第1回ものづくり日本大賞優秀賞受賞
中村製作所
精密金型設計・製作、超精密プレス部品加工などを手掛ける中村製作所(本社・岡谷市、中村一成社長)のプロジェクトが、政府主催の第1回ものづくり日本大賞優秀賞を受賞した。プロジェクトテーマは、「(世界初)超小型電子記憶装置用基台のプレス製造法-研究開発、実用化に成功」。中村社長は、「若い人が技術を継承する励みになればうれしい」と受賞を喜んでいる。
ものづくり日本大賞は、政府が新たな総理大臣表彰制度として創設。日本の産業・文化を支えてきたものづくりを継承・発展させるため、ものづくりを支える人材の意欲を高め、存在を広く社会に知らせるねらい。表彰対象はものづくりに携わる人材やグループ。今後、2年に1度表彰予定。
中村製作所は、産業・社会を支えるものづくり分野の中でも挑戦しにくいとされる「製造・生産プロセス」に応募。プロジェクトチームは、伊那工場(箕輪町三日町)のメンバーと同製作所の金型の95%を製造している三協精密(本社・須坂市)の柴田安雄社長の10人。
プロジェクトは、デジタルオーディオプレーヤーなどに使われるハードディスクの基台の小型化。従来、アルミを溶かし型に流し込む方法で製造していた2・5インチの基台を、7-8年前に金型の設計やミクロン代の金型の微調整など数々の特許や優れた技術ノウハウを駆使し、プレス製造法による鉄製の1・8インチの基台の実用化に成功。鉄、ステンレスなどを材料に、プレス加工にしたことで精度の高い商品が生まれた。現在1インチ、世界最小の0・85インチまで開発。1インチ基台はすでに商品化している。
「精度は当然だが回転が早いので、1日でも1時間でも早く金型を造ることをテーマにしている」と三協精密の柴田社長。中村社長は、「創業間もなくから開発志向が当たり前のようにあった。今後も、若い世代と一緒にタイアップしながらものづくりを次世代に引き継いでいく」と話した。
1インチの基台を持つ中村一成社長