ミカドテクノスが新アイデア
真空・高圧 含浸・充填装置
ユニークな工作機械を製造するミカドテクノス(本社・箕輪町、伊藤英敏社長)が、新たなアイデアによる新型機械の製作に乗り出している。「真空・高圧含浸・充填装置」とも命名するべきもの。
作業が困難とされてきた微細穴内部への金属や樹脂の充填などが容易にできる。従来は、大気中で微細穴に充填物を溶かして注入しようとしてきたが、穴内部に気泡ができるなどして作業が難しかった。
同社では、数年前に開発した「瞬時真空プレス」の技術を応用発展させ、真空状態で微細穴に溶けた金属や樹脂を流し込み、それが固まらないうちに瞬時に空気圧をかけて奥まで押し込む技術を開発した。
この技術を利用すると、例えばガスボンベのフタに使用するボルトに、穴を開け、そこに融点の低い金属を充填することによって、火事などの際に温度が上がるとガス抜きの穴が開く安全なボルトにすることができる。
伊藤社長は「まず真空状態で解けた金属を流し込んだり、あるいはその中に漬けたり、空気に邪魔されずに奥までしみ込ませると言うのが新しい発想。新素材への利用など、様々な応用が期待できる」と話している。