伊那広域シルバー人材センター箕輪地区
樹皮絵サークル
サークル活動で趣味の世界広がる
仕事だけでなく趣味を生かして互いの交流を図ろうと、伊那広域シルバー人材センター箕輪地区は、会員がサークルを作って楽しく活動している。3年前、カラオケサークルが発足。今年3月には、より活発な会員活動を願い、新たに樹皮絵、手芸、マレットゴルフの三つのサークルが出来た。伊那広域シルバー人材センターの中で一度に三つものサークルが立ち上がり活動しているのは箕輪地区だけという。
その中の一つ、「樹皮絵サークル」は会員14人。樹皮絵は、色紙などに樹皮とコケをはって絵を描く木の皮の張り絵のような作品。主に山水風景を題材にしている。皆、初心者で、第1・第3金曜日の月2回、箕輪町産業会館に集まり、趣味で樹皮絵に親しんでいる大槻長司さん=上古田=の指導を受ける。
1作品目は、皆が同じ題材に挑戦。「樹皮の選び方、張り付け方、絵の具を使った色付けなど難しい」。要領がつかめるまで苦戦しながらも、約2カ月半かけてそれぞれの作品を完成させた。
「先生の見本を見て頭に描いたものを樹皮を張って表現する。でも失敗を繰り返し、いい絵になっていない」と代表の伊藤昇さん。「慣れれば慣れるほど、絵に心を寄せるようになればなるほど、難しくなる」という。
現在は2作品目に挑戦している。制作に取りかかってすでに3回目。皆とても熱心で、部屋には指導する大槻さんの声しか聞こえないほどだ。
「今まで木の皮に関心はなかったけど、樹皮絵を初めてから注意して見るようになった」「木の皮を拾うのが楽しくなった。これは山に使える、これは岩になる-と関心を持つようになった」
「この辺には樹皮は落ちてないよ。全部、私たちが拾っちゃったから」と笑うほど、これまで見過ごしていた樹皮に自然と目がいくようになり、「うんと興味が出た」という。
シルバー人材センターに登録する同じ仲間であっても、日ごろは職場が違う。そのため、年1回の総会など顔を合わせる機会は限られている。しかし、サークル活動によって新しい交流が広がっている。
「趣味を一つでも二つでも持つことは、心の広さが違ってくる。共に生き、支え合い、助け合うのが本来の姿。シルバーに行ってサークルで仲間を作り、新しいことを覚える。こういうサークルを本当に大事にしていきたい」と願いながら、作品づくりに打ち込んでいる。