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警察署に県知事選の事前運動取締本部設置
第17回県知事選挙の実施に伴い、4日、県警察本部及び、県下25警察署に事前運動取締本部が設置された。同日午前10時、伊那署内にも同本部が設けられた=写真。
前回の県知事選挙では管内で違反行為はなかった。刑事課の相澤光宏課長は「公正な選挙の確保、実現に向け、小さな違反も見逃さず、厳正に取り締まっていく」と目を光らせている。
第17回県知事選挙は20日告示、8月6日投開票。13日には、各署などに違反取締本部が設置される。 -
県下初の民間事業所が防犯ボランティア組織
伊那署は4日、上伊那の事業所でつくる「県自動車整備振興会伊那支部」(杉本廣志支部長)の同署管内の25業者65人を、自主防犯パトロール隊員に委嘱した。この日は各業者の代表約20人が訪れ、小嶋惣逸署長から委嘱状を受け取った。
同支部は「自分たちも子どもを守る活動に積極的に参画しよう」と、同署の委嘱でパトロール隊を結成。署によると、民間事業所が防犯ボランティア団体を組織するのは県下で初めてとなる。
委嘱状の交付後、隊員で「こどもを守るオアシスパトロール隊」を発足。今後は7月中旬までに、青色回転灯を25業者50台に設置し、▽児童の登下校時の巡視▽事件、事故発生時の巡視竏窒ネどの業務を通じて、防犯活動を実施していく。
同支部長の杉本代表は「地域の安心、安全に寄与することを誓う」と決意表明。小嶋署長は「県下では初めてのケースなので、今後の活躍が期待される。大きな味方ができたと心強い」と激励した。
現在、駒ヶ根署管内の県自動車整備振興会伊那支部内の業者も、同様の活動を展開しようと話し合いを進めている。 -
南ア登山中の男性死亡
2日午前8時23分ごろ、伊那市長谷の南アルプス小仙丈ケ岳(2855メートル)付近の登山道で、南箕輪村の無職男性(67)が登山中、意識不明で倒れた。地区遭難対策協会隊員や警察官、同行登山者によって収容したが死亡が確認された。
この日男性は、長衛祭記念登山に参加し、仙丈ケ岳を目指していた。 -
長谷保育園児玉ねぎ収穫体験
伊那市長谷の長谷保育園(宮下瑞穂園長)の園児が27日、杉島の農家が所有する畑で玉ねぎの収穫を体験した。
地場産の新鮮な野菜を食べて健康に育ってほしいと、伊東修さん(77)千枝子さん(75)夫婦が4年前、同園に農業体験の話を持ちかけたことが始まり。毎年100キロ以上になる収穫分を全て園に提供し、秋には白菜やネギも贈っている。
この日は、年少から年長まで37人が挑戦。友達同士で茎を引っこ抜き「見て。大きいのが採れた」と大喜び。数個ずつ家に持ち帰り、残りは今後の給食に使う。
宮下園長は「園児のために土と触れ合う機会を設けてもらい、さらには手のかかった野菜をいただけることに感謝しきれない」と話していた。 -
伊那消防組合 部隊活動円滑に規律訓練
伊那、高遠、箕輪、辰野消防署でつくる伊那消防組合(消防長・早川正行伊那消防署長)は27、28日、伊那市の市民体育館と県伊那勤労者福祉センター体育館で規律訓練に取り組む。初日は組合内の署員65人が参加し、軽快な動作を修得した。
署員の規律心の向上を目指し、日ごろの活動が部隊として円滑に運べるよう、毎年している行事。同様の訓練を2日間に分けて実施し、組合署員のほとんどとなる約130人が規律を学ぶ。
小隊の編成、隊列の整とんのほか、行進間、停止間の動作、敬礼方法などを指揮者の指示に従がって訓練。休憩を取りながら約3時間にも及んだが、署員らは真剣な表情で規律ある動きを見せていた。
あいさつに立った伊那消防組合の登内正史次長は、実のある訓練となるよう「大きな声と汗を出してもらいたい」と呼び掛けた。 -
自然素材に・ス遊び・スづくり
伊那市長谷の美和ダム管理支所とNPO法人美和湖倶楽部はこのほど、今春美和湖畔に整備された小犬沢親水公園で自然を素材にした遊び道具づくり体験会「水辺のわくわくキッズ」をした。
公園は美和湖にそそぐ小犬沢一帯に、遊歩道や田畑、水車小屋を設置するなど、自然体験学習を支援する場として整備。管理支所が04年度から地元の学校関係者や住民団体代表者らとワークショップを重ねて設計した。
体験会は安全教育を兼ね、自然を大切にする心をはぐくむ狙い。公園を会場にしたイベントは初めて。地元の長谷小学校児童を中心に14人の子どもが参加し、西箕輪の農業公園みはらしファーム「工房Coo空」の佐野博志さんを講師に、けん玉や竹馬づくりに挑戦した。
けん玉づくりは、近くの竹林から切り出した竹を、協力し合ってのこぎりで長さ10センチほどに切った。棒に差し込んだ竹筒を空中で回転させ、再度棒で受け取る遊びで、子どもたちは夢中になって楽しんでいた。 -
「猿橋」由来後世に伝える
伊那市長谷黒河内の三峰川にかかっていたが三峰川総合開発事業によって昨年度撤去された「猿橋」の由来を永く後世に伝えるため、跡地の右岸に記念碑が建立された。地元区民をはじめ、長谷総合支所や国土交通省三峰川総合開発事務所の職員ら関係者約20人が出席し22日、除幕して完成を祝った。
猿橋は地元区民の山林資源を有する対岸の女沢地籍につなぐ生活道路として長年にわたり重要な役割を担った。1937(昭和12)年に自然腐朽し、20年後に美和ダム建設に伴う補償の一環で鉄筋コンクリート造の橋を新設。しかし、昭和50年代にかけて、三六災害をはじめ度重なる水害で再建を繰り返した。昨年度、洪水バイパス施設の分派堰(せき)の構築や貯砂ダムの補強で猿橋が水流を阻害することから撤去に至った。
生活道路として思い出深い猿橋について記念碑で後世に残したいとの黒河内区の要望を受けて三峰総事務所が建立した。土台を含め高さ1・5メートル、幅2・5メートル、奥行1・2メートルで、三峰川源流の石を使っている。表面は猿橋の存在を知らしめる「猿橋跡地」と記し、裏面の碑文は黒河内区民による猿橋の由来を刻んでいる。
式で宮下市蔵長谷地域自治区長は「長谷地域が存続する限り、歴史の大きな財産として残ることはありがたい」とあいさつ。地元区長、三峰総所長もそれぞれ祝辞を述べた。 -
練習成果を壮行会で披露・伊那消防署
伊那消防署で20日、同署から県消防救助技術大会(24日、長野市)に出場する選手のための壮行会があった。出場者らは5月1日から毎日、積み重ねてきた練習の成果を、伊那消防組合長の小坂樫男市長らの前で披露した=写真。
2人が空気呼吸器を装着して塔上のスタート地点より下り、要救助者を抱えて搬送・救出する「引揚救助」、設定された渡過ロープで対面する塔上に進入し、要救助者を救出する「ロープブリッジ救出」の2種目に合計9人、2チームが出場。いずれの競技も安全、確実性、所要時間を評価する。
伊那消防組合長の小坂樫男市長は「大会では、常日ごろの練習の成果を十分に生かされることを願う」と激励。救助隊の山岸浩示隊長は「2カ月に及ぶきびしい訓練の成果を発揮したい」と決意表明した。
壮行会には高遠消防署から「ほくふ救出」へ出場する選手らも出席し、意気込みを述べた。
伊那、高遠消防署の出場選手は次の皆さん(カッコ内は年齢)。
▽引揚救助=原秀一(31)桜井英和(31)矢崎友和(28)藤原潤也(29)飯島祐介(27)▽ロープブリッジ救出=春日健一(34)宮島国臣(30)渋谷吏(29)埋橋護(25)▽ほふく救出=牛山誠(31)赤羽利基(28)伊藤秀樹(26) -
クレーム応対など学ぶ 電電ユーザ協・実践セミナー
日本電信電話ユーザ協会伊那地区(塚越寛会長)・駒ヶ根地区(坂井武司会長)の両協会共催の「IT時代の電話応対実践セミナー」が16日、伊那市美篶の信州伊那セミナーハウスであった=写真。
会員の応対技術の向上を目指すための恒例セミナーに、約50人が参加。現代礼法研究所の岩下宣子主宰が「クレーム応対と顧客満足」と題して講演した。
すぐに全面的に謝罪するのでなく限定的に謝罪、相手の立場で考える竏窒ネどの、クレーム対応の5つのポイントや、話し方のコツなどについて学習した。
「クレームを言ってくれるお客さまはありがたい人」とし、クレームは製品改良、新製品開発、サービス改善のための貴重な意見だと受け止めることが必要だと教えた。
岩下主宰は「お客さまの気持ちをさっしていかなければ、いざという時にマニュアルを越えた応対はできない。百人いればそれぞれのマナーがあるので、一人ひとりの立場になって考えることが大事」と呼びかけた。 -
南ア北部遭難対策協会総会
南アルプス北部地区山岳遭難防止対策協会の06年度定期総会が13日、伊那市長谷の仙流荘であった。関係者約30人が出席し、事業計画などを承認した。
新市発足に伴う会則改正で、会長を小坂樫男伊那市長とするなど役員を改選。小坂市長はあいさつで「山の安全と南アルプスを広く知らしめる活動をやっていかなければならない。責任は重いが頑張ってほしい」と述べた。
本年度は、ヘリポート設置のための調査、研究をする。現在、美和ダム分派堰(せき)付近と長谷黒河内の農村公園の一角を候補地にあげ、市と調整しながら年度内に設置場所を決める。
総会では、協会功労者として、北原豊さん、池上将人さん、西村潤さん、馬場浩祥さん(以上長谷)久保田浩二さん(高遠町)の5人を表彰。県山岳遭難防止対策協会長功労者表彰を中村徳彦さん(長谷)に伝達した。
受賞者を代表して、中村さんは「これを機にさらに精進し、訓練を積み重ねて期待にこたえたい」と決意を示した。 -
伊那市消防団 新組織初のポンプ操法・ラッパ吹奏大会
伊那市消防団(田畑安彦団長)が新組織になって初となる、ポンプ操法・ラッパ吹奏大会が11日、伊那中央病院の駐車場であった。団員らは上伊那大会(7月9日)出場を目指し、日ごろの早朝・夜間訓練の成果を競った。
これまで会場になっていた市役所駐車場の確保が困難だったため、同病院職員駐車場で初めて実施。全14分団から約800人が終結し、ポンプ車操法8チーム、小型ポンプ操法20チームが迅速さ、正確さを競い、ラッパ吹奏4チームが腕前を披露した。
あいさつに立った田畑団長は「伊那市消防団の発足後の記念すべき大会。新しい団員を迎えて、4月より訓練してきた成果を遺憾なく発揮し、団結力などの各方面においても、実りある大会になれば」とした。
結果は次の通り。
【ポンプ車操法の部】
(1)伊那分団第2部(指揮者・大野正治、1番員・中島克也、2番員・中村功治、3番員・清水功、4番員・竹松圭、補助員・小林忠視)(2)竜東分団(3)三義分団
◇個人表彰▽指揮者=大野正治、橋爪茂登(三義分団)山岸康志(河南分団)▽1番員=中島克也▽2番員=中村功治▽3番員=清水功▽4番員=竹松圭、伊藤繁実(長藤分団)
【小型ポンプ操法の部】
(1)手良分団第2部(指揮者・那須野忍、1番員・後藤貴俊、2番員・向山勝人、3番員・蟹沢久善、補助員・松島秀信)(2)三義分団(3)高遠分団第1部(4)美篶分団第2部下大島班(5)手良分団第1部
◇個人表彰▽1番員=原文昭(美篶分団第2部下大島班)▽2番員=白鳥梨乃(美篶分団第2部上大島班)池上秀樹(高遠分団第1部)橋爪剛(三義分団)▽3番員=原康浩(三義分団)蟹沢久善、山本慎二(藤沢分団第2部)
【ラッパ吹奏の部】
(1)Bチーム(竜東、美篶、手良、東春近分団合同=指揮者・後藤洋一、隊員・久保田譲、梅垣勧、井上貴彦、北原勇人、石倉祐希、関沢秀樹、平沢哲、中村剛、松島康太郎、北野雅之、高橋夏樹、池上秀明)(2)Aチーム(伊那、富県、西箕輪、西春近分団合同)(3)Cチーム(高遠、藤沢分団合同)
※ポンプ車操法、小型ポンプ操法の優勝チームと、団員20人を選抜してつくるラッパ吹奏チームは上伊那大会へ出場 -
伊那市職員がタウンウォッチング
伊那市の職員を対象とした新「伊那市」のタウンウォッチングが10日、旧3市町村の各地であった。それぞれの地域の文化、歴史が詰まった施設などを見て回り、職員同士の交流を図りながら新市の一体感を強めた。
職員研修の一環として10、24日の2回に分けて実施。ともに市内全域一日コースのほか、旧伊那市・高遠町・長谷村地域の半日各午前、午後の計8コースあり、258人(延べ)の希望者が選択し、バスや徒歩で視察する。
この日は延べ129人が参加。市内にある支所、公民館、清掃センター、高遠城址公園、美和ダムなどを見た。一番人気があったのは旧長谷村地域の午前で、32人が熱田神社や中尾座、道の駅などを訪れた。
旧高遠町地域の午後コースでは、旧伊那市、長谷村在住の職員13人が進徳館、高遠町歴史博物館などを見学。参加した政策推進課の篠田貞行さん(51)=伊那市上牧=は「進徳館では江戸時代から続く歴史を実感した。3市町村合併した新市の中でも、この歴史をつないでいければ」と話した。
24日のタウンウォッチングは、延べ129人が参加する予定となっている。 -
プロドライバー事故防止コンクール
交通安全や接客マナー、事故防止などに向けた事業所の取り組みを審査した「第28回プロドライバー事故防止コンクール」の伝達表彰が8日、伊那署であった。同コンクールは県交通安全協会、県警などの主催。
管内で表彰を受けたのは優秀賞に伊那バス(伊那市)、丸登運送伊那営業所(南箕輪村)、優良賞にみのわタクシー(箕輪町)、高遠観光タクシー(伊那市高遠町)の4事業所と、標語創作・佳作の井上志津江さん(伊那バス)の1人。
コンクールは運送用自動車の運転者全員が、安全運転に励み、事故防止の徹底を目指すため、各事業所の取り組みなどを評価。今回は県下658事業所が参加し、そのうち優秀賞は39、優良賞は65業者、標語創作・佳作は9人が選ばれた。
最優勝賞を5回受賞している伊那バスは、無事故無違反について毎朝、社員が出発点呼の時に復唱しているほか、社内の広報誌で事故防止を呼びかけている。同社の小林金俊常務は「来年は最優秀賞を目指して励みたい」と意気込みを語った。
5月30日、長野市で特別賞(県下14事業所)、最優秀賞(同28事業所)などの表彰式で、最優秀賞に白川タクシー、伊那タクシー(いずれも伊那市)が受賞している。 -
伊那市有害鳥獣対策協議会総会
伊那市有害鳥獣対策協議会(小坂樫男会長)は5日、伊那市役所で総会を開いた。旧伊那市の協議会を解散し、新伊那市の対策協議会を発足。06年度事業計画を承認した。
3地区で確認した昨年度の鳥獣被害想定額は約4千万円。一昨年度より約300万円減少した。
想定被害額が約3400万円だった伊那地区は、カラス、ドバトなどによる鳥害が占める割合が高く、約1500万円。中でもカラスは、一昨年より1・5倍多い約1500羽を駆除したが、被害額は増加した。
鳥害がほとんどない高遠地区、長谷地区は、獣類の被害が中心。サル、シカの被害が大幅に減少した高遠地区の被害は460万円と減少。長谷地区は、イノシシ、サル、シカによる被害が増加。想定被害額も昨年より約10万円増え、約150万円となった。
本年度は、各地区ごとで駆除班を編成し、計画に基づく駆除を進める。また、情報収集や状況分析、一般への広報活動などを行い、被害防止に努めていく。 -
伊那署 振り込め詐欺に注意して
伊那市内で5月下旬縲・月上旬、11件の振り込め詐欺の未遂事件が集中発生しているため、伊那署は、管内の住民に被害防止を呼びかけている。
手口は午前中、一般家庭へ、息子や甥などの親族を装った男が「彼氏(夫)のいる女性と付き合ってしまい慰謝料が必要だ」「仕事上のトラブルでお金が必要だ」などと電話をかけ、100縲・00万円を都内の指定の銀行口座に振り込みませようとする。
同署では▽すぐに金の要求をしたり、振り込むように言ってくる電話は疑ってかかる(家族や親族しか知らない質問をする)▽すぐに金を振り込まず、必ず家族や知人などに相談する▽不審に思った電話については、警察署や交番に相談、通報する竏窒ネどの対応をするよう注意を促している。
05年に伊那署管内で被害のあった振り込め詐欺は34件で、被害総額は約5700万円。そのうち、被害額が多い順に、オレオレ詐欺が4件(約2200万円)、融資保証金詐欺が23件(2千万円)、架空請求詐欺が7件(1500万円)だった。 -
伊那防犯協会連合会が定期総会
伊那防犯協会連合会(会長・小坂樫男伊那市長)の定期総会が1日、伊那署であり、06年度事業計画、予算や組織、会則の変更などの5議案を原案通り可決、承認した。総会前には防犯活動に貢献した個人、団体の表彰もあった。
組織変更では、連合会内に専門部会を設け、同署が委嘱する「伊那エンジェルス隊」「伊那少年友の会」のほか、各地区の児童、生徒の通学路を巡視するボランティア団体を含んだ。また、新伊那市誕生により、高遠地区防犯協会を市防犯協会の所属団体にした。
本年度は「安全・安心を実感できる地域社会づくり」を目標にかかげ、防犯意識高揚のための事業、少年の健全育成に対する支援事業、薬物と暴力団を根絶するための事業竏窒ネどの5事業を計画重点とした。
表彰された個人、団体は次の皆さん。
【個人功労者】▽中村敏夫(伊那地区防犯協会)▽原易雄(西箕輪地区防犯協会)▽中島誠(美篶地区防犯協会)▽保科求(高遠地区防犯協会)▽山下寛(伊那エンジェルス隊)
【功労団体】▽伊那東小学校子どもの安全見まもり隊(毛利次男代表)▽箕輪西小学校通学パトロール隊(中澤千夏志代表)▽箕輪中部小学校安全みまもり隊(東城興一代表)▽箕輪北小学校通学パトロールの会(南山建司代表)▽南箕輪郵便局子どもの安全を守るパトロール隊(大沼悟代表) -
駒ケ岳で発見の遺体は神奈川県の大学教授
5月27日、南アルプス駒ケ岳山中から収容された死体の身元について伊那署は2日、捜査の結果、神奈川県三浦市初声町の大学教授、松井幸雄さん(当時56)であることが判明したと発表した。
松井さんは05年9月19日、単独で南アルプス駒ケ岳へ登山中、行方不明になっていた。遭難死の可能性が高いとみて捜査を進めている。 -
ミレット復活事業開始
健康効果が見直される中、市場価値・需要が高まる雑穀(ミレット)の栽培を復活させ、中山間地の振興を図ろう竏窒ニ1日、信州大学農学部の井上直人教授と、食を通じた豊かな地域づくりを目指すNPO法人・南アルプス食と暮らしの研究舎による「ミレット復活事業」がはじまった。この日は、長野県の周辺で栽培されている雑穀など19種の苗を伊那市長谷のほ場に移植=写真。今後は、地元農家が中心となって、この地に最も適した育種を選定するほか、シンポジウムなどの開催により地元への啓蒙活動を展開していく。在来種の復活を目指す事業は、全国的にも初めてだという。
作業に参加したのは井上教授のゼミ生やNPOのメンバー、地元農家など約20人。
30年来雑穀の研究に取り組んでいる井上教授は、これまでも雑穀の有用性を訴えてきたが、マイナスイメージの強い田舎ではなかなか普及しなかった。しかし、都会などで関心が高まる中、地域でも関心を示す人が現れ、今回事業化することとなった。共に事業を進める吉田洋介さんは、長谷の道の駅でレストラン「野のもの」を経営しており、収穫した雑穀を使ったメニューの開発も進めてく予定でいる。
ミレットは痩せた土地でも育ち、農薬を使用しないため環境負荷も少ない。また、栽培方法の改良により労働負担を軽減することも可能になるという。
井上教授は「地元財産を復活させ、へき地から雑穀の有用性を発信していきたい」と語る。 -
三峰総 美和ダム堆積土を混ぜた水田で試験栽培
三峰川総合開発工事事務所(竹田正彦所長)は30日、伊那市長谷溝口にある、美和ダムの堆積(たいせき)土を耕土に混ぜた水田で田植えをした。三峰川の土砂が流れ出たほ場で収穫できる「川下り米」の味覚を検証するため、本年度初めて、試験栽培をはじめた。
ダム底にたまった土砂をかき出し、機能を回復させる「堆砂掘削」事業は、02年度までに2百万立方メートルを取り除き概略終了。その後堆積土は、長谷の市野瀬、黒川のほ場整備に使用したり、ミネラルが多く、土壌伝染病菌が少ないとして、家畜飼料、育苗土への活用研究が進められるなど、注目が集まっている。
田植えには、同事務所や長谷総合支所の職員ら約10人が参加。水稲耕土に対して堆積土を0、20、30パーセントずつ混ぜて作った3つの水田(それぞれ約160平方メートル)へ、コシヒカリの苗を植えていった。
9月下旬の収穫の際に、それぞれの米の味を比較したり、成分分析して検証する。堆積土栽培で効果が認められれば、これから掘削する土を有効活用につなげていきたいという。 -
園児の安全を守る活動推進
伊那市立保育園の各保護者会代表と園長でつくる市保育園保護者連合会(牛山健一会長)の本年度理事・代議員会は24日夜、市役所で開き、06年度事業計画案などを承認した。
牛山会長はあいさつで「保護者が一つになれば保育問題の解決の糸口を見つけることができると思う。連合会は各保育園の発展につなげる役割があり、園児のためになることをやっていきたい」と述べた。
本年度は、園児の安全と生命を守る運動を中心とした保育事業の推進を図る。チャイルドシートの着用率が低いことから、保護者の交通安全に対する意識の高揚を図るため、着用率アップ運動を展開する。各保護者会と園で具体的な内容を検討して進めていく。
旧市内各地区の交通安全協会が昨年7月、各保育園前で抜き打ちでしたチャイルドシートなどの着用調査の結果、各園の着用率は10%台縲・0%台と大きな開きがあった。
市の補助金の見直しにより本年度、連合会への補助金が無くなったことで、計画している研修や意見交換会、機関誌「いな保育」の発行、講演会などの事業内容を見直して対応していく。
市立保育園は本年度、新市発足に伴い高遠と長谷の4園が加わって計28園となり、名称も「保育所」から「保育園」に統一。連合会も新生として気持ちを新たに「乳幼児の幸福をはかる」ために積極的に活動していくことを確認し合った。 -
美和ダム洪水バイパス施設 建設工事が技術賞
国土交通省・三峰川総合開発工事事務所(伊那市)の事業「美和ダム洪水バイパス施設建設工事」が、ダム工学会賞の技術賞を受けた。同事務所としては初の受賞。設計、施工に当たった共同企業体と3社の共同受賞となった。
技術賞はダムの設計、施工、維持管理でダム技術の発展に貢献した団体に贈られる。05年に完成した全国の工事の中で、9事業が選ばれた。
同工事は本格的にダムに採用された全国で初の事業で、ダム湖に土砂が堆積(たいせき)しないよう、分派堰(ぜき)とトンネルで洪水時の濁流をダム下流へ流す仕組み。トンネル内の底盤工事の工期短縮や工事の環境、安全確保のための工法も評価された。
18日、東京であった「第16回ダム工学会通常総会」で賞状を受け取った。関係者は「美和ダムが恒久的に安心、安全に使われるよう建設した事業が評価されてうれしい」と喜んでいる。 -
社会福祉協議会の合併調印式
旧伊那市、高遠町、長谷村の社会福祉協議会の合併調印式が23日、伊那市の福祉まちづくりセンターであり、3社協の会長が合併にかかる協定書と契約書に調印した。
1市町村に1社会福祉協議会の法律に伴い3社協は、05年4月に合併協議会を発足。今年10月の合併を目指して、事務事業や介護保険事業の調整してきた。今月末には設立当初役員による役員会を発足し、正副会長を決定する。県への合併申請は6月半ばを予定している。
伊那市社協の御子柴龍一会長は「社協を取り巻く情勢は厳しいが、それを取り除くためにも合併は必要。今後は3地区に福祉の輪を精一杯広げていきたい」と語った。
事務事業の調整では、地域福祉が低下しないようにすることを最重点視し、各地区の従来サービスなどを優先した。
現在は各地区に置かれている居宅介護事業所、訪問介護事業所はそれぞれ一本化して、広域的な運用図る。しかし、緊急時に対応できる常駐職員は各地区に残す。
設立当初役員には、3社協の会長を含む18人。正式合併の後、理事、評議員を再度決めなおす。 -
広報「はせ」の縮刷版できる
旧長谷村は、広報「はせ」の縮刷版第3巻を発刊した=写真。近く、全戸(700)へ配布する。
第3巻=A4判、1442ページ=は97年8月の201号縲・6年3月の305号(閉村記念号)を収録。村政の動きをはじめ、イベント、公民館活動、学校行事などを取り上げ、写真で村民のいきいきとした表情を伝えている。
最終の閉村記念号は「未来に思いをはせ竏窒りがとう長谷」と題し、閉村式典の村旗降納、タイムカプセル埋蔵などの様子が載る。
担当課では「ここ数年の間に、分杭峠の気場を活用したむらおこしや、伝統文化等保存伝承施設『中尾座』の完成、各集会施設の改修など変革を遂げた時期」と話す。
広報は73年から月1回発行。200号まで縮刷版を作り、第3巻で完結。村の歴史を知る資料として活用することができる。 -
長谷村の閉村記念事業
記念誌・ビデオ・DVDできる旧長谷村は伊那市・高遠町との合併に伴い、閉村記念事業の一環として記念誌・ビデオ・DVD「ふるさと長谷村」を作成した。長谷村が誕生した59(昭和34)年から47年間の歴史をまとめた。近く、全戸(700戸)に配布する。
記念誌=A4判、79ページ=は、47年の歩みなど資料編を含む8章で▽ダムで離村した人たち▽三峰川の再開発▽合併に寄せる子どもたちの意見発表▽データでみる長谷村の産業の姿竏窒ネどを掲載。「長谷村を語る」で、さまざまな分野で活躍する村民らが村の魅力を語り、「身近なたからもの」は地区ごとに文化財や思い出のスナップなどを紹介している。
ビデオ・DVDは「南アルプスとともに竏鋳キ谷村47年の歩み」「映像と証言で振り返る長谷村」「空から見た我が地区と文化財」など5章で構成。同じ内容で90分。昭和30年代、長谷村公民館ニュースとして作成した白黒の8ミリ映像などを使い、三六災害、長谷中男子バレーボールチームの全国大会出場(74年)などの出来事を振り返る。
担当課は「移り変わった長谷村の歴史がよみがえる資料。村民に見て懐かしんでもらえれば」と活用を促している。 -
伊那市消防団 「長谷機能分団」決意新た
伊那市消防団(田畑安彦団長、1156人)に新たに導入したOB団員らでつくる「長谷機能分団」の会議が15日夜、長谷老人福祉センターであった=写真。同分団員や団本部員ら約25人が集まり、分団の役割について確認したりした。
特定の役割と活動に限り任務を遂行する機能分団は、県内では長野市を合わせて2消防団。同消防団では消防音楽隊も同分団として4月1日に任命している。
長谷機能分団は、広大な守備範囲の長谷地区で活動する消防団員(定数110人)を確保するため導入。団員はほとんどが地元に職を持つ、団歴20年以上などのベテランOB団員ら16人で構成し、地区内の火災などに出動する。
今まで長谷では嘱託消防員として人員不足を補っていたが、災害保障を確保するため分団に格上げする形となった。
あいさつに立った田畑団長は機能分団制度を導入するまでの経過を説明し「地域外の消火活動には出動しないが、皆さんが災害現場で安全な活動ができるよう年一度の訓練はしてほしい。これからも地域の安全を守る応援隊として協力してほしい」と呼びかけた。 -
不審火の疑いのホームセンター火災 再発防止へ
13日、伊那市内のホームセンターで商品が焼ける不審火の疑いのある火災が発生。伊那署は16日、再発を防止し、盗難などの防犯体制も強化するため、管内の量販店など35店舗に対し、防犯診断をした。
店舗内の防犯カメラなどの防犯設備が効果的に働いているかなどを調査。署員20人が2人一組の10班に分かれ、ホームセンター、デパート、本屋、大型の薬局などを3店舗ずつ回った。
伊那市西春近のホームセンターでは、防犯カメラの設置位置や、録画テープが劣化しているかなどを点検したほか、カラーボール、通報装置の有無を店関係者とともに確認。商品陳列でカメラの死角をつくっている場所などについては改善を指導した。
防犯診断をした署員の一人は「不審者を発見したら、まずは声をかけてもらいたい。その時は一人でなく複数で対応してほしい」と話していた。
13日午後0時55分ころ、伊那市内のホームセンター内の建築・金物売り場にあった商品数点が燃えているのを警備員が発見して消火。店内にいた買い物客に被害はなかった。 -
伊那市合併で新体制に 少年補導委員55人を委嘱
3市町村合併に伴い新体制になった伊那市少年補導センター少年補導委員の委嘱式が9日夜、市役所であった。委員は旧伊那市50人、同高遠町3人、同長谷村2人の計55人。会長には美篶の丸田旭雄さんに決まった。
あいさつに立った市教育委員会の北原明教育長は「小学校では地域で児童の安全を守るボランティア活動が広がっている。補導委員の活動も貴重な地域の力となる。少年たちも温かい声を掛けられるのを待っている」と話した。
丸田会長は「事件や交通事故がなければ警察は要らないと思う。しかし、警察や司法があるから悪いことはできないということが秩序を守っている。青少年が警察等にお世話になる前に、早期にキャッチして適切な指導で育成していきたい」と意気込みを語った。
少年補導委員は街頭補導活動などで不良行為少年を発見し、非行に移行する恐れのある少年に対して注意、助言、指導などをして未然に防ぐ。学校の夏休み期間や毎週などに実施する巡視活動は年間約90日となっている。 -
中央アルプス濃ケ池の植生変動調査へ
伊那市長谷を対象に、山岳地域の環境保全と地域資源を利用したまちづくりの調査研究に当たる「南アルプス研究会」(坂井昌平会長)は本年度、中央アルプス濃ケ池の学術調査に取り組む。植生や気候変動を調べ、12月以降に結果をまとめる。
会員で信州大学農学部森林環境研究室の中掘謙二代表は温暖化で高山帯がなくなると懸念される中、気温の変化による高山植物の生育、ライチョウなど動物の生息区域を調べることで、地球温暖化に伴う森林帯の変化を予測するデータになるという。
調査は8月、濃ケ池の底を掘り、たい積物から年代測定や花粉分析をして植生を見る。
濃ケ池の標高は2、600メートル。標高2、300メートルまでが針葉樹林、2、300縲・、600メートルが落葉広葉樹林、2、600メートル以上はハイマツが生える高山帯。温暖期といわれた6千年前は、現在よりも気温が2度ほど高く、森林帯も現在と異なっていたのではないかといわれる。
調査には信大の学生が加わる。
南アにはたい積物のある場所がなく、同じような森林帯を持つ中アで調査する。
会は、そのほかの事業として▽自然公園法第37条認定団体指定に向けた環境省への働きかけ▽仙丈避難小屋での環境教育▽中尾歌舞伎をチロルへ送ろう会への支援竏窒ネどを13日の定期総会で決めた。 -
協働、格差是正へ地域自治区充実期待
新伊那市発足に伴う市議会議員選挙も終え、新議員26人が誕生した。「新市の方向付けをする最も重要な4年間」とする声もあり、市民の期待は大きい。伊那毎日新聞社では、市議選に合わせて候補者34人を対象に、新市の課題や権兵衛トンネルの開通による期待など6項目にわたるアンケートを実施した。
新市の課題では、南信地域の中核都市となることに期待するなかで、旧3市町村のそれぞれの特色を生かした一体的なまちづくりや、行政の広域化により多様化した地域課題や住民要望への解決策として、「市民に開かれた行政」と「住民との協働からなる市政運営の進め方」を課題とする回答が目立った。
なかでも、過疎化が進む周辺部との地域格差をなくすための対応や、地域の声を行政に反映させるため、高遠町と長谷、旧市内7カ所に設置する地域自治区の充実を訴える意見も多かった。
高遠町と長谷の候補者は新市発足による国民健康保険税や介護保険料の値上げを指摘する。高遠町の候補者は、2010年からの出生祝い金の廃止、高齢者の暮らしを支援する事業の有料化など、「旧高遠町が努力してきたことが崩される。それぞれの市町村が住民のために行ってきたことを、合併を機に壊してしまうのではなく、守り発展させることが課題」としている。
ほかに、広域ごみ処理問題、福祉や子育て支援、広域防災対策などの具体的な課題も挙げていた。
地域自治区と市議会の位置付けの問いには、地域自治区を、地域課題を探り、活性化に向けて住民の意見を行政に反映させるための「重大な組織」、市議会は審議・判断をする機関であり、行政のチェックをする機能を「これまで以上に充実させる必要がある」とし、役割の本質はそれぞれ異なるが、重なっている部分もあり、連携した取り組みが必要と考える意見が多い。
特に、高遠町と長谷は「これまでの自治体の施策のなかの住民にとって良い面を失わないように自治的な機能を発揮していくこと」として、地域自治区に期待し、市議会においては「地域自治区の自主的な活動を尊重し、発展させるために協力していくことが大事」と主張する答えもあった。
地域自治区の心配な点は「地域エゴが出やすい組織」とし、議会は「伊那市全体の発展という視点で調整していく機能をもつべき」とする回答も。
地域自治区に設置される地域協議会の委員構成について、地域の意見が十分に反映するために「型にはまらない人選が必要」と強調する意見があり、市長の任命制となっている地域自治区長について、「住民の知恵や力を生かし自治を発展させるために」公募や公選にするなどの提言もあった。
また、高遠町と長谷の地域自治区長の給与の高さを問題視する議員もいた。
「合併前は別の市町村だった地域をどう思うか」の問いに対し、通勤や通学、地域交流などによる友好関係からそれぞれの旧市町村を身近に感じていたとするなかで、経済の中心地である伊那市、歴史や文化、豊富な観光資源、自然に恵まれた環境を有する両町村の見方が多く、それぞれの特徴を認識し、生かして、一体感のあるまちづくりの推進を掲げる声が多かった。
権兵衛トンネルの開通にあたっては、木曽谷との人的交流や文化交流をはじめ、木曽谷との連携を図り、中京圏など広域からの誘客を促進し、観光客の増大からなる観光や産業、経済の活性化への効果に期待していた。
また、過疎問題を抱えるなかで、産業立地の促進と住環境や道路などの基盤整備から定住者の増加を目論む意見がある一方で、観光や商業の促進による、アミューズメント的な地域形成の指向の強まりを懸念する声もあった。
就労域の拡大や高度医療の広域化などを挙げる回答も目立った。
そのほかの主張としては、地域自治区や地域協議会の設置により、「市議はこれまでのように地域課題に尽力し、伊那市全体のことについて大局的な視点で考え、議会において建設的な立場にならなければならないと考える」とした声があった。
「合併を成功させ、早い時期に南箕輪村や宮田村との合併を図り、10万都市を目指すべき」と、合併の拡大を主張する回答も。
また、三峰川流域の合併を機に「二つのアルプスを眺める『三峰川舟下り』コースの設置も魅力の一つ」とする提案もあった。 -
ダムの放流時の危害防止措置方法確認
国土交通省・天竜川ダム統合管理事務所は11日、美和ダム(伊那市長谷)小渋ダム(中川村)のダム管理演習を始めた。関係機関への通知など、ダムからの放流時の危害の防止措置方法を確認した。12日には洪水時の放流量などの想定を変えて、ダム管理演習を実施する。
ダム管理演習は出水期前の恒例で、安全なダム管理を関係住民などに理解してもらう目的。長谷の天竜川ダム統合管理事務所美和ダム管理支所では、流入量が1秒に2千立方メートル、放流量が1秒間に500立方メートルで想定した。
同職員など約20人が集まり関係市町村庁舎や警察署、消防署などへ放流をするとのファックスを送る「情報伝達演習」や放流警報所のサイレンによる「一般への周知演習」、実際には水を流さずにダムゲートを開けるシミュレーション「ダム操作演習」をした。
12日は毎秒1200立方メートルの放流を想定した演習を実施。三峰川、天竜川沿いにある美和ダムから片桐(中川村)の警報所11カ所でサイレンが6分間鳴る。