トリクロロエチレン浄化見学会
駒ケ根市町四区の旧龍水社赤穂工場跡地から国が定めた環境基準を超える化学物質のトリクロロエチレンが検出された問題を受けて、土地を管理していた上伊那農業共同組合と汚染土壌の浄化工事を行っている竹中工務店は25日、関係住民を対象にした現場見学会を現地で開いた。住民ら約30人が参加し、竹中工務店の担当者から土壌の掘削現場や浄化の工程などについて説明を受けた。住民は「工事はいつ終わるのか」「本当にこれで安心なんだろうな」などと質問していた。同工務店の木村玄さんによると「7月の長雨の影響で工事が中断した以外に大きな問題はなく、工事は順調に進んでいる。9月9日に完了の予定」という。
汚染土壌は敷地のうち、以前社員寮があった西端部分の約500平方メートル・深さ約5メートルの約2500立方メートル。「ばっ気浄化工法」(テント内でばっ気、揮発、吸着した後、埋め戻す)で浄化している。地下水は「揚水・真空吸引併用工法」により、今後2年間かけて浄化していく。
同地では04年10月以降数回にわたる調査の結果、国が定めた環境基準の1リットル当たり0・03ミリグラムを大きく超えるトリクロロエチレンが、地下水から最高8・9ミリグラム、土壌から1・4ミリグラム検出された。
トリクロロエチレンはドライクリーニングの染み抜きや金属・機械の洗浄などの用途に使われる有機塩素系溶剤の一種。人体に対しては皮膚や粘膜への刺激、頭痛や倦怠感などの症状を生じさせ、高濃度の暴露では死亡することもある。