雑穀アマランサス・キノアのシンポジウム
加工食品の開発、地域おこしなどの事例を聞く
「第10回アマランサス・キノアシンポジウム」が16日、南箕輪村の信州大学農学部であった。地元をはじめ、大阪府、茨城県、栃木県などから大学の研究者、農業従事者など60人が参加。「地域でアマランサスをどういかすか」をテーマに、加工食品の開発など事例を聞いた。17日まで。
アマランサスなど雑穀の普及に取り組む日本アマランサス・キノア研究会主催。従来、学術研究が中心だったが、昨年から伊那地域でアマランサス栽培が始まったことで、一般の人にも知ってもらおうと市民フォーラムのような形を取った。
アマランサスは中南米産のヒユ科の穀物。鉄分やカルシウムが多く、たんぱく質は白米の2倍と栄養価値が高い。
大阪市立大学大学院生活科学研究科の小西洋太郎さんは、アマランサスの機能性と食品素材としての可能性を話した。
種子は直径1ミリほどで、加熱するとはぜるのが特徴。クッキー、ギョーザ、酒、酢、茶など幅広く料理に使うことができる。雑穀は健康食品というイメージが強いものの、実際に食べている人は少ない実態。コレステロール値を下げる機能を持ち「健康志向から、雑穀が見直されている」とし、普及のために▽栽培を含めて食教育に生かす▽情報発信を続けていく竏窒ネどを挙げた。
そのほか、アマランサスによる地域おこし、栽培が盛んな岩手県北地域の取り組みなど5人が活動を紹介した。
展示ブースには、せんべいやパンなどの加工品、アマランサス栽培法の様子の写真などが並んだ。
17日は、伊那市高遠町のアマランサス畑の見学、アマランサスを使ったパスタやコロッケなどの試食がある。