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山本武夫さん個展 15日までベルシャイン伊那店
飯田市八幡町にアトリエを構える油絵画家・山本武夫さん(67)の個展は15日まで、伊那市日影のベルシャイン伊那店2階文化ホールで開いている=写真。近作を中心に3号から30号サイズまでの作品52点を展示販売している。
下伊那を中心に県内外で展示活動を展開する山本さんの同店で初めての個展。「何を描いても自画像」という作品は、ピエロや少年をモチーフに、自分の哀歓を置き換え表現した人物画を中心に、心象風景や花の静物画などを出品している。
長男の拓也さんは「伊那では初めての個展なので、作品を見たことのない人は多いと思う。点数的にも充実した展覧会なので、見にきて損はないですよ」と多くの来場を呼びかけている。
午前10時縲恁゚後6時(最終日は午後4時)。 -
小黒川の土石流災害現場の今は…
地域の川や湖を調査している伊那市の伊那小学校5年智組(北澤夏樹教諭・33人)は10日、同市内の萱の小黒川支流・西メラツ沢の土砂現場を再調査した。児童らは各班でテーマを持ち、地表や涌き水を調べたり、岩石の採取などをした。
智組は、昨年10月上旬の台風23号の影響で土石流が発生し埋まった沢の被害状態を、同11月中旬に見学済み。その後の変化を見比べるため、今回も信州大学名誉教授の北澤秋司さん(72)の協力で調査した。
児童は、夏から建設している土砂対策の「自在枠谷止工」を見学。関係者の県上伊那地方事務所職員らから、安全に工事が進められているか説明を聞いた。
谷止工は鋼製の枠の中に800立方メートルの石を詰めた砂防ダムの一種。高さ最大7・5メートル、幅44・5メートル、厚さ1・5メートル。コンクリート製に比べて工期も短く、コストも低いという。
児童らは説明を聞くなかで積極的に発言。「上流にも幾つか造らなければ土砂は防げないのでは」「鉄を使うことは自然環境を破壊するのでは」「小さな石では外れてしまうのでは」など関係者に鋭い意見を投げかけていた。
北澤教諭は「調査した知識をもとに、模型を製作して土石流を実際に作ろうと思う。実験から対策方法を学べたら」と次の活動を考えている。 -
せせらぎ水路の小径を再生
伊那市は、市役所南側の「せせらぎ水路の小径」再生事業として整備を進めている。小水力発電装置を新たに設けるなど来年3月上旬の完成を目指す。
せせらぎ水路横に砂利道があるものの「車いすは通れない」という市民からの要望にこたえた。事業費は2200万円(うちコモンズ支援金1081万円)。
事業内容は▽水路を周回する「せせらぎの小径」(延長926メートル)を木材チップなどで舗装する▽地域材を活用してパーゴラを作る▽木橋を水路にかける▽周辺に植えてある木や花に札をつける窶狽ネど。
小水力発電の電力は環境に配慮し、LED(発光ダイオード)外灯や電動スクーターに使いたいとしている。また、水路に植えられているハナショウブは株数が減っているため、来夏の花が咲き終わった後に植え替える。
市は、イベント開催などを検討。池や芝生を一体的に考え、ハナショウブの咲く時期や夏場以外にも憩える場にしたいとする。
工事中は通行止め。 -
永年勤続優良社員を表彰
伊那商工会議所は11日、伊那商工会館で永年勤続優良社員表彰式を開いた。19事業所91人の受賞者のうち約40人が出席した。
対象は会員事業所に5年以上勤務している社員で、5年刻みで表彰。勤続年数が20年以上に功績賞、30年以上に日本商工会議所会頭の賞状を合わせて贈った。
向山公人会頭は、長年にわたる勤務に敬意を表し、来年の市町村合併や権兵衛トンネル開通など大きな変革期を迎える中で「技術と知識に磨きをかけ、地域や企業のために活躍してほしい」と期待。
受賞者を代表して、35年勤続の北原勝人さん=三洋グラビア=は「不況の中にあって製造業は受注の減少などで厳しい。豊かな自然環境の中で働けることを幸せに思い、自らに与えられた職務を精一杯勤めたい」と述べた。 -
伊那フィルが創立20周年
伊那フィルハーモニー交響楽団は12月11日午後2時から、創立20周年を記念した第18回定期演奏会を県伊那文化会館で開く。練習は最終段階で、団員は熱心に取り組んでいる。
演奏会では、バイオリンのさまざまな表情を楽しめるメンデルスゾーンの「バイオリン協奏曲ホ短調」、管弦楽曲の中でも難しいブラームスの「交響曲第1番ハ短調」などを演奏。第1回定期演奏会に出演したNHK交響楽団バイオリン奏者大林修子さんの独奏がある。
北沢理光団長(56)は「他に誇れるオーケストラとして成長し、地域の文化活動に寄与できた」と歩みを振り返り、地域の支えに感謝。ステージを通し、20年間の思いを音に込める。
伊那フィルは85年6月「伊那谷にオーケストラを」と県伊那文化会館建設を機に創立。団員は、伊那市を中心に、飯田市から長野市までの学生縲・0代の80人で構成される。
練習日は月3回。定期演奏会や各地区へ出向くファミリーコンサートのほか「イーナ音楽祭」、「メサイア」「第九」などに参加している。今後、小さなアンサンブルでの活動を広げていきたいとしている。
演奏会の会費は500円。伊那文、伊那市荒井のライオン薬局で販売している。 -
旧制伊那中学校四卒会卒業60周年記念誌刊行
伊那北高校の前身・長野県立伊那中学校を1945年に卒業した同窓生でつくる「四卒会」はこのほど、卒業60年を迎え、記念誌を刊行した。
終戦の年に卒業をした会員は現在、77、78歳。男子154人だった卒業生は99人となった。それでも記念誌には、約7、8割の同窓生が寄稿し、近況報告や過去の思い出を書きつづっている。すでに他界した会員の寄稿もある。「60年を経て、みんなが自分を飾らなくなった。ありのままが素直に書かれた文章は感動する」と編集委員の佐々木昭一さんは話す。
卒業30周年以来、40、50、55、57周年と6回、記念誌を刊行。年を重ねるごとに「5年、10年も待てない」と刊行する間隔が短くなったが、ついに60年を迎えた。
お国のために窶狽ニ、教育された時代。戦争の激化と共に政府は、戦時特例法で5年制だった中学生を4年で卒業させた。そこから「四卒会」と命名した。
学校に通う最中も、ろくに勉強などできなかった。学徒動員でクラス全員が、辰野町の飛行機部品工場へ働きに出た。そこで卒業式も迎えた。「その分、学びへの思いが強く、きずなも強い」と編集委員の春日博人さんは話す。 -
伊那小で川田龍平さんが講演
伊那小学校で9日、PTA講演会があった。元東京HIV訴訟原告で、松本大学非常勤講師の川田龍平さんが「薬害エイズから見た命・人権・平和」と題して講演した。
川田さんは生後6カ月で血友病と診断され、治療のために投与した血液製剤でHIVに感染。93年、東京HIV訴訟の原告に加わり、96年、原告勝訴の形で和解した。
川田さんは「自分がなぜ感染したのか。裁判で薬害の責任の明確化と心からの謝罪を望んでいたが、今もされていない」と責任追及の活動を続ける。「政治家、官僚、企業など癒着した社会構造が原因といわれるが、解決されていない」現状に「二度と繰り返さないために、薬害エイズの悲惨さを伝えることが自分の使命」と話した。
また、薬害を知らない若者が増える中で「過去、被害者だけの問題でなく、自分のこととして考えてほしい」と促した。
講演会はPTAのほか、一般にも公開した。 -
池坊伊那支部青年会の親ぼく会
池坊伊那支部青年会の親ぼく会がこのほど、伊那市駅前ビル「いなっせ」であった。アートツリーの作り方や肌の手入れ方法の講習を、約30人の会員が共に学んだ。
池坊伊那支部は約100人の会員がおり、普段はそれぞれの指導者のもとで個々に活動している。親ぼく会は、会員同士のつながりをつくろう窶狽ニ年1度の恒例。
普段は生け花が活動の主体だが「親ぼく会くらいは別の活動をしてみよう」と、アートツリーやリース作りに挑戦。3パターンから、好みに合った1つを選び、思い思いの作品に仕上げた。
また“美”をつくりだす生け花に携わるメンバーに、自分を磨くことで一つの美を学んでもらおう窶狽ニ、肌の手入れの講習もした。
普段と違った雰囲気を楽しみながら、交流を深めた。 -
第5回伊那市・高遠町・長谷村社会福祉協議会合併協議会
伊那市・高遠町・長谷村の社会福祉協議会の合併協議会第5階が9日、高遠町の高遠閣であり、役員の選出基準や定款の基本項目、会費・利用料の調整案を示した。会費は、現行伊那市の基準に合わせる提案をした。その結果、高遠町・長谷村の徴収金額は減額し、現在より総額で134万円の減となる。
各市町村の現在の会費は、伊那市が一般会員600円、賛助会員千円、法人会員3千円。高遠町は一般千円、法人2千円(賛助はない)。長谷村は一般千円、賛助3千円、法人5千円。法人以外は、伊那市の基準が最も低く、原則としてそれに合わせる。徴収の時期も、伊那市の6月に統一。07年度会費からの導入を提案した。
減額分の内訳は高遠町約82万円、長谷村約51万円。給付金額や配分事業の見直し、収納率向上に努め、減額分に対応していく。
市町村の委託・補助事業の調整案も示され、ミニデイサービスは「生きがいデイ」「転倒骨折予防教室」を統合し、介護予防を主眼に、現在より広い範囲を対象にする提案をした。
今回の提案は、各市町村で検討し、異義がなければ次回承認する。 -
高校駅伝 北信越大会へ(下)
県高校駅伝競走大会(女子第17回、6日・大町市運動公園陸上競技場発着)で、伊那北がチーム一丸の走りで3位に入賞。目標にしていた昨年に続く北信越大会の出場権を獲得した。
5区間21・0975キロを18校で競った。エースが集まる1区で、大沼が期待にこえる区間優勝の走りでチームを勢いづけ、その後それぞれが区間6位以上のタイムで3位をキープ。最終5区で一時長野に追いつかれたが、第2エースの平澤が粘り、1時間18分50秒で3位に入った。
チームは前回経験者の2年生6人と、1年生2人の8人。4区の宮島は初の駅伝で「緊張したが、仲間を信じて前を追うことだけを考え積極的に走った」。
10月の岡山国体少年女子共通3000メートルで9分21秒の自己ベストをマークした大沼を含め、3選手が今大会まで調整期間が短く疲労を抱えながらの出場。松澤公治陸上部顧問は「大沼がよい位置でつないでくれたことが、チームの相乗効果につながった」と一丸で手にした3位を褒める。
北信越大会(20日・新潟県弥彦村、15校)は、順位にこだわらず、「失敗を恐れずに思いきった布陣」で目標タイムの1時間17分を目指す。「チームで駅伝を楽しみたい」と、皆が笑顔で意気込みを語った。 -
企業誘致パンフレットを作る
伊那市は、企業誘致のパンフレットを5千部作った。市内の既存企業訪問や県外企業への配布などで積極的に活用する。
これまで工業団地の紹介はあったが、企業を誘致するためのパンフレットは初めて。大きさはA4判の見開き。工業団地5カ所の用地の現状や交通などを紹介しているほか、市工業等振興補助金一覧表などを載せた。価格(価格応談除く)は坪当たり2万9千縲・万8千円。
「私たちが自信を持っておすすめする」とし▽製造に適した自然▽流通に優れた環境▽産学官連携支援体制▽豊富な人材窶狽ネどの理由を挙げる。
市は昨年度、商工観光課内に産業立地係を新設。県営伊那インター工業団地の用地を取得するなど体制を整え、本格的に企業誘致を展開している。
企業訪問は担当課に限らず、他部長も一緒に取り組む。
各工業団地の詳細は、市産業立地ホームページ(http://ina1743.jpn.ch/)でも紹介している。 -
商工業振興の懇談会
伊那市と伊那商工会議所の商工業振興にかかわる懇談会が8日夜、割ぽう「だるま」であった。市の理事者、商工会議所の正副会頭ら10人が企業立地や観光振興などについて意見を交わした。
商議所側は「市が産業立地に力を入れていることが浸透していない」と指摘。市は企業誘致パンフレットの作成、県営伊那インター工業団地の用地取得などを紹介し、企業訪問や広報などを通じて周知していきたいとした。
来年の市町村合併や権兵衛トンネル開通を踏まえ、商議所側は「『健康』をテーマに、ウォーキングコースや食など地域資源を結び付けて売り出したらどうか」「高遠町・長谷村のほか、駒ケ根市など一体となった広域観光が必要」など新たなまちづくりに向けた課題や取り組みを語った。また、新市誕生「お祝いイベント」へのサポートも要望した。
今後も、双方間で懇談の場を持ちたいとしている。 -
伊那市中央区、街並みを記録したビデオ完成
現在の街の様子を後世に伝えよう窶狽ニ伊那市中央区はこのほど、現在の中央区の街並みを収録したビデオテープを作成した。
昨年の区制100周年の記念事業の一環。記念誌を作成する時、過去を記録した写真資料は残っていたものの、映像資料は全くなかったため「10年、20年後の参考になれば」と、昨年度区長だった伊藤一男さんなどが中心となって製作を進めてきた。
撮影は10月、区内の道路をトラックで走り、ビデオカメラをまわした。映像には、町内の高齢者ら3人の解説も付き「区内を流れる古川は昔、清水がわき出ており、ウナギやサワガニがいた」といったことも知ることができる。
伊藤さんは「息子や孫に“昔はこうだった”ということを伝えてもらい、懐かしんでほしい」と話している。
ビデオは今後、区内希望者に販売する予定。 -
30人31脚「全国制覇するぞ」
13日に神奈川県の横浜アリーナで開かれる「第10回記念大会30人31脚全国大会2005」に出場する、伊那市の伊那東小学校6年楓組(須江直喜教諭、32人)がこのほど、小坂樫男市長に健闘を誓った。
楓組は、10月末にあった県大会で優勝し、全国大会の出場権を獲得した。県内からは22チームが出場し、それぞれが50メートルを2回走り競争。2回目でベストタイムとなる9秒70を記録し、首位と0・03秒差で逆転優勝した。
市役所を訪問した楓組は、チームがかかげるテーマの・ス飛走・スという文字を背中にプリントしたユニホームで出席。キャプテンの塩崎正彦君は「皆を信じて走り、夢の8秒台を出して優勝したい」と意気込みを述べた。
小坂市町は「心を一つに合わせて走った、楓組の団結力は素晴らしい。全国大会での活躍を期待している」と大会へ送り出した。
楓組は前回の県大会に初出場し、10秒51の記録で9位を獲得している。児童の一人の呼びかけをきっかけに、競技に取り組みはじめたのは昨年の6月ころからだという。 -
署員の趣味を寄り集めて展示
・ス芸術の秋・スに合わせて伊那署は11日まで、署内の1階ロビーと道場で「署員お宝展」を開いている=写真。署員が趣味としている短歌、写真、生け花、、魚拓、鉄道模型などを約60人が100点ほど出品し、訪れる人の目を楽しませている。
互いの趣味を持ちより、交流や気持ちの余裕をつくるなどを目的に企画した初めての試み。展示のなかには警察官ならではの、県下拳銃射撃大会で50点満点を記録した標的窶狽ネどもある。
伊那署は、今後も年1回の開催を目指す考え。櫻井誠副署長は「伊那署にきたついでにでも見ていってください」と地域住民に呼びかけている。 -
第28世常円寺住職
伊那市山寺区
角田泰隆さん(48)03年2月、先代の後を継ぎ、第28世住職に就任した。正式に寺へ入る「晋山式」は、寺の改修を行ったり、多くの僧侶に参画を依頼するなど大掛りな儀式。約2年前から準備を始める。先日、その式も無事終了した。
「80歳になったら住職を交代する」と言っていた先代が他界したのは78歳。奇しくも晋山式の準備を始める時期だった。「できることなら元気で引退してもらい、生きているうちに引き継ぎたかった」。
◇ ◇
高校時代から家業を継ぐ窶狽ニいう意識はあったが、長男としての責任や親孝行という思いが強かった。仏教が“仏を礼拝すれば救わわれる”ということを説くものだったり、頑張って信じなければならないものだったら僧侶にはなっていなかったかもしれない。しかし大学時代、仏教の本来の姿を学ぶことで、何か特別な力を崇拝したり、意図して信じようとするものではないことを知る。
例えば、植物が実をつけるためには種をまき、水や光など、さまざまな条件が必要窶狽ニいうように、全ての物事には「原因と結果」がある。その道筋を説くものが仏教だった。信じる・信じないということを越えた当たり前の真実。事実を伝え、人々に道筋を示すことが僧侶なら、自分も納得してやっていける窶煤B前向きな思いで住職を志す転機となった。
大学時代に出会った恩師・酒井得元氏は、葬式や法要が中心となっている現代仏教のあり方に批判的な考えを持っていた。仏教は本来、悩みを抱える人に人生のあり方・生き方を示し救済するもの。しかし、儀式中心の現代寺院の多くは、こうした人たちが訪ねてきても十分悩みを聞いてあげられる余裕がなく、本来の役割を果たしていない。“儀式中心”を当たり前だと思っていた当時、それは衝撃的な考えだった。
故人を偲び、先祖に感謝する儀式は大切なこと。しかし本来のあり方も持っていなければならないのではないか。実際常円寺も、多くの寺院と同じく、個々人の悩みに十分対応できている環境はない。しかし、少しでも多くの人に仏教の本来のあり方に触れてほしい窶狽ニ座禅会や写経会、仏教大学への取り組みを継続している。それは先代からの意志でもあった。
若い世代にも、現在の仏教が当たり前と考えるのではなく、疑問を感じてほしい窶狽ニ現在は、住職を務めつつ、週3日は東京都の駒澤短期大学で教べんを取る。精神的・肉体的な負担を心配する声もあるが、それぞれの相乗効果で良い方向に作用し、生きがいにもなっている。
「“今どきの若い人は”と言われることも多いが、どんな時代にも素晴らしい人はいる。しかし、真剣に“仏教のあり方”を考えているような良いものを持った人でも、お寺に入ると現実に直面し、若いころ持っていた思いを失ってしまうことも多い。だからこそ、そうした部分を育ててあげたい。いつどんな風に環境が変化するか分からないが、意義のあることなのでやれるだけのことはやっていきたい」
(伊藤愛子) -
中央区区民文化祭
伊那市中央区の区民文化祭が6日、中央区公民館であった。絵画や押し花アート、手工芸作品や菊など、さまざまな作品約400点が並び、餅(もち)つき大会や創作和菓子展などのイベントがあった。また、熱々のいも煮や天ぷらそばなどが振る舞われ、集まった住民を楽しませた。
恒例の文化祭は、最近徐々に若い世代の出展が多くなり、県展などに入選する実力者も出展している。イベント会場は、伊那公園の桜を管理する「桜の会」が主体となって運営。内容も充実している。
寒い一日だったにもかかわらず、お昼時をピークに、多くの人たちで会場はにぎわい、昔懐かしい「いも煮」などを食べて体を温めていた。
展示会場で押し花教室もあった。小さい子どもや親子連れなどに人気で、色とりどりの押し花で、思い思いの作品を仕上げていた。 -
常円寺晋山式
伊那市山寺区の常円寺で6日、新たな住職を迎える晋山式があり、03年から先代の後を継いで同寺の住職を務める角田泰隆氏(48)が、正式に第28世住職に就任した。厳かな雰囲気の中、県内外から多くの僧侶や檀徒が集まり、祝福した。
寺に到着した角田氏は、本尊へ新任のあいさつをして、結制上堂で僧侶たちとの問答を展開。一人一人からの問いに、お釈迦(しゃか)様や大智禅師の言葉を引用して一般参列者にも分かるよう返答し、多くの参列者にこれまでの弁道を示した。
角田氏は「住職として地域のみなさんや精神文化のため、努めていきたい」と今後への思いを語った。
現在角田氏は住職を務める傍ら、駒澤短期大学教授、曹洞宗総合研究センターなど、さまざまな活動の場を持つ。 -
信大・伊那市の連携協議会
信州大学・伊那市の第1回連携協議会が7日、市役所であった=写真。市側が連携想定事業として地域ブランドの開発など20項目を提案した。
産業、教育、環境など各分野で相互に協力し、活力ある地域づくりを進めることを目的に、5月下旬、連携協定を締結。
協議会は、協定書に基づき、円滑な推進を図るため、信大の農学部教授、産学官連携コーディネーター、市の助役、収入役、総務部長など10人で構成される。
協定書の連携事項「地域産業の振興」「地域資源の保全、活用」「地域医療の振興」「安心・安全の地域づくり」から、各部で▽LED(発光ダイオード)栽培による作物の安定供給▽地域資源を生かした各種施策推進のためのシンクタンク設立に向けた調査・研究窶狽ネど信大全学部に対して想定事業を挙げた。
木質バイオマスエネルギーの活用で「年間を通して使える燃料機器(ペレットボイラーなど)の研究開発により、新しい産業が生まれるのではないか」と期待。
意見交換で、信大側から「技術開発が新規である、社会ニーズがあるなどの観点を踏まえ、要望、利害の接点を探ることが大切」「よその真似でなく、新奇性を検討する必要がある」などが出された。
今後、信大で可能性を検討し、具体的な協議を進めていく。
市は、これまで隣接する南箕輪村の信大農学部と連携し、出前講座の利用や学力向上支援事業などに取り組んでいる。 -
南大東島で、伊那「友好米」に人気集中
友好米を届けに南大東島を訪問している伊那「コメ娘」一行は5日、島の陸上競技大会(島民運動会)で伊那のコシヒカリを使ったおにぎり400個を配布。島民から「おいしい」「ありがとう」「もっといろいろな交流をしよう」など大歓迎を受けた。経費相当分の原価で譲る提案には、5日だけで1100キロ余の注文が集まった。
競技大会本部席に設置した友好米の配布コーナーには島民が列を作り、伊那からの参加者と島民有志が朝から握ったおにぎりを手に「甘い」「かめばかむほど味が出る」「香りが素晴らしい」「新米を食べる機会が少ないのでとてもうれしい」など口々に感想を述べていた。
4日には南大東村役場で、訪問団の代表と島の米販売業者との話し合いもあり、伊那の米を継続的に扱う方向で協力することも確認された。
島では、青パパイアのほか、サトウキビや、サワラ・マグロ・ソデイカなどの海産物の販路拡大を求めており、島の濱里保之産業課長の案内で、業業組合市場なども訪問した。
青パパイアを通じて始まった交流は、3月の伊那市民の島訪問、8月の島訪問団の伊那訪問などを通じて、村民の多くの知るところとなっており、特産物の相互流通など経済的交流や、学校レベルの交流、文化交流など新たな動きを求める声が広がっている。
4日の歓迎式で照屋林明南大東村長は、対米請求権事業の一部を使用して学校レベルの交流ができるように、来年度予算措置をとるよう検討している言明。「末長くお付き合いいただければありがたい。伊那市の理事者や経済人にもぜひ早期に島を訪問したいただきたい」とあいさつした。 -
高校駅伝 北信越大会へ(上)
男子第56回・女子第17回県高校駅伝競走大会が6日、大町市運動公園陸上競技場発着のコースであり、男子は上伊那農業高校が3位になり、7年連続の北信越大会出場を決めた。女子も伊那北が3位に入賞し、北信越大会に出場する。
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男子は競技場を発着点に7区間42・195キロを38校で競った。2位争そいの上農は、長野日大と競り合いながらの展開。1縲・区間は2位をキープしていたが、その後は競技場へ通じる上り坂で差を広げられ、惜しくも9秒差の2時間18分34秒で3位だった。
前半が好調だっただけに悔やまれるが、予想していたタイムを切る走りに陸上部の中村幸雄顧問はまずまずの反応。1区の佐々木が全体的にペースが遅いなか、前半から意欲的にペースを上げて逃げきったことに「本人も自信につながったのでは」とし、平走状態で力が引き出された5区の熊谷については、結果以上の良い内容とした。
15校で争そう北信越大会(20日・新潟県弥彦町営陸上競技場)は、長野日大への雪辱を誓う。中村顧問は「タイムは考えていないが、2時間18分を切る走りを目指したい」と話している。 -
にぎやか住民交流
伊那市西箕輪中条区の区民祭と敬老会が6日、中条公民館であった。区民100人余が参加し、演芸を見たり、料理を囲んで歓談した。
恒例の演芸は、区内の小学生(子ども会)が組体操を披露して会場を沸かせ、男性らが化粧に着物姿で登場し、お酌に回って笑いを誘ったほか、創作ダンスや歌など6演目を繰り広げ、盛りあがった。
中条公民館(白鳥孝分館長)が年間通して取り組んできた手作業による稲作「むかし田んぼ」の収穫祭も併せてあった。
区内の子どもから年配者が春先から、もみまきや田植えをし、10月に稲刈りと脱穀をした白毛餅(もち)6俵のうち、8升を使って餅つきに挑戦した。
子どもたちは、きねを大きく振り上げて「よいしょ、よいしょ」と力強くつき、出来たての餅をあんこやきな粉、大根おろしで味わって、収穫の喜びをかみ締めた。
残りは希望者に販売し、売上金で子どもたちに文房具などを購入する予定という。 -
大きな長イモに笑顔広がる
伊那市西箕輪の農業公園みはらしファームの「長イモオーナー園」で6日、収穫作業があった。5月に種まきをしたオーナーたちが立派に実った長イモを掘り出して喜んだ。
昨年に続いて2回目。1区画(3・3平方メートル)に13粒ずつまき、不作でも10本が保証されている。上伊那内外から18組が申し込んだ。
オーナーたちは、豊作を期待し作業。シャベルや専用の器具を使って、慣れない手つきで堀り始めると、「出てきた」「これは長いよ」と大騒ぎ。
器具で折ったり、傷つけたり苦戦する人もいれば、70センチ前後の立派な長イモを収穫して喜ぶ姿もあり、土まみれになりながら汗を流した。
家族4人で参加した宮原俊司さん(39)=箕輪町=は「3年前まで東京に住んでいたため、農作業は初めて。ゲームばかりの子どもたちに体験させたくて申し込んだ。立派な長イモが収穫できてうれしい。とろろご飯にして味わいたい」と話していた。 -
伊那市で信大が市民フォーラム
機能性食品と健康をテーマとした「市民フォーラム」が5日、伊那市役所であった。約250人が集まり、生活習慣病や機能性食品の効能、病気予防と機能性食品との関係などを、医学、科学、農学の視点から信州大学教授陣が説明した。
信大と伊那市との連携を記念したフォーラムで、市民大学受講者などが参加。上伊那は企業や大学が合同で、機能性食品などの研究を深めており、その成果を一般の人にも知ってもらう意味もあるという。
医学部の橋爪潔志教授は、加齢と生活習慣病について説明。「血糖値・コレルステロール値の上昇は、衰える体が脳機能を維持するための防御策であり、無理やり抑えると脳に支障が生じ、認知症につながる。適性数値は個人差があり、認知症にならない値と生活習慣病にならない値の両立が必要」とした。
味の素の理事で客員教授の森永康氏や、農学部の茅原紘教授が、伝統的な食品から発見したアミノ酸の新たな機能や、発芽玄米の健康効果を説明。機能性食品を取り入れながら、病気を未然に防ぐことを提案した。 -
野村陽子さんの植物細密画展
鮮やかなアクリル水彩で、植物のさまざまな表情をリアルに描く箕輪町出身の野村陽子さん(52)の「縲恬「山の原風景を考察する縲恂・コ陽子植物細密画展」が、13日まで伊那市西春近のかんてんぱぱホールで開かれている。ち密に描き込まれた野の草花や、四季折々の植物約100点が、見る人の目を引き付けている。
展示会は、野村さんがこのほど伊那食品工業から出版した作品集『かんてんぱぱガーデンに咲く花』の出版記念として開催。本に納められたかんてんぱぱガーデンの草花原画や、ここ2、3年で手がけた四季折々の作品が並ぶ。
現在は山梨県北杜市、清里在住。植物細密画は子育てが一段落した8年前に始めた。清里の豊かな自然と、以前から関心のあった細密画が結び付き、独自の手法で製作活動を続け、昨年は植物細密画の国際展に入選した。
「植物をじっくり観察することで、新たな発見がある」と話す野村さんは、驚きや植物の新たな一面も作品にとらえ、その時の感動や思いなどを、作品横にコメントしている。
野村さんは「細密画がどんな絵かを知り、もう少し植物に近づいてもらえれば」と話している。
入場無料。13日まで。 -
伊那市の福祉マップづくり開始
障害を持つ人に安心して外出してもらおう窶狽ニ3日、商店や施設のバリアフリー環境を示す「福祉マップ」づくりが伊那市で始まった。マップづくりに協力する伊那市のボランティアサークル「ひまわりのたね」のメンバーなど約10人が、伊那市駅前ビル「いなっせ」で、掲載内容や対象利用者などを検討した。
障害者の社会参加を目指すひまわりのたねは、97年に福祉マップを独自で作成。その経験を生かし、市のマップづくりに協力する。その他2人の協力者も集まった。
対象施設や掲載内容を検討する中で「これまでのマップは、車いす利用者を対象とするものが多かったが、さまざまな障害を持つ人も利用できるものにすべき」との意見がでたほか「マップに“トイレあり”と掲載されていても、実際には使えなかった」というメンバーもおり、「少なくともトイレは写真付きにしたい」と話しあった。
2月末までの完成を目指し、実地調査に入る。マップの範囲は、合併を視野に入れ高遠町、長谷村を含める予定だが、現在のところ両町村からの協力者は1人しか得られていない。
マップづくりには、多くの協力が不可欠窶狽ニして、引き続き協力者を募集していくことにした。サークルの代表宮坂和恵さんは「ひとりでも多くの人に参加してほしい」と呼びかけていた。
参加希望者はひまわりのたねの春日さん(TEL090・1866・7441)まで。 -
住民が日ごろの成果披露 にぎやかに文化祭
伊那市の手良公民館で5、6日、文化祭が開かれている。公民館クラブ・サークルを中心に、盆栽、書、絵手紙など活動の成果が約520点並ぶ。力作ぞろいの展示は、地域文化の進行に一役買っている。
本年は特別展「手良在住の工芸家展」を企画。木彫りの人形作家・荒井耀子さんと、陶芸家・島るり子さんの作品が、それぞれ10点ほど並んでいる。
6日午後12時30分から、近くの手良小学校体育館で詩吟や民謡などのクラブ学習発表会がある。 -
中条村ものがたり第2話を全戸配布へ
伊那市西箕輪の中条公民館は「中条村ものがたり 第2話」を発刊した。200部作り、全戸(82戸)へ配布する。
第2話=A5判、38ページ=は「自然の中での労働・学校生活」をテーマに「山は『宝の山』だ」「お蚕さまは天の虫」「青年時代」など5章で構成。炭焼き、蚕が繭になるまでの作業、わらじづくり、くぎうちなどの遊びなどイラスト入りで紹介している。地元で使われる方言も載る。
「厳しい労働の合間の家族や仲間との温かい結びつきなど現代の私たちが見失いがちな大切なものに気づかされることが多い」と記される。
6日、中条公民館で開く敬老会で配布する。
ものがたりの作成は、公民館活動の一つ。区誌編さん委員会を中心に、地域のお年寄りから生活、食べ物、遊びなどを聞き取り、記録としてまとめた。第3話まで発行する予定。 -
「火事のない伊那市に」広報車で防火呼びかけ放送を
伊那市幼少年婦人防火委員会(事務局・伊那消防署内)は5日、恒例の市少年消防クラブ育成研修会を「秋の火災予防運動」(9日窶・5日)に先立ち開いた。
委員会で結成する市内の荒井区少年少女消防クラブと、北町少年消防クラブの児童16人が参加。伊那中央病院内の防火・防災設備、伊那消防署の消防車両の見学のほか、市内を広報車で回り防火の呼びかけ放送窶狽ネどを通じて防火意識を高めた。
同市日影のベルシャイン伊那店前では、約500枚ほど用意した防火チラシを買い物客に配布。「火の用心に協力お願いします」と児童らは呼びかけ、啓発活動に一役買っていた。
防火啓発の広報車放送は「私たちは火遊びはぜったいしません。大人の人たちも火の取り扱いには十分気をつけて火事のない伊那市にしましょう」などと市民に訴えていた。
両クラブは、消防団のポンプ操法訓練や出初式の見学などに毎年参加し、防火意識の高揚に励んでいる。 -
アルプス中央信用金庫でセカンドライフセミナー
今後年金が支給される人に、老後の人生設計に役立ててもらおう窶狽ニ6日、伊那市のアルプス中央信用金庫本店で「ゆとりあるセカンドライフのために」と題した年金セミナーがあった。退職を控えた夫婦など約100人が集まり、年金制度や退職後の医療保険について学んだ。
制度改正に伴い、年々分かりづらさを増す年金制度への理解を深めることが目的。今年は伊那市の社会保険労務士・田畑和輝さんが、新たな年金請求サービスや、退職後の生活設計を説明した。
田畑さんは、退職後は労働時間が加入保険を決めるため「現役を続行するか」「年金支給を受けながら少しだけ働くか」「年金だけで生活するか」の選択によって加入保険も異なることを説明。それぞれ長所・短所を示し、個々のライフスタイルに合った選択を提案した。
また、後から退職する人ほど支給開始が遅くなると考えられている年金だが、60歳から支給される年金もあり「“手続きを遅らせた方が得”ということはなく、権利が発生した時点で手続きをすることが大切」と話した。
13日は午前10時から、駒ケ根市のアルプス中央信用金庫センターで、社会保険士の代田秀子さんによるセミナーがある。
問い合せはアルプス中央信用金庫業務推進部(TEL74・9612)へ。