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駒ヶ根市
こども本の会としょとしょ

駒ヶ根市<br>こども本の会としょとしょ

 子どものときの経験が、その人の人生を支えていくっていう。だからこそ、子どもたちに幸せでいてほしいんだよね竏秩B
 活動を始めて12年。年に1度、著名な絵本作家や編集者、翻訳家などを招いた講演会を開催し、小学校での読み聞かせを行っている。メンバーはみな女性で、家庭や仕事を持ちながらの活動しているため、全員がそろう機会はめったにない。しかし、ひとたび集まれば会話は尽きず、瞬く間に時間は過ぎていく。「例会のたびに必ずメンバーの赤ちゃんがいてね、それはそれで楽しかったよね。自分の子どもには『何人もお母さんがいて幸せだね』って言っている」「本と出合ったおかげでこんな若いお母さんたちとかかわってこれた。それはすごく幸せよ」。
 ◇ ◇
 講演会や読み聞かせの準備は、月に1度の例会で行う。読み聞かせを行う学校という環境には、ある種の強制力がある。そんな中、吸収力のある子どもたちを相手にするため「聞いてよかった」と思ってもらえるよう、プログラムの吟味を重ねる。
 子どもたちの反応はさまざまだが、身を乗り出したりせりふを口にするなどして目を輝かせる姿はかわいい。子どもたちは紙芝居の読み聞かせを通して人との共感を覚え、詩を口にすることで「言葉の力」を知る。昔から歌い継がれてきたわらべ歌は、心を和ませ、窮屈な気持ちを解放する。「私たちは今『知らない人と口をきいちゃいけない』という社会で子どもを育てているけど、そいうい環境は子どもの可能性を狭めている。気が付かない間に当たり前になっているのは恐い。だからといっていい加減なことも言えないけど、そういう社会だからこそ、言葉の可能性を信じたい」「子どもはいろんな芽を持っているけど、それを伸ばしてあげるのも、ぽきんと折ってしまうのも大人のつくる環境。最近は芽を折ってしまう環境が多いけど、“それでいいんだよ”って語りかけてくれる図書との関係はすごく大切だと思う」。
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 10月7日に開く今年の講演会には、『葉っぱのフレディ』や『ポケット詩集』など、数々の作品の出版に携わってきた童話屋の創業者で編集長の田中和雄さんを招く。詩との関わりが深い田中さんの講演を通して“言葉の力”を信じることを共感できれば竏秩Bそんな思いもある。「講演会は、詩や言葉、人との出会いのきっかけにしてもらいたい。そして心で感じた思いを、大人から子どもたちへと手渡ししてほしい。ぜひ子どもたちと一緒に参加してほしい」。

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