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きょう 官報告示
11日に開かれた伊那市・高遠町・長谷村合併協議会で、小坂市長は12日付で総務大臣から官報告示されると報告した。法的事項が終了し、合併(06年3月31日)の効力が発生する。
小坂市長は「1年かかって協議し、ようやくたどり着いた」と関係者の協力に感謝。
伊東町長は「きめ細かな住民説明を開いて理解を得ていきたい」、宮下村長は「地域自治区のあり方についてどう歩んでいくのか懇談したい」とそれぞれ述べた。 -
伊那市・高遠町・長谷村合併協(14)
伊那市・高遠町・長谷村合併協議会の第14回会議が11日、市役所で開かれた。▽特別職の身分の取り扱い▽事務組織および機構の取り扱い窶狽ケ承。新市章は11月ごろから募集したいと報告した。
特別職の身分の取り扱いは、特別職報酬等審議会を設置し、合併までに調整。理事者、地域自治区長(総合支所長)、消防団員、各種審議会委員などの報酬額を審議する。
委員はまちづくり委員会、区長会、女性団体など各市町村長が推薦した6人と、経営者協会上伊那支部、金融団など4人で構成。
9月ごろに諮問し、11月に答申予定。
事務組織および機構の取り扱いは、本庁に総務、市民生活、保健福祉、産業振興、建設、水道の6部を設置。高遠町、長谷村に置く総合支所は、本庁の組織と整合性を持ち、これまでのサービスを維持する体制を確保する。
部・課の肥大化について「最小限必要で、効率的な課を考えた。都市計画課は建設課で対応できる」とした。
市章は11月初旬から1カ月ほど募集し、候補選定委員会で5点に絞る。合併後、新市長・市議会議員が決まったあと、選定委員会を設けて決定する。
委員は正副会長・幹事会に一任した。
次回(11月)の合併協では、特別職報酬等審議会の答申のほか、仕事の流れを示した機構図が提示される。 -
自然の中で自主性磨く
高遠町のNPO法人「自然学校ふる里あったかとお」は城址公園内の高遠閣を拠点に、7月31日から13日まで13泊14日の日程で、「子ども長期自然体験村」をしている。自然の中での生活体験や共同生活を通して、感性や自主性をはぐくむ。
6年目で、県内をはじめ、東京都や埼玉県、愛知県などから21人の小中学生が参加した。大学生らのボランティアスタッフも入れ替わりで20人余ほどが携わっている。
野外炊飯や自然探索、運動会をしたり、竹馬や弓矢などの竹細工にも挑戦。そば打ちやカヌー、民泊を体験するなど、地元との交流も楽しんでいる。
9日は、長崎に原爆が投下された日。スタッフが「ここで楽しく過ごせている幸せをかみ締め、戦争のない平和な世の中を築きあげていってほしい」と子どもたちに訴え、黙とうを捧げた。
昼食はスタッフが流しそうめんを計画。経験したことがないという子どもがほとんどで、「いつもと一味違っておいしい」と喜び、空腹を満たした。
スタッフの村田喜直さん(24)は「実体験をすることで、達成感や悔しさを感じ、最初に比べて、考え方や行動に少しずつ変化がありますよ」と子どもたちの成長に目を細めていた。 -
用水路で発見バイクの92歳死亡
8日午後7時16分ころ、高遠町長藤弥勒の諏訪神社前の用水路で、近くに住む無職の北原武雄さん(92)が原付バイクと一緒に転落しているのを、北原さんの帰宅が遅いことを心配した家族が発見。救急車で伊那市内の病院に収容したが午後8時44分、死亡が確認された。
用水路の横には幅2・5メートルほどの町道があり、辺りに街灯はない。道路と水路との最大落差は約2メートルほどで、水深は約20窶・0センチ。
伊那署管内の交通死亡事故は今年で2件目。高遠町では1425日ぶりとなった。
8月8日現在の交通事故373件(前年同期日7件減)のうち、高齢者が関わる交通事故は100件(同14件増)と全体から見ても多く、バイク事故も多発している。 -
県内外の子どもたち自然と暮らす9日間
高遠町の国立信州高遠少年自然の家(高岡道久所長)で、4日から12日まで8泊9日の日程で「長期野外生活体験」があり、県内をはじめ関東、東海地方などの40人余の子どもたちが、テントを設営して、自炊生活を送っている。
自然探索や料理、伝承遊びなどの体験を通して、道徳心や生きる力を養う。小学5年生から高校生までが対象で、年齢の枠を越えた人間関係も築く。
五平もち、おやき、そば作りなどで食文化を学び、竹細工、木工、自然観察などのプログラムを体験。植物探索では、アカツメ草やヨモギ、ヤマブドウ、アザミの葉などを採集し、講師による指導で、資料を見ながら食用とそうでないものに識別。食べられる野草は天ぷらにして味わった。
活発に取り組んでいた飯村諒君(13)=山梨県=は「自炊生活がおもしろい。失敗も経験したが、自分自身を磨けるから参加してよかった。テレビを見ているより、ずっと楽しい生活」と話していた。 -
浴衣姿で踊って…歓声
高遠町の第一、第二保育園で5日夜、恒例の夏祭りがあり、園児や家族らが踊りやイベントなどを楽しんだ。
第一(山岸加代子園長)は、浴衣やジンベエなどかわいらしく着替えた園児が、リズムダンスや盆踊りを園庭で元気良く踊った。保護者が我が子の晴れ姿をビデオカメラなどに収め、にぎやかに祭りが始まった。
園内に設けた、お化け屋敷や輪投げコーナーは開始早々、長蛇の列ができる人気。お化け屋敷は、保護者が武士やスターウォーズのダースベーダーにふんして脅し、次々と悲鳴があがった。
園児が製作したちょうちんを飾った園庭では、フランクフルトやじゃがバター、豚汁などの出店も並び、家族でゴザを敷いて、真夏の優雅なひとときを過ごしていた。
職員や保護者のほか、高遠高校の生徒7人がボランティアとして祭りを支えた。6日には、第4保育園でも開かれる。 -
第3回伊那市・高遠町・長谷村社会福祉協議会合併協議会
伊那市・高遠町・長谷村の社会福祉協議会合併協議会の3回目が3日、高遠町総合福祉センター「やますそ」であった。
前回検討した合併方式や時期などを決め、議論となった事務所所在地の明記方法は、本所所在地(伊那市福祉まちづくりセンター)の後に、高遠町、長谷村にある現在の事務所に支所を置くとした案が再提案された。
また、事前協議事項として役員や評議員の定数を提案。各役員の選出区分は、10月ころを目途に協議を進める。 -
町青年研修所取り壊しへ
高遠町は、老朽化で危険を伴うとして、東高遠にある信州高遠美術館に隣接する町青年研修所(木造2階建てトタン葺き)を本年度中にも取り壊す。
1964(昭和39)年に設置以来、学生村などの宿泊施設として使用。近年は、高遠太鼓の練習道場としてのみ利用されていた。しかし、03年3月に旧郷土館を改装し、地域間交流施設が開館したことで、太鼓練習の場が移り、研修所は観桜期に、ごみ集積所として使用するだけとなっていた。
高遠城址が国史跡に指定されたことで、景観を尊重するため、史跡とはかかわりのない建造物は撤去するという方針を示した「史跡高遠城跡保存管理計画」に基づき、利用されていない研修所を、国庫補助事業の史跡保存修理事業で撤去する。
撤去後は整地し、史跡景観を維持していく方針。観桜期のごみ集積所は一定期間、必要の場合のみ仮設建物を設け、臨時集積所とする予定だ。
工事費は約270万円。9月の議会定例会で議決した後、工事に取り掛かる。 -
合併、観光、福祉充実…率直に質問
高遠町の高遠中学校3年生を対象とした恒例の「子供議会」が4日、町役場議場であり、生徒が一般質問に挑んだ。伊那市、長谷村との合併問題や観光などについて、率直な疑問や要望が飛び出した。
代表10人が議員となり、約40人が傍聴。地方自治法に基づき、臨時議長の指名によって、大石早織さんを議長に選出して、一般質問を繰り広げた。
合併後、従来のようなサービスを役場で受けられないのかとの問いに、伊東義人町長は「総合支所としてこれまで通り日常生活に必要なサービスは受けられる。不便になったと言われない合併を目指している」とし、「みなさんにも積極的にまちづくりに参加してほしい」と呼びかけた。
ほかに、少子高齢化に伴う福祉施設の充実や、観光客増加に向けての町の取り組み、子どもの居場所づくり窶狽ネどを求める声も上がり、「新たな施設をつくる際は、子どもの意見を聞く機会を必ずつくってほしい」と、町政とのかかわりに意欲をみせる生徒もいた。
伊東町長はあいさつで、「出た質問を今後の町政に反映したい。こういった機会は社会生活で自分のためになる。政治や行政を勉強し、将来の国や町を担っていってもらいたい」と期待した。
来年度の合併を控えていることで、「子供議会」は今回で最後となった。 -
アマランサスの研修会
アマランサスを知ってもらうと共に、商品化を模索しよう窶狽ニ、高遠花摘み倶楽部(赤羽久人理事長)は2日、高遠町総合福祉センターやますそで、会員や一般を対象としたアマランサスの研修会を開いた。
研修は2回目。高遠町藤沢水上地区の遊休農地(約1・5ヘクタール)で同倶楽部が栽培を進めるアマランサスは、種、葉、共に栄養効果があり、美しい花も楽しめるが、その実態はあまり知られていない。今後、1・5ヘクタールという広大な土地で栽培を進めるためには地域住民の協力が不可欠で、地域的特性を生かした商品開発を進めるためにも、アマランサスをもっとよく知ってもらう必要があると考え、研修会を開いている。
研修には約20人が参加。栽培指導の協力者、信州大学の根本和洋助手が、アマランサスの機能性や食品特性について講義した。根元助手によると、高ミネラル、高タンパク質でコレステロール低下作用もあるアマランサスは、乳幼児や高齢者の栄養補給や、アレルギーの代替食品にもなる。 -
東京芸大副学長迎えて子どもアートスクール
東京芸術大学副学長の宮田亮平さんと学生を講師に迎えた、子どもアートスクール(信州高遠美術館主催)が30、31日、町立歴史博物館横の地域間交流施設であった。同大学の前身、東京音楽学校の初代学長である伊沢修二が町出身だったことを縁に交流が続き、初企画のアートスクールが実現した。
宮田さんは「うまく描かなければいけないという概念を捨て、自分の好きな色を使って自由に描く心が大切」とし、子どもたちは横1メートル、縦5メートルの大きな和紙に、思い思いの作品を描いた。
児童たちは「おもしろい」と言いがら次第に、スポンジや刷毛を使ったり、自分の手形や足形をつけるなどして、独自の芸術性で作品を仕上げた。製作した作品は後日、同美術館に展示する予定だ。 -
女子ゴルファー諸見里しのぶさん・プロ合格のお礼で高遠の弘妙寺を参拝
7月下旬にあった日本女子プロゴルフ協会のプロテストに合格した、諸見里しのぶさん(19)=沖縄県名護市出身=が3日、高遠町荊口の弘妙寺(田中勲雄住職)に参拝に訪れ、今後の飛躍を祈願した。
女子ゴルフ界で、宮里藍、横峯さくら両選手とともに注目を集める人気選手。アマチュア選手権(6月25日、北海道)で優勝を飾り、その後のプロテストで見事合格を果たした。
弘妙寺は標高1020メートル、市街地から約10キロ離れた場所にあることで、アスリートの理想である「高く遠く」の寺とされ、スポーツ選手が参拝に訪れている。諸見里選手の指導者・江連忠プロのマネージメントを務める大羽賢二さんが長谷村出身であったことを縁に、アマ選手権、プロテストを控えた6月中旬には、必勝祈願として江連プロの両親が代理で同寺を参拝。結果を出せたお礼として、今回江連プロとともに初めて訪れた。
弘妙寺は「気」の寺ともされることから、愛用のクラブに気を入れ、今後の飛躍を祈願。記念に紅葉を植樹した。
プロのデビュー戦は、9月の日本女子オープンを予定。米女子ツアーも視野に入れる諸見里選手は「世界の舞台に立てるよう、一戦一戦頑張っていきたい」と今後のプロ生活に意欲をみせていた。 -
入笠牧場を体験しよう
普段あまりなじみのない畜産を身近に感じてもらおう窶狽ニ3日、高遠町の入笠牧場で、放牧中の牛を観察したり触れたりする体験イベントが、入笠牧場であった。
県の主催。小学校高学年の児童を対象に諏訪地区、上伊那地区合同で3回目。今年は約20人が参加。子どもたちは牛の衛生検査を見学し、そのようすを写生した。
上伊那農業高校の生徒たちによる青空教室もあった。上農の生徒は、牛の食性や肉用牛と乳用牛の違いなどを分かりやすく説明。「牛は人間が消化できない麦やワラを消化して、ミルクや肉など、人間が食べられるものに変えてくれる。そのため、人間と牛は案外古くからつながりがある」と話し、子どもたちは真剣に聞いた。
初めて牛に触れるという子どももいて「温かい」と、実感していた。 -
県河川協会が高遠町高砂河川愛護会を表彰
高遠町を流れる藤沢川の美化に長年努めてきた高遠町西高遠高砂町のグループ「高砂河川愛護会」が、県河川協会から表彰された。阪下哲彦町内会長(74)は「高齢者世帯が多い町だが、今後も一生懸命がんばっていきたい」と受賞の喜びを語った。
今回、県下で表彰されたのは1個人4団体。高砂河川愛護会は長年の経歴と年2回の河川美化活動が評価された。高遠町の団体が河川活動で表彰されるのは今回が初めて。
川の水が生活水の一端を担っていた高砂町は、戦前から生活習慣の一部として町内河川の美化に努めてきた。戦中、一時活動を中断したこともあったが、戦後再開。ごみ拾いが中心だった活動も時代と共に変化し、近年は、大水の減少に伴い繁殖が著しい河川の草刈りが活動の主体になっている。
草が成長する6月と盆前の8月には「帰郷する人に故郷の川を楽しんでほしい」と町内全16戸が河川清掃や草刈りに取り組んでいる。 -
新宿区の親子70人がキャンプ
高遠町と友好交流を深める東京都新宿区の親子が7月26日から1日までの間、3グループに分かれて、総勢70人が2泊3日の交流キャンプに訪れた。国立信州高遠少年自然の家を拠点に、自然散策やそば打ち体験、野外炊飯などをして、夏休みの楽しいひとときを過ごした。
2日目のそば打ちは、昨秋までに「都市地方連携推進事業」の補助を受けて改修した交流拠点施設「高遠閣」で同事業の一環として開いた。
芝平そばの会と町JCB町屋の会員から指導を受けて挑戦。粉を力強く練ると、親の手を借りて、一生懸命生地を伸ばした。切った麺は太過ぎたり細過ぎたりだったが、焼き味噌と辛み大根の辛つゆで、手打ちの味を満喫していた。
参加者たちは、ポレポレの丘や町内も散策して、都会では触れることのできない自然を堪能した。 -
秋葉街道を駆け抜ける
高遠町から下伊那郡南信濃村まで、日本最大の断層である中央構造線上に位置する秋葉街道約91キロを2日間かけて走破する「第15回中央構造線サイクリング大会」が30日、高遠町の高遠城址公園駐車場を出発点に開幕した。
5歳から79歳までの幅広い年齢層に加え、福岡県などの遠方を含め、県内外から両日で総勢230人余が出場。1日のみの参加も可能で、初日は約200人が力強くペダルをこいだ。
開会式のあいさつで伊東義人町長は「各地域の文化や歴史を味わってもらい、良い思いでになるように頑張ってほしい」と激励。街道沿線町村の今後の発展を願い、各町村代表がメッセージを携えて走る飛脚も同時にスタートした。
コースは文杭峠(標高1424メートル)と地蔵峠(1314メートル)を通過し、中央アルプスと南アルプスの山並みを楽しむことができる。初日は下伊那郡大鹿村、2日目は南信濃村までを駆け抜ける。
6歳と10歳の子どもと妻の家族4人で参加した浮洲和典さんは「家族で走るのは初めてで、楽しみ。1日のみだが、完走を目標に頑張りたい」と話していた。 -
ポレポレの丘にサルビアなど定植
高遠花摘み倶楽部(赤羽久人理事長)は30日、管理・運営する東高遠のポレポレの丘で夏から秋に見ごろを迎えるサルビアなどを定植した。会員やボランティア約15人が参加し、作業に汗を流した。
通年観光を視野に、年間で四季折々の花を楽しめる花園を目指す同倶楽部は、春から夏までの花が咲き終わったことで、新たにサルビア7色約1万500株、デルフィニウム5種1万株を2日間かけて植える。
園内6カ所での植え替え作業で、このうち1カ所は、赤、黄、緑など7色のサルビアで虹を描く予定だ。8月下旬に見ごろを迎える。
また、町の国道152号杖突街道沿いの遊休農地で観光花園づくりを進めている同倶楽部は、藤沢水上地区の第2定植地に植えたアマランサスについての研修会を8月2日に町総合福祉センターで開く。信州大学の根本和洋助手を迎え、栄養成分が豊富な種を使用した食品の開発を目指す -
アレチウリ駆除全県統一行動
天竜川・三峰川に約500人在来種の存続や本来の景観を荒らす侵略的外来植物アレチウリを根絶しようと31日、天竜川・三峰川に総勢約500人が出て駆除作業を行った。県の統一行動日にも指定されており、上伊那の取り組みを中心に県内各地で同様の取組が行われた。
三峰川みらい会議が主催する三峰川と伊那市内の天竜川の駆除作戦には約300人が参加。一般市民・伊那青年会議所・自治体職員・県職員・国土交通省職員・JA上伊那職員などが午前8時半に高遠町の三峰川河川敷に集合、開会式で注意事項などを確認した後、長谷村・高遠町・伊那市の繁茂箇所に分散して駆除作業に汗を流した。区民に参加を呼びかけた伊那市荒井区、署長を先頭に参加した伊那消防署員などの姿もあった。
三峰川みらい会議の織井秀夫代表は「駆除作戦は7回目を数えるが今日は歴史的な日。三峰川・天竜川から始まったアレチウリ駆除の作戦は県内統一行動にまで発展した。伊那市は6月19日を統一行動デーにして若芽のうちに駆除をした。その効果を踏まえてさらに和を広げよう」とあいさつした。
一方、天竜川ゆめ会議(福澤浩代表)が主催した天竜川本線の、岡谷・辰野・駒ヶ根・高森・飯田の5会場にも04年の2倍にあたる合計200人が参加。侵略的外来植物駆除の意識の高まりをうかがわせた。
伊那市内の天竜川でアレチウリの駆除作業を行う参加者たち -
俳人・井上井月の絶筆を公開
高遠町公民館河南分館の河南学級で27日夜、漂泊の俳人・井上井月(1822窶・7年)の絶筆の句が公開された。京都府から出向いた人もいたほどで、参加者約50人が食い入るように見つめた。
句は「何処(どこ)やらに 鶴の声聞く 霞かな」。井月の自筆で、所有者から特別に借りた。生前から書き残されている句だが、臨終を前に、床に付き添っていた俳人・六波羅霞松(かしょう・1845窶・934)が筆をとらせて書かせたとされる。霞松の添え書きには「病床にうかがった際、酒を進めたが、杯1、2杯を飲み、俳句を書いてくれと頼んだら書けないと答えた。筆を取らせて書かせたが、その夜、相果てた。真情にあい、さすが俳句の達人」という内容が記される。
講師を務めた信州井月会代表の春日愚良子さん=伊那市美篶=は「井月の句と、添え書きが一対になっているから句が引き立つ。字配り、筆勢はさすが。伊那谷の宝として貴重なもの」と解説。伊那谷での2人の生活、井月の日記なども紹介し、足跡をたどった。
河南学級は地域を知るをテーマに、陶芸教室や野外研修など年6回を計画している。 -
高遠小で大戦・日中戦争の出征者76人分の遺書など見つかる
高遠町の高遠小学校資料庫からこのほど、日中戦争、太平洋戦争に召集されたと思われる76人分の遺書や遺髪などが見つかった。出撃する前などに、妻や両親宛てに残したもので、当時の町役場に集められたとみられる。2、3通を残している例もある。
町教育委員会の調べでは、76人中従軍看護婦が1人。70人は生還しているが、残りの6人については戦死または、戦地で戦病死しているという。6人分の遺書が届けられていないことに対して、町教委は「遺書を残した戦争と、戦死した戦争が違うことで、届けられなかったことも考えられる。しかし、あくまでも推測にすぎない」としている。
町教委が、同校資料庫の古文書などを整理調査したところ、棚の上の段ボール箱の中に、ひとまとめにされていたという。なぜ小学校の資料庫に置かれたのか、その経過は明らかになっていない。
町教委は、本人や遺族に連絡をとって、返していきたいという。 -
合併後のまちづくり メリット、不安は…
高遠町と町議会は28日夜、「合併後のまちづくりに関する町民懇談会」を町総合福祉センターやますそで開いた。伊那市、長谷村との合併を控え、地域住民の不安を解消し、今後のまちづくりを考える機会として計画。地域住民200人余が参加し、合併に関する疑問や、合併後のまちづくりについて意見を交わした。
合併のメリットを問う意見に対し、伊東町長は「弱者にしわよせがくるといったことはない。合併しない場合の方が住民負担が高くなる。一方で、合併して現状より良くなる部分がある」と強調し、「地域協議会が置かれ、市長に意見を伝えられることになっているため、協議会を充分活用していく必要がある。住民の声を施策に反映させ、よりよい新市を築いていくことが重要」とした。
また、新市に向けた準備や取り組み、地域協議会の構成、婦人会や老人会などの組織のあり方などについての質問のほか、「住民の直接判断が示せなかったことは遺憾。今後、次世代を担う若者や子どもたちへの影響が心配」との意見も出た。
伊東町長は「地域住民の理念を尊重し、地域の特性を生かした合併にしたい」と述べた。 -
高遠小で高遠城の絵図新たに2枚発見
高遠町の高遠小学校資料庫からこのほど、高遠城の絵図が新たに2枚発見された。これにより、高遠城やその周辺の様子を描いた絵図は、町が確認しているだけで80点となった。町教育委員会は、この2枚を町立歴史博物館か古文書館に移管したいとしている。
見つかった絵図のうち1枚は横2・30メートル、縦1・8メートルほどの大きさ。江戸時代初期、鳥居忠春と忠則が藩主だった1936年から1689年の間の高遠城を含む藩士の武家屋敷割りが描かれている。
町教委によると、絵図には幕末の学者である中村元起(1820窶・884)の庵をさす「希月舎蔵」の判が押されていることから、謄写した絵図を中村元起が所持していたとみられる。
鳥居時代のものは、今回と同様の屋敷割りと、簡略化されたものが11点確認されている。
絵図は町教委が同校資料庫の古文書などを、整理調査していて発見。ほかにも、明治初めころの教科書や古文書、進徳図書館の書籍なども見つかった。 -
伊那消防組合議会の7月臨時会
伊那市など6市町村でつくる伊那消防組合議会の7月臨時会が28日、伊那市役所であった。05年度一般会計第1回補正予算や、高遠消防署に配備する水槽付き消防ポンプ自動車1台の取得など、3議案を可決した。
05年度一般会計補正は、5675万9千円を追加し、総額12億7172万2千円とした。主な歳出は、4月末に横転事故があった、伊那消防署のはしご付き消防ポンプ自動車の修理に関する一時借り入れ金5500万円、箕輪消防署の化学防護服2着の購入金169万5千円。
高遠消防署に配備する水槽付き消防ポンプ自動車は、来年1月末に納車予定で、取得予定価格は3千990万円。 -
「イーナちゃん楯市町村大会」
伊那市の「イーナちゃんマレットゴルフクラブ」(池上為夫会長)の「イーナちゃん楯市町村大会」が27日、西箕輪のマレットパークはびろであった。辰野町から駒ヶ根市まで8市町村から、150人が集まり、優勝を競った。
今年で3回目。天候もよく、木々に囲まれたコースは涼しく、マレットゴルフ日和。参加者の一人は「いろいろな人と一緒にマレットゴルフが楽しめてよかった」と感想を話した。
結果は次の通り(市町村名なしは伊那)。
▽男子 (1)宮下近夫(117(2)松川幸夫118(3)池田修治(宮田)119(4)大沢昭人119(5)向山良人119(6)藤沢幸雄(箕輪)120(7)北原忠義121(8)林初雄121(9)有賀政也122(10)渋谷雍裕122
▽女子 (1)鈴木光子(南箕輪)119(2)白鳥栄子119(3)小平貞子119(4)林清子120(5)塩沢トシ江121(6)池田紀子123
▽ホールインワン 田中宏、小沢恒二郎、赤羽篤、木村庄蔵、広瀬良治、千葉謙、林清子、田中悦子、池田紀子、山崎和子、須山しづ子、下平輝佐子、渋谷香代子、佐々木琴代 -
高遠町で大奥絵島の法要
高遠町的場の蓮華寺で23日、江戸時代の疑獄事件で高遠に遠流された大奥女中の絵島の法要が営まれた。
伊東義人町長をはじめ、絵島のゆかりの地である長谷村、東京都三宅村などから約70人が出席し、本堂での法要後、絵島の墓に献花をして、めい福を祈った。
絵島は徳川6代将軍家宣の側妻、月光院に仕えた大年寄。絵島が34歳の1714(正徳4)年1月、月光院の代理で家宣の墓参りをした際に、恋相手といわれる歌舞伎役者の生島新五郎の芝居見学をして城の門限に遅れ、「公務をおろそかにした」と高遠の遠流の刑が下された。
その後、1741(寛保元)年、4月に没するまでの約30年間、屋敷の中に囲まれたまま生涯を過ごし、遺言によって日蓮宗の同寺に葬られた。
法要は、町が一昨年まで開いていた「絵島まつり」に併せて行ない、昨年から祭りは「高遠城下まつり」と名称を変更したが、引き続き、祭りに先立って営まれている。 -
第2回高遠城下まつり
高遠町の夏を彩る「第2回高遠城下まつり」が23日、本通りを中心に開かれた。町内外から大勢の観光客を集めたほか、友好交流を深めている東京都三宅村からも関係者が訪れた。
城下町らしさの全面に打ち出したまつりとなるよう、従来の絵島まつりを36回目を最後に、昨年から名称を変更して行なっている。
伊那市、長谷村との合併を見据え、町として最後の祭りになることで、これまでの高遠の時代を辿った「高遠時代絵巻」は、平安末期から現代までの高遠を代表する人物を地域住民ら総勢50人が演じ、本町からJR高遠駅までの本通りを練り歩くなどして会場を沸かせた。
地元実業団などによる出店が祭りの雰囲気を盛り上げたほか、高遠ばやしや高遠太鼓の披露、さらには夜の町民踊りなど、多彩なイベントを繰り広げて、盛大に幕を閉じた。 -
高校野球
【長野オリンピックスタジアム】<br>高 遠<br>0022310-8<br>8020212×-15<br>軽井沢<br>(7回コールド)<br> 唯一の3年生・伊藤(郁)を主将に、1、2年生中心の若いチーム高遠は、初回から主戦・福澤が軽井沢打線に捕まり、8点を失う苦しい展開。その後、両チームともに点を取り合い、高遠は5回、酒井の安打などで、1死1、2塁の好機をつかみ、北原(仁)の右翼越え打、相手の後逸で3点差まで追いつく。しかし後半、リズムを取り戻したかと思われた、高遠打線の連打はなく、逆に追加点を与え、7回コールドの惨敗となった。<br> ○…保母崇監督<br> 高遠がやりたかった、内野の間を抜けるバッティングを相手にやられた。8点差をあきらめず追い上げで、チームの競いを感じたが届かなかった。<br> ○…伊藤郁也主将<br> 1点づつ取っていき、中盤の勢いで逆転したかった。(後輩へ向け)来年は今年を上回る強いチームに育つと思う。このチームで最後まで楽しめてよかった。<br>
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05年上半期の交通事故状況
伊那署はこのほど、管内で発生した今年上半期(1月-6月)の交通事故の状況をまとめた。人身交通事故は305件で前年同期比17件減(5・3パーセント減)、死者は1人で同比3人減(75・0%減)、けが人は385人で同比25人減(6・1パーセント減)となった。
市町村別の人身交通事故の発生状況は、伊那市が184件で同比7件減(3・7パーセント減)、高遠町が8件で同比3件増(60・0パーセント増)、箕輪町が60件で同比18件減(23・1パーセント減)、南箕輪村が52件で同比8件増(18・2パーセント増)、長谷村が1件で同比3件減(75・0%減)。箕輪町の事故件数については、バイパスでの事故が今年に入って減っている。
第一当事者が高齢者の事故、高齢者の関わりがある事故、歩行者の事故、飲酒がらみの事故が前年同期と比べ増加。事故原因の多くは、わきみ運転、左右の安全不確認、速度超過など、基本的な運転行為を怠っていた。
一方で、第一当事者が女性の事故、若年の事故、交差点内の事故が前年同期と比べ減少。交差点内での事故については、道路管理者と連携を取り、事故多発地点に安全対策を実施した効果が、減少につながったのでは-としている。
伊那署の下里幸巳交通課長は「今年の下半期からは特に、高齢者事故防止を重点にして、参加、体験、実践型の交通安全教育などを実施し、交通事故総量抑制を図るなかで交通死亡事故を防止していきたい」と話す。 -
高遠町、長谷村へ伊那まつりをPR
<br><br><br> 伊那市の「第33回伊那まつり」(8月6、7日)をPRするため、酒井茂同市助役、中村孝夫実行委員長、林政喜実行委員会市民おどり委員長ら5人は12日、高遠町、長谷村役場をキャンペーンに訪れ、住民への参加の呼びかけなどの協力を依頼した。<br> そろいの法被(はっぴ)で高遠町役場を訪問した酒井助役らは、祭りの特徴や歴史などを伊東義人高遠町長に説明。中村実行委員長は「高遠町から、大勢の人たちが参加するよう協力を」と訴え、伊東町長は「全面的にお祭りに協力したい」と返答した。<br> 来春の3市町村合併をひかえ、市民踊りや祭りへの参加をPRするため、今年初めてPRキャンペーンを実施した。<br> 各市町村の交流を図るため、同祭りの「市民おどり」(8月6日)には、同町から30人、同村から50人の、住民と職員でつくる踊り連が参加。また、同市からは同町の「城下まつり」(23日)に50人以上でつくる踊り連が参加する。
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花のヨーロッパ視察参加者の会ドウダンツツジ定植
高遠町の「花のヨーロッパ視察参加者の会」は11日、ナイスロード沿いに、ドウダンツツジ10本を定植した。 会は、花を通じたまちづくりや交流を支援している「日本花の会」の事業の一環として、1989年縲・7年の間、フランスやオランダをはじめとするヨーロッパで、花づくりを視察してきた57人が結成。
5年ほど前から、町内で花づくりに関する活動を続けており、毎年この時期は草取りをしたり、チューリップの球根配布などをしている。会員それぞれは、個人的としても花づくりに取り組んでおり、町の中、さまざまな場所で、花を目にすることができる。
20人ほどが参加したこの日は、以前に植えたツツジ並木で、枯れたりして欠損した箇所に、もう一度ツツジを定植。今後も、研修会などを行いつつ、町の花づくりを進めていく。