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阿竹晃子さん(63)、

駒ケ根市福岡、画家で陶芸家

阿竹晃子さん(63)、

 絵も陶芸も根っこは同じ、表現方法が違うだけ。心の趣くままに描き、造形する-。
 ◇◇
 1943年、名古屋市で彫刻家の故・中村喜平さんの長女に生まれ。子ども時代は川口市で過ごす。父の彫刻は売れず、母が和裁で一家を支えた。「父が好きで、まつわりついていた。父のモデルも務めた。父は生きていくにはお金は必要。85%はお金でカバーできる。残りの15%はお金では満たされないとよく言っていた」と父の思い出を。
 偉大な彫刻家の父の背を見て育ち「気がついたら描いていた」と10代から独学で絵を描き始めた。「人物画はものすごく好き、モデルを見ると燃える。色彩は明るく、鮮やかな色に引かれる。冬は景色、粉雪が降る景色がいい」。父から母に毎日のように届く絵手紙を見て、絵心を誘われたとか。
 25歳で夫の実さんに出会い、大恋愛の末、結婚。工業デザイナーを目指し勉学中の夫を支え、2女に恵まれた。次女のおむつを取れた時「むしょうに手が乾く。何かやってみたいと、父に相談すると、陶芸を勧められた」という。
 陶芸家、岡村昭男さんに師事。「なにものにも捕らわれず、好きな物を好きなように作る」それが身上。「いいこともいやなことも、泣きたいことも作品にして吐き出す。絵を描くように、自由に形づくる。絵と陶芸、材料が違うだけ」とか。
 陶芸はお金にしやすい」と、経済的に困窮すると、陶芸の個展を開催。「いい友達に恵まれ、友達が心配して買ってくれるから、ほとんど完売する」とか。
 50歳から俳句をはじめ、60歳には盆栽にも目覚め、昨年から亡き父の工房(駒ケ根市福岡)に移転し、釜を構え、創作活動に励む。
 「駒ケ根市は自然がきれいで幸せ。冬もいい。歩いて、氷や雪をすくって食べる」と寒さも楽しんでいる。「釜を持って、独立したら、自分に腕がないのに、愕然とした。穴があったら、作品を埋めたい。原点に返って、どうして焼物を始めたのか、自分はどういう物を作りたいのか、考えていきたい」と話す。
 陶芸教室は毎週金、日曜日午後2時、7時。1人暮らし、(大口国江)
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