-
ルビコンと日本カーリットが合弁会社設立
ルビコン(本社・伊那市、登内英夫会長)は1日、日本カーリット(本社・東京都千代田区、松田和行社長)と合弁会社「ルビコン・カーリット株式会社」を設立した。新会社は導電性高分子アルミ固体電解コンデンサ「PC窶任ON」を製造・販売する。
資本金は3億円で、ルビコンが1億6千万円、日本カーリットが1億4千万円を出資。本社は伊那市におき、代表取締役社長にはルビコンの勝山修一社長が就任した。
近年、電子機器のデジタル化・コンピューターの中枢部分であるCPUの高速化に伴って、コンデンサの低ESR化(ESRとはコンデンサの抗生物質の抵抗値をトータルしたもの)、小型・大容量化が求められている。新製品はそうした市場の要求に答えるもの。
ルビコンは、アルミ電解コンデンサ分野でトップクラスの市場シェアと技術力開発力を持ち、日本カーリットは導電性高分子分野に強みを持つことから、両者の共同が、新事業分野での前進を開くと期待されている。
当面の生産規模は月産500万個。半年後には1千万個まで増産ずる予定という。 -
東京ビッグサイトに上伊那20社が出展
機械技術要素展盛大に東京都江東区有明にある東京ビッグサイトで日本最大の部品加工技術の展示会「機械技術要素展」が始まった。上伊那からは20社が出展、初日の22日から多くの来場者の注目を集めた。
同展示会は、製品の開発製造に重要な機械部品・加工技術の粋を集めたもので、9回目。全国から561社が参加。同時開催の第16回設計製造ソリューション展、第13回産業用バーチャルリアリティ展と合わせると1019社、来場予定者6万7000人を数える大規模な産業展だ。
上伊那からは宮田村機械加工グループ7社、箕輪町商工会工業部会3社(製品展示ボックスでの参加はほかに18社)、伊那市などが進めるニューフロンティアin伊那の4社、駒ヶ根テクノグループの4社、そのほか2社が参加している。
直径0・数ミリの微細穴加工や、新素材・難加工材の加工、ユニークなアイデアの加工ロボットなど、各社独自の技術を趣向を凝らして展示し、上伊那の製造業の水準の高さを示している。
村内の主要な加工業者が勢ぞろいした感のある宮田グループのブースは、場内でも人目をひく洒落た作り。同村のパブリックレコードの映像収録クルーも従えて、村商工会を上げての展示となった。
箕輪町商工会は、ミカドテクノスや伊藤製作所が自社製の製造用ロボットをデモ運転し、多くの客の足を止めた。<br> ニューフロンティアin伊那のテク・ミサワは、07年から欧州で施行されるクロムフリー(6価クロムなどの使用規制)に対応して新素材の加工に挑戦。
駒ヶ根テクノの塩澤製作所は、ダイキャスト製品の一貫製造や図面なしの少量試作のシステムなどを展示して注目を集めた。
出展した駒ヶ根市のハヤシの林社長は、会場で「自社の技術について質問され、他社の技術を垣間見られるのは大いに刺激になる。こうした催しに力を合わせて参加することが重要」と話した。
同展は24日まで行われる。 -
始まるか?「広域的地域づくり」
上伊那は06年、大きな変化を迎える。
一つは2月4日の権兵衛トンネル道路の開通による経済・生活圏の拡大。もう一つは3月31日の伊那市・高遠町・長谷村の合併による新伊那市の誕生。
これらの歴史的転機をとらえて、上伊那地域の経済・産業の振興を新たな次元に押し上げることが求められている。
だが、それはどうすれば可能なのか?
●経済圏拡大に見合う視野の広がりが必要
権兵衛道路開通を前に産業界はさまざまな動きを開始している。
木曽側では、首都圏からの誘客のために地域全体で観光業者などへの働きかけを強めている。漆器・木材木工品など特産品の売り込みのために、伊那での木曽特産展開催の道などを探り始めてもいる。その動きは伊那側よりも積極的に見える。これまで経済的には中京圏に組み込まれてきた木曽の人々が、中央高速道路を通じて首都圏に直結することに賭ける期待は大きい。
一方、伊那側では、通勤圏・買い物圏が木曽側に大きく広がることから、製造業・商業を中心に期待が広がっている。「しばらく様子を見て」と口にする企業主が多いが、木曽に人材募集をかける製造業者が増えているほか、トンネルに近い、伊那インターアクセス沿いへの大型店舗の出店計画も目立つ。
大桑村に世界最大級の自動車用ターボエンジンの工場を持つ石川島汎用機械が06年、辰野町にも同様の工場を新設する予定だが、これも道路開通による〈人・もの・技術〉の往来の迅速化を見越してのことだろう。
こうした動きを見るまでもなく、権兵衛道路の開通は伊那竏猪リ曽の産業地図に大きな影響を与えるだろう。経済圏の拡大にともなって、広域的視点に立った地域振興策のプランニングが必要になっていることは明らかだ。
●新市誕生にともなう広域的視点の必要性
広域合併による新伊那市の誕生も、広域的な地域振興策策定の必要性を高めている。
伊那市・高遠町・長谷村の3市町村は、3月31日の新市誕生に向け、政治的・文化的・経済的な諸側面での議論を進めている。新市の発展方向を模索する議論もないわけではないが、現在の議論は主要に、「地域自治区」の権限とシステムの問題に集中している。特に高遠町や長谷村では、旧町村単位の財産保有・地域振興・そのための自律的システムを求める声が多い。
もちろん、新市においても旧市町村単位の「地域づくり」は必要だ。だが、その試みが、新市全体の産業振興や観光振興から切り離されて議論されるのでは、合併の意義は薄れるだろう。合併を選んだ市町村の人々には、旧単位を超える広域的視野が否応なく求められている。
さまざまな理由から合併の道を選ばなかった上伊那のほかの市町村にしても事情は同じだ。企業誘致、観光振興で自主財源の確保の道を探る駒ヶ根市。それぞれ、特産物づくりを軸に、地場産業の特色ある連携と展開の道を模索する他の町村……。地方交付税の削減の中で、以前にもまして「わが町」「わが村」の存亡をかけて必死だと言える。
だが、広域交通網・情報網の発展と、それにともなう経済圏・生活圏の拡大の中で、「地域づくり」も、1つの市町村だけを視野に入れた発想では通用しなくなっている。このこともまた明らかだ。ごみ処理問題、医療・高齢者福祉の問題、さらに中核市への商店・企業の集中と周辺町村の過疎化傾向竏窒ネどを見るまでもない。
新伊那市を中心にする上伊那広域の中に、どのように自らの市町村を位置付けるか?そして、自らの市町村の発展が広域の発展でもあるような「地域づくり」の青写真をどのように描くのか?竏窒アの視点がなければ「自立」もままならないのが実状ではないだろうか?
●「この地域」とはいったいどこまでか?
これまでも「地域づくり」はさまざまな場所で、さまざまな内容で語られてきた。「コモンズ」とか「コミュニティ」とかというカタカナ言葉で言われたこともある。では、それらで言われてきた「この地域」とはいったいどこまでの広がりを想定していたのだろうか?1つの集落、せいぜい町村程度の範囲ではなかったろうか?
もちろん上伊那にも市町村でつくる広域連合があり、経済団体や農業団体も上伊那の範囲で「広域」的な取組みを進めてきてはいる。「広域的発想」の必要性が指摘されたこともあった。
だが、それは、市町村単位の「地域」の調整や共同事務の遂行などの機能を発揮するにとどまる傾向があったように見える。
上伊那広域連合は05年に「広域計画」を改定した。04年から見直し作業は進められたが、見直し案策定委員会や広域連合職員の努力と裏腹に、広域連合議会でも、各市町村議会でも、極めて低調な議論しか行われなかった。ここにも「広域的発想」の弱さが示されてはいないか?
06年は、伊那ばかりか首都圏と木曽をつなぐ道路が開け、その中継拠点にあたる地に、新しい市が誕生する。この事態を、「単に上伊那にとどまらない、信州南部に新しい玄関口ができることだ」と評する人もいる。
こうした時代の変化の中で、従来の「地域」の枠を超えて、「広域的地域」の振興を考えるべき時が来ている。「広域的地域」の境界線は、上伊那どころか信州南部全体に引かれるべきだろう。自分が生まれ育った集落や市町村に目を釘付けにしているのでは、時代に置いていかれる。そういう変化の中にいる。
もちろん、上・下伊那と木曽を横断的につなぐ行政機構も、経済団体も、市民団体も、まだ存在しない。だが、だからこそ、信州南部全体を俯瞰(ふかん)し、信州北部や信州中部に比して、「この地域」の魅力や個性は何であるかを考えることが、そしてその発展の中に、各市町村や集落のスタンドポイントを見出していくことが、新しい経済・産業の発展につながるという声もある。 -
小諸懐古園 見ごろに
-
日本山岳写真協会南信支部写真展
-
上伊那貨物自動車
小池長社長(48)