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回顧(3月)
▽高遠町は1日、町のことを後世に伝えていくことなどを目的とした「ガイド検定」の実施計画を町議会全員協議会で報告した
▽箕輪町は3日、上下伊那で初となるデジタル防災行政無線設置やバイオディーゼル燃料などの新規事業を盛り込んだ05年度当初予算を発表した
▽植物の活性化に有効とされる農業集落排水処理水の本格的実証実験が宮田村で始まる
▽駒ヶ根市、飯島町、中川村の法定合併協議会が5日、最終会議を開き、3月31日付けで廃止することを確認した
▽全国展開を目的とした宮田村の山ぶどうワイン「信州駒が原」が7日、醸造元・本坊酒造信州工場から販売された
▽補助金を受けずに障害者の自立を目指す福祉事業所「どうぞのいす」が7日、それに先立つ事業「心の相談室」を伊那市で開始した
▽伊那市、高遠町、長谷村の各議会本会議で10日、3市町村を廃して新たに「伊那市」を設置することなどを盛り込んだ合併関連議案が可決された
▽伊那市東春近出身のジャーナリスト・河野實さんが17日、来伊し、約40年ぶりに復刊した著書「愛と死をみつめて」のテレビ・映画化を報告した
▽高遠町議会議員選挙が22日、告示され立候補した14人の無投票当選が決まった
▽自律化と効率化を目的として初めて公募制を導入した長野県伊那文化会館館長に24日、長野市出身の徳武利政さんが内定した
▽地域の景観保全を目的とした「ふるさと景観住民協定」が25日、伊那市西箕輪地区で締結された
▽緊急災害時などに情報ツールを役立てることなどを目的とした宮田村の地域情報化計画が大筋でまとまり、コストをかけずに若者などの積極的な活用を盛り込んだ
▽伊那公共職業安定所の2月の有効求人倍率が98年3月以来、1・4倍台に回復した
▽産学官共同で進めてきた「上伊那輝く!経営者キャンペーン」が30日、2周年を迎え、新たな取り組みの開始に向けて発展的に解散した -
第2回 森の座談会
子どもと読書を考える【上】国際的な学力調査で、日本の児童・生徒の国語離れ・読書離れが指摘されている。読書離れの傾向が、子どもの語彙力・読解力のみならず、感受性や論理的思考力、表現力の低下につながることは以前より指摘されており、調査の結果に各界各層から憂慮の念が表明され、その打開の手立てが探られている。
上伊那でも、朝の読書の時間を設けるなど学校現場での努力や、各種ボランティアなども活躍する。さらに04年からは上伊那に書店やスーパーを展開するニシザワが、創業80周年を記念して小中学生の読書感想文コンクールを開始。2回目の05年には、747作品の応募があるなど、読書の拡大に影響を与えている。
では、いったい上伊那の子どもの読書状況はどうなっているか?「本を読む」ことにはどのような魅力と力が秘められているか?竏虫qどもの読書に関係を持つ、さまざまな立場の人に語り合ってもらった。 -
産業廃棄物適正処理地域懇談会開催
上伊那地方事務所は19日、産業廃棄物処理業者や市町村担当者などを対象とした産業廃棄物適正処理地域懇談会を開いた。
来年1月から施行される「産業廃棄物処理事業計画等に係る事前公表ガイドライン」の周知と、産業廃棄物の適正処理、施設に対する地元の合意形成の方向性を模索することなどが目的。
新ガイドラインは事業者に対し、新たに実施する産廃処理事業計画を地域住民に事前に説明することを求めたもので、合意形成の透明性確保や地域住民との相互理解を図ることを目的としている。しかし事前説明会は事業者の計画周知が目的であって、計画の実施を妨げるものではない。
参加者には「事前公表によって、これまでは理解が得られていた事業についても、産廃処理事業について知らない人の反対まで仰ぎ、うまく実施できなくなるのではないか」と懸念する声もあった。
事前説明会は、これまで任意で実施してきた各事業者も多いが、参加も得られないほど強い抵抗を示す地域住民も多い。住民への県の働きかけを求める声も多くあった。 -
権兵衛開通は2月4日
権兵衛トンネル道路の開通は2月4日になることを、飯田国道事務所が16日、正式発表した。当日は午前10時から権兵衛トンネル内で現地セレモニー、正午から伊那市民体育館で開通式典を開く。
トンネル内セレモニーでは、テープカットはじめアトラクションのほか、通り初めのパレードが行われる。開通式典では式辞などのほか、工事報告なども予定されている。
開通日について自治体首長などが既に公式の場面で2月4日と明言していたが、工事を所管する飯田国道事務所は「準備調整中」を理由に、「2月上旬」と述べるだけで、具体的日付を明言しないでいた。
今回開通するのは、伊那市与地から塩尻市奈良井の姥神トンネルまでの9・9キロ。普通の道路にあたる土工部分が3・2キロ(約32%)、橋梁部分が1・2キロ(約12%)、トンネル部分が5・5キロ(約56%)になる。
事業費は、トンネルを中心にする国の直轄事業が約450億円、長野県施工部分が伊那側で約40億円、木曽側で約115億円で、合計約605億円。
開通により伊那と木曽は45分で結ばれる。 -
上伊那の山岳愛好団体 風力発電事業に反対
上伊那の山岳愛好者でつくる5団体は16日、高遠町・長谷村に計画されている風力発電事業に対して自然景観を守る立場から反対、上伊那地方事務所長や上伊那7市町村長らに中止要望書を提出した。
要望したのは「伊那山仲間」(丸山正一会長)「伊那山の会」(田中幸雄会長)「駒峰山岳会」(清水千博代表)「駒ケ根山岳会」(林博文会長)「中央アルプスの自然を愛する会」(伊藤精晤会長)。要望書で「私たちが未来世代へ残すものは、誇るべき自然景観で、山の上に連なる人工物では決してないはず」と事業主体者に計画中止を指導するよう求めている。
団体代表者ら6人が各所を訪問。要望書を読み上げ、風車が設置された場合の権兵衛トンネル入り口や仙丈ケ岳などから見える景観のイメージ写真約10枚を示した。
丸山会長は「クリーンエネルギーを否定するものではないが、自然景観と引き換えるには代償が大きすぎる」と訴えた。
上伊那地方事務所の牛越徹所長は「クリーンエネルギーへの転換と景観との接点をどう図るかが大きな課題。法令の手続きに沿って対応したい」、伊那市の小坂市長は「南アルプスは伊那住民が愛着を持つ山。説明はこれからで、住民の意見を踏まえながら対処したい」とそれぞれ答えた。
要望書を出した市町村は風車の見える地域で、伊那市、高遠町、長谷村、箕輪町、南箕輪村、宮田村、駒ケ根市。
事業は、事業主体の三峰川電力が入笠山縲恷ュ嶺高原の尾根伝い約11キロに、高さ100メートルほどの風車30縲・0基を取り付ける計画。 -
日本和装長野学院第5回学院祭
着付け、手描友禅など、和装に関した技術を学ぶ日本和装長野学院は16日から、第5回学院祭を伊那市駅前ビル「いなっせ」で開いている。手描友禅の着物や組紐の角台など約100点が、訪れた人の目を楽しませている。
同学院は、日本和装コンサルタント協会の長野県支部で、学院長の福澤弘子さんをはじめ、講師は上伊那在住者が多い。南信を中心とした29教室に約100人の生徒がおり、手描友禅、組紐(くみひも)、刺繍(ししゅう)着付けなどを学んでいる。
出展者は初心者講師からまでと幅広く、圧倒的に60、70代の女性が多いが、男性受講者もいるという。
手描友禅の着物は、協会の全国大会にも出展した作品。五所解模様などの古典的な絵柄から、スケッチから起こした新鮮なデザインまでが並ぶ。
福澤学院長は「みなさんに和みの気持ちを感じてほしい」と話していた。
午前10時縲恁゚後5時。入場無料。18日まで。
18日は午後1時から花嫁着付けや創作帯結びの着付けショーもある。 -
何度も黙読し、イメージを広げて、朗読する
伊那朗読の会代表 小林豊子さん(63)「今年は上伊那の朗読をする人たちにとって、とても意味のある年だったんですよ」
05年を振り返る。詩・小説・絵本などを朗読する会を立ち上げて24年。20回目の記念発表会を2月に開いた。これに機を合わせるように、上伊那で朗読をするグループの交流と、技術向上の気運が高まったという。
1つのきっかけは本紙のケーブルテレビの番組「いなまいニューススタジオ」への出演。長年にわたり地道に続けてきた活動を紹介し、キャスターの武田徹さんと「言葉を大切する」ことへの気持ちで意気投合した。
偶然、武田さんもSBCラジオで、県内の朗読や読み聞かせのグループを紹介し発表の場を作る番組(「言葉はちから竏著N読なかま大集合竏秩v 毎週土曜日午後4時半から放送)を企画しており、その最初の収録・放送に上伊那のグループが出演することになった。
さらに4月終わりには、朗読や読み聞かせのグループが一堂に会する交流の場を持ったところ、辰野町から中川村まで上伊那中から40人もが集まった。これは24年間の活動のなかではじめてのことだった。
「目的も活動状況も、朗読についての考え方も、まったくバラバラで違うのよ。驚いたけど、同時に頑張らなくちゃと思ったわ」
子どもを対象にした読み聞かせのグループ。目の不自由な人を対象に自治体の広報やさまざまな文書を読んで伝える朗読ボランティアの人。そして、朗読を、文学作品などを読み上げる1つの表現活動としてとらえ、練習し・発表会を開く自分たちのグループ。
どのグループもそれぞれの持ち場で一生懸命だが、子どもや視覚障害者向けに朗読する場合にも、表現活動としての朗読の基本を理解してもらえれば、もっと豊かで広がりのある情報や感動の伝達ができるはず。自分たちが学び・考え・練習してきたことを少しでも共有してもらえれば、「朗読の輪はもっと広がる」と思った。
24年前に、当時の伊那健康センター所長だった故・宇治正美さんを講師役に会を立ち上げた。宇治さんは青年団の演劇を指導したり、看護師が患者に話し掛ける際の「演劇的発想」の重要性を説いたりした医師で、朗読という表現活動の考え方と方法を厳しく教えた。この集まりに、同じく当時の伊那保健所長で、母乳保育と絵本の読み聞かせの重要性を訴えた小林美智子さん(現長崎シーボルト大学教授)なども加わり、朗読とは何かを語り合い、練習を重ねた。
ただ声に出して読めば良いというものではない。何度も黙読して作者の伝えたいことを理解し、作者が目にしている情景・場所・季節・風・音などをイメージする。それをどう表現するか?声の大きさ・高さ・アクセント・リズムを考え・練習して読む。
「難しく思われるかもしれないけど、これを心がければ、もっと人の心に響く朗読ができるようになるはず」
「ことばの力」を信じて来た人は静かに話した。
※練習日は毎月第3木曜日午後7時30分から。伊那公民館で。
(毛賀沢明宏) -
上伊那定数1減を了承
上伊那県議団が懇談上伊那選出の県議6人は14日、県会開催中の長野市において懇談し、次回県議選をにらんで進められる選挙区制度の見直しついて、上伊那全体の定数を1減とする方向で望むことを了承した。
市町村合併にともなう県議選選挙区の見直しが進められる中、「上伊那全体で現行の定数6を守るべき」などの意見が出されているが、伊那市・高遠町・長谷村の合併後に、仮に従来通りの伊那市区・駒ヶ根市区・上伊那郡区の3選挙区で選挙を行っても、人口数などの問題で全体の定数が1減になる。また、地域性をより重視する伊北・伊那市・伊南の3区制の提案も、定数をさらに減らす可能性もある。
これらのことから定数1減は避けがたいとし、これを前提にして調整を進めるよう地元の選挙区等調査特別委員である向山公人県議に一任することを了承した。
そのほか、(1)県議が選挙区内で各種の寄付行為を行うことについては、公職選挙法にそって禁止を徹底すること、(2)会議や行事などへの招待の扱いについては、招待の通知に会費が記入されていないものについては会費を差し控えること竏窒熏㊧モ確認した。 -
職員人権・男女共同参加社会づくり研修会
職務上、公平さが求められる公務員に、改めて人権問題や男女共同参加社会の意識を高めてもらおう竏窒ニ、上伊那地方事務所このほど、職員人権・男女共同参加社会づくり研修会を伊那市の県伊那合同庁舎で開いた。
研修は9月に引き続き2回目。上伊那の市町村職員や県職員などが参加。
伊那教育事務所生涯学習課の唐澤孝則教育支援主事は、誰もが無意識のうちに持っている「固定概念」をゲームを通して説明。人権問題と向き合う場合、さまざまな思い込みにとらわれないことの重要性を示した。 -
しわすコンサート
上伊那の小中学校の音楽教師らが自由な演奏を発表する機会として7年前から毎年末に行っている「しわすコンサート」が10日、駒ケ根市の駒ケ根高原美術館別館VITA AMOR(ビタ・アモール)で開かれた。音楽教師や家族など約70人が集い、学校の授業とは違ったそれぞれの一面を披露し合って師走のひとときを楽しんだ。
約30人の出演者によるパーカッション演奏ではドラム缶、たらい、ポリタンク、ペットボトルをたたいて生み出す力強いリズムの響きが会場を満たし、圧倒的な迫力で聴衆の度肝を抜いた=写真。
ステージにはアコーディオンやリコーダー、筝、フルートや金管楽器など、それぞれが趣味で演奏している多彩な楽器を携えた出演者が代わる代わる登場し、クリスマス・ソングやポピュラー、ジャズなどのさまざまな曲を見事なアンサンブルで奏でた。 -
力強い音 堂々と
箕輪町発足50周年記念事業「子ども太鼓in箕輪・第5回学校太鼓交流発表会」が10日、町文化センターであった=写真。上伊那の小中学生が太鼓を披露し合い、交流を深めた。上伊那教育会総合・生活科教育研究会、町教育委員会主催。
小学校10校、中学校1校、伊那養護学校のほか、招待チーム「みのわ太鼓ジュニアチーム」出演し、全13プログラムを披露した。
箕輪南小2年は、音で雲も呼び寄せる雨ごい太鼓の「龍神太鼓」、両小野小4年は、小野神社の御柱祭などで奉納された「牛炬火」、赤穂中2年2組は、昨年の文化祭で聴いた先輩の演奏に感動して取り組んだ「屋台囃子」など、各校は練習を積んできた曲を堂々と演奏し、力強い音色をホールいっぱいに響かせた。 -
JA上伊那合併10周年生活部会「女性まつり」
上伊那農業協同組合生活部会などは10日、第10回女性まつりを伊那市の県伊那文化会館で開いた。約1400人の部会員が上伊那各地から訪れ、生活部会のこれまでの歩みを振り返ったり、今年のテーマ「やっぱり健康が一番縲怩艪ニりのある暮らしを」にちなんだ寸劇「やっぱり健康が一番」を楽しんだ。
生活部会は、JA上伊那と共に10年前に発足。高齢化社会の進行に伴い、農村に果たす女性の役割の重要性を認識し、女性が主体となって、食や健康に関する知識を広め、豊かな生活を実現するために活動を続けている。
生活部会本部役員は、畑で作った農作物のおいしさや、部会活動への若い女性の参加を呼びかける寸劇を披露。ユーモアたっぷりの演技には、会場から何度も笑いがおこった。
地域の発展・活性化などにも積極的に協力している女優・藤田弓子さんによる講演もあり、参加者を楽しませていた。 -
信州大芝高原マレットゴルフ親交会定期総会
信州大芝高原マレットゴルフ親交会(北原忠義会長)は9日、定期総会を大芝荘で開き、06年度の事業目標や新役員を決め、年間成績優秀者を表彰した。
会員は136人(男子85人、女子51人)。05年度の初打ちは4月15日。第2回選手権大会は5月に開催。例大会は37回。参加は延べ3373人で、1日平均92人。春・夏・秋・納大会も各100人を超える参加だった。
大芝の緑を守るために昨年から取り組んでいる「緑の基金」は、本年度は会員の浄財4万9986円集まった。12日に村に届ける。
役員は監事の小木曽敏さんが退任し、林剛さんを新任した。
年間成績優秀者は次の皆さん。
◇男性 (1)荻原文博80南箕輪村(2)大野田吉治73伊那市(3)藤沢幸雄69箕輪町(4)高木芳直62南箕輪村(5)小山栄二57箕輪町(6)中條清志55辰野町、清水利夫55伊那市(7)小島清46伊那市(8)下平節治45箕輪町(9)大沢昭人44伊那市(10)小沢恒二郎41伊那市
◇女性 (1)小沢かほる92(2)原幹子88(3)大槻キサエ82(4)北沢ヒデ子75以上南箕輪村(5)中島きくえ74箕輪町、浅野八重子74長谷村(6)酒井範子61(7)網野さだ子53(8)小林えみ子、白鳥栄子47(9)林米子44以上伊那市(10)武村八千江42南箕輪村、有賀智世子42伊那市 -
冬のもてなし料理6品を学ぶ
家庭健全のために活動する伊那友の会は8日、伊那市日影の伊那友の家で家庭料理講習会「冬のもてなし料理竏註ウ月料理にもう一品」を開いた。上伊那郡内から女性44人が参加し、冬野菜を使った6品の作り方を習った。
惣菜など買えば何でもそろう時代だが「おふくろの味」を見直し、クリスマスや正月など祝い膳を囲む機会に、手作り料理でもてなそうと企画した。
メニューは赤ワインのピラフをはじめ、ジャガイモやニンジン、タマネギなどを煮込んだポトフ、サーモンのダイコン巻きなど6品。
伊那友の会員6人が講師を務め、参加者の前で手順や作り方のポイントなどを交えながら実演した。
家庭にある冬野菜を使い、手軽にできる料理とあって、参加者は熱心にメモを取り「家でもぜひ、作ってみたい」と話していた。 -
仙醸、「仙人蔵」飲み比べ
街の飲食店と協力して高遠町の醸造会社仙醸(黒河内靖社長)は、上伊那の5軒の居酒屋と協力して、新しい銘柄「仙人蔵」のさまざまなタイプを飲み比べる企画を始めた。
純米無ろ過原酒・純米吟醸酒・特別本醸造酒・純米酒の4つのタイプの仙人蔵を用意し、特製の飲み比べグラスで50縲・0ccずつ味わってみようというもの。1つの銘柄でも、製造工程の違いで味が変わることがよく分かり、同社では、日本酒探訪の入口になると位置付けている。
同社の試みに協力するのは、高遠町西高遠の「ながせ」、伊那市旭町の「むさし」、入舟の「亀」、春日町の「串正」、駒ヶ根市中央の「さいとう」。「仙人蔵のみくらべセット」として840円で提供する。
仙人蔵は03年から製造発売。はじめは純米酒をろ過せず、水を入れてアルコール度数を下げることもしない「無ろ過原酒」タイプだけだったが、「仙醸の新しい酒」と評判が広がるにつれて、醸造工程を低温に保って香りと繊細さを出した「純米吟醸酒」、米の個性を活かした「純米酒」、キレと飽きのこない味を出すために、ごく少量、醸造用アルコールを使用した「特別本醸造酒」竏窒ネどタイプを増やしてきていた。
同社企画主任の丸山慎一さんは「これを機会に、まず仙醸の、そして日本酒全般への関心を広げていただければ幸い。若い女性にも向いていると思います」と話す。 -
城田陸協理事長に秩父宮章と文部科学大臣賞
長野陸上競技協会理事長で駒ヶ根市赤穂在住の城田忠承さん(65)が、国内で最も権威のあるスポーツ功労章のひとつ秩父宮章と文部科学大臣賞を受けた。4日に同市内で祝賀会が開かれ、教え子をはじめ陸上関係者、各界の代表者ら約200人が出席。陸上競技の発展に貢献した功績をたたえた。
妻の敏子さんとともに壇上に立った城田さんは「多くの人に支えられたおかげ。今後も体が動く限り頑張っていきたい」とあいさつ。
祝賀会発起人の北沢秋司上伊那陸上競技会長らは「この伊那谷の地でアスリートを育て、地域に限りなく貢献された。今後もご尽力いただきたい」と祝福した。
城田さんは赤穂、伊那北など伊那谷の高校で教べんをとり、選手の育成に尽力。インターハイに選手を次々と送りだすなど、上伊那陸上界をリードした。
退職後も指導者、協会役員などを歴任。現在は日本陸上競技連盟の評議員も務めている。 -
上伊那高校生の声を届ける会
高校生の声を高校改革プランに反映させてほしい竏窒ニ上伊那高校生の声を届ける会が4日、伊那市民会館で集会を開き、約70人の参加者が、どのようにプランと向き合っていけばよいのかなどを話し合った。統廃合の対象となっているかなっていないかにかかわらず、関心の低い人にも関心を持ってもらうことの必要性を認識。まずは自分たちの周囲やこれから高校生になる中学生に、プランを知ってもらうための活動を進める。
会は10月にあった高校改革プランについて考える高校生集会に続くもので、上伊那で具体的な行動へと移ることを目的として県立高校の生徒会役員などが立ち上げた。
高校改革プランについては、知らない人も多いというのが実情で「高校生全員で考えていくことが大切」という考えから、プリント配布などを通して多くの高校生や中学生へと問題を伝えることを決めた。また、高校生が現在の高校をどう感じているか竏窒ネどをアンケート調査し、推進委員会や県教育委員会などに伝えていく。 -
高校改革プラン推進委員会(12)
第3通学区の高校改革プラン推進委員会(池上昭雄委員長)が4日、南箕輪村民センターであった。委員会は、最終案の取りまとめを遅くも来月中旬としていたが、急きょ浮上した諏訪の統合案に対する諏訪地域の動揺を受け、合意形成の必要性を認識。1月末までに同地域に合意形成を図ることを求め、最終案の取りまとめも、それを受けて移ることを決めた。
下伊那は長姫高校と飯田工業高校の統廃合を提案した。
定時制高校の配置は、諏訪1、上伊那1、下伊那1とする県教育委員会の案を採用することで確認。実質的に、上伊那農業高校定時制廃止の方向が明確となった。
岡谷東、岡谷南の統合案が地域に与えた衝撃は大きく、諏訪広域連合など5団体が白紙撤回を求める要望書などを提出。諏訪の委員も「9月から検討を始めた諏訪は他地域より検討を始めたのが遅い」として地域の声を聞く時間を求めた。合意形成の必要性を他の委員も認識。諏訪には1月末までに合意形成を図ることを要求し、最終案の取りまとめも2月以降を目指すこととなった。
前回具体案を示さなかった下伊那は、飯田長姫と飯田工業の統合し、同校に中間部のある定時制も設置することを要求。県教育委員会が下伊那への設置を提案した総合学科については、実業高校を残すことへのこだわりから設置案は挙がらなかった。下伊那は今後の南信州広域連合などで再度総合学科の設置について検討を進める予定だが、下伊那で設置案がなければ、第3通学区には総合学科が設置されない可能性も出てきた。 -
今シーズン初の雪化粧
上空に強い寒気が入った影響で、上伊那の里も今季初めての雪化粧となった。
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積雪で客殺到の自動車工場
4日午後から伊那谷は雪模様。見る見る雪が積るのに直面し、自動車のタイヤをノーマルからスタッドレスに履き替えていないユーザーは、自力で履きかえたり、自動車工場に飛び込んだり、大慌てだった。
伊那市中央区のトモエ自動車では、朝から客の車が数珠つなぎ。4日だけで約70件が殺到し、午後10時まで作業の追われた。店の人は「10日前でこんなに忙しいのは珍しい。台数は記録かも」と。
南箕輪村神子柴のカローラ南信は、朝から午後7時まで、100台を超す車がタイヤ交換。「一挙に降ったので、お客さんも慌てたのではないか。こっちもてんてこまいだったけど……」と話す。
駒ヶ根市に本社を置く松井自動車は、駒ヶ根本店・伊那支店それぞれで3・4日の両日、各150台を越えるタイヤ交換に追われた。「3日の内から天気予報で降る降ると流れたので、お客さんがドッと来た。4日は、実際の雪を見て。5日朝もまだ雪模様だったので。とにかく三日間、社員総出でタイヤ交換をやっているような状況です」。
毎年12月はタイヤ交換作業が多いが、近年雪が舞っても一挙に積ることは珍しく、12月一杯をかけて順次交換作業が進む状況だった。「これだけ短期間に集中したのは久しぶり」と業者は口をそろえた。 -
食と健康を考えるつどいパート20
伊那保健所、県食生活改善推進協議会上伊那支部、南箕輪村主催の「食と健康を考えるつどいパート20」は30日、南箕輪村民センターであった。約300人が集い、20周年を記念した寸劇、講演などで生活習慣の改善などを学び合った。
南箕輪食生活改善推進協議会の伊藤幸子会長が、身体障害者のリハビリを兼ねた調理実習と会食、一人暮らし老人への給食サービス、ヘルシーメニューの普及、小学生の親子対象ファミリークッキングなど活動事例を発表した。
朝食を食べない子どもの話に触れ、「食育を考え、母親、保護者と楽しい料理教室ができることを願っている」とし、「一人ひとり研さんを積み、村の皆さんが健康で長生きできるよう手助けしていきたい」と話した。
20周年記念の寸劇「健康万歳」では、父の飲みすぎ、母の肥満、ダイエットで痩せすぎの娘など健康に問題のある家族を食改の会員らが会場を笑わせながら熱演し、家族の健康を考えるきっかけを提供した。
伊那保健所の渡辺庸子所長によるメタボリックシンドロームについての講演も聞き、予防と治療は生活の見直し、運動と食事が基本になることを学んだ。 -
構造計算書偽造問題
県、再計算制度開始上伊那でもホテル2棟が耐震強度不足と指摘されている姉歯建築設計事務所の構造計算書偽造で、県は1日、構造計算審査における独自の再計算制度をスタートさせた。
現行の審査では、大規模建築物の構造計算がコンピューターで行われるようになって以降、建築基準法施工規則などにのっとった詳細な計算書が提出図書から省略され審査の対象外にされてきた。姉歯建築設計事務所はこの詳細な計算過程をプログラム操作で改ざんした。
スタートした新たな制度では、この詳細計算書を県独自に再計算する。そのために構造計算一貫プログラムを購入し配備し、必要な人員も再配置するとしている。
対象になる建築物は、県に申請書類が保存されている02年度以降の建築物約200件。民間の指定確認検査機関が建築確認をした建物も、建築主の意向を聞いて逐次実施。今後新築予定の建築物については、確認申請時に必要性を判断して、随時行う。
1日、県庁で塚田和雄住宅部長が記者会見して発表した。上伊那地方事務所には、まだプログラムなどは配備されていない。構造計算書偽造問題に対する都道府県レベルの対応としては先陣を切るものだが、プログラム購入費の捻出や人員配置などに関する困難を指摘する声もあり、一日も早い制度の実質化が求められる。 -
師走の風物誌
ザザ虫漁始まる伊那谷の冬の風物詩ザザ虫漁が1日、天竜川水系で始まった。
伊那市東春近の春近大橋上流の河原では、市内中央区の中村和美さん(78)が早朝から今シーズン初めてのザザ虫取り。鉄製カンジキをつけた足で川底の石をていねいに裏返すと、手で繰った四つ手網に面白いようにザザ虫が集まった。
25年間ザザ虫漁を続ける中村さんによれば、05年は、台風で川が荒れた04年に比して、まあまあの状況。それでも豊漁の年に比べれば、50%位の収穫量だろうと予測する。
トビゲラ、カワゲラ、ヘビトンボの幼虫が主な対象だが、天竜川ではバブル経済期あたりからトビゲラが主流になっているという。
シーズンは2月末まで。冷たい天竜の河原にザザ虫を追う人の姿を見るようになると、伊那谷は間もなく長い冬に包まれる。 -
「宇宙(そら)~無限の可能性~」見つけて
上伊那の幼児から高校生でつくる新体操クラブ「伊那ポーラ☆スター」(橋爪みすず代表)の第14回新体操発表会が12月4日、県伊那勤労者福祉センター体育館である。綿密なリハーサルを繰り返し、メンバーらは発表会に向け練習に熱が入っている。
発表会は「宇宙(そら)~無限の可能性~」と題した5部構成で、ジュニア(幼児~小学6年)を中心に日ごろの練習成果を披露。メンバーのほか賛助出演で「塩尻ポーラ☆スター」「SWANあづみ野RG」など4団体も参加、合計約250人が出演する。
注目は第4部で、小中学校、高校生メンバー約200人が、宇宙の誕生をテーマに物語形式で次々と演技を披露。高校生が中心となって創作した力作となっている。
そのほか、幼児と保護者がボンボンを両手に持ちリズムに合わせて踊ったり、全国大会出場の高校生がレベルの高い演技を披露する。
橋爪代表は「子どもの可能性を見つけられる場。来場者も一緒になって発表会を盛り上げてほしい」と話している。
開場は午前11時30分、開演は正午から。入場無料。 -
不法投棄防止巡回パトロールと防止対策に関する協議
上伊那地方事務所や管内市町村などでつくる上伊那地区不法投棄防止対策協議会は24日、不法投棄常習個所を巡視パトロールし、防止対策を協議した。
各市町村が把握する不法投棄常習個所は増加傾向にあり、約95%が家庭ごみなどの一般廃棄物。道路脇を含む道路への投棄が一番多く、山林、河川と続く。上伊那は車が入り込める河川敷が少ないことなどが影響し、山林への投棄が若干多いという。
ごみステーションに放置される未分別ごみに対しては、各市町村が対策に苦慮しており、生活基盤の安定しない外国人や派遣社員、一人暮しなどが投棄するケースが多い。
それぞれの対策方法について意見交換した参加者からは「不法投棄された理由まで分析する必要がある」などの意見もあった。 -
幅広い営農に支援
関東農政局が説明会関東農政局長野農政事務所が主催する「経営所得安定対策等大綱」についての説明会が24日、伊那市狐島のJA南信であり、市町村・農業委員会・土地改良区・JA・県の機関などから300人が集まった。県内では18日の長野県民文化会館に次いで2回目。
同大綱は、3月に閣議決定された新たな「食料・農業・農村基本計画」に基き、(1)品目横断的経営安定対策、(2)米政策改革推進対策、(3)農地・水・環境保全向上対策窶狽フ具体的方針として農水省が決めた。
(1)の品目横断的経営安定対策の骨格は、複数の作物の組合せで営農されている水田作・畑作に、従来のように品種別ではなく、農業の担い手の経営全体に着目して財政支援をするというもの。対象となる担い手を、・ス認定農業者、・ス集落営農組織、・ス特定農業団体(またはこれと同様の用件を満たす組織)にしぼった。諸外国との生産条件の格差是正のために直接支払をすると同時に、販売収入の変動が経営に大きな影響を及ぼす場合には積立金からの補填をする。
(2)の米政策改革推進対策は、(1)の品目横断的経営安定対策が導入されることになったことを踏まえ、02年12月に政府が決めた米政策改革大綱に基く施策との整合性を取るためのもの。担い手と認定された農業生産者に、担い手経営安定対策ならびに稲作所得基盤確保対策として支払っていた支援を、品目横断的経営安定対策に一本化した。
一方、担い手に認定されていない生産者を対象にした産地づくり対策も引き続き実施するとした。
(3)は地域における農地・水・環境の保全や、農業者ぐるみの先進的な営農活動を支援するもの。
農業に関わる国の施策が次々と打ち出されており、その整合性をとるための説明が多義にわたり複雑だが、水稲を軸にした営農活動への財政的支援の問題であることから、参加者は、終始真剣に説明に聞き入っていた。 -
認知症研修会
県高齢者福祉協会南信地区部会は25日、認知症の治療と介護について認識を深めようと研修会を宮田村民会館で開いた。各社会施設の職員や住民ら約150人が参加。患者の立場になって介助する大切さを改めて見つめ直した。
藍野病院加齢精神医療センター(大阪府茨木市)の岸川雄介医師が講師。現状では特効薬もなく、認知症治療は難しいことを説明した。
介護が重要になることを指摘し、トイレで便座に腰掛ける様子を再現。
介助者が患者に言葉で指示するだけでなく、並んで一緒に動作することが行動を起させるきっかけになると説明した。
言葉に頼らず、患者の立場になって一緒に行動する介護方法を参加者は熱心に学んでいた。 -
ハンセン病への正しい理解普及を目的とした講演会
伊那教育事務所は18日、ハンセン病への正しい知識を普及し、偏見をなくすための講演会を伊那市の県伊那合同庁舎で開いた。群馬県のハンセン病療養施設「栗生楽泉園」で現在も生活する飯田市出身の丸山多嘉男さん(77)が訪れ、国の隔離政策の下、送ってきた人生を克明に語った。
22歳で強制収容されて以来、50年以上療養所での生活を続ける丸山さん。「帰っておいで」という家族の呼びかけもある。帰郷への思いも募るが、これまで受けた偏見・差別への「恐怖」が、その決断を思い留まらせる。
当初は病気を直して帰ろうと考えていたが、すぐに「もう帰れないんだ」と実感した。隔離の続く中、トイレ掃除、会計、送迎など、細々とした仕事で生計を立ててきた。しかし、どこにいっても、不況時に解雇される役は、真っ先に回ってきた。一方で、支えてくれた人の存在もあり、ありがたかった窶狽ニ当時を語り、「ハンセン病は薬で治るが、偏見・差別は薬では治らない。本当に病気のことを理解し、心の傷を癒してほしい」と訴えた。 -
第53回上伊那郡縦断駅伝
9市町村16チームが駒ヶ根市役所正面玄関前を午前9時に一斉スタート。1キロ付近で抜け出したのは伊那A、箕輪A、駒ヶ根A、伊那B、辰野の5チーム。天竜大橋に差しかかると、県縦断駅伝代表の駒ヶ根A・羽生が先頭に立ち、後ろを振り返ることなく、2位と31秒差でたすきを渡した。続いて箕輪A・相原、伊那A・北原が中継所に同タイムでなだれ込んだ。
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箕輪町3年ぶり優勝
第53回上伊那郡縦断駅伝競走大会(上伊那陸上競技協会・伊那毎日新聞社主催、KOA特別協賛)が27日、駒ヶ根縲恍C野町の6区間(38・1キロ)であり、9市町村16チームが熱戦を展開した。前半を3位で終えた箕輪町Aが、後半の追い上げで逆転。2時間07分37秒で箕輪町に3年ぶりの優勝をもたらした。
箕輪町Aは1区・相原が31秒差の2位でたすきをつなぎ、2区・佐々木が逆転しトップに浮上。3区・唐沢は他チームの追撃を防げず2位に後退するものの、トップと21秒差で前半を終えた。後半(同時スタート)、4区・大槻の区間新記録の激走でトップを奪う。続く5区・柴、6区・丸山が危なげない走りをみせ、総合で2位と1分29秒差をつけてゴールした。
2位は伊那市A。4位でたすきを受けた3区・萩原が区間新記録の走りで3位に浮上。後半は5区・鈴木が2位を追走しタイム差を縮め、アンカー守屋が2位に浮上した。
3連覇を狙った駒ヶ根市Aは、1区・羽生が区間賞、3区・松崎も3位から1位へ浮上する力走で沿道をわかせたが、総合力で及ばず3位だった。