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伊那市でアマサギの子育てを確認

県内で繁殖例ほとんどなし サギ科6種が混合コロニー形成

伊那市でアマサギの子育てを確認

 県内ではほとんど繁殖しないとされていた渡り鳥のアマサギが、伊那市内の段丘崖(がい)に営巣し、子育てをしていることがこのほど、日本野鳥の会の会員で宮田小学校教諭の原一彦さん(54)=駒ケ根市中沢=の観察で確認された。営巣地は、これまで5種類のサギが混合コロニー(集団生息地)を形成してきた森で、原さんは「アマサギを加え6種類ものサギが集団繁殖しているということも県内では報告されていない」と驚いている。
 原さんは00年に同段丘崖で混合コロニーを発見した時、すでにアマサギの姿を確認しているが、その時は営巣していなかった。その後、定期的に段丘崖の観察を続けたところ、今年5月末に2対の親鳥を見つけ、「不思議に思った」(原さん)。
 日本で見られるアマサギは本来、夏鳥としてフィリピンなどの南方より5月ころ飛来し、本州から九州までの比較的温暖な地域で繁殖。冬に再び南方に戻る。長野県には渡りの途中に立ち寄る程度だった。
 5月末になっても伊那市に留まっていることに疑問を抱いた原さんはその後もひんぱんに観察。6月になって巣らしきものの中で雌の親鳥が「座り込んでいる姿」を目にし、「ひょっとして卵を抱いているのでは」と直感した。そして、8月に入って、ひなを確認。望遠レンズで写真に収めることに成功した。
 本来、営巣しないとされていた内陸の寒冷地で繁殖が確認されたことについて原さんは「最近は北海道などでも繁殖が報告されている。温暖化が影響しているのかも」と分析している。
 同段丘崖の森で混合コロニーを形成しているサギ6種は、ダイサギ、チュウサギ、コサギ、アオサギ、ゴイサギ、アマサギ。

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