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長谷村農業功労者表彰
長谷村農業委員会は19日、農業功労者表彰式を村公民館開き、市野瀬営農組合の大久保勉さん(71)を表彰した=写真。
農業委員を2期務めた大久保さんは、個人を単位とした農業の限界から脱却するために、育苗から収穫までを一貫して担う「営農組合」の設立をを長谷村でいち早く進めた一人。ほ場の耕作計画を立て、持続的で安定的な農業経営を展開。鳥獣被害を防ぐ緩衝帯整備、蛍水路への魚の放流などにも取り組み、豊かな環境づくりも積極的に進めてきた。
大久保さんは「20回という節目に身に余る表彰を感謝している。市野瀬営農組合全員の努力が今回の表彰へとつながり、大きな感謝をしたい」と受賞の喜びを語った。 -
梅のせん定講座
宮田村公民館は18日、梅のせん定講座を村民会館前の広場で開いた。約20人が参加し、JA上伊那宮田支所営農課の井上博志さんが指導。ほころび始めた梅のつぼみに春の気配を感じつつ、正しい木の手入れ方法を学んだ。
「今後の成長を頭で考えながら、せん定するのがコツ」と井上さん。本来は花芽に養分が行く前の12月までにせん定を行なうのが最善であると伝えた。
指導を受けて参加者もせん定に挑戦。自宅に帰ってからも技術を生かせるようにと、繰り返し質問しつつ取り組んでいた。
広場前の梅は、村民会館が完成した98年に村の若手農業者でつくる壮年連盟が記念植樹。以来管理を続けているが、正しい知識を村民に知ってもらおうと、公民館と協力してせん定講座を開いている。 -
信大卒論発表会
信州大学農学部の学生による「卒業論文地域発表会」が18日、南箕輪村商工会館であった。一般参加者など約20人が集まり、学生たちが積み上げてきた成果に聞き入った。
論文発表に臨んだのは木村和弘教授率いる農業工学研究室のゼミ生3人。同研究室は、学生の取り組みを知ってもらったり、地元で行った調査の結果を還元するために、昨年から卒論発表を一般にも公開している。
中島空さんは、ヤギを用いた畦畔法面(けいはんのりめん)除草を発表。高齢化が加速する中、水田あぜ斜面の除草作業は、農業者の危険や労働負担となっている。中島さんはその解決策として、ヤギの放牧による除草を提案。ヤギの行動があぜにどのような変化を与えるかを実証した上で、導入に有効な畦畔法面を示した。
そのほかにも、除草回数が畦畔法面の植生にどのような変化を与えるかを検証した学生や、中越地震の住宅再建に、被害の少なかった屋敷林を利用することを検証した学生が発表した。 -
信大・家畜用分娩監視遠隔通信装置の開発
信州大学農学部食料生還学科の松井寛二教授を中心とする開発グループはこのほど、磁気を使った家畜用分娩(ぶんべん)装置の試作の実験に成功した。産学官が連携して開発グループを構成。今後は、小型化、機能の充実を図りながら、市場調査、ビジネスモデルの確立を進め、07年度の実用化を目指す。
上伊那の畜産農家を対象とした調査によると、難産や逆子などのトラブルで出産時に子牛が死亡するケースは約7、8%。ほとんどのトラブルは、人間の手助けで解消できる問題であり、現在は出産間近に泊り込みで分娩を監視するなどして、対応しているが、農家にかかる労働負担は大きい。
現在も、家畜の膣内にセンサーをつけて分娩を知らせる遠隔通報装置はある。しかし、家畜の体にかかる負担は大きいだけでなく、装着は獣医などの専門家しかできない作業であり、実用性は低い。
松井教授らの磁気センサーを使った装置は、体外から外陰部の収縮を感知し、出産を知らせるものであり、家畜の生体を傷つけることがない。センサーはマッチ棒ほどの大きさで、誰にでも簡単に装着できるだけでなく、さまざまな家畜動物に対応させることが可能だという。センサーからの情報が専用の無線に送られ、そこから携帯電話などに発信される。
プロジェクトは科学技術振興機構の「独創的シリーズ展開事業・大学発ベンチャー創出推進プログラム」の05年度採択を受け、07年度までに年間で最大5千万円の資金供与を受けることができる。 -
記者室
「微生物君、元気かな?」と、中川村役場ホールに設置されたダンボールコンポストをのぞくのが日課。身近な材料で、生ごみの堆肥化を実験する村の取り組みに注目している▼従来のプラスチックコンポストは、ふたを取ると「うっ」と悪臭が鼻をつき、ハエも飛び出したが、ダンボールコンポストは微生物に生ごみを分解させるため、悪臭もハエも発生しないという優れ物。設置費用も1、2千円と安い。試す価値はある▼毎日攪拌させなくてはならない点はぬか床のようだが、HPの書きこみを読むと「温度が上がらないので、食油を入れた」「元気になるように、ハチミツを与えた」とごみ処理というよりも、ペット感覚。微生物君をペットにエコ生活、おしゃれかも(大口記者)
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箕輪町集落営農懇談会始まる
国の農業政策「品目横断的経営安定対策」に対応する農業生産法人の設立に向け、箕輪町営農センター集落営農懇談会が14日夜、町内5カ所で始まった。22日までに計17カ所で開く。町担い手育成総合支援協議会、JA上伊那主催。
品目横断的経営安定対策と町集落営農の将来方向案を説明。将来イメージは、担い手組織として町に1つの「農業生産法人みのわ(仮称)」を設立して経理を一元化し、水田農業を育成する。法人設立の目標は07年1月。
農業生産法人の事業は▽農作業受委託のあっせん・調整▽水稲・大豆・ソバ・野菜などの生産販売▽水田管理委託・農地流動化あっせん▽機械利用調整・ライスセンター刈り取り調整▽会計経理(一元経理事務)-など。
上古田地区の懇談会は20人が参加。「加入した場合のメリット、デメリットの資料がない」「今の国の補助金と保護政策に基づいた話だが保護政策は続くのか」「条件付きでも収支計算書を出してほしい。リスクの説明がないと判断できない」など活発な意見が出た。
今後は、懇談会の意見を基に再調整し、7月から各地区営農組合単位で懇談会を開く予定。 -
芋焼酎「穆(ぼく)王」の新酒完成祝賀会
04年12月、飯島産の原料を使い、信州初の芋焼酎としてデビューした県業務用酒類販売卸連合会酒販店8社が企画開発した「穆(ぼく)王」の05年新酒(乙種、25度)が完成。14日夜、原料のサツマイモ栽培に取り組んだ「くつろぎ応援団(池上明団長)の完成祝賀会が町内であった。
メンバーや酒販店、醸造元など約30人が参加し、新酒を試飲し、一層磨きが掛かった出来映えを喜んだ。
また、メンバーの1人で画家の、小林市博さん(駒ケ根市)が「大地の恵み」をテーマにデザインしたオリジナルラベルの披露もあった。
池上団長はメンバーひとり一人にネーム入りのオリジナルボトルをプレゼントした後「昨年5月のイモ植えから収穫まで、楽しい思い出ができた。来年も一緒に頑張ろう」とあいさつ。醸造元の喜久水酒造(飯田市)の下沢政弥専務は「信州らしい、さわやかな口当りの焼酎ができた」と報告した。
この後、早速試飲。町内の伊藤信好さん(本郷)は「昨年よりも甘く、香りがいい」。飯田市から参加した前島美奈子さんは「香りもよく、おいしい。草取りは大変だったが、楽しかった」と話していた。
「くつろぎ応援団」は昨年5月、57人で120アールに「黄金センガン」を植え付け。11月に掘り上げ、20トンを収穫した。喜久水酒造が醸造し、原酒換算で5千リットルの芋焼酎が出来上がった。
現在、県内の酒販店8社で販売中、価格は720ミリびんが1350円、1・8リットルびんが2500円。 -
林政協議会
駒ケ根市林政協議会(菅沼盛和会長・14人)は10日、市役所で会議を開き、06年度の森林整備事業の概要などについて市担当者の説明を聞いた=写真。森林の荒廃に歯止めをかけるため、市が主体となって寄付金を出資する企業を募る里親促進事業「グランドデザイン」の状況について、3月に契約締結予定であることなどが報告された。
契約予定地は駒ケ根高原の家族旅行村付近の約40ヘクタールで、カラマツ、アカマツ、スギなどの針葉樹とサクラ、カエデなどの広葉樹が混交している森林。50万円ずつ5年間にわたって支援を受ける。企業名は明かされていない。企業側の利点としては、環境活動への取り組みをアピールすることにより会社のイメージアップができることのほか、社員や家族のレクリエーションの場として活用できることなどが挙げられる。 -
リンゴオーナー反省会
中京圏の約500家族と契約を結ぶ宮田村のリンゴオーナー制度の反省会が10日夜、JA宮田支所で開いた。昨年は生育の遅れもあり、オーナーから味のバラツキが指摘されたが、今年の収獲祭も昨年と同時期の11月12日、同19日に開催すると決定した。
受け入れ農家やJA、村のほか、イベントに協力する各種団体の関係者約60人が出席。昨年の収獲祭やリンゴの出来などを振りかえった。
JAの担当者は、結果的にリンゴの質は良好だったが、天候の影響で生育が遅れたため、11月中旬の収獲祭時には未熟果が多かったと報告。
収獲祭の時期をずらすことも検討したが、寒さの影響が強まることも懸念して、今年は従来通りに11月の第2週、3週に行うと確認した。
契約会も例年通り7月23日に行なうと決めたが、村内の産業や観光と組み合わせたイベントなど、新たな取り組みも検討していくことにした。 -
今年も山ぶどうワイン祭り12月3日に
宮田村の特産品山ぶどうワインの生産関係者らでつくる「山ぶどうの里づくり推進会議」(会長・清水靖夫村長)は9日、幹事会を開き、今年も新酒解禁にあわせて12月3日に恒例のワイン祭りを開くと決めた。ぶどう生産量の増加が見込まれることから、ワイン以外の商品開発の積極的な研究、検討も確認した。
同村内では山ぶどうの配合品種ヤマソービニオンを14戸が栽培。今年は昨年よりも5トンほど多い30トンの収量を見込んでいる。
幹事会では、ワインを醸造し、販売する村内の本坊酒造信州工場の担当者が「収量増加を見込んだ販売計画が必要」と指摘。
ワインだけでは将来的に難しいとも示し、「ワイン以外の商品を生み出すことが、ワインの宣伝にもなり、村の文化にもなるはず」と提案した。
村や農業改良普及センターなどは、生食用やジャムなどの加工品が試作されているが、種の存在が商品化を難しくしていると報告。協力しながら、研究したい考えも話した。
昨年末に開いたワイン祭りの反省も行ない、参加者の反応は良かったが、事前のPRなどが不足気味だったと振り返った。
今年も同じ本坊酒造内の特設会場で開くことを決めたが、内容については今後の幹事会などで煮詰めていく。 -
食品衛生研修会
JA上伊那は8日、伊南地域のAコープや直売所などの生産者直売コーナーへ加工品を出荷している生産者を対象にした食品衛生研修会を駒ケ根市のアイ・パルいなんで開いた。生産者ら約130人が参加し、食品と飲料の2グループに分かれてそれぞれ伊那保健所食品衛生課の佐藤守俊さんと黒岩和雄さんの講義を聞いた=写真。
佐藤さんと黒岩さんは保健所に届出のある不良食品が年間100件以上あること、食中毒の発生状況などについて詳しく説明した上で適切な管理の方法を具体的に示し「一人一人が食品のプロとしての責任とプライドを持ち、食品衛生に取り組んで欲しい」と呼び掛けた。 -
第11回ウインター06信州フラワーショー開催
県内の冬花が集まる第11回ウインター06信州フラワーショーが9日、伊那市のJA南信会館で始まった。赤やピンクの鮮やかな花々326点が並び、豊かな香りに包まれた会場は、多くの来場者であふてれいる。JA全農長野など主催。
ショーは生産者の技術向上と消費者へのPRを目的としている。長野県が全国1位の生産量を誇るアルストロメリアは、その9割が上伊那で生産されていることもあり、冬のショーは例年、上伊那が会場になっている。
今年は、アルストロメリア、アネモネなど19種が並び、品評会で箕輪町の市川一人さんのアルストロメリアが最高賞を受賞した。
県野菜花器試験場の山本宗輝審査委員長は「寒いと花の色が出にくくなる。今年は厳寒であるにもかかわらす、品質、色彩ともに例年以上の出来栄え。生産者の努力がうかがえる」と話していた。
10日も午前9時縲恁゚後1時に一般公開される。展示品は一般公開終了後に販売される。購入希望者は、展示品の半券を切り、引き換え時間に持参する。価格は通常の半額ほどだという。 -
JA上伊那合併10周年記念式典
上伊那農業協同組合(JA上伊那)は9日、合併10周年記念式典を、伊那市狐島の本所で開いた。市町村長や、JA関係者らが祝福に訪れたほか、各分野で功績のあった個人・団体を表彰した。
96年、辰野町、箕輪町、伊那、伊南、上伊那東部の5農協が合併してJA上伊那となった。現在組合員は約2万4千人。国内農産物需要の低迷に伴い、農産物販売高はピーク時から徐々に減少し、厳しい局面を迎えているが、金融・共済事業、生活事業の充実を図り、地域密着型のサービス提供を目指している。
征矢福二組合長は「消費の伸び悩み、農産物の価格低迷が続いているが、農業生産の拡大や組合員サービスの向上に努め、地域とともに成長する21世紀にふさわしいJAを目指したい」と、思いを新たにしていた。
受賞者は次のみなさん。
◇営農事業▼個人=白鳥広明(元酪農部長会長)有賀肇(元花き部会長)唐沢勲(元花き部会長)唐木要(元稲作部会長)▼組織団体=農事組合法人田原、羽広いちご生産組合、飯島町営農センター、JA上伊那花き部会、
◇生活事業=畑好子(元生活部会長)中村重子(元生活部会長)小澤加代子(元生活部会長)宮崎甲子夫(元結婚相談委員長)唐澤久利(結婚相談委員長) -
溝口地区の県営中山間総合・基盤整備事業完成祝う
県営中山間総合整備事業として長谷村の溝口地区で進めていた基盤整備事業が完了し、このほど、講友館でしゅん工式があった。県や村、地元関係者ら約80人が出席し、完成を祝って、農業の発展に期待を寄せた。
事業は、97年に溝口基盤整備委員会(小松明彦委員長)を立ち上げ、地区内を中山・上城、原・尾田屋、南郷の3工区に分けて、99年に着手。農地を集積するなど、受益面積26・1ヘクタール(受益者約90人)が事業完了後には、21・4ヘクタールとなった。事業費は約5億3300万円で、国が55%、県が30%を補助した。
小松明彦委員長はあいさつで完成を喜ぶとともに、国の新たな農業施策への対応などに触れ、「溝口の農政の推進が図っていければ」と述べた。
宮下市蔵村長は「素晴らしい田園風景が整った。これを契機に生産を上げるなど、協働の精神をもって農業に取り組んでほしい」と期待した。 -
野ひばりの会10周年で3月に記念事業
宮田村の農業女性グループ野ひばりの会(橋爪千春会長)は結成10周年を迎え、3月4日に記念の「かあさんのイベント」を開く。恒例の料理実習体験のほか、記念講演も行なう。
このほど新年会を兼ねて会議を開き、記念事業に関して協議。あわせて会員の拡大など、10年を節目にさらに充実した活動を展開しようと確認した。
同会は地産地消をひとつのキーワードに、食と農業を結び付ける活動も精力的。
おやきやスープなど地元産品をいかした料理の開発、農産物の直売など、交流を通じて多くの人に農業の楽しさ、大切さを伝えている。
住民に呼びかけて開く恒例の「かあさんのイベント」だが、今年は10周年記念としてさらにバージョンアップ。
料理実習は参加者全員でながーい太巻きに挑戦するほか、野菜タップリのすいとん汁、カレー味などの創作おやきをつくる。
上伊那農業改良普及センターの佐藤和枝所長の記念講演も開く。 -
そばの実の会発足式
宮田村のそば打ちを愛好する女性たちで結成した「そばの実の会」は7日、発足式を村民会館で開いた。村長をはじめ各界の関係者ら約50人を招待。打ちたてのそばを振る舞い、「地域活性の一助になれば」と決意を新たにした。
村の農業女性グループ「野ひばりの会」のそば班として10年前から取り組んできたが、さらに活動の幅を広めようと、新たに組織化した。
この日は朝から3時間ほどかけて準備。19人の会員は手馴れた様子で、分担しながらせっせと70人前ものそばを手打ちした。
式ではゆであがったばかりを会食。「二八そば」のツルツルとした食感を心ゆくまで満喫していた。
席上、酒井昌子会長は「暗中模索だが、あれもこれもやってみたい。技を身につけ、地域を盛り上げていけたら」とあいさつ。清水村長ら来賓は「そばのように末永く頑張って」と激励した。
自慢の腕を活かして、村内のイベントに引っ張りだこのメンバーだが、今後は福祉施設やデイサービスなどボランティア事業にも力を注ぐ考えだ。 -
いいじまむら夢楽塾
町の農業の活性化を図ろうと飯島町の農業関係者らでつくる実行委員会(中原道夫実行委員長)は5日「いいじまむら夢楽(むら)塾2006」を飯島町文化館で開いた。約80人が出席し、講演や意見交換などを通じて農業への理解を深め、大きく変化する政策の中での今後の取り組みへの決意を新たにした。
式典で農業功績者の表彰、農業経営改善計画認定書交付などが行われたほか、むらづくり講演会では富山大極東地域研究センター副センター長の酒井富夫さんによる「経営所得安定対策後の農村の光と影」と題した講演が行われた。参加者が意見を出し合うワークショップや、飯島中学校の小林研太君(3年)中村佳与さん(2年)による意見発表、自由に懇談する夜なべ談義などが多彩に催された。
表彰された農業功績者は次の皆さん。▽大西正明▽吉川勤▽林英彦▽早稲田吉郎 -
山ぶどうワイン「信州駒ケ原」6日発売
3年連続で県の原産地呼称管理制度に認定された宮田村の05年産山ぶどうワイン「信州駒ケ原」が6日、発売を開始する。昨年末発売した新酒「紫輝」の比較的軽い口当たりに対し、熟成した分だけより深みのある飲み味に。厳しい寒さが旨味を引き出し、より研ぎ澄まされたワインに仕上がった。
村内14戸の農家が栽培する山ぶどうの配合品種ヤマソービニオンを使用。地元限定発売の「紫輝」は仕込みから約2カ月で出荷するが、全国展開する「信州駒ケ原」は4カ月の間タンクの中で熟成させた。
醸造した本坊酒造信州工場(同村新田区)の藤野公宏工場長は「独特のレーズンの香りが楽しめ、コクもある」と話す。
軽めに発酵した原液は「紫輝」に、重めは「駒ケ原」にと初期の醸造段階から差別化。仕上がりの特性を引き出す工夫も行なっている。
さらに、氷点下が続く寒さで寝かすことで「余分な成分も落ちる」という。
「駒ケ原」は従来、全国向けの銘柄として地元販売は少なかったが、今季からは村内をはじめ上伊那各地の酒販店でも取り扱い、720ミリリットル入りを6652本出荷する。
1本1890円(税込み)。問い合わせは本坊酒造信州工場85・4633まで。 -
信州産シャモ試食会
駒ケ根市の鶏生産者らでつくる東伊那アルプス地鶏研究会(湯澤信夫会長・6人)は1日夜、県が05年秋に開発に成功した新品種「信州黄金シャモ」の試食会をJA上伊那東伊那支所で開いた。市職員やJA関係者など約20人が参加し、焼き鳥やすき焼き、空揚げなどに調理した肉を従来の品種と食べ比べた=写真。参加者は「いい味だ」「歯ごたえがいいね」「だけどちょっとさっぱりし過ぎかな」などと感想を話し合っていた。
同シャモは97年に県が開発した地鶏品種「しなの鶏」と同等以上のおいしさと肉質を求め、シャモ(833系)と名古屋種を交配させて開発した。体重は126日齢で平均3キロと中型。丈夫な上、性格も温和で飼いやすいという。肉は脂肪分が少なく、歯ごたえがあるのが特徴。羽根の色と料理の焼き色が黄金に見えることから「黄金」の名が冠された。
東伊那アルプス地鶏研究会は昨年秋から35羽の信州黄金シャモを飼育しているが、今後とりあえず50羽にまで増やしていきたいとしている。 -
JA上伊那地産地消地域支援事業で給食を一緒に食べる
南箕輪村小学校を3日、上伊那農業協同組合(JA上伊那)の征矢福二組合長などが訪れ、同JAが提供した上伊那産農産物を使った給食を児童らと一緒に味わった。
JA上伊那は本年度、農業や地元農産物への理解・関心を深めてもらおう竏窒ニ地産地消支援事業に取り組んでいる。小中学校への農産物の提供もその一環。今回は希望のあった管内50の小中学校に、シメジ、ネギ、卵など、上伊那として力を入れている地元農産物を提供。酪農地帯の箕輪町には、駒ヶ根高原の「すずらん牛乳」も提供する。
各学校には、JA上伊那の理事者や農業者が訪れ、給食を一緒に食べる。それにより、農産物がどのように使われているか知る意味もあるという。
この日は、シメジを使った和え物が出され、児童らは「おいしい」と味わっていた。 -
プリムラ、春を告げる報春花
ポツポツ::、やがてわっと咲く-。飯島町本郷に白く光るフレームの一群がある。その1棟千平方メートルで下平治さん(40)は春を告げる報春花、プリムラを栽培、出荷の時期を迎えている。
下平さんは早生系のプリムラ・ジュリアン1万ポット、プリムラ・ポリアンサス2万2千ポットを栽培。ジュリアンは出荷は終了し、現在、ポリアンサスの出荷が始まった。名古屋や大阪市場への出荷が中心で、七久保の道の駅「花の里いいじま」でも直売している。
作業は花が数輪開いたポットを選び、枯れ葉などを取り除き、1ケースに赤、白、青、黄色、ピンク、オレンジと24個、色をそろえて並べる。「花は見た目が大事、色の配色や草丈を考えながら、並べ方に1番気を使う。朝夕の寒暖の大きい飯島町のプリムラは色が冴え、市場評価も高い」と話していた。 -
減農薬・減化学肥料水稲栽培試験結果報告会
南箕輪村内の有志でつくる減農薬・減化学肥料水稲栽培の研究グループは1日、05年産米の試験結果検討会を村役場で開いた。結果や食味を検討し、安心・安全を絶対条件に栽培に前向きに取り組む方向を決めた。
2年前から、特殊有機鶏ふんを使った試験栽培に取り組み、村のブランド米としての栽培も検討している。
栽培試験は、特殊有機鶏ふんの現地適応性を検証する目的で、村内の農家2人が、特殊有機鶏ふん使用の試験区、全農指定の発酵鶏ふん使用の対照区、慣行区で水稲を栽培。伊那米総合試験地運営委員会の報告では、3区とも品質的に問題はない、土壌分析はほぼ同等-などだった。
食味検討は、参加者27人が試験区、対照区、慣行区の3種類の米を試食し評価。慣行区を基準に試験区が0・59点、対照区が0・56点で「おいしい」との結果になった。
会では、「安心・安全を確認しながら試験も含めて今年も取り組みたい」とし、村内の各集落に役員1人ずつを置く組織づくりにも合意した。 -
伊南地区認定農業者組織交流会に90人
伊南地区認定農業者交流会が30日、飯島町のJA飯島支所であった。伊南地区の認定農業者や女性グループなど約90人が参加、各市町村認定農業者組織の活動発表や講演会で、情報を交換し、会員相互の交流を深めた=写真。飯島町農業経営者会議など主催。
活動発表の中で、駒ケ根市農業者の会は、「会員の減少、会員の営農類型が多様で、共通的な研修が難しい」と課題を挙げ、中川村農業経営会議は「会員の拡大に積極的に取り組み、来年度新規就農者2人が加入予定」と報告した。
飯島町農業経営者会議は道の駅イベントや農業委員との意見交換、営農組合との地区懇談会、いいじまむら夢楽塾参加など多彩な活動を紹介した。
引き続き、おやきや総本家社長の市川武邦さんが「『飽食の時代に思う』豊かさの次に来るのは:」と題して講演。素朴な伝統食、おやきに魅せられ、地産地消の優等生として、世に出し、そのノウハウを生かし、各地にある伝統食の発掘による地域おこしについて、体験を交えて楽しく語った。 -
食品衛生法改正理解へ
上伊那獣医師会(田畑安彦会長)はこのほど、産業動物部会議を伊那市の同事務所で開いた=写真。5月29日から施行される、食品衛生法の一部改正で導入するポジティブリスト制度などについて会員が理解を深めた。
法の一部改正に向け、生乳生産農家への適切な対応・指導を目的に、産業動物の診療に従事する獣医約20人が参加。同制度などについて、全農長野、県伊那保健所、県伊那家畜保健衛生所から担当者を招き説明を聞いた。
ポジティブリスト制度は、基準が設定されていない農薬などが一定量を超えて残留する食品の流通を原則として禁止する制度。生乳生産者は、衛生管理チェックシート、資材交換・牛舎消毒記録、農薬・肥料等使用記録などを毎日、記入することが義務付けられる。
田畑会長は「十分な監察をして、環境のよいところで飼育できるよう努力してほしい」と生乳生産者らに呼びかけている。 -
1団体・2個人の活動たたえる
高遠町農業委員会と高遠町はこのほど、05年度農業功績者表彰式を高遠さくらホテルで開き、1団体2個人を表彰した。
功績者は、遊休荒廃農地に牛を放牧して農地再生に取り組む藤沢荒町のあすなろ会、町農業委員を長年務める東高遠の廣瀬昭典さん、町農業委員会会長を2期務めた三義の春日建郎さん。
農政講演会もあり、「将来の地域農業を支える担い手づくり縲恟W落営農へ準備する力と対応する力縲怐vをテーマにパネルディスカッションをした。
07年産から導入される、認定農業者や集落営農組織などの担い手を対象とした国の新経営安定対策についての概要を基に、農業者ら約60人が意見を交わして、今後の農業展開の方向性を探った。
小池政一会長は「農業が大きく変わろうとしている時期だけに、互いに考え、町の方向付けをしていかなければならない」と話していた。 -
地域食材で児童と生産者が会食
顔の見える交流を深め宮田村の宮田小学校は27日、「地域食材100%の日」を開き、日々の給食に農産物などの食材を提供している村内生産者を招いて会食した。各学級で安全、安心な地元産の食材を一緒に味わい、交流も深めた。
この日の給食は、村内農家11戸でつくる「学校給食を育てる会」提供の農産物を中心にしたメニュー。
栄養満点のきびご飯に加え、芋がらが入った「いなか汁」、ニジマスのカレー揚げ、かぼちゃサラダ、リンゴゼリーと、豊かな宮田村の食材で彩られた。 育てる会のメンバー8人は各学級に散らばり、児童と一緒に会食。美味しそうにたいらげる子どもたちの姿に目を細め、会話も楽しんだ。
2年3組で会食した宮嶋正明さん=町3区=も、モリモリ食べる児童の給食風景を喜び「農薬を減らすなど、安心な農産物にしようと我々も気を配っている。今後もさらに地域食材を味わってもらえたら」と話していた。
04年度から宮田小、中学校は、生産者の顔が見える安全、安心な地域食材の導入を積極的に図っている。 -
宮田村営農組合設立
宮田村営農組合は26日、設立総会を農協宮田支所で開き発足した。全国的に市町村単位で営農組合を設ける例は珍しいが、一村一農場を掲げ脚光を浴びた「宮田方式」と呼ばれる集団営農を再編。農家全戸参加で国の新たな農業政策に対応する。ただ同村は兼業農家が大半。後継者不足は深刻で、担い手育成など急務の問題を抱えたなかで船出となった。
大規模農家や営農組織に補助を限定する2007年からの国の新たな政策に対応しようと、各地で組織の再編や設立が相次いでいるが、関係者によると、集落ごとに設けることが多く、ひとつの自治体を包括するケースは極めて珍しいという。
宮田村では20年ほど前から農地の所有と分離を進め、集団営農を先駆的に実践。
村の農地利用委員会が利用計画を立て、農協主導の集団耕作組合が実働して耕作する方式を採用してきた。
今回の再編は、村をひとつの農場としてとらえる概念を引き継ぎ、農地利用委員会と集団耕作組合を統合。農地を所有する全709戸を組合員とした。
経理の一元化も図り、各地区に設ける組合の上部組織として村営農組合を位置付けた。
地区営農組合は大田切区、南割区で発足し、町区と新田区が2月中、残る北割区、中越区、大久保区も年度内に設立する見通し。
組合設立は当初、昨年春を予定。しかし、組織再編の必要性が各農家に浸透せず、懇談会を繰り返す事態になっていた。
総会には各地区の総代ら約70人が出席。理事会の互選で決まった原田博安組合長は席上「村の自立と同じように、人任せではなく、全組合員が英知を結集して農業を守りたい」と理解を求めた。
当面の活動は農地利用と機械、施設の共同利用の調整が主だが、高齢化による後継者不足は加速度的に進んでおり対応が迫られる。
役員は次の皆さん。
▽組合長=原田博安▽副組合長=小田切信樹、保科治男▽営農企画・土地利用部会長=北沢正明▽機械・労働調整部会長=小田切孝夫▽会計監事=小田切正和、加藤瞳 -
第20回南箕輪村農業フォーラム
第20回南箕輪村農業フォーラムは27日、「品目横断的経営安定対策」に対応する地域農業「担い手」育成対策などを考えようと、「地域でつくろう担い手」をテーマに村民センターで開いた。農業関係者ら90人が、講演や事例研究などで学び合った。村営農センター、地域「担い手」育成総合支援協議会の主催。
伊那市東春近の農事組合法人「田原」経理・広報担当理事の酒井弘道さんが記念講演。04年10月の設立までの経過や仕組みなどを話した。
「加入は原則として設立時のみ」とする申し合わせ事項を説明し、「スタート時に加入の問題は南箕輪でもあると思う。皆が様子をみたら始まらない。ある程度、どこかで線引きが必要かと思う」とアドバイス。「今までと同じ考え方の中で同じようにやっていこうと考えるのはやめたほうがいい」と話した。
地産地消事業の一環で「リンゴ(ふじ)」の消費拡大コーナーを設け、「南箕輪村輪の会」によるリンゴ料理の試食や、リンゴジュースの試飲、リンゴのプレゼントもあった。 -
山ぶどうワイン生産者らが06年産の準備に奔走
3年連続で県の原産地呼称管理制度の認定を受けた宮田村の山ぶどうワイン。生産者らは喜びも束の間、本年産の準備に追われている。25日にはせん定技術講習会、栽培検討会を開き、より美味しく、幅広く味わってもらおうと14戸の生産農家や関係者が取り組んでいる。
この日は原産地呼称認定の審査当日。ある生産者は「合格を待つ受験生の気分。美酒に酔いしれたいね」と認定結果を気にかけながら、ほ場で開かれたせん定技術講習に臨んだ。
山ぶどうの生産は今年で7年目。呼称認定に落選するなど苦汁を味わった時期もあるが、03年産が認定されて以降は高い評価を受けるようになった。
05年産は史上最高の約24・8トンを収穫。量、質ともに最高の出来映えと呼び声も高く、昨年末に発売した「紫輝」をはじめワイン醸造も順調だ。
検討会では2006年産の生産目標も確認。今年をさらに上回る30トンに設定した。
今後は増加した量をどのように販売に結び付けるかが鍵になるが、醸造販売する本坊酒造信州工場は「ワインとしての販路拡大は現状で精一杯」と指摘した。
それでもさらに付加価値をつけようと、樽ではなく陶器の中で醸造する甕(かめ)発酵など、新たな技術の試験的導入も示唆。
パンや、フルーツソース、生食用に山ぶどうを使う取り組みも始まっており、生産者や村、農協などでつくる「山ぶどうの里づくり推進会議」はあらゆる可能性を探っていく考えを確認した。
せん定作業は2月に入ってから本格化。芽が出る前に1回目の防除作業が行なわれる。 -
箕輪町水田農業推進協議会
箕輪町水田農業推進協議会は24日、町役場で開き、06年度産米の町の生産目標数量を前年度並の2791トンに決定した。
生産数量の配分は06年度2505トンで、05年度の2736トンより231トンの減だが、地域間調整数量や加工用米生産予定数量などの対策で286トンを加え、最終的に2791トンとする。
05年度水稲作付け実施水田面積の目標達成率は98・91%。限度面積(加工米含む)は4万3802・6アール、実施面積(同)は4万3327アールで、差引面積はマイナス475・6アールだった。