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東日本大震災から4年 3.11の今③ 海苔網がつなぐ絆
2014年12月、いなっせ北側広場。 伊那商工会議所青年部企画のイルミネーションが行われました。 ここで使われたのは、海苔の漁で使う網です。 宮城県の漁師からもらったものです。 宮城県東松島市の海側に位置する、大曲浜地区。 海苔の養殖生産が盛んな地域です。 イルミネーションの網は震災前、ここで使われていました。 伊那商工会議所青年部の高見洋平さん。 今でも大切に網を保管しています。 高見さんは、去年11月、大曲浜を訪れ、漁師と一緒に海苔の漁も体験しました。 復興にむけて頑張っている漁師たちの事を伊那の人にも知ってもらい、東北に目を向けてもらおうと、網を使ったイルミネーションを企画しました。 震災直後、壊滅的な被害を受けた大曲浜。 震災後、漁師たちは、海苔の養殖が盛んな大曲浜を復活させようと奮闘しました。その時にみつけたのが、あの網でした。 大曲浜の海苔漁師、津田大さんは「道具をかき集める事しかできなかった。網一つでも貴重なものだった」と話します。 伊那商工会議所青年部の高見洋平さんは、そんな漁師たちの姿を見てファンなったと話します。「東北に関心を持つ、その事もこれからの復興支援の一つの形なのかな」- 漁師の津田さんは「今は復興の様子を見せたい。元に戻るだけじゃなく、進化した東北を見せる事が皆さんへの恩返し」と話していました。 午前5時半。今日も漁師たちが海へと向かっていきました。 伊那商工会議所青年部では、今月下旬にも義援金を東北に届けに行く予定です。
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商機拡大へ 中央アルプスビジネスフェア
上伊那を中心とした企業が商機拡大を図る中央アルプスビジネスフェアが5日伊那市の伊那勤労者福祉センターで開かれ、会場では商談や製品のPRが行われていました。 ビジネスフェアは上伊那の経済団体などでつくる実行委員会が開いたもので県内外から129の企業や団体が出展しました。 上伊那の産業の情報発信や商談の場にしようと開かれていて今回で4回目です。 県外からも13社が出展していて会場では商談や商品の説明が行われていました。 地元と県外企業合同による次世代産業展示コーナーでは水素と酸素の科学反応により電気をおこす燃料電池が紹介されていました。 また県外から出展した企業は上伊那でのビジネス展開に期待していました。 実行委員会では「ビジネスフェアは開催するだけではなく中身のあるものにしなければならない。ビジネスチャンスを広げ出荷高のアップにつなげていきたい。」と話していました。 また今後の展開としてキャラバン隊を組んで他の地域に出向き製品を売り込んでいくことも考えたいとしています。 中央アルプスビジネスフェアはあすも伊那勤労者福祉センターで開かれ新卒者向けの企業説明会などが予定されています。
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東日本大震災から4年 3.11の今① 4年目の苦悩と挑戦
「ブレちゃうのよね。ここにいたら福島の話題ゼロ。忘れていってしまう。でも忘れてはいけない。」 東日本大震災による福島から自主避難した果樹農家佐藤浩信さん。この時期は、リンゴの剪定作業に励んでいます。 佐藤さんは特色ある果樹栽培とビジネス戦略で福島を代表する農家として知られていました。佐藤さんが作る商品は、高級果物ギフトを扱う百貨店や老舗の果物店などで販売されてきました。 しかし、東日本大震災が発生。 福島第一原発事故により自主避難した佐藤さんは、被災直後の4月に西箕輪に再起をかけ移り住んできました。 佐藤さんは、移住してすぐに、桃とさくらんぼを西箕輪の畑に植えました。 去年の夏、4年目を迎え、4メートルほどに成長した桃が、初めての荷を迎えました。「まだ、納得の味じゃない…」 今回は、地元の直売所に出荷しました。 佐藤さんは、現状を打破する突破口を模索して、動き続けています。 月に2~3回は、福島に戻り、日曜日は、東京で商談会。2月は福島の農業者の代表として香港に。ニュージーランドの農業研修にも1週間、参加しました。 香港では、小売店でどのように日本の商品が扱われているか、その現状を確認しました。「福島がダメだってことはわかってはいたけど。福島の商品ぜんぜん売れない。どうしたらいいかわかんない。本当に全然わかんない」 福島の商品が売れない。この現実は佐藤さんに重くのしかかります。 佐藤さんの果物栽培。それは戦いだといいます。 福島県民が長野の地で、挑み続けて作り出す味を、ふるさと福島の再起のために役立てたい。 佐藤さんはその一貫した思いを、責務として自分に課して、戦い続けます。
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春感じるクリスマスローズ
信濃クリスマスローズ愛好会は、伊那市西春近のかんてんぱぱくぬぎの杜ホールでクリスマスローズ展を開いています。 会場には、会員が育てたクリスマスローズ160鉢が並んでいます。 愛好会は、上伊那を中心に会員は30人です。 会では、「原種から交配した最新の花までさまざまな色や形が楽しめる。好みのものを探してほしい。」と話しています。 クリスマスローズ展は、3月1日までかんてんぱぱくぬぎの杜で開かれています。
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井月顕彰会新会長に北村監督
井上井月顕彰会の理事会が27日伊那市手良の井上井月顕彰会館で開かれ、1月に死去した堀内功会長の後任に、映画ほかいびとの監督をつとめた北村皆雄さんが決まりました。 顕彰会は、27日記者会見を開き、新しい役員体制を発表しました。 副会長の下島大輔さん、竹入弘元さん、平澤春樹さんは留任し、新しい会長に北村皆雄さんが選ばれました。 北村さんは、美篶出身、東京都在住で、映画監督です。 堀内前会長とは、父親の代から親交があったということです。 顕彰会では、今後5年をめどに昭和5年初版でこれまでに5回の改定版が出ている井月全集を全面的に改定し刷新した新しい井月全集を出版する考えを発表しました。 北村会長の任期は、堀内前会長の残任期間となる平成28年11月30日までとなっています。 なお、28日は、高遠さくらホテルで堀内功前会長のお別れの会が予定されています。
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タカノと信大が医療機器共同開発
オフィスチェアの開発などを行っている宮田村のタカノ株式会社と信州大学医学部は脳神経外科などの手術でドクターの負担を軽減する医療機器を共同開発しました。 23日はタカノ株式会社伊那工場で新商品の発表会が開かれました。 「サージカルボディサポート」と呼ばれるこの医療機器は立った姿勢で4時間以上行われる脳神経外科の手術でドクターの負担を軽減するために開発されました。 タカノはオフィスチェアの開発製造を50年以上手がけていて人体サポートのノウハウがあることから開発に携わりました。 信大医学部脳神経外科学講師の伊東清志さんは腰が支えられることにより体の負担が少なくなり手術に集中できると言います。 この医療機器サージカルボディサポートは3月から発売され標準価格は120万円となっています。
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春高伊那駅伝 懸垂幕でPR
3月22日に開かれる「春の高校伊那駅伝」を盛り上げるため23日、伊那市役所の西側駐車場に懸垂幕が設置されました。 懸垂幕は、幅がおよそ1メートル、高さが11メートルで、大会を盛り上げようと、伊那市が毎年この時期に設置していて、大会の日まで掲げられます。 今年の春の高校伊那駅伝は、男子が38回目、女子が31回目となり、男女合わせて、過去最多となる、207チームがエントリーしています。 男子が過去最多で141チーム、女子は去年より6チーム少ない66チームとなっています。 大会は、伊那市陸上競技場を発着に、男子が6区間42.195キロ、女子は5区間21.0975キロをたすきで繋ぎます。 春の高校伊那駅伝は、3月22日(日)に開かれ、女子が午前10時、男子が午後0時5分スタートとなっています。
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東京の平野さん 疎開した無量寺訪れる
太平洋戦争末期に東京から集団学童疎開で箕輪町の無量寺に来ていた平野(ひらの)鍾(あつむ)さんは、戦後70年の節目に20日無量寺を再度訪れました。 78歳の平野さんは、昭和20年3月の東京大空襲がきっかけでその年の11月まで箕輪町の無量寺に学童疎開していました。 東京都中野区の桃園第三国民学校の児童70人が集団疎開したもので、本堂に泊まり、近くの学校で勉強したということです。 平野さんは、昭和20年の1月1日から日記をつけていて、疎開当時の様子も書いていました。 今日、無量寺では、当時の住職の子どもにあたる杉本正樹さんやおばが寮母で東京の子どもたちと親しく接したという漆戸薫さんらが平野さんと対面しました。 平野さんは、疎開する際に東京から荷物を送るときに使った荷札を持参し、当時の様子を話ながら忘れかけていた記憶をつなぎ合わせていました。 平野さんたちが寝泊まりしていた本堂です。 70年前の記憶がよみがえります。 終戦末期、箕輪町内の寺に東京から疎開した児童は、約600人にのぼるといわれています。
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南アルプス食害対策協議会 今年度の活動を報告
鹿の食害から高山植物を保護する活動を行っている南アルプス食害対策協議会が19日に開かれ、辛み成分で作った忌避材の散布など、新たな被害防止策の提案や、今年度の活動報告が行われました。 国や県、信州大学農学部、伊那市などの関係自治体でつくる南アルプス食害対策協議会は、鹿による高山植物の被害を防ごうと2008年から防護柵を設置しています。 今年度は新たに5か所増やし、馬の背周辺に12か所、1,150m設置しました。 結果、防護柵内で植生は回復していますが、マルバダケブキなど高い再生力のある植物が目立ち種類が増えず単調化していると報告されました。 また、信大農学部の竹田謙一准教授は、防護柵に替わる新しい被害防止策を提案しました。 辛み成分のカプサイシンで作った「忌避材」を撒き、鹿の嫌う匂いや痛みを与える方法です。 入笠山で8日間実験したところ、牧草を食べる鹿が減少した可能性があるという事です。 竹田准教授は、ある程度の効果は確認できたとして、忌避材の持続性や散布方法、カプサイシンの濃度などを研究していきたいとまとめました。 協議会会長の白鳥孝市長は、「組織や地域の枠組みを超えて南アルプスの自然を保全していきたい」と話していました。
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リニア見据えた道路整備計画まとまる
リニア中央新幹線の開業を見据え広域的な道路網について考える検討委員会は17日、上伊那・飯伊地域の連携強化など基本方針を盛り込んだ提言書をまとめました。 委員会では、南信地域における広域道路の基本的な考え方などを5回に渡り検討してきました。 17日は飯田消費生活センターで6回目の会議が開かれ、南信広域道路ネットワーク計画案をまとめました。 南信地域における広域道路の基本的な考えは交流拡大、上伊那・飯伊地域の連携強化、リニア中央新幹線長野県駅の利便性向上の3つを基本方針としています。 広域的な交流を支える道路、活性化を支える道路として国道153号、国道361号などを挙げています。 リニアが開業し道路が整備された場合、伊那谷在住者の東京への60分圏域人口カバー率は27%から39%に、90分圏域は60%から94%になると試算しています。 リニアが開業した際、伊那市から東京までの時間は120分としていてスマートICや国道・県道などが将来的に整備された場合、90分に短縮。 また名古屋へは90分から60分になると試算しています。 南信地域広域道路ネットワーク計画は、飯田建設事務所長に提言する予定で、県では今後の道路整備計画に反映していきたいとしています
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信州大学と県内ケーブル局が連携フォーラム
信州大学と日本ケーブルテレビ連盟信越支部長野県協議会が共催して、飯田市遠山郷の霜月まつりについて語り合うフォーラムが15日、飯田市で行われました。 フォーラムは信州大学とケーブルテレビ連盟長野県協議会が地域貢献を目的に連携協定を結んだことで始まり今年で3回目です。 コーディネーターに信大の笹本正治副学長を迎え霜月まつりに関わる6人のパネリストがそれぞれの立場から話しをしました。 霜月まつりを長年研究してきた飯田市美術博物館の櫻井弘人学芸員は、祭りが行われる意味や歴史的背景などを説明しました。 祭りを主催する宮司の宇佐美秀臣さんは地区の人口が減少するなか女性がいないと祭りが成り立たないとして時代に合わせて祭りの形を変えていく必要があると述べました。 フォーラムは飯田ケーブルテレビが取材した霜月まつりの映像を上映しながら進行しました。 参加したおよそ130人は迫力ある映像と合わせて祭りの現状についての理解を深めていました。 祭りを継承し保存していく若者の立場から参加した南信濃の平澤一也さんは出張公演など保存や継承について述べました。 取材する立場として参加した飯田ケーブルテレビの清水千晶さんは地元のメディアとして貴重な映像を記録として残すとともに祭りの現状や課題を伝えていくことが大切だと述べました。 霜月まつりのフォーラムは3月1日午前9時からの放送を予定しています。
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リニア見据え将来ビジョン策定
伊那商工会議所は、リニア時代に向けた地域集客力の創造を柱とした将来ビジョンを策定し、13日発表しました。 川上健夫会頭と、将来ビジョン特別委員会の委員長で八十二銀行伊那支店長の酒井光一さんらが伊那商工会館で発表しました。 平成26年度から28年度までの第26期、3年間のビジョンを示したもので、リニア時代に向けた地域集客力の創造を核としています。 重点的に取り組むのは、地域力の向上や地域資源を活用した観光振興・魅力づくりなどをあげています。 具体的には、街中音楽祭の実施や林業資源を活用した新エネルギーに関わる観光産業の創出、入笠山や鹿嶺高原を中心に魅力ある観光コースの調査研究です。 去年2月に将来ビジョン特別委員会を発足させ、様々な業種の代表から意見を聞くなどして検討を進めてきました。 川上健夫会頭は、「リニア中央新幹線が12年後に東京~名古屋間が開業することで、大きな時代の転換を迎え、新たな人の流れが生まれる」と話し、この将来ビジョンに沿った商工会議所運営を目指したいとしています。 この将来ビジョンは、3月の総会で正式に決定され、27年度から具現化されていく予定です。
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福島南相馬 菜の花プロジェクト
福島第一原発事故による農地の放射能汚染を菜の花で浄化する南相馬市の菜の花プロジェクトで、第1号となる菜種油ができ販売が始まっています。 おととし、2013年の秋にまいた菜種は、去年6月に収穫され、10ヘクタールから7トンの菜種がとれました。 その菜種をしぼったのがこのなたねオイル油菜(ゆな)ちゃんです。 菜の花には放射性セシウムを吸着する性質があり、チェルノブイリ原発事故があったウクライナ地方でも栽培されています。 プロジェクトに参加しているチェルノブイリ救援中部理事長で南箕輪村の原富男さんも購入を呼び掛けています。 小さいビンが1,000円、大きなビンが2,500円です。 福島県南相馬市は、東日本大震災の原発事故により農地が放射能に汚染されました。 「原発に負けずに農業を続けたい」 有機農家やチェルノブイリ原発事故後に菜種による除染をしてきた救援中部、東北大学などが南相馬農地再生協議会を組織し、菜の花プロジェクトを立ち上げました。 ここに地元相馬農業高校も加わり、絞った菜種油を油菜ちゃんと命名、デザインも考えました。 菜種による農地の除染は、年3パーセントと長い時間が必要ですが、菜種を栽培した土地は、他の野菜を育てても2年間セシウムを吸着しないことがわかっていて、南相馬の農業再生の大きな力となりそうです。 東日本大震災からもうすぐ4年。 なたねオイル油菜ちゃんには、被災地の農業再生にかける思いが詰まっています。
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歌手米倉颯音さん市長を訪問
伊那市富県出身で、高遠高校から音楽大学に進みプロ歌手となった米倉颯音(よねくらはやと)さんが5日市役所を訪れ白鳥孝市長に地元でのリサイタル開催を報告しました。 イタリア歌曲を披露した米倉さん。2010年に歌手デビューし、去年2月頃から地元伊那地域での活動を本格化させています。 平成のささきいさおのキャッチコピーで、クラシックから演歌、ポップスまで幅広いジャンルをこなします。 作詞も手掛ける米倉さんは、去年8月にリリースした伊那慕情で地元の風景を歌いこみました。 米倉さんは、3月28日にいなっせでスプリングリサイタルを開きます。 クラシックや日本歌曲、演歌、歌謡曲を披露する予定で、多くの人に聞きに来てほしいと来場をよびかけています。 白鳥市長は、「ぜひ活躍してください」と米倉さんを激励していました。
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南ア世界自然遺産「可能性認められない」
伊那市を含む関係10市町村が、世界自然遺産登録を目指してきた南アルプスですが、環境省は、4日、「世界遺産としての可能性は認められなかった」との結論を発表しました。 環境省がきのう公表した自然遺産登録候補地の調査検討業務報告書によると、候補地となっていた5地域のうち、「阿寒・屈斜路・摩周」「日高山脈」「南アルプス」については、「世界遺産としての可能性は認められなかった」と結論づけました。 理由としては、「生物多様性保全、景観の美しさ、環境の機能、地学を含めた重要な特性や価値を持っているが、専門家でない人々にとって、印象的で、理解しやすく、明白なものでなくてはならず、これらの地域は、この点が異なっている」としています。 伊那市を含む長野、山梨、静岡の関係10市町村でつくる南アルプス世界自然遺産登録推進協議会が、南アルプスの登録に向け、2007年から活動してきました。 報告書の公表を受けて、白鳥孝伊那市長は次のように話しています。 伊那市では、「世界遺産の可能性がゼロになったと思っていない。南アを活用した地域振興策や、環境保護などの取り組みが今後も変わることはない」としています。 10市町村の推進協議会の総会は毎年、5月頃開かれていて、その場で、今後の方向性について話し合うものとみられます。
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“霜月まつり”テーマのフォーラム 15日開催
信州大学と日本ケーブルテレビ連盟信越支部長野県協議会は地域に残る伝統文化を見直そうと15日に飯田市で霜月まつりをテーマにした連携フォーラムを開催します。 霜月まつりは南信州の遠山郷と呼ばれる飯田市南信濃と上村地区に伝わる湯立ての神事で毎年12月に行われています。 国の重要無形民俗文化財に指定されていて去年は地区内9つの神社で行われました。 800年の伝統があり生命力の落ちる厳しい冬を乗り切るために、はじまったとされています。 また霜月まつりは「神様にお湯を差し上げる祭り」とも言われていて宮崎駿のアニメ映画「千と千尋の神隠し」のアイデアになったということです。 祭りのハイライトとなる「湯切り」では、面をかぶった地域住民が素手で熱湯をはじきとばします。 この熱湯にかかると病気にならないといわれていて見物人の盛り上がりは最高潮に達します。 信州大学副学長で日本の歴史に詳しくフォーラムでは司会を務める笹本正治さんは霜月まつりについて「冬の寒さで枯れた魂を復活させる神霊の恩頼(みたまのふゆ)の祭り」と話します。 信州大学と県内のケーブルテレビ局でつくる長野県協議会は地域貢献や情報発信を連携して実施することなどを目的に平成24年に協定を結びました。 フォーラム開催もその一環で飯田市美術館学芸員や宮司、祭り関係者6人が祭りの魅力や課題などについて意見を交わします。 フォーラムは入場無料で15日日曜日、飯田市の松尾公民館で午後2時から開かれます。
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第10回伊那谷伝統文化公演 人形浄瑠璃
第10回伊那谷伝統文化公演が1日、伊那市のいなっせで行われ、箕輪町の古田人形芝居保存会などが人形浄瑠璃を披露しました。 伊那谷伝統文化公演は、地域の伝統文化に親しんでもらい伝統を残していこうと、NPO法人伊那芸術文化協会が主催したもので、今回で10回目です。 今年は人形浄瑠璃に焦点を当て、箕輪町の古田人形芝居保存会と飯田市の黒田人形浄瑠璃保存会が演目を披露しました。 古田人形芝居保存会が上演した演目は「生写朝顔話宿屋の段」です。 目が見えない主人公深雪が、琴を弾きながら思いを寄せる駒沢次郎左衛門を探して訪ね歩くという話です。 古田人形は、江戸時代に風除け祈願で人形を操ったのが起源とされ、その後淡路島から来た人形使い市村久蔵によって本格的に始まったとされています。 会員は、15歳から80歳までの20人で、中には親子で演じている人もいるということです。 会場にはおよそ250人が訪れ、人形浄瑠璃に見入っていました。
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彩り競う 信州フラワーショー
県内産の切花を集めた信州フラワーショーが29日から伊那市のJA南信会館で開かれています。 信州フラワーショーは品質や栽培技術の向上を目的にJA全農長野などが開いたもので46回目となります。 会場には長野県が全国一の生産量を誇るアルストロメリアのほかダリアやアネモネなど391点が並べられています。 いずれも長野県の冬期栽培品目の代表的なものでアルスロトメリアは県内生産量のうちJA上伊那が9割を占めているということです。 JA全農長野によりますと去年2月の大雪による雪害もありましたが花の品質は良いということです。 フラワーショーでは品評会も行われ最優秀賞にあたる農林水産大臣賞に茅野市の柳沢源太郎さんが栽培したアルストロメリアが選ばれました。 柳沢さんのアルスロトメリアは花の色が良く茎もしっかりしているなど全体のバランスの良さが評価されたということです。 フラワーショーは30日も午前9時から午後1時まで開かれます。
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花粉飛散量 例年の半分
飯田保健福祉事務所は26日、今年春の飯田下伊那地域の花粉飛散予測を発表しました。 スギ・ヒノキの花粉飛散量は去年よりやや少なく、例年と比べても 少なくなると予測しています。 26日は飯田市の飯田合同庁舎で担当職員がスライドガラスについた花粉の飛散量を確認していました。 1月から5月までの累積花粉量の予測値は1平方センチメートルあた1976個で去年と比較するとおよそ73%とやや少なく例年と比べても49%少なくなっています。 また花粉の飛散開始時期については2月中旬の後半から下旬の前半と予測しています。 飯田保健福祉事務所では外出時はマスクやメガネを着用し花粉を体内に入れないようにするなど対策を早めにとるよう呼びかけています。
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再生可能エネルギー 学ぶ
バイオマスや太陽光、水力など再生可能エネルギーについて理解を深めようと、23日伊那市役所で農林水産省の職員を招いての研修会が開かれました。 伊那市出身で、農林水産省食料産業局の再生可能エネルギーグループ係長、御子柴北斗さんが、再生可能エネルギーをめぐる情勢や固定価格買取制度の運用見直し、再生可能エネルギーを地域活性化につなげた事例などを紹介しました。 再生可能エネルギーを発電するため、標準的なコストを賄える価格での買取りを一定期間保証する固定買取制度については、「太陽光がほとんどを占めていて、半分以上が地域外の企業。再エネ発電による利益を地域の活性化にいかに結びつけるかが課題」としました。 森林資源が豊富な伊那市では、木質バイオマスを活用する優位性をあげました。 御子柴さんは、「地域内にある資源の量を把握し、計画を作ることが大切だ」と話していました。 会場には、市や県の職員のほか、農業関係者など100人が訪れ、御子柴さんの話に耳を傾けました。
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大学入試 センター試験
大学入試センター試験が今日から、全国一斉に始まりました。 県内では、13か所で行われ、南信地域の受験生は南箕輪村の信州大学農学部と、駒ヶ根市の県看護大学で試験が行われました。 このうち、信大農学部では試験開始の1時間以上前から受験生が集まってきました。 今年は伊那北高校と伊那弥生ヶ丘高校の試験会場が、信大農学部から県看護大学に変更になったこともあり、歩いて会場入りする人は少なくなりました。 伊那バスでは、伊那バスターミナルから信大行きの臨時便を4便出して受験生を送り届けていました。 今年のセンター試験には、全国で去年より0.3%少ないおよそ55万8千人が志願し、県内では去年とほぼ同じ1万人となっています。 このうち、信大農学部では、838人が試験を受けました。 会場の入り口では、高校の担任らが生徒を激励していました。 初日の17日は、地理や歴史など4教科16科目の試験が行われました。 このうち松本市の信州大学松本試験場では、午前中に行われた地理・歴史・公民で試験の説明と準備に遅れが出て、1分から2分繰り下げて試験が行われました。 18日は、理科と数学の2教科15科目が行われることになっています。
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人材育成について意見交換
阿部守一長野県知事は、16日伊那市の伊那商工会館で開かれた県政タウンミーティングで、ものづくり企業の経営者2人と意見交換しました。 移動知事室4日目の16日は、伊那市の伊那商工会館で県政タウンミーティングが開かれました。 会場には、企業経営者や一般など130人が訪れました。 阿部知事と意見交換したのは、KOA株式会社の向山孝一会長、有限会社スワニーの橋爪良博社長です。 上伊那のものづくりの強さの秘訣について話をし、向山さんは、「上伊那のものづくりを継承し発展させるためには、先祖や先輩たちが築いてきた歴史を学ぶ必要がある」と訴えました。 平成28年4月に開校する県南信工科短大への期待や役割については、チームプレーや人間力を高める教育を期待していました。
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リニア中央新幹線現地推進本部第2回会議 取り組み状況等報告
リニア中央新幹線現地推進本部第2回会議が13日、伊那市の伊那合同庁舎で開かれ、上伊那、下伊那、木曽の地方事務所長が取り組み状況などを報告しました。 会議には、阿部守一知事や上下伊那の地方事務所長などおよそ40人が出席しました。 リニア中央新幹線現地推進本部は、上伊那、下伊那、木曽がリニアの整備効果を地域振興に生かしていくために連携を図る目的で去年4月に初会合が開かれました。 この日は各地方事務所からリニア関連道路の整備についてや、取り組み状況などが報告されました。 上伊那地方事務所の青木一男所長は「移住定住の促進に向けて一丸となって取り組みたい」と話しました。 阿部知事は「伊那谷の人口のおよそ85%を東京圏域90分とするのが目標。早急に整備を進め地域のみなさんと思いを共有しながらしっかりとした対応をしていってもらいたい」と話しました。
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井月顕彰会 堀内会長死去
俳人、井上井月の研究者や愛好者らでつくる井上井月顕彰会の堀内(ほりうち)功(つとむ)会長が9日、東京都新宿区の病院で亡くなりました。 94歳でした。 顕彰会関係者によりますと、堀内さんは、9日昼過ぎに、打ち合わせを予定していた新宿区のホテルで倒れ、東京医科大学病院に運ばれましたが、午後1時57分死亡が確認されたということです。 打ち合わせを予定していた井月を題材にした映画「ほかいびと」の北村皆雄監督は、「発見した時は、すでに心肺停止状態だった」と話し、「親と同等のおつきあいをさせていただき、1週間に一度は会っていた。堀内さんがいなかったら、「ほかいびと」は生まれていなかった」と突然の死を悼んでいます。 堀内さんは、顕彰会会長として、2008年から句集の発行や句碑の建立などに尽力しました。 堀内会長とは20年来の付き合いだったという顕彰会副会長で井月研究家の竹入弘元さんは、「井月の足跡や魅力の発信に大きく貢献された」と堀内さんの死を悔やんでいます。 2012年に発行された井月編俳諧三部集は、井月が1400人の俳人の句を載せたもので、すべて井月の自筆で書かれていて、交友関係もわかります。 竹入さんが解読しましたが、採算がとれないと出版に踏み切れないでいたところ、堀内さんが資金援助しました。 通夜は、19日午後6時~、告別式は、20日午前10時30分~ 場所は、上野寛永寺輪王殿 喪主は、堀内泰司さん(長男) 詳しくは、井上井月顕彰会090-8200-4590(平澤さん)
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井月朗読劇 来年9月に6年ぶり上演へ
漂白の俳人井上井月の俳句と解説などを盛り込んだ朗読劇「風狂のうたびと」が6年ぶりに来年9月に伊那市で上演されます。 26日は、脚本となる風狂のうたびとを書いた俳人で井月研究者の春日愚良子さんや演出を手掛ける伊那谷演劇研究所認定アドバイザーの阿部裕吉さんらが市役所で記者会見を開き、内容を説明しました。 井月の主要な作品160句と有名なエピソードを盛り込んで、井月像を浮き彫りにします。 来年9月4日に千両千両井月さんまつりのプレ企画として上演を予定しています。 実行委員会では、朗読者5人、小学4年生から中学2年生までの演技者10人、音響や舞台スタッフ若干名を募集しています。 募集締め切りは、来年1月末で、2月に選考し、3月から伊那市内で稽古がスタートします。 風狂のうたびとは、平成11年からこれまでに3回上演されていて、来年が6年ぶり4回目となります。
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現職の小林氏 出馬表明
現職4期目で箕輪町木下の県議会議員、小林伸陽さんは来年4月12日投開票の県議選上伊那郡区に立候補することを26日表明しました。 箕輪町で開かれた記者会見で小林さんは「平和憲法を生かし格差のない豊かな社会をつくる。自公政権の乱暴な政治から県民の暮らしと営業を守る。オール与党のなれ合い県政は許さない。」と話し5期目を目指し定数2の県議選上伊那郡区に立候補することを表明しました。 小林さんは現在71歳。 平成11年に初当選し、県議会議員日本共産党県議団副団長を務めています。 立候補にあたり少子高齢化、核家族化が進む中、医療・介護・福祉のネットワーク構築を目指すほか中小業者の営業を守る支援制度の創設、無駄な事業の見直しなどに取り組みたいとしています。 県議選上伊那郡区はこれまでに現職で自民党県議団の垣内基良さんが出馬を表明しているほか前回県議選に立候補した寺平シュウコウさんが出馬を予定しています。
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高遠高校 県内の被災地に義援金おくる
伊那市の高遠高校は、今年発生した長野県神城断層地震と南木曽町豪雨災害の被災地に、募金活動や文化祭で集めた8万2,062円を寄付しました。 募金活動を行った校風委員会とボランティアクラブJRC部の代表生徒3人が高遠町総合支所を訪れ、廣瀬源司支所長に義援金を手渡しました。 義援金は8万2,062円です。 校風委員会では、今月17日から3日間、登校時の挨拶運動に合わせて募金活動を行いました。 例年は日本赤十字社の赤い羽根募金を行っていますが、今年は県内の被災地に贈る事にしました。 ボランティア活動を行っているJRC部は、今年の高遠高校の文化祭で、キーホルダーなどを製作し売上を義援金に充てる事にしました。 他にも、美術部や3年C組なども文化祭での売り上げを義援金に充てています。 義援金のうち5万7,577円は神城断層地震の被災地に、1万4,500円は南木曽町豪雨災害の被災地に、9,985円は赤い羽根募金として赤十字社に届けられる事になっています。
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伊那谷の林業を考える研究会 シカ肉の活用について発表
諏訪や上下伊那の地方事務所、南信森林管理署などでつくる「伊那谷の林業を考える研究会」の研究発表会が16日、南箕輪村の信州大学農学部で開かれました。 会場には、林業関係者や一般などおよそ90人が訪れました。 近年、野生獣による森林被害の発生が多いことから今年は「捕獲したニホンジカの活用について」をテーマに、4団体が発表しました。 信州大学農学部森林科学科4年生の河野卓朗さんは、県内のジビエ生産施設と流通の現状について発表しました。 河野さんは県内9の食品生産施設で聞き取り調査を行いました。 猟師が解体を兼ねて行っている小規模生産の施設も多く、河野さんは「シカ肉の利用度を高める為には、施設数を増やす必要があり、販路の確保が課題」と話しました。 また、会場ではシカなどの動物の皮を使った製品の展示も開かれ、靴や小物などが並んでいました。
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長野5区 宮下氏4選果たす
第47回衆院選の投票が14日行われ即日開票されました。 県内小選挙区5区は自民党前職で財務副大臣の宮下一郎さんが4選を果たしました。 宮下さんは自民党前職の56歳。 平成15年の選挙で初当選し衆議院議員を2期務めましたが平成21年に落選。 前回選挙で返り咲き財務副大臣を務めました。 今回は9万1089票を獲得し4回目の当選を果たしました。 次点で新人の民主党、中島康介さんは4万6595票でした。 長野5区の投票率は59.86%。伊那市は60.99%、箕輪町は61.91%南箕輪村は59.75%でいずれも前回衆院選を9ポイント近く下回りました。
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飯島食堂 来年1月末で閉店
創業から104年の伊那市を代表する飲食店、飯島食堂が来年1月末で閉店します。 伊那市坂下入舟にある飯島食堂。 創業は、明治42年。 今年で104年になる老舗の飲食店です。 中華食堂ですが、人気メニューは、1,100円のカツ丼。 ふたがしまらないほどのボリュームで、店を訪れる人の多くが注文します。 3代目の飯島敏道さん71歳。 来年1月末での閉店を決めました。 12日のお昼。 店内は、多くの人でにぎわっていました。 そして注文が次々と厨房に飛び込んできます。 そのほとんどがカツ丼。 飯島さんが次々と揚げていきます。 カツ弁当も人気で山梨に住むこの方も閉店の知らせにがっかりです。 昭和30年代前半に撮影された飯島食堂です。 建物は戦前からのものでした。 このころは、酒屋も一緒に営んでいました。 昭和44年に酒屋はゆずり、食堂に専念。 それからほぼ半世紀にわたり、伊那市の名物店として多くのファンに愛されてきました。 飯島食堂は、年末は29日まで、年始は3日から営業する予定です。 多くの市民に愛された伊那の名店は、来年1月末でその歴史に幕を下ろします。