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きょう 新伊那市が発足
31日、伊那市・高遠町・長谷村が合併して新伊那市が発足する。午前8時に伊那市開市式(市役所開庁式)、10時45分に長谷総合支所開所式、11時半に高遠町総合支所開所式をそれぞれ開く。
新市長が決まるまでの間、職務執行者を務める伊東義人氏(前高遠町長)が06年度の一般会計予算や条例制定などを専決処分するほか、部長級以上などに辞令交付する。
新市には、市役所(本庁舎)、高遠町総合支所、長谷総合支所、富県や美篶など6支所を置く。窓口の開設は午前8時半縲恁゚後5時15分(高遠町のみ月曜日は7時まで証明書交付する)。届け出・登録申請の受け付けは外国人登録申請などは市役所のみとなる。
新市は面積668平方キロメートルで、県内3番目の広さ。世帯数は2万6300戸で、人口7万4千人。
【経過】
03年12月、伊那市・高遠町・辰野町・箕輪町・南箕輪村・長谷村の任意合併協議会が解消となり、04年2月、高遠町・長谷村から伊那市に合併研究の申し入れがあった。南箕輪村にも申し入れ、4月に4市町村による合併研究会が発足した。7月の住民投票の結果、南箕輪村は反対が6割を占め、研究会が解散。9月に伊那市・高遠町・長谷村合併協議会を設置し「新設合併」など基本的な協議事項9項目に加え、住民生活に影響のある各種事業の取り扱い、新市建設計画などの協議に当たった。
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新伊那市発足を前に、30日、伊那市で閉市式、高遠町・長谷村で閉庁式がそれぞれあった。
●伊那市
伊那市では、歴代市長や議長、各種行政委員、市職員の部課長以上ら約120人が出席。
小坂市長は、54(昭和29)年の6町村合併からの歴史を振り返り「困難な問題を克服し、伊那市を築き、上伊那、南信の行政、経済、文化の中心的な役割を担ってきた」と感謝し、31日の新市発足に当たって「合併してよかったといわれる伊那市に育て上げることが全市民の義務であろうと思う」と述べた。
そのあと「伊那市の歌」を3番まで歌い、小学生代表4人が伊那消防署員の指揮に従って市旗を降納。
前市長原久夫さんの音頭で万歳三唱し、新市の発展を願った。
●高遠町
高遠町は職員や町議会議員ら約150人が見守るなか、伊東義人町長らが町旗を降納し、庁舎の館名板「高遠町役場」を取り外した。
伊東町長は町の歴史を振り返り「町民がより暮らしやすく、高遠を誇りと思える施策に取り組んできた。庁舎はなくなるわけではなく、高遠町総合支所として新たにスタートするが、さらなる発展に向けた次へのステップととらえ、地域住民のための庁舎として気軽に立ち寄れる場所であってほしい」と述べた。
また新市発足にあたり「合併は最終目標ではなく、それぞれの地域の特性を生かし、互いに尊重し合って、より暮らしやすいまちづくりを一日も早く築くことが大切」とし、職員に向けて「良い合併となるよう地域を愛する思いをもった活躍を願う。市民のための行政を目指して、常に公正の立場で地方自治進展に尽くしてもらいたい」と期待した。
●長谷村
長谷村では、職員など約70人が見守る中、宮下市蔵村長らが村旗と役場看板を降納した。
式辞で宮下村長は「合併は長谷村の将来のため、どのように進んでいくか考えたときの苦汁の選択で決めた。合併は決してゴールでない。これを契機に新しい街づくりに向けて、住民の皆さまと出発してほしい」と式辞を述べた。 -
「霞提」後世に伝えよう 伊那市など美篶下川手に看板設置
伊那市は国土交通省・天竜川上流河川事務所(天上)などの協力を得て、美篶下川手の三峰川サイクリング・ジョギングロード沿いに、同河川の治水対策として古くから造られていた堤防「霞提(かすみてい)」の役割などを解説した看板を設置した。
昨年9月の議会一般質問で、議員から「三峰川治水の歴史として保存していく考えは」との質問。市では霞提が持つ機能を後世に伝えるための看板設置を考えた。霞提の維持管理している天上が看板を製作し、23日に設置した。
看板は三峰川の右岸に8、左岸に3の計11箇所に霞提があることや、堤防の一部を切って田畑などに水をあふれさせる役割があることを図などで説明し、36災害(1961年)時の霞堤の効果を写した航空写真なども掲示している。大きさは縦245センチ(うち看板部分140センチ)、横214センチ。総事業費は約200万円。
掲示内容は市、天上、霞提に詳しい地元住民などを交えて、昨年12月から検討。専門用語や難しい漢字などを使わないなど、表記は子どもたちでも分かるように工夫している。 -
「伊那谷の豊かさ」を支える流通の魂 - ニシザワ会長 荒木茂さん(82)【I】
伊那市日影に本社を置くニシザワは、中南信エリアを中心にグループ全体で59店舗を展開する。日常生活に欠かせない食品・服飾用品・書籍・文具などを供給するだけでなく、リサイクル書店や外食産業にも進出し、いまや押しも押されぬ伊那谷流通業の中核的存在。中部日本でも有数な総合小売業である。
創業は、1924(大正13)年、伊那市通り町の小さな書店。その後、創業者故荒木昌平氏急逝や、1949(昭和24)年の大火、県外資本による競合店進出竏窒ネどの度重なる難局を乗り越え、現在の地歩を築き上げた。
現在会長の荒木茂さんは、3月30日で82歳。1940(昭和15)年、母が守り続けた書店に18歳で入り、戦争とシベリア抑留の一時期を除いて、常に経営の先頭に立ってきた。
書店から、デパート(ニシザワデパート)、スーパーマーケット(ニシザワショッパーズ)、ショッピングセンター(ベルシャイン)、さらにディスカウントストア(サンマックス)、リサイクル書店(ブックオフ)、外食産業(「牛角」など)竏窒ニ、多角化による安定発展の道を歩み続けた荒木さんに、次世代に伝承するべき経営の秘訣と、流通業にかけた思いを聞いた。
【毛賀沢明宏】 -
「伊那谷の豊かさ」を支える流通の魂 - ニシザワ会長荒木茂さん【II】
伊那谷流通業のリーディングカンパニー、ニシザワを育て上げてきた荒木茂さん(現同社会長)。その素顔に迫る特集の2回目。前号(29日掲載)では、「良い物を、より安く竏窒ニいうことに尽きる」と語る経営哲学の底に、地域への貢献の魂が脈打っていることを素描した。
本号では、そうした荒木さんの考えはどのような人生の苦闘の中で発酵してきたのか、そしていかなる深みを持つのか竏窒A青年期のエピソードの中に探ってみた。
【毛賀沢明宏】 -
「伊那谷の豊かさ」を支える流通の魂 - ニシザワ会長荒木茂さん【III】
伊那谷の流通業の中核を担うニシザワグループの創設者、荒木茂さんの特集3回目。さまざまな苦難を乗り越えてきた道筋の中に、心の拠り所となった哲学を探った。
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環境に関して市民らの活動紹介 八十二銀行伊那支店
伊那市境東の八十二銀行伊那支店(荻原英俊支店長)で31日まで、市民などによる環境保全運動の取り組みを写真などのパネルで紹介している=写真。
同支店は環境について多くの利用者にも関心を深めてもらおう竏窒ニ企画した。
パネルは市内各地の河川で展開している、児童と住民によるアマゴ放流や水質調査などの活動のほか、同市富県新山の湿地に生息しているハッチョウトンボの解説などが一目で分かるようになっている。
リサイクルシステム研究会が毎年開いている、諏訪湖から遠州灘(静岡県)までの一斉ごみ拾い「天竜川環境ピクニック」の様子も写真などで紹介している。 -
伊那木曽連絡道路の開通に伴う交通変化(速報値)とその効果
飯田国土交通事務所などは28日、伊那木曽連絡道路の開通に伴う交通変化(速報値)とその効果を発表した。
当初予想された大型車の利用は少なく、観光、医療、経済、雇用など、あらゆる面で地域間交流が進んでいる。
開通後の1カ月の1日平均交通量は、平日2216台、休日6559台。休日利用は平日の約3倍になる。大型車の利用は平日・休日を平均して約4・7%に留まった。
国道19号線の迂回路としての機能も発揮しており、上松町内で交通事故による通行止めがあった3月12日は、伊那木曽連絡道路の交通量が約2・5倍増加した。
医療方面では、以前は見られなかった木曽地域の外来者が伊那中央病院を訪れており、2月4日縲・8日で17人が来院した。うち4人は緊急患者として搬送されており、医療ネットワークが充実した。
観光では、もともと利用者数の少なかった木曽側観光施設の利用者数が3倍、5倍、7倍と大幅に増加。もともと利用者数の多い伊那側は、1・1倍、数にして約3500人増となった。
ほかにも、木曽地域の新聞へ折込み広告を入れる伊那側のスーパーなどが増加し、伊那市の公共職業安定所で木曽地域も対象とした求人が15件あった。2月末現在で木曽地域から照会登録している人も7人いる。
木曽地域トンネル付近には大型量販店がないため、伊那市西箕輪の日帰り温泉施設・みはらしの湯を訪れる観光客の中には観光の一環として大型量販店を訪れたいと希望するグループもあるという。 -
水彩画サークル「葦の会」 個性溢れる力作披露
伊那市を中心とした水彩画愛好者でつくるサークル「葦の会」の展示会は4月5日まで、伊那市中央区の中部電力伊那営業所ギャラリーで開いている=写真。
20縲・0代の幅広い世代の会員17人が制作した、水彩画やシルクスクリーン版画の計35点を出品。「水彩画を楽しく描こう」と取り組むメンバーによる風景、静物、人物画などの力作が並ぶ。
毎年11、12月に取り組んでいるシルクスクリーン版画は初めて展示。会員が年賀状のために作った版画は、季節の到来を告げる花のほか、今年の干支(えと)の犬などを描いている。水彩画はそれぞれの色とタッチが個性的で「モチーフに合わせた背景の色使いを見てほしい」と会員は呼びかけている。
葦の会は伊那公民館講座「水彩画教室」(1990‐92年)を修了した仲間で14年前に設立。「パリ国際ル・サロン」会員の碓井伍一氏(伊那市山寺区)を講師に迎え、同公民館で月2回の教室で学ぶ。同ギャラリーでの展示は年に春と秋の2回を開いている。
土・日曜日、祝祭日は休館。午前8時30分縲恁゚後5時10分。 -
伊那市環境審議会 最後に推進5項目を具申
伊那市環境審議会(小松朝雄会長、15人)は28日、同市に対して重点的に取り組んでほしい「環境行政の推進に関する具申」のまとめを小坂樫男市長に提出した。
同審議会は市環境基本計画の推進母体である市環境協議会の年次報告書を協議、検討。2月28日の本年度3回目の会合で要望をまとめた。
「環境行政の推進竏秩vは▽ごみを限りなくゼロに近づける伊那市を目指して▽水辺空間の保全・創出について▽環境教育等に関する具体的提案▽里山相談窓口について▽帰化植物の撲滅について竏窒フ全5項目。
水辺空間の保全・創出について小坂市長は、三峰川の河川敷に帰化植物が繁茂している状況を「もう少し整備していく必要がある。今後も国土交通省と連携していきたい」と述べた。
同市では新市環境基本計画をつくるにあたり、今回の要望を歌いこんでいく考え。
市環境審議会は伊那市・高遠町・長谷村の3市町村合併に伴って消滅。新市では委員を3市町村から選出して構成する。 -
春日街道~R361直線で接続
県などは、県道伊那箕輪線(通称・春日街道)の沢尻交差点(南箕輪村)から国道361号へつながる道などを新たに造る工事を24日、終了させた。権兵衛トンネルが開通し、車の交通が頻繁になる状況を、特に県道から国道に向かう車両の流れをスムーズに通すための工事。31日午後4時から、新道路の交通を開放する。
国道に対して、沢尻交差点からほぼ直角に接する道路と交差点(仮称=沢尻南)を造った。それぞれの道路をつなぐ川北町交差点(伊那市)が鋭角だったため、これまで大型車が交道を曲がることが困難な状況だったことを解消した。
新しい道路の全長は約300メートル。全幅は本線6・5メートル、右折車線(国道に向かって)3・0メートル、片側歩道2・5メートルなどを含む13・5メートル。用地買収や計画設計などは県が受け持ち、本工事は飯田国道事務所が昨年夏からはじめた。
新しい道路を造るにあたり、沢尻交差点を直角交差に整備するなどの工事費用も合わせて約5億円。 -
「伊那谷の豊かさ」を支える流通の魂 - ニシザワ会長 荒木茂さん【IV】
伊那谷の流通業の中核を担うニシザワグループ。その先頭で牽引してきた荒木茂会長に迫るシリーズ4回目。会社プロフィールと、地域で関係のあった人々に「私の見た荒木さん」を語ってもらった。
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伊那市養護老人ホームみすず寮の経営移管式典
伊那市から上伊那福祉協会に経営移管する伊那市美篶の養護老人ホームみすず寮で29日、経営移管協定書・契約書の調印式があった。
市町村から上伊那広域への経営移管は2カ所目。01年度以降みすず寮は、上伊那広域で整備を進めていくことを検討。効率的で安定的な民間経営手法を導入していくため、05年度を目途に上伊那福祉協会へ経営移管することとなっていた。みすず寮が加わり、上伊那福祉協会が運営する福祉施設は8カ所となる。
上伊那福祉協会が経営することで効率的な人員配置を実現し、伊那市外からの入所希望者の受け入れなど、よりスムーズにできるようになる。
上伊那福祉協会の平澤豊満会長(箕輪町長)は「入所者が安心できる施設となるように努めていきたい。経営移管しても利用者側はこれまで通りなので安心してほしい」と語った。
移管後は、老朽化した施設の改築などの検討も進める。また、隣接する特別養護老人ホームも、上伊那福祉協会に経営移管する予定で、06年度から検討を進めていく。 -
みはらしの湯で4月からさくらパフェを販売
伊那市西箕輪の日帰り温泉施設・みはらしの湯は4月1日から、桜をイメージしたオリジナルデザート「さくらパフェ」を1カ月限定で販売する。
高沢尚人調理長が考案したオリジナルパフェは4作目。出来るだけ地元の食材を使い、四季に合ったものを提供したい竏窒ニ、「いちごパフェ」「とうふパフェ」「秋のみのりパフェ」などをこれまで考案してきたが、みはらしいちご園のイチゴを使っているいちごパフェは数量が限定されてしまうため、春に楽しめる新たなパフェを考案することになった。
今回は、春をイメージさせる桜をテーマ。市町村合併ということもあり、高遠町のコヒガンザクラも意識した。桜の塩漬けを固めたゼリーの上に、桜アイス、桜色のくず餅などがトッピングされている。サクラの花が入っているゼリーは、口に入れるとほのかに桜の香りがし、和菓子感覚で楽しめる。
価格は450円。 -
新伊那市議選に長谷村の現職出馬を表明
伊那市・高遠町・長谷村の合併に伴う新伊那市議会議員選挙(4月23日告示、30日投開票)で、長谷村の現職・北原幸彦氏(74)=無所属、非持=が出馬を表明した。これにより長谷選挙区は定数の3人が顔をそろえた。
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伊那市で企業誘致進む
安定した税収の確保、雇用創出などを目的とした企業誘致が伊那市で進んでいる。現在進行している進出案件は13件。新しい企業の進出という案件より、現在伊那市内に工場を持つ「既存企業」の拡張・設備投資拡大などに伴うものが多い。自治体間の企業誘致競争が加速する中、既存企業に対する支援制度を充実し、企業のニーズを満たす工場用地を整備するなどを通して既存企業を出来る限り市内に留まらせ、更なる経済効果を生み出したいと考えいる。
現在誘致を進めている工場用地は六道原、福島、東原、鳥居沢(造成中で06年夏より販売予定)の各工業団地で、道路、水などの条件がそろった新たな産業適地の候補地8カ所も選定しいる。
こうした工業団地などの特定地域に進出する企業に対しては、補助制度を設けて設備投資拡大などを補助しているほか、企業訪問によるPR・情報収集、企業誘致リーフレットの作成、信州大学との連携を通した共同研究の提案なども実施している。
昨年10月に伊那市美篶の六道原工業団地に進出したNECライティング(本社・東京、皆元輝征代表)は、07年3月末までに800人体制まで人員規模を拡大する予定でいる。全体の約80%が新規雇用となるが、正社員は200人弱だという。非正規社員の雇用が地元の雇用に直接的につながるかは疑問もあるが、それぞれの企業が持つ効果が相乗することで、大きな経済効果につながることも考えられる。 -
サンライフ伊那の展示
伊那市西春近の伊那中高年齢者福祉センター「サンライフ伊那」は4月2日まで、05年度後期趣味創作教室の作品展を開いている。園芸、書道、水墨画など、12教室の受講者らの多彩な作品266点が、訪れた人たちを楽しませている。
出品しているのは10月縲・月に毎週それぞれの活動をしてきた245人。年代は30代縲・0代と幅広く、書道、水墨画、太極拳などが例年人気の講座をなっている。
05年度新たに開講したハーブアロマテラピー教室のキャンドル、におい袋、リースなども展示。始まったばかりということで認知度が若干低いが、母親世代の女性を中心に関心が高まっている。
同じ教室で学んだ受講者らが、それぞれの作品を見比べながら批評し合う光景も見られた。
午前9時縲恁゚後8時(最終日は3時まで)。29日は午前10時縲恁゚後2時に煎(せん)茶教室受講生によるお手前披露もある。 -
山寺子育てサークル100回記念コンサート
伊那市の母親有志でつくる山寺子育てサークル(井口ゆき子代表)は25日、活動100回目を迎えたことを記念して「あつまれ山寺っ子100回記念楽しいコンサート」を伊那市駅前ビル「いなっせ」で開いた。小学生から高校生までの音楽家の卵たちがピアノ、チェロなどでさまざまな曲目を演奏。サークル卒業生の紹介、合唱などもあり、会場を楽しませた。
母親が情報交換したり、子どもと共に成長できる場を竏窒ニ97年に設立した同サークルは、山寺地区の母親が中心となって子育てサロン、公園遊び、水遊びなどを月に1回程度企画し、交流を深めてきた。9年目となった今年、その活動がちょうど100回を達成し、参加者、スタッフへの感謝を込めてコンサートを企画。
第9回江藤俊哉バイオリンコンクールで3位に入賞した常田俊太郎さんはサラサーテ作曲「チゴイネルワイゼン」を演奏。バイオリンが奏でるまざまな音色の調和は、会場に訪れた大人も子どもも引き込んだ。 -
三峰川を本来の姿に・伊那市美篶地区住民が環境整備
伊那市美篶上大島の三峰川橋上流付近一帯で26日、住民240余人が、河川敷に茂った樹木や下草などを一斉に刈り取る環境整備をした。美篶河川環境整備推進委員会、美篶区長会の主催。
三峰川の水量が減り、河川敷にはかつてなかった植物が繁茂している状況を、景観保護や治水の観点から解決する目的。7回目。
地域の12区から住民が集まり、約4ヘクタールの三峰川右岸の河川敷で作業。草刈り機、ノコギリなどを持ち寄って、事前に国土交通省が伐採したアカマツ、ニセアカシヤ、ヤナギの木を切りそろえたり、下薮(やぶ)を整理した。
河川敷では午前中、至る所で、チェーンソーのエンジン音などが響き渡り、伐採した樹木などを燃やした煙がたち登った。
美篶区長会長の赤羽要さんは「現在は木や草があって、本来の川の姿ではなくなっている。昔の川の姿に戻したい」と語った。 -
伊那市富県の貝沼社協ふれあい・すくすくサロン
伊那市富県の貝沼地区社会福祉協議会ふれあい(北澤孔明会長)などは25日、地元公民館で、子どもと大人の交流会「すくすくサロン」を開いた。大人たちは懐かしい昔の遊びを子どもたちに伝授した。
4回目の本年は園児や児童、地域住民ら約60人が参加。お手玉、竹馬、紙ひこうき作り、縄跳びなどの昔ながらの遊びに加え、今までになかった餅つき体験もあった。
大人からルールや・スコツ・スの説明を受けると、遊具を早速手に取り、それぞれの遊びに挑戦。竹馬に挑んだ児童の一人は「トントンと鳴る、この音が好き」と、スイスイと乗りこし大人顔負けの技術を披露した。
餅つきは同社協役員の自宅から持ってきた臼と、この日のために作った子ども用の杵(きね)を使用。つきあがった餅は、あんこやきな粉をつけて皆で食べた。
北澤会長は「今の子どもたちはテレビゲームに夢中。昔の遊びを通して、大人と子どもが交流を図りながら楽しんでほしい」と話していた。 -
伊那保健所管内でノロウイルス
伊那保健所は27日、伊那市日影のすし弁当屋「磯まつり」(中村正一社長)をノロウイルス食中毒の原因施設と判断し、この施設に対して同日縲・0日の4日間、営業停止を命じた。同保健所管内では本年度初の発生。前回は02年11月、駒ヶ根市内の保育所の給食から検出されている。
被害患者は18日、この施設で調理したすしを食べた26グループ446人のうち、7グループ40人であることが現在までに判明。県環境保全研究所が実施した検査により、5グループ20人の患者、2人の調理従業員の便からノロウイルスが検出された。患者は快方に向かっているという。
伊那保健所では、患者グループの共通食がこの施設で調理したすしだけであることや、調理従業員の便からノロウイルスが検出されたことなどの調査結果を総合的に考え、調理従業員のどちらか、もしくは2人から感染が広がったと断定し、行政処分に踏み切った。
ノロウイルスは冬場に多く発生する食中毒のため同保健所では、外から帰った時、トイレの後、調理の前などは、必ず石けんで手を洗いをするなど、食品を扱う店や家庭に注意を呼びかけている。 -
伊那剣心館・第12回跳躍素振り記録会
伊那剣心館(田中宏明会長)の年度末修了式の恒例行事「跳躍素振り記録会」(第12回)が25日夜、伊那市の武道館であった。2人が大会新記録を更新するなど白熱の大会。メンバーらは自分の限界に挑戦し、本年度を締めくくった。
太鼓の音に合わせて、跳躍素振りをどれだけ続けられるか試す競技に、児童を中心とした、園児から40代の一般男性までの約60人が参加。全員が一斉に開始し、優勝した南箕輪小6年の唐木隼人君は約50分間、竹刀を振り続けた。
参加者らは勢いよくはじめるが、1500回を過ぎると残り10人ほどに減少。体力もだんだんと消耗してきて、キョロキョロと隣りで素振りする剣士が気になる様子。振り疲れると両手を床に着き、肩で息をするなど、競技の過酷さを物語っていた。
会場に詰めかけた保護者や惜しくも敗れた仲間たちからは「頑張れ」などの声援と大きな拍手が送られた。
唐木君は記録3000回で2年連続の優勝。「優勝することを目標に立てていたから勝てた。でも、3000回も振れるとは自分でもビックリ」と笑顔。
約50分間、太鼓を打ち続けた保護者の矢澤令子さん(伊那市西町)は「子供たちに比べたら大変ではなかった。一緒に振っている気持ちで打っていた」と少年剣士たちの頑張りを太鼓を打ちながら見守った。
上位10人は次の皆さん。
(1)唐木隼人3000回=大会新記録(2)小林兼悟2675回=大会新記録(3)平沢駿太2235回(4)白鳥百合子2207回(5)名和敏雄2050回(6)山口啓介2000回(7)板山香純1750回(8)大野田翔太1600回(9)遠藤大地1577回(10)有賀和樹1510回 -
白川タクシー デジタル無線でプライバシー保護
白川タクシー(本社・伊那市山寺区、白川吉朗社長)はこのほど、個人情報保護法に対応するため、デジタルタクシー無線を導入し、配車指示を文字データによる指示に切り替えた。これにより、本社とタクシー間の会話のやり取りが第三者に漏れることがなくなった。
デジタルタクシー無線の導入は中南信では初めて、県内では2番目。本社(基地局)に無線母機、タクシー(移動局)計26台に受信機を設置し、2月中旬から稼働している。総事業費は約2500万円。
この無線はGPS(人工衛星を利用した無線測位システム)とAVM(車両位置・状態自動表示システム)を組み合わせたシステム。精度の高い位置情報の把握ができ、利用者にとって最寄りの車両を手配できるため、効率のよい配車が実現できるというメリットもある。 -
風力発電などに対する要望書提出
伊那市西箕輪地区の区長会、ふるさと景観住民協定者会、みはらしファーム運営会議は27日、長谷村の鹿嶺高原などで計画する風力発電事業と権兵衛峠道路沿いに建設を計画する休憩所「地域情報発信交流施設」について、慎重な検討を求める要望書を伊那市長に提出した。
新伊那市となる高遠町・長谷村の入笠山、鹿嶺高原で民間2社が計画する風力発電事業が今のまま進行すれば、高さ約100メートルの風車50基以上が、南アルプスの稜線(りょうせん)に並ぶ。
3者は、これらが西箕輪地区から望む眺望を阻害することを強く懸念し「クリーンエネルギーということでむやみに反対できないが、『眺望』という財産を考えると広域的問題。現地の人を加えた検討委員会で十分配慮してほしい」と訴えた。
地域情報発信交流施設については▼みはらしファームとの競合▼ごみ捨て場・駐車場となってしまうわないか▼類似施設の乱開発竏窒ネどの懸案事項を示し「民間調査機関の答申には住民の声がどのように反映されているか分からない」と不満をぶつけた。
小坂伊那市長は「判断材料として民間に依頼しただけで最終的には市が判断する。みはらしと競合する施設ではない」とし、南箕輪村とも協議しながら検討を進めるとした。
風力発電については、上伊那地方事務所長にも要望書を提出。牛越所長は「県としては市町村、住民の十分な理解のうえ、進めていくべきという姿勢をとる」と十分な配慮を約束した。
風力発電については、事業者側に「許可要件を満たせばできる」という認識もあるという。一方、景観についてはいまだに行政力が弱く、住民サイドからの働きかけ、事業者との兼ね合いが重要となる。 -
伊那市農業者協議会設立総会
伊那市・高遠町・長谷村の合併を前に25日、新伊那市の農業者協議会設立総会が伊那市狐島の上伊那農業協同組合本所であり、会長に白鳥廣明さんを選出した。
伊那地区、東部地区の農業者協議会は、市町村合併と同時に統合した組織で活動していけるよう、昨年度から検討を重ねてきた。
新組織の名称は伊那市農業者協議会。市内の認定農業者と中核的な担い手農業者で組織し、情報交換、親ぼくなどを図りながら地域農業の継続、発展を目指す。東部地区は伊那市の1地区となり、8地区186人でスタートする。
白鳥新会長は「地域役員のみなさんの支えのもと、任期2年をなんとかやっていきたい。厳しい農業情勢の中、地域を挙げた農業への取り組みが進んでいる。地域農業のリーダーが中心となり、がんばっていってほしい」と語った。
06年度は、消費者との交流事業や農業委員との意見交換会などに取り組んでいく予定。 -
合併記念で三峰川沿いに桜
伊那市、高遠町、長谷村は26日、合併を記念してそれぞれ三峰川沿い3カ所にタカトオコヒガンザクラを植樹した。
三峰川について考え、活動する市民団体「三峰川みらい会議」提案の3市町村をつなぐ三峰川沿いでの日本一の桜のまちづくりに向けた取り組み。伊那市は東春近の榛原河川敷公園、高遠町は下山田の浄化センター前の河川敷、長谷村が非持の南アルプス公園広場に、高遠町から寄贈された2竏・メートルの苗木を3本ずつ植えた。
長谷村は理事者や議員、保育園児らが参加。園児たちは「早く大きくなって、きれいな花を咲かせてね」と丁寧に土をかぶせていた。 -
「トンボの楽園」保護事業が完了
伊那市新山の「トンボの楽園」保護事業のしゅん工式が25日、現地であった。日本一小さいといわれるハッチョウトンボの全国有数の生息地を一般に開放しつつ、保護に努める。
事業では、生息地0・7ヘクタールを踏み荒らされないように、市と地元住民が協働で木道(延長約120メートル)を設けたほか、入り口に駐車場を確保。県道西伊那線沿いなどに楽園までの案内表示も取り付けた。また、生息する昆虫を紹介したパンフレットも作成。事業費は610万円で、県のコモンズ支援金を受けた。
式には地域住民、市関係者ら約100人が出席。新山山野草等保護育成委員会の北原重利会長ら5人がテープカットしたあと、カラマツの間伐材を使った木道を渡った。
小学生は「友だちの家に遊びに行くときの通り道。ハッチョウトンボは見たことがある。今年もいっぱい飛んでほしい」と楽しみにしていた。
生息地では、準絶滅危ぐ種のモートンイトトンボ、希少種のヒメアカネ、ネキトンボなど29種類を確認。
ハッチョウトンボは5月下旬から見ることができるそうで、市は観察会の開催を検討する。 -
福島揚水機場の改修終わる
伊那市福島揚水機場の改修工事が終わり、25日、現地でしゅん工式があった。管理する福島土地改良区組合員や施工業者ら約70人が集まり、完成を祝った。
揚水機場は、天竜川に流れ込む瀬沢川から農業用水用に水をくみ上げ、福島の上段に送水するもの。高低差は74メートル。68年度に施工した揚水機場と送水管の老朽化に伴い、01年度から5年かけて基盤整備促進事業として改修した。受益戸数は156戸、受益面積は51ヘクタール。
揚水機場は鉄筋コンクリート造りの平屋建て120平方メートル。ポンプ設備2台を取り付けた。揚水量は毎分9・6立方メートルで、ほぼ前回の能力と同じ。送水管の延長は2・3キロ。総事業費は3億3500万円(うち地元負担2700万円)。 -
織井常和社長が9つめの特許
伊那市山寺の建設業「織建」織井常和社長(68)は、地震の揺れを利用した家具転倒防止具「てんとうむし」を発明し、特許を取得した。9つめで、建設業界でほかにいないという。
「てんとうむし」は、家具の両端にセット。地震の揺れで、家具と床にすき間ができた瞬間に直径8ミリの円柱が横向きに転がり、家具を固定する。再度、地震が発生したときには直径1・6センチの円柱が滑り込み、家具を壁側に倒す仕組み。
阪神淡路大震災の際、家具の下敷きになって多くの人が亡くなったことを知り、何とかできないかと1年半ほど研究。転倒を防止する家具の固定金具はあるものの、壁に取り付けると傷がつくため、家具の下にものをかう発想から、コンピューターで立体的に考え、模型を作って完成させた。
織井社長が持つ特許のうち、7つが製品化されている。ほとんどが建設関係のもので「てんとうむし」の販売については検討する。 -
伊那北高校ジョイントコンサート
伊那北高校の音楽部と吹奏楽部による第27回ジョイントコンサートが24日、伊那市駅前ビル「いなっせ」であった。訪れた観客は、歌声と弦楽器、管楽器の奏でる迫力のある演奏を楽しんだ。
音楽部、吹奏楽部合わせて87人が出演。音楽部合唱班の「混声合唱のための組曲・蔵王」に始まり、音楽部弦楽班、吹奏楽部の順に3曲から5曲を披露。吹奏楽部にとっては、全日本吹奏楽コンクールの課題曲を発表する場でもあり、課題曲「架空の伝説のための前奏曲」をはじめ、誰もが聞き覚えのある「A列車で行こう」など4曲を演奏した。
最後は合唱、弦楽、吹奏楽によるジョイントステージ「コーラス・ハレルヤ」。3つの異なる音の調和と迫力ある演奏が、会場を沸かせた。 -
伊那市南福地で水芭蕉の植栽
伊那市富県南福地の道堰みずばしょう管理組合(竹松杉人代表)は25日、鹿害などで欠損してしまったミズバショウの補植と、防護ネットの張り直し作業をした。
休耕田の荒廃防止のため同組合は2000年、地区内の休耕田約30アールにミズバショウ千株を植栽した。ミズバショウを植栽した場所は、休耕田に生えてくるハンノキなどがなく、荒廃防止には一定の成果をあげてきたが、鹿害により荒らされたり、夏場に水がうまく行き渡らなかったことで欠損した部分ができてしまった。
県のコモンズ支援金を活用して500株の補植と、前回よりも丈の高い防護ネットを張り直すことにした。夏場に水がきちんと流れるよう、川から水をひくパイプも取り付けた。地域住民約40人に加え、市、県の関係職員も参加した。
取り組みは、富県グリーンツーリズム構想のにも組み込まれている。