでなく、迂回路としての機能も発揮しており、地元から全国へ、トンネルの認識が広まっている。
 各地で交通規制が発生した7月の豪雨災害の時、権兵衛トンネルに交通規制がかかる直前の7月18日、トンネルを利用する大型車の混入率が45%を上回った。特に、木曽から伊那に抜ける大型車が増加し、1123台を記録。初めて千台を越え、通常の3倍以上の大型車が集中した。
 当時、大雨の影響で木曽側の国道19号で土砂崩れが発生し、奈良井竏忠鱒K間で部分的に交通規制があった。そのため「中津川から塩尻方面に抜ける中京方面の大型車などがトンネルに迂回したと考えられる」と木曽建設事務所の担当者は話す。
 飯田国道事務所などは、松本方面からの迂回路として機能した事例を3月末に公表しているが、今回のことで中京方面からの迂回路機能も証明された。

権兵衛トンネル、中京方面からの新たな通行ルートとしての利用が進む

 観光面でも、新しい変化がある。
 トンネル開通以後、来場者数が伸びている伊那市西箕輪の農業公園みはらしファームは、帰省客や行楽客が集中する盆の間、「名古屋」「三河」などの中京方面ナンバーが駐車場に並んだ。みはらしファームでは、もともと中央道を利用して訪れる中京方面の観光客が多かった。しかし、トンネル開通後は「中央道を中津川インターで降り、木曽を観光してからトンネルを抜けて伊那側に来た」という話を多く聞くようになったという。
 当初は「中央道で直接伊那に来れる中京方面の観光客が、わざわざトンネルを抜けて伊那に来るのか」という声もあった。しかし、伊那観光協会名古屋観光案内所の小島茂所長は「中京の人にとっても、中央道をただ往復するより、木曽から伊那に抜けるルートの方が魅力的。権兵衛峠しかなかった時は時間がかかったため、木曽から伊那に抜ける人は少なかったが、トンネルが開通して時間短縮が可能となった。また、高速料金の軽減もできる。トンネルの認識は中京圏でも広がっている」として、今後、このルートでの観光が一層増えることを示唆している。
 これまで“中央道で3時間”を売りに、中京方面での観光PRをしてきたみはらしファームも現在、中京圏の雑誌社や観光会社に、木曽から伊那に抜ける観光ルートを提案しており、新たな魅力でトンネル効果に拍車を掛けている。

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