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パステル画・油絵サークル「楽画喜の会」作品展
洋画家の坂本勇さん(61)=伊那市美篶=が講師を務めるパステル画、油絵サークル「楽画喜(らくがき)の会の展示会は25日まで、同市駅前ビルいなっせ2階ギャラリーで開いている=写真。心を和ませる優しい色合いのパステル画が多く並び、来場者の注目を集めている。
坂本さんが駒ヶ根市縲恂・輪町の16カ所で開く絵画教室の中で、パステル画、油絵を専攻する受講生でつくる集まり。展示は、いなっせでは初めてとなり、今回で6回目を迎える。
講師を含めた14人が、一人3縲・点の合計54点を出品。鮮やかな赤色が映える紅葉や、画面いっぱいのヒマワリの花などの風景、静物画がある。
それぞれ自分のテーマを追求した作品ばかりで、受講生が「一生懸命に描いた深みのある絵が集まる」(坂本さん)。「おのおのが楽しく描いている様子を思い浮かべて見てもらえれば」と来場を呼び掛けている。
本年は坂本さんが絵画教室を始めて10周年記念の年。伊那市西春近のかんてんぱぱホールでは絵画教室内の絵手紙の作品展が22縲・0日、同時開催している。
入場無料。午前9時縲恁゚後6時(最終日は午後4時)。 -
久しぶりの晴れ間 市民プールに水しぶき
梅雨前線が南海上へ下がり、強い日差しが戻った22日、伊那市民プールに子どもたちの笑顔が帰っていき=写真。子ども連れの親子など314人が久しぶりの晴れ間を見て、プールに足を運んだ。
市民プールは梅雨前線などの影響で16竏・9日、21日を閉場し、20日は営業したが、利用者はいなかった。
この日は最高気温27・4度と平年並みの気温。利用者はボールや大きな浮き輪を使って水遊びをする児童らの姿が広がった。
伊那市上新田の30代主婦は長女(10)、二女(8)を連れてプール遊び。「外に出れなかったので開放感を感じている。天竜川の増水で水の怖さを知りつつも、プールは良い学習の場になる」と我が子の笑顔に目を細めた。
飯田測候所によると、今後も早々には晴れ間は臨めそうにない。 -
駒ケ根市内の金融機関浴衣姿で応対
窓口で涼しげな浴衣姿の女性が応対竏秩B駒ケ根商工会議所の呼び掛けに応じて21日、駒ケ根市内の主な金融機関の各店舗で女性職員が浴衣で業務に当たった。
アルプス中央信用金庫赤穂東支店では5人の女性従業員がそれぞれ浴衣を着て接客=写真。「普段着慣れないのでちょっと窮屈。少し動きづらいが業務への影響はない」と笑顔で話した。
訪れた客は「夏らしくていいね」「華やかで店内が明るくなったようだ」と笑顔を見せていた。 -
ネパール交流市民の会総会
ネパールとの交流を通じて友好を深めようとする駒ケ根市民らでつくる「ネパール交流市民の会」(塩原順四郎会長)は20日、第8回総会を駒ケ根駅前ビル・アルパで開いた。会員ら約30人が出席し、ポカラ市からの中学生受け入れや駒ケ根市民のポカラ市訪問などの計画を承認した。
計画によると▽ポカラ市の中学生5人と校長など計8人の訪問団を8月24日から29日にかけて市に受け入れ、ホームステイ、体験交流、学校訪問、市内観光などをしてもらう▽秋までに駒ケ根市民20縲・5人の訪問団を結成し、11月11日縲・9日にかけてポカラ市を訪れる竏秩B
塩原会長は「混乱していたネパールの情勢も平穏を取り戻しつつあり、中断していた交流が再びできるようになった。今年はポカラ市との友好都市協定締結5年目の節目の年。記念イベントに積極的にかかわっていきたい」とあいさつした=写真。
名誉会長の中原正純市長は「市民に呼び掛けて秋にもポカラ市を訪問したい。私自身もできれば参加し、さらに友好関係を深めたい」と述べた。 -
大雨によるイベントなどへの影響 - 駒ケ根市
駒ケ根市では大雨による被害は少なかったが、被災した近隣市町村への配慮から22日開催の夏祭り「KOMA夏! &ゆかたまつり」での市長ら公職関係者のあいさつなどを自粛する。
23日開催予定の市民総合体育大会は全種目とも予定通りの時間、会場で実施できる見通し。
市内で開催予定だった次のイベントが中止になった。
▽19日=第36回上伊那郡市献血推進大会(市文化会館)▽20日=建設事業関係功労者表彰式(天竜川上流河川事務所)▽21日=駒ケ根市竜東地区農業集落排水施設しゅん工式▽22日=水生生物観察会(おもしろかっぱ館)▽23日=第53回上伊那郡市母子寡婦福祉大会(市文化会館) -
避難所住民みはらしの湯へ
19日までの大雨で西春近北小学校、西春近南小学校で避難所生活を続けていた住民らが21日、西箕輪の日帰り温泉施設「みはらしの湯」で入浴をした。
県は20日、被災者救援のために各地へ「避難所お助けコンシェルジュ」を派遣した。その時、現地で入浴を希望する声があったため、県が市へ相談。県が送迎バスを出し、市が入浴チケットを提供する形で、20日夕方から入浴サービスを提供し始めた。
20日から21日午後までに約25人が利用。避難所生活を余儀なくされているお年よりなどは「良いお風呂でよかった」などと話しながら帰っていくという。
みはらしの湯の唐澤壽男支配人は「地域の人が困っている時。少しでも協力できれば」と話していた。 -
伊那建設事務所が通行止め道路と復旧見通し、迂回方法を発表
伊那建設事務所は21日、現在交通止めとなっている道路の個所とその復旧見通し、迂回方法と現在の対応策を発表した。
大雨に伴う災害などの影響で全面通行止めとなっている国道は3カ所。
横川川の洗掘で通行止めとなっている辰野町読本水の国道153号は、流れの激しい川側に1トン土嚢を積み、山側は砕石で埋めたてるなどして暫定道路を来週中に復旧する。
木曽側の土砂崩落のため通行止めとなっている国道361号伊那木曽連絡道路は、22日午前8時から県道蛯名奈良井線を使って国道19号奈良井へ通行可能とし、松本方面との交通路を確保する。
松倉川沿いの2カ所で土砂崩落があった国道152号伊那市高遠町御堂垣外(杖突峠)は、通行止め解除の見込みは未定だが、諏訪辰野線有賀峠で普通車に限り片側交互通行が可能となっているため、普通車の人はこの路線での迂回が可能となっている。
通行止めの影響で各地で渋滞が発生しているが、県では県外から入ってくる車に早い段階で迂回を促したり、上伊那の交通情報をラジオで流すなどして事態緩和に努めている。 -
箕輪町・上古田で斜面崩落など大雨災害依然
箕輪町では21日も、山や土手の崩落などの情報が役場に入っている。
上古田グラウンド西の山では、斜面が崩落した。土砂や、なぎ倒された木々が流され、下流の休耕田が土砂に埋まった。
崩落した斜面は、西部箕輪土地改良区の畑地かんがい用水用ため池の西。山に入った地元住民が20日に発見し、区長に連絡した。斜面が大きく崩れ、木が何十本と倒れたほか、沢が深くえぐれている。発見した住民は「本当にびっくり。このまま被害が止まってくれればいいけど」と話していた。
箕輪町は21日午前9時、松島の北島地区以外の地域に出ていた避難勧告を解除。午後5時、北島地区の避難指示を避難勧告に切り替えた。北小河内中村地区は避難勧告が続いている。
国道153号線バイパス(松島交差点から熊野坂下交差点)は午前9時に全面通行止めを解除し、約200メートル区間の片側交互通行になった。 -
JR北殿駅南西斜面に亀裂
18世帯57人避難指示南箕輪村北殿のJR北殿駅南西で21日、斜面に亀裂が入った。村は災害警戒本部を設置し、周辺住民は北殿公民館や親戚の家などに避難している。
斜面は亀裂が1カ所、ずれが2カ所に生じた。斜面全体にシートをはり、道路に面した木が20分間で5ミリずれたことが確認されたため、木を切る対策を進めている。
地元住民の連絡を受け村は午前8時30分に災害警戒本部を設置。午前11時に周辺住民18世帯57人に避難勧告を出し、午後2時25分に避難指示に切り替えた。午後4時現在、4戸6人が北殿公民館に避難している。 -
イベントに影響
伊那文化会館関係伊那市の県伊那文化会館は、豪雨災害発生により延期した19日開催予定だった「さだまさしコンサート」を、8月24日に開催する。午後6時開場、6時半開演。
購入済チケットはそのまま有効。チケット払い戻し希望者は、伊那文化会館窓口、またはサンライズプロモーションへチケットを郵送(郵送方法は同社TEL025・246・3939)し、返金処理する。払い戻し期間は27日から8月6日まで。
県埋蔵文化センターが22日に伊那文化会館で予定していた速報展「長野県の遺跡発掘2006」の調査報告会及びミニシンポジウムは中止する。 -
大雨…イベントに影響
みのわ祭り中止箕輪町は21日、みのわ祭り実行委員会小委員会を町役場で開き、豪雨により災害が各地で発生していることから、みのわ祭り中止を決定した。過去に延期はあったが中止は初めて。会議は、小委員会委員のほか15区の区長も出席して協議した。
町内では22、23日のながた自然公園で予定されていた日中友好キャンプ(長野県日中友好協会青年委員会・女性委員会主催)、23日の町長寿クラブ連合会マレットゴルフ大会が中止。
南箕輪村内のイベントは、22日のみんなの畑作業が延期、23日の2006上伊那労福協まつり(上伊那地区労働者福祉協議会主催)、消防団水難救助訓練、特別養護南箕輪老人ホーム夏祭りが中止。 -
伊那市・西春近北小児童 体育館の避難住民に歌声贈る
「♪希望の風船飛ばそうよ」竏秩B21日午前、伊那市の西春近北小学校の児童たちは、体育館に集まる避難住民に向けて、合唱などのミニコンサートを開いた。住民らはうっすらと目を濡らし「元気をもらった」と明るい表情を広げていった。
片桐省平校長の機転で、1、2、4年生(合計約100人)が次々と活力あふれる歌声やリコーダー演奏を披露。土砂崩落で避難所暮しの沢渡地区約30人にとっては、笑顔を取り戻す「予期せぬプレゼント」になった。
1年まつ組の33人は「シャボン玉」「ともだち」など3曲を披露。橋爪陸君(6つ)は「早く雨が止んでほしい」との願いを込めて歌った。児童たちは体を左右に揺らせながら、体育館に響き渡る大きな声を贈った。
「こんな状況で歌が聞けるなんて」「避難所の雰囲気が明るくなった」などと観客は感動した様子。中には肩をもみに避難所を訪れた孫の優しさを喜ぶ男性の姿もあった。
片桐校長は「避難所での一番の敵はストレス。暗い話題ばかりなので、少しでも気が紛れてくれれば」と住民らの笑顔に目を細めていた。 -
ベル伊那店 陶芸家・天狗寺陶白人さんが個展
岡山県津山市の陶芸家・天狗寺陶白人さん(55=本名・寺元進=)の県内初となる個展は25日まで、伊那市日影のベルシャイン伊那店2階文化ホールで開いている=写真。
材料となる土の選定などを自身で考えた「天狗寺焼き」に約30年間取り組む。昔ながらの穴窯で焼いた素朴な印象の花器、茶器、日用食器など60余点を展示販売している。
「野山あるき」をテーマに作陶した花入れを中心に出品。「野山を歩いていて、咲いている花を家に帰って生けたいな」(天狗寺さん)と思えるような器の前に、来場者の足が止まっている。
天狗寺さんは、現・京都造形大学を卒業後、飛騨高山の長倉三朗氏に師事し、2年間の修行を終えると帰郷。天狗寺山中に築窯し、地元の土を使ってオリジナルの陶器づくりに励んでいる。
「人の作品と違う部分を強調するのではなく、同じ部分を見てほしい。伊那の土と岡山の土にも共通点があることを知ってほしい」と来場を呼び掛けている。
入場無料。午前10時縲恁゚後6時30分(最終日は午後3時)。 -
沢渡地区に避難勧告
沢渡地区に避難勧告
伊那市災害対策本部は20日4時半、沢渡公民館から南側でJR飯田線よりの上下段丘に住む87世帯260人と15事業所に、新たな避難勧告を発令した。
同地区の段丘からの出水を確認し、土砂災害の恐れがあると判断。沢渡周辺の市道を通行止めにし、西春近北小学校への避難を促した。
今のところは、他地区でこうした兆候は確認されていない。 -
宮田村の山腹で山林斜面大崩落
土石流発生、黒川決壊集中豪雨により19日午後6時ころ、宮田村の黒川北側の山腹で高さ80メートル、幅50mに及んで山林斜面が大崩落。土石流となり、せき止められた黒川が決壊した。県道や村道を飲み込み、下流約1キロまで土砂や水が流出。応急処置を施して人家などへの影響は出ていないが、再崩落や増水の可能性もあり、予断を許さない状況が続いている。
現場は駒ケ根橋上流300メートルほどの地点。対岸の駒ケ根高原内のホテル宿泊者が崩落の様子を目撃。村や県は通報を受けて、流れ出た土砂や水を食い止めるため、深夜まで必死の作業が及んだ。
ただ、山腹上部には亀裂があるという情報もあり、2次災害の危険性もあるため復旧は手がつけられない状態。
上伊那建設事務所の担当者は「斜面全体がずり落ちた格好。まだ大雨の可能性があり、さらなる崩落の可能性も否定できない」と話した。
近くに民家はないが、水の流出は宮田観光ホテル脇の県道にも達した。ホテルに宿泊者がいたが、影響はなかった。
水や土砂の流入で寸断された県道駒ケ岳公園線はロープウェーに通じるなど、中央アルプスの玄関口となるが、千畳敷ホテルや駒ケ岳の山小屋は17日の雨量規制で宿泊者はなかった。
この雨により、周辺の宿泊施設も大打撃。夏休みのかきいれ時を迎えるが、キャンセルが相次いでいる。
宮田村新田区の宮田観光ホテル、隣接する温泉施設こまゆき荘はともに通常営業しているが、宿泊、宴会がほぼキャンセル。従業員は「今月一杯は開店休業の状態。これからお盆までが一番のシーズンなのに」と肩を落とした。
今月末まで20組ほどの団体キャンセルもあり、被害はさらにふくらんでいる。
宮田村宮田高原へ続く寺沢林道は各所で崩落があり寸断。復旧のめどは立っていない。
キャンプ場利用者はなく、取り残された人はいない。 -
続く豪雨被害、宮田村で山林崩落
梅雨前線による集中豪雨被害は、雨が小康状態となった20日も続いた。宮田村では19日夕、駒ケ根高原にもほど近い黒川平で山林斜面が崩落。黒川をせき止め、土砂や水が県道、村道を流れたが、20日も応急処置のみで手がつけられない状態が続いている。
崩落した土石流が直撃した県道駒ケ岳公園線は完全に川と化して、100メートル以上に渡って完全に寸断。夏の行楽シーズンも控えるが、復旧の見通しは立たない。崩落現場からは依然として泥や土砂が流れており、再崩落の懸念もあるため監視を強めている。 -
交通渋滞で物資滞る
大雨やそれに伴う災害が発生した19日、中央道、杖突峠、国道153号線など各道路が通行止めとなった。それに伴い、各地区のスーパーやコンビニエンスストアでは物資が届かず、生鮮食品を中心に、品薄状態となった。
松本方面からの物資供給の割合が大きいある大型店では、朝、1割程度の物資供給があったが、その後の供給が滞った。杖突峠の復旧後は、山梨方面からの物資が3時間遅れで到着したが、松本経由の物資は届かず、いつもの4割ほどしか物資がそろわなかった。
20日は、杖突峠に加え、川岸方面道路も復旧したが、物資の到着は5、6時間遅れとなった。同店の店長は「冬場、大雪があるとたまにこうした状態になることはあったが、1日だけ。雨だけでこういう状態になるのは初めて。中央道が通れない影響が大きいが、復旧の見通しがつかないことが心配」と危惧する。
中央道を管理する中日本道路は、20日を目標に復旧作業を進めてきたが、再び土砂の流入があったことにより通行止め解除にはさらに時間がかかると見込んでいる。 -
伊那食品工業、社員が災害復旧へ参加
大雨の影響で各地で災害が発生した19日、伊那食品工業(本社・西春近)では、社員40人が土石流被害のあった柳沢地区の復旧作業にあたった。
市内でも深刻な被害があった柳沢地区には、伊那食品工業の社員が住んでおり、うち3人宅の敷地には土砂や流木が流れ込み、周辺の水田や畑もほぼ壊滅状態となった。それを受け伊那食品工業では、工場の稼動に影響がでない営業、間接部門の男性社員ら40人と会社の重機などを同地区に動員。被害にあった社員宅を中心に、土砂の撤去、土嚢(どのう)積み、道路整備などに1日係りで取り組んだ。
伊那食品工業の関係者は「すべてを元通りというわけにはいかないが、生活するのに必要な部分は確保できた。従来から社員同士の助け合いを大切にしてきたのが今回の災害で役に立った。改めてお互いに助け合うことの大切さを実感した」と話す。
20日も引き続き15人が復旧作業に当たった。 -
はら美術で伊那市の池上信子さんが書展
伊那市旭町のはら美術で20日から、伊那市日影の池上信子さん(74)の書展「くらしの中に書を」が開かれている。かなの美しさを伝える作品約65点が、訪れた多くの人を楽しませている=写真。
主に公民館などで教室を開いている池上さんが、はら美術での個展は2回目。文字離れしつつある今、書をやっていない多くの人にも文字の良さに触れてほしいという思いから、仮名を取り入れた作品も多く並べた。
書のテーマは、四季折々の情景が浮かぶという井月の句をはじめ、近年話題となったドロシー・ロー・ノルトの「子は親の鏡」や、37歳の若さで無くなった井村清さんの詩などを取り上げた。池上さんは「今の世の中にかけていること考えさせるような内容。書を見た人にこうしたことをもう一度考えてもらえれば」と話す。
また、今は使われなくなった古いざるやふるいを使って展示した作品などもある。 -
【記者室】大雨の被害、今後も注意を
天竜川決壊、土石流発生、橋落下、床上・床下浸水…。15日からの梅雨前線豪雨により上伊那の各地でも被害が拡大している。今なお避難生活をしている住民も多く、疲労も増し、不安な日々が続いている▼災害発生直後は、「天竜川が決壊するとは思わなかった」「土石流が来て、もう慌てて逃げた」と、住民も恐怖や不安の色を隠せない様子だった。災害対策本部の設置が続く自治体では、被害を最小限に食い止めようと、災害場所の応急復旧作業、避難住民への対応、情報収集など対策に追われている▼大雨により地盤がゆるんでいるため、土砂災害発生の危険性も高まっている。とにかく被害が拡大しないことを祈るばかり。土砂災害には十分警戒を。(村上記者)
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大わらじ3基を補修
第34回伊那まつりのオープニングパレードで担ぐ大わらじの補修が20日、旧青果市場で始まった。伊那市高齢者クラブ連合会伊那地域の役員約20人が交代で補修に当たる。
わらじは長さ6メートルが1基、2メートルが2基。傷みは少なく、わらじを乗せる台座の紅白ひもの巻き直したり、たわらをすえ直した。当初、3日間の作業日程を組んだが、2日間で終了する見込み。
久保田泰男会長(79)は「紅白ひもを巻き変えると、見違える。いよいよまつりが近づいてきたという感じ」と話した。
小わらじ1基は20日、市役所の市民ロビーで開いている伊那まつりのグッズ展に展示する。
「伊那まつり」のオープニングパレードは5日午後4時半から。市職員が担ぐ予定で、春日公園下交差点縲怦ノ那北駅前交差点を練り歩く。 -
歩行者用の殿島橋の橋脚が落下
梅雨前線の影響で、通行止めになっていた伊那市の殿島橋(歩行者専用)の橋脚が20日、一部落下した。
殿島橋は天竜川にかかる橋で、61(昭和36)年に建設。東春近と西春近を結ぶ延長約220メートルで、幅員6メートル。91(平成3)年、上流に春近大橋を架け、歩行者専用として使っていた。
近くに住む女性(74)は「橋げたまで水が来ていて、びっくりした。いくら古いとはいえ、壊れるなんて」と話した。
県は7月上旬から、老朽化に伴い、殿島橋の架け替えについて検討するワークショップを開いたばかりだった。
殿島橋は春富中学校生徒らが通学するほか、橋上イベント「春近どんぴちゃ祭り」にも使っていた。 -
上伊那の交通情報(20日午後4時半現在)
伊那市役所に20日朝、道路の通行止めなどの交通情報の問い合わせが相次いだ。
中央道や農道が通行止めで、国道153号線などにう回。出勤時間を中心に、渋滞した。
市役所には午前6時縲・時、出勤時間に合わせてか、通行止めの個所を確認する電話がひっきりなしにかかった。
伊那市は、市ホームページで「伊那市緊急災害情報」を提供している。20日朝、約7千件のアクセスがあった。
上伊那関係分の交通情報は次の通り。
【通行止め】
◇中央道▽駒ケ根インターチェンジ縲怏ェ谷ジャンクション
◇国道▽361号線(権兵衛トンネル)▽153号線(辰野宮所、うとお峠、箕輪バイパス)
◇県道▽中山松倉線▽伊那北殿線(ニシザワ双葉店縲怎}ルタ工業付近)▽殿島橋▽車屋大久保線
◇市町村道▽稲持大松河原線▽西部1号線(諏訪形付近)▽吹上大泉新田河原線(いずみ橋縲恍・R稔さん宅)▽棚沢川南線【片側通行】
◇国道▽361号線(高遠駅前)
◇県道▽下諏訪辰野線▽諏訪辰野線(有賀峠)▽伊那辰野線
◇市町村道▽野底手良線(野底公民館縲恂枕L箕輪線交差点)
【JR飯田線運休】
◇伊那新町縲怏ェ谷間
【高速バス運休】
◇飯田・駒ケ根・高遠縲恊V宿◇飯田縲怏。浜◇飯田縲恍キ野
中央道通行の無料措置
諏訪IC縲怏ェ谷IC
中央道諏訪インターチェンジ(IC)縲恍キ野自動車道岡谷ICの区間で20日午前11時から、通行料金の無料措置がとられている。期間は当分の間。
諏訪湖の水位が上昇し、諏訪湖周辺が冠水したことで、国道20号の諏訪市の上諏訪駅前付近が全面通行止めとなった。そのため、中央道、長野自動車道をう回する車両に対して通行料金の無料措置をとった。
対象車両は諏訪IC縲怏ェ谷IC間の通行で、当該区間を越えた場合は適用にならない。
問い合わせは、国交省関東地方整備局長野国道事務所(TEL026・264・7001)へ。 -
伊那消防組合議会
伊那市など4市町村でつくる伊那消防組合議会の臨時会が18日、伊那市役所であり、議長に小林信氏=同市議会員=を選任。そのほか、消防ポンプ自動車の取得など5議案を原案通り可決、承認した
06年度一般会計第1回補正予算は206万円を追加し、歳入歳出予算の総額は、それぞれ12億115万。組合構成市町村議員のソフトボール大会中止に伴う予算の減額や、救急救命士の薬剤投与講習などにかかわる負担金の増額などの内容とした。
監査委員の辞職に伴い、井上富男氏=アルプス中央信用金庫常務理事総務部長=を選任。任期は4年。
箕輪消防署に消防ポンプ自動車1台を更新。価格は2698万円で、12月に配備予定。 -
宮田村も豪雨被害で浄水場に土砂流入
18日から19日の梅雨前線による豪雨は、宮田村にも甚大な影響を及ぼした。村内各所で水があふれ、5つの小河川が氾濫(はんらん)して土砂が流出。新田区の上の宮浄水場、天竜川漁協の養魚場に被害が出た。北割区では1人が自主避難。土石流警戒の体制も続き、消防団、村職員らが徹夜で監視した。中越区下河原では9・5ヘクタールが冠水し、水田が水没。幸い家屋、人的被害はないが、住民は眠れぬ夜を過ごした。
唐松沢の増水により19日午前5時ころ、村内約3割の水をまかなう上の宮浄水場は大量の石や泥で埋まった。
同日午後3時過ぎには現場で鉄砲水が発生。当時10人ほどが復旧作業にあたっていたが、危うく難を逃れた。
他の水源に切り替えて住民生活への支障はないが、広域水道に増量供給を要請。水が引くまでは復旧は難しいと担当者は話した。
伊那市境の中越区下河原は、天竜川に流れ込む堂沢川が逆流し、同日午前7時頃には一帯が完全に水没。
関係者は「この状態では稲はダメだろう」、様子を見にきた女性は「こんな状態になるなんて」と絶句した。
大久保区前河原でも0・2ヘクタールの水田が冠水した。
長坂沢、真米沢、全昌寺沢と3つの河川で土砂が流出した北割区は、18日夜から区集落センターに対策本部を設置。土石流の危険が高い源ケ洞沢の警戒にもあたった。
避難勧告が出た場合に備えて、同日午後8時40分過ぎに各班長を召集。早めの準備を徹底した。
長坂沢の氾濫が激しくなったのは19日午前7時半頃。人家の前の道路が完全に泥の川となった。
「それまでも水は流れていたが、ゴォーゴォーと音がして、急に泥水になった」と集落センターに自主避難した男性は話した。
桐ノ木沢から流出した土砂は、天竜川漁協のマス養魚場を直撃。18日午後7時頃には施設入口付近の通路が冠水。養殖池にも泥や石が入り、復旧作業は19日午後も続いた。
マスは9月からの採卵に向け、体力をつけている時期。「これだけ濁りが入ったら、被害は出るだろう」と職員は腕を組んだ。
宮田村は18日午後7時に警戒対策本部を設置し、係長以上を召集。午後11時に班体制を組み、消防団とともに夜通し警戒した。 -
駒ケ根市上赤須で道路冠水
大雨で天竜川の水位が警戒水位の2メートル40センチを超えたため、駒ケ根市は19日午前1時、災害対策本部を設置した。午後になって雨は上がったものの、引き続き土砂災害の恐れがあるとして市民に警戒を呼び掛けている。
大雨の影響で19日午前6時25分ごろ、駒ケ根市赤穂上赤須の天竜川吉瀬橋下流約50メートル地点で水が堤防を越えてあふれ出し、右岸の市道I竏・96号線が約50メートルにわたって冠水した=写真。深さは約50センチで、ガードレール上端がかろうじて水面からのぞく程度。市は緊急措置として道路を通行止めにしている。
吉瀬橋下流の蟹沢地区の3世帯7人は1軒の家に集まり、警戒のため訪れた市職員と消防団員らとともに水位の変化や堤防の様子を見守っている。
下平の丸塚公園一帯も全体が冠水した。 -
浴衣が当たるクイズ抽選
駒ケ根市の夏祭り「KOMA夏!&ゆかたまつり」のイベントで8日に銀座通りで行われた「浴衣が当たるクイズ」(ゆかたまつり実行委員会主催)の当選者を選ぶ抽選会が19日、商工会館で行われた。応募総数202通のうち正解だった200通の中から、エコーシティー駒ケ岳の社員など報道関係者が当選者5人を選び出した=写真。当選者には浴衣1着がそれぞれ贈られる。当選者の発表は22日に開かれる「KOMA夏!&ゆかたまつり」の特設ステージで午後8時45分に行われる。
クイズの問題は「スピード太郎の肩にある星(☆)マークは右肩? 左肩?」だった。正解は「右肩」竏秩B -
前沢川の土砂災害
伊那市西春近の前沢川では、土石流が発生し、川周辺にある柳沢集落に、土砂が流れ込んだ。
土砂災害の発生を予期した市は、事前に自主避難を要請。柳沢公民館への避難を誘導したが、午後3時20分に土砂災害が発生したことを受け、6戸に避難勧告を発令し、西春近南小学校への避難を促した。
床上・床下被害があった人家が数戸あり、土砂が流入した農地が冠水。給水ポンプの故障による一部断水があり、給水ポンプを出動させた。
また、前沢川の上を通っている中央道のぼり線には、前沢川上流の土砂や倒木が流入。通行止めとなり、中央道を通ろうとしていた車が一般道へ降りたため、国道153号は上下線とも大渋滞となった。
そのほかにも、猪沢川の氾濫により一帯の水田が冠水した。 -
北小河内避難所の様子
土石流災害に見舞われた北小河内では、宮下、中村などから約12世帯37人が北小河内公民館へ避難。最も被害が大きかった中村集落は、区で全戸避難を促した。
土石流が流れた道沿いに住んでいた50代の男性は「うちの前を自動車が流れ、床上浸水する家や傾く家もあった。ここ何十年もこんなことは無かった。集落全体が避難するのも初めて」と土石流の様子を語った。
また、別の30代女性は「土石流の被害はなかったが、家の横の用水路があふれそうだった。小さい子もいるので避難してきた」と話していた。
中村集落の根橋政幸区会議員は「道がうまく通れない分、それぞれに別れて避難した。寝たきりの人は手分けして連れ出すなど、比較的スムーズに避難できた」と、今回の避難を振り返った。 -
大芝高原マップ改訂版
観光客らに配布南箕輪村開発公社は、大芝高原のガイドマップ「信州大芝高原マップ」の改訂版を作り、公園を訪れる観光客らに配っている。
マップは数年前からあるが、多目的広場の整備や公園内のトイレ設置などに伴い、改訂版を作った。
大芝高原全体がわかる手書きのマップで、施設などを紹介。公園内で見ることのできるササユリ、ツルリンドウなどの花、シジュウカラやコガラなどの鳥の絵、中央アルプス、南アルプス、経ヶ岳、八ヶ岳も書いてある。
改訂版は、新デザインの村キャラクター「まっくん」、経ヶ岳の標高、フォレスト大芝、公園内のトイレ、多目的広場、権兵衛トンネルを新たに書き加えた。
大芝荘、大芝の湯、味工房、公園管理事務所で、施設の問い合わせがあったときに渡している。