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駒ケ根高原美術館で本多勝一展
現松川町出身のジャーナリスト本多勝一さんの作品展「本多勝一展 ニセモノを見抜きホンモノをめざすジャーナリズムを」が駒ケ根市の駒ケ根高原美術館で6月20日まで開かれている。朝日新聞記者時代から現在までの多くの著作から抜粋した文章のほか、40歳代から始めたという絵画約50点を展示している=写真。
午前9時縲恁゚後5時30分。入館料は大人1千円、大学・高校生800円、小中学生500円(小中学生は毎土曜日無料)。問い合わせは同館(TEL83・5100)へ。 -
子育て10か条策定会議第4回
子育てのよりどころにしてもらおうと駒ケ根市が制定を進める「子育て10か条」の第4回策定会議が8日、市役所南庁舎で開かれた=写真。市民、団体の代表や教育関係者などで構成された委員約30人のうち出席した約20人が素案をもとに検討して9か条の原案をまとめたほか、名称を「こまがね子育て10か条」とすることを決めた。条文の10番目は各家庭で話し合って決めてもらうことが望ましいとされた。前文の内容と各条文の順番などは今後事務局が検討する。
原案は市のホームページで公開し、意見箱を設置するなどして市民の意見を募るほか、市民団体などの意見も反映した上で6月中旬ごろに制定される見通し。
2月に始まった会議は、当初3月中旬までに最終案をまとめて発表する計画だったが、じっくり検討したいとする意見が強かったことから5月にずれ込んだ。
こまがね子育て10か条の案は次の通り。
一、アルプスに 響くあいさつ 心が通う
一、顔出せば 広がる人の輪 ご近所づきあい
一、「ありがとう」「ごめんなさい」言葉で伝える 素直な気持ち
一、ほめてしかって抱きしめて 目を見てうなずき 最後まで
一、早寝 早起き 家族で愛の朝ごはん
一、つけっ放しに御用心 テレビやゲームは時間を決めて
一、外遊び 群れ遊び 自然に身につく がまんやルール
一、家事・育児 家族みんなで協力を できることからお手伝い
一、かけがえのない命 子どもにも自分にも 語りかけよう
一、(第10条は各家庭ごとに話し合って決める) -
宮田小が野鳥愛護校に
宮田村の宮田小学校(清水閣成校長)は、自然に親しみ鳥への愛着が高いと認められ、全国の小中学校が対象の「野鳥愛護校」に指定された。大日本猟友会が認定して交付金を助成するもので、県内97校目、上伊那では2002年に指定された伊那市の西春近北小以来、4年ぶり9校目。9日には指定証の授与式が同校であり、さらに自然への愛着を高めようと、全校児童の前で報告した。
2年2組が校庭にエサ箱を設けるなどして野鳥と親しむ学習を活発に展開するほか、卒業した昨年の6年生が傷んだ野鳥を保護する出来事も。自然にふれ、考える取り組みは、さまざまな形で広がりをみせている。
全校が参加した授与式では、児童会長の上條途夢君とともに、2年2組の山中伸晃君、小澤茉由さんが、上伊那猟友会長の竹入正一さんから指定証、交付金を受け取った。
「2年生の活動が認められた。野鳥が訪れる環境をつくっていきたい」と上條君。山中君は「みんな鳥のことが好き。これからも観察を続けたい」、小澤さんは「クラス全員で鳥の世話を頑張ります」とあいさつした。
この日、さっそく2年生は飯島町で保護されたハヤブサを見学する機会も。清水校長は「さらに活動を広げていけたら」と、子どもたちの笑顔に期待を寄せた。 -
小田切恵子さんの
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伊那市西春近の木彫家、小田切恵子さんの一刀彫「井月像」を見せてもらった。竹行李を背負い、杖をつき前かがみになった姿、とろんとして切れ長の目が「にかっ」と斜に笑いながらもいやみがない、顔の表情が特にいい▼ほほ笑み地蔵、釈迦像、白狐、猫を抱く少女像、「雉(キジ)の夫婦」など長年、人間味のある慈愛を込めた数々の作品を見続けた私の目には「これはすごい、きっと、彼女の代表作の1つになる」と写った。「父の生き様を重ね、姿はこじきでも、崇高な精神を宿した井月の姿とともに精神性も彫り出したかった」という▼仏師の家系に生まれ、恵まれた感性と技術を持ちながらも、自己の生存の意義を問い続けた彼女の答がこの作品だったのでは(大口国江) -
Beauty-美しきもの」が大鹿村大磧神社で春ロケ
飯島町在住の後藤俊夫監督(67)がメガホンを取る「Beauty-美しきもの」の昭和30年代の歌舞伎シーンの撮影が9日、大鹿村大河原の大磧神社舞台で行なわれた。
主役の半次役を演じる片岡孝太郎さん、雪夫役の片岡愛之助さんが出演したほか、上下伊那から200人余が観客役としてエキストラ出演。もんぺや着物など昭和30年代の衣装をまとい、熱心に舞台を見つめ、拍手をするなどして、映画を盛り上げ、感動を共有した。
撮影シーンはシベリアから生還した半次は、かの地で亡くなったとばかり思っていた雪夫が盲目になって舞台に立っていることを知り、連れ帰り、伊那路村の舞台に、半次は立役、雪夫は女形になって立つ。演目は「新口村の段」、雪の道行を演じた。 -
春花壇の中央審査
学校の春花壇の美を競う「フラワー・ブラボー・コンクール」の中央審査が9日、中川村の中川中学校、伊那市の春富中学校、長谷中学校の3校で行われた。県教育委員会や県農政部農業技術科、園芸特産課、中日新聞社ら4人の審査員が、黄色や青、赤などのパンジーで彩られたメーン花壇を、花の生育状況、花壇の設計、地域への波及などを観点に審査した。17日審査会を開き、18日に結果を発表する。
このうち、中川中学校では、「虹」をテーマに、全校生徒が虹のように輝き、心をつないでほしいと願いを込めたメーン花壇を審査。緑化委員会の宮下花歩委員長が、デザインや作業方法、日程などを説明し「2月から3月に掛けて、低温のため、生育が悪く、苦労した」と話した。
また、デイサービスセンター「いわゆり荘」や、特養「越百園」、社会福祉法人「麦の家」などにプランターに植えたパンジーをプレゼントしているなど、地域への貢献にも触れた。 -
音楽評論家
伊那市
山田英子さん07年3月3日、全国音楽評論家協会の認定を受け、音楽評論家になった。
認定を受けるまでには年4回の試験があり、内容は50種類にも及ぶ。「段階を踏まないと評論家にはなれないですね。テストで大変だったけど、ポピュラー、ジャズ、クラシック…といろいろな音楽を勉強しました」。部屋に飾られた認定証。「重みがある。恥ずかしくないように、常に勉強しています」。
豊科町出身。東京で音楽を専門に勉強し、河合音楽教室の講師になった。当時、自宅のほか伊那市、箕輪町、宮田村、豊科町、穂高町、明科町の教室を担当し、約120人の生徒にピアノを指導した。
演奏家の顔もあり、結婚式場の専属エレクトーン奏者として活躍。ピアノ奏者として結婚式やパーティーで演奏したり、弾き語りもしている。
現在は、長野ミュージシャンスクールの看板を掲げ、エレクトーン、ピアノ、キーボード、楽典、カラオケを指導する。自宅教室に加え、松本市では先生にピアノを教え、カラオケは5教室。カラオケ指導は、「本格的に教えてくれる」「覚えやすい」と評判で、ピアノを弾きながら発声、音程、楽譜に始まり、言葉、曲の表情、マイクの扱い方、礼儀まで基礎から総合的に教える。
日本音楽審査員協会の歌謡師範、歌謡教授、歌謡講師で、優良音楽審査員でもある。地元では伊那ケーブルテレビジョンのカラオケ大会の審査員を長年務めるほか、全国各地に出向き、先ごろ全国大会の審査員もした。5月4日には、日本音楽審査員協会主催の段位認定カラオケ大会長野県大会の大会長も務めた。審査だけでなく、自身も国立劇場やNHKホールなどさまざまなステージで歌っている。
他方面で活躍し多忙な日々だが、毎日5時間は勉強する。「先生は常に勉強しないといけないのよ。人の上に立つには、いろいろ勉強してないとなれない」。1時間半から2時間はピアノを弾き、本やテープを買って勉強する。歌も1曲を何百回と歌う。「歌詞を3番まで覚えるのは大変。家の中でも、いつも声を出して歌ってる」。努力を惜しまない。
「挑戦することが好き」。多趣味で花、食器、骨董品、料理、ファッションにも凝っている。「何でもセンスよ。常に人を見て自分を磨き上げる。それが大事かな」。音楽と趣味。一つひとつは異なるものだが、それらすべてが今の自分を形成しているという。
「人の気持ちを考えて、人のために生きる。人と人の出会いをとても大事にしているの」。そんな生き方が人を引きつけ、周囲に人が集まる。「音楽を教える仕事を大事にし、音楽評論家として常に上を目指していきたい」。大好きな花に囲まれながら、勉強の日々は続く。(村上裕子) -
赤穂東小春の交通安全教室
駒ケ根市の赤穂東小学校(太田寿久校長)は8日、春の交通安全教室を開いた。1・2年生は登下校時の安全な歩き方を、5・6年生は自転車の乗り方の指導を受けた。
教室のために自宅から自転車を持ち込んだ5・6年生は駒ケ根署の警察官から自転車の安全運転について「まず乗る前にブレーキの点検やサドルの高さ調整をし、道路ではしっかり安全確認をするように」と注意を受けた。児童らはヘルメットをかぶって自転車にまたがり、学校周辺の道路に出て実地訓練。交差点などに立つ警察官や安協役員、教職員らの助言を受けながら慎重に走ったり、横断歩道や踏切を渡ったりした=写真。中にはうっかり道路右側を走って注意される児童もいた。
3・4年生の交通安全教室は10日に行われる。 -
高遠北小3年生が商店街で聞き取り調査
伊那市の高遠北小学校3年生(池上あやか教諭、11人)は8日、高遠町の商店街で聞き取り調査をした。
2年生のときから、地域学習として社会科の授業を兼ね、豆腐作りや製造業の作業現場などを見てきた。
今回、商店街を取り上げた。児童たちは2班に分かれ、衣料品店や飲食店、酒店、菓子店、旅館などを回った。「おばあちゃんとよく買い物に来る」「このお菓子は、ほかより1円安い」など店内を見て歩き、店主らに売れ筋やお勧め商品、営業時間、仕入れ先などを尋ねた。「売れるために、何をしていますか」と厳しい質問も飛び出し、飲食店の社長は「賞味期限があるから、新鮮なものを置くように気をつけている」と答えた。
調査の結果は、児童たちが撮った写真を使い、絵地図や壁新聞にまとめたいとしている。
今後、市役所、警察署なども見学する予定。 -
図書館の日、15周年記念し、にぎやかに
93年5月開館した飯島町図書館は6日、第15回図書館の日を開いた。お話の森や子ども工作教室、大人の切り絵教室など多彩なイベントが繰り広げられた。
「お話の森スペシャル」では、飯島子どもの本の会、図書館職員が出演。かたり「にんじんとだいこんとごぼう」でスタート。大型紙芝居「だんごごろごろ」、大型絵本「はらぺこあおむし」など次々と演じ、子どもたちを物語の世界に誘った。
創作室では5組16人が参加し、小林健一さんから簡単で良く飛ぶ紙飛行機づくりを習い、親子で飛ばして遊んだ。
また、大人の切り絵教室には定員を超える15人が参加、横田克年さんを講師に、「ツバキ」「スイセン」などの作品づくりに挑戦した。
横田さんは「しっかりと固定し、中心の細かい部分から切り始める。隅々まで丁寧に切る」などポイントを説明していた。 -
津島神社祇園囃子CDに
宮田村町一、二、三区に300年以上伝わる津島神社の祇園囃子(ぎおんばやし)が、県の地域伝統文化伝承事業の助成を受けてCDに収録された。保存伝承に取り組む祇園囃子の会(川手友幸会長)が、将来を託す子どもたち中心の演奏で6曲を収録。100枚作成して子どもたちや関係者に配ったが、同会は「今後も地域の文化を大切に育んでいきたい」と期待を寄せる。
「あばれみこし」で有名な7月の津島神社祇園祭だが、笛や太鼓、三味線などで祭りの到来を告げる祇園囃子も欠かせない存在だ。
会員の高齢化が進む祇園囃子の会が、次代に継承しようと子ども祇園囃子を発足させたのが1982年。25周年を迎え、その記念も兼ねてCDを制作した。
「後進に伝統を正しく伝えたい」という想いが発端。10周年の1991年にもカセットテープに収録して子ども会員らに配布したが、劣化が少なく長期の保存が見込めるCD収録は悲願でもあった。
「若い人たちが受け継ごうと熱心に取り組んでくれている。我々には、しっかり教えていく責務もある。CDに収録でき本当にうれしい」と同会の加藤政義さんは話す。
同会では会員を随時募集中。今年も祭り本番に向けて今月末から本格的な練習を開始する。問い合わせは加藤さん85・2460へ。 -
駒ケ根東中が高原美術館でワークショップ
駒ケ根市の東中学校創作部(顧問島谷佳美教諭、13人)は3日、同市の駒ケ根高原美術館が開いたワークショップを受講した。同館副館長の松井君子さんがテーマに指定した「今やりたいこと」を題材に、参加した10人の生徒はそれぞれの思いを絵画に表現した。持ち時間はわずか40分とあって、生徒らは「何を描こう」と頭をひねりながらも楽しそうに制作に取り組んだ=写真。
松井副館長はゴッホやピカソなどの作品を示して詳細な説明を加えた上で、絵画制作の心構えについて「自分は絵が下手だと思っていてはいけない。その意識を捨て、心に感じたままを素直に表現するつもりで自由奔放に描いてほしい」と呼び掛けた。
同部は昨年度までの美術部とコンピューター部が統合して今年度新たに発足した。 -
熱田神社でBeautyを撮影
伊那市出身で、飯島町在住の後藤俊夫監督がメガホンを取る長編劇映画「Beauty(ビューティー)竏樗・オきもの」の撮影が5日、伊那市長谷にある国重要文化財の熱田神社であった。市内を中心に、約200人が地芝居を見る観客役で出演した。
映画は、主人公の木地師半次がシベリア抑留の過酷な戦争体験や親友の死などを経て地芝居を再興、継承していく物語。
撮影は、昭和30年代。シベリアから帰ってきた半次が親友雪夫が生きているか確認するため、見に行った地芝居のシーン。
盲目で死期が迫る雪夫の芝居に、観客役から盛んにかけ声やおひねりが飛んだ。
リハーサルでは、スタッフが観客役に「刀を振ったときに、威勢よくかけ声を」「おひねりは忘れずに」とアドバイス。声をかけるタイミングの難しさもあったようで、声をかけそびれてしまう場面もあった。
観客役の一人、東春近の女性(64)は、亡くなった母の着物を着て参加。「わずか数秒のシーンを撮るのにも、時間をかけて大変なこと。やっているうちに、だんだん熱が入ってきた。良い思い出になる」と話し、芝居の見せ場で大きな拍手を送っていた。 -
手づくりロボット大集合
伊那市生涯学習センターで5日、学生自主製作「手づくりロボット大集合」が初めて開かれた。中高生が製作したロボットや電車模型、国鉄時代の電車用具がそろい、子どもたちの人気を集めた。
ロボット展には、伊那東部中学校、箕輪工業高校が出展。2月の第4回南信中学生ロボットコンテストで優勝した伊那東部中は、120秒以内に21個の円筒を相手コートに送ったり、中央にあるペットボトルにかけた数を競う様子を実演した。
1対1で勝負するプチロボットは、縦180センチ、横90センチの枠内にあるパックをいかに多く自分の陣地に入れるかを競うもの。簡単に操作できるとあって、子どもと一緒になって夢中になる母親の姿があった。
また、国鉄時代に使われた日付機、250ワットのライト、合図灯など約200点が並んだ。
中信模型クラブ協力の電車模型は、鉄橋やトンネルを設けた延長20メートルの線路を電車が走った。子どもたちは駅前の「運転席」に座り、交代で運転台のハンドルを握り、大喜びだった。 -
南信さくらそう展示会
伊那谷のサクラソウ愛好家でつくる「南信さくらそう会(小林章吾会長)」は7日まで、飯島町の飯島成人大学センターで「南信さくらそう展」を開いている。引き続き、11日縲・2日まで駒ケ根文化センターで開く。
サクラソウの魅力を広め、会員の成果を披露する同展に、会員21人が丹精込めた150種類210鉢がずらり=写真。
珍しい品種では、色が濃く小輪の「異端紅」。玉咲きの「玉珊瑚」。名前が床しい「青葉の笛」は白花に緑の斑入り。花びらの切りこみが深い「鶴亀」など銘花、珍花が並んだ。小輪から中、大輪、超大輪、色も白、ピンク、紫、赤(紅)と多彩、咲き方も上向き、横向き、下向きとさまざま。
小林会長は「今年は天候不順で栽培は難しかったが、会員の努力と技術で良い作品が多数集まった。日本さくら草は洋花のような派手さはないが、品のある花色、花の形の面白さ、葉とのバランスもよい」と魅力を。 -
「Beauty-美しきもの」に十五代片岡仁左衛門さんが歌舞伎の観客役で特別出演
飯島町在住の後藤俊夫監督(67)がメガホンを取る「Beauty-美しきもの」の春ロケが始まり2日、大鹿村大河原の交流センターで、半次の村歌舞伎引退公演の観客シーンを6カット撮影、地元エキストラに混じって、十五代片岡仁衛門さんが村人として、特別出演し、拍手をしたり、声掛けするなど映画を盛り上げた。
片岡さんは3日の大鹿歌舞伎春公演に合わせて、初めて村に訪れた。
撮影は主人公半次が友への鎮魂の思いと、歌舞伎人生の締めくくりにと、渾身の力を振り絞って踊る「天竜恋飛沫」。食い入るように見入る観客、戦傷で不自由になった足がからみ、はかまが脱げてしまう、笑いながらも「最後まで踊れ」と励ます観客。幕が下りる:感動のラストシーン。
観客の1人を演じた片岡さんは「拍手は短めに。普通がいい、あまり芝居してはだめ」など、周りのエキストラに演技指導もしていた。
撮影終了後、後藤監督、片岡仁左衛門さん、主役の片岡孝太郎さん、片岡愛之助さんの4人を囲み記者会見。
後藤監督は「大鹿歌舞伎を絶賛した片岡十三世につながる孝太郎さん、愛之助さんに出演していただき、満足している。バックには伊那谷の紅葉、雪、グリーンと3シーズンをぜい沢に入れた」と話した。
片岡仁左衛門さんは「反戦や伝統・歴史を重んじ、心豊かな人を育てたいという思いが伝わる作品。美しい自然、温かい人情、都会では失ってしまった昔の日本の良さがここには残っている」と感想を。
半次役の孝太郎さんは「いつもは女形だが、映画の中で立役、19歳から80代まで演技でき楽しい。半次は心が美しい、本当の意味でいい男」と役柄に触れた。
愛之助さんは「村の自然に触れ、子供のころを思い出した。この映画を成功させようと、地域全体の熱い思いが伝わってくる」と述べた。 -
信州大学農学部の食と緑の科学資料館26日にオープン
信州大学農学部が地域連携の拠点に位置付ける「食と緑の科学資料館」が26日、構内の一角にオープンする。大学の教員などが個々に保管してきた貴重な動植物資料を一堂に集めて展示し、一般に公開していくほか、講習会や公開講座などを行える研修室も設置。社会教育や子どもたちの自然教育の場としても活用していくことを想定している。
同館は農学部の創立60周年記念事業として建設を進めていたものだが、資金調達が難航した結果、工事の着工が遅れ、当初予定から半年遅れでの開所となった。建物は鉄骨造平屋建で広さ約600平方メートル。展示室は3部屋あり、昆虫、動物、食料などの資料を展示する。そのほかには、農産物の直売所コーナーや地元企業などが自社の研究開発品をPRする展示スペースなども設けた。総事業費は約1億円。
オープン当日は記念講演会もあり、同学部の卒業生で現在北海道で自然教育などに取り組んでいるエコ・ネットワーク代表、小川巌さんは「エコ・ネットワーク15年の軌跡」を演題に講演する。
参加無料。午後3時半から。農学部30番講義室で。
また、15日まで同資料館の愛称も募集している。
詳細は信州大学農学部庶務係(TEL77・1302)へ。 -
山岸めぐみ門下生春のピアノ発表会
駒ケ根市のピアノ講師山岸めぐみさんが主宰する音楽教室は29日、門下生らによる発表会「第19回春の祭典」を駒ケ根市文化会館大ホールで開いた。幼稚園・保育園児から大学生、一般などの約50人が代わる代わるステージに登場し、日ごろの練習の成果を存分に発揮する見事な演奏を披露した。
出演者らは名前を紹介されてステージに登場した時には緊張気味の表情だったが、ピアノの前に座ると落ち着いた様子でそれぞれの曲の演奏に没頭。懸命に弾き終って聴衆から大きな拍手を受けるとほっとしたように微笑を浮かべていた。2台のピアノを使って親子3人で連弾するほほ笑ましい姿も見られた=写真。
客席の保護者らは出演者よりも緊張した表情でステージを見つめ、演奏にじっと耳を傾けたり、カメラを構えて晴れ姿を写真やビデオに収めたりしていた。 -
【登場】西春近北小学校校長 酒井照明さん(56)
教員生活35年目、校長職は初めてとなる。地域住民との関係を生かしながら地域全体で学校をつくることが願い。「権現山」を背にした自然環境に育まれた素直で純朴な同校の児童たちとの学校生活が始まった。
「私自身も、子どもたちも、職員も一人では生きていけない。地域のいろいろな人たちに支えられ、互いに支え合って学校をつくっていきたい」。
組織(学校)とは石垣のイメージだという。遠くから見ると一つだが、近くで見るとさまざさな石が組み合わさり、一つの石垣を作り上げていることが分かる。いろいろな人の持ち味を生かしていける教育現場にしたい竏窒ニの理念がそこにはある。
1973年、長野市の湯谷小学校で教員生活をスタート。15年間、4つの小学校で教べんを取るが中学校の美術教師を目指すため、武蔵野美術大学の通信教育を受けた。「中学校で、小学校を卒業していった児童たちはどのような生活をしているのか」との疑問が教員としての転機になったという。
反発する思春期の生徒たちに対し、始めは思うような指導ができなかった。教育方法や美術の授業のあり方などを自分に問うた。悩んだ時期があったからこそ、教育論や生きるための現在の考え方が生まれたと振り返る。
趣味は油絵を描くこと。伊那美術協会展、上伊那教職員美術展に毎年、作品を出品する。県展にも入選するほどの腕前を持つ。 -
電気機関車(ED19-1)と関連部品
箕輪町郷土博物館で一般公開6日箕輪町郷土博物館は6日、同館前庭に屋外展示している電機機関車(ED19-1)と関連部品を一般公開する。
電気機関車の外側塗装作業の終了に合わせ機関車の写真撮影、運転席への乗車、関連部品の見学を計画した。元国鉄OBの箕輪町内在住者らを中心とした機関車保存会が協力する。
機関車への乗車や写真撮影だけの場合は無料。関連部品見学は入館料大人100円、小中学生無料。時間は午前9時縲恁゚後4時。雨天でも実施。車での来館は町役場駐車場を利用する。 -
中尾歌舞伎の春季公演
伊那市長谷の中尾歌舞伎保存会(西村篝会長、30人)の春季定期公演が29日、文化伝承施設「中尾座」であった。県内外から約300人が詰めかけ、会員の熱演に見入った。
演目は、4年ぶりとなる「御所桜堀川夜討弁慶上使の段」。弁慶が自分の娘を刺し殺し、主君である源義経に忠誠心を見せる話。
浄瑠璃と三味線に合わせ、弁慶が娘を身代わりにしたことを悔やんで男泣きしたり、偽者と疑われないために源義経の正室「卿(きょう)の君」の守役・侍従太郎が切腹したりと迫真の演技を見せた。
見物人から、盛んにかけ声やおひねりが飛んだ。
旧長谷村出身者でつくる「東京長谷人会」のメンバー18人も鑑賞。
大羽繁会長(74)は「延々と築いてきた文化に触れ、感動した。さらにふるさととのきずなを深めていきたい」と話した。
中尾歌舞伎は市無形文化財指定。江戸時代からの歴史があり、一時、戦争で自然消滅したが、86年に復活。例年、春と秋に定期公演を開いている。 -
駒ケ根市保育協会総会
駒ケ根市内の幼稚園、保育園の職員らでつくる市保育協会は27日、市役所南庁舎で総会を開いた=写真。06年度事業・決算報告、07年度事業計画・予算案のほか、07年度の役員を承認した。新会長は馬場美保子さん。
07年度役員は次の皆さん。
▽会長=馬場美保子▽副会長=高坂正美、宮沢操▽会計=吉村千恵子▽監事=草深雪江、北原ヒロ子▽委員=園長全員 -
シルクミュージアム第14回特別展
駒ケ根市東伊那の駒ケ根シルクミュージアムは第14回特別展「愛の架け橋 サンフランシスコ・ゴールデンゲート万国博覧会と日米生糸貿易」を28日から6月10日まで開いている。1939縲・0年に米国で開かれたサンフランシスコ・ゴールデンゲート万国博覧会ゆかりの和服、洋服やパンフレット、万博の様子を伝える資料写真など約70点が展示されているほか、太平洋戦争に伴って米国に設置された日系人強制収容所の実態を知ることができる貴重な写真など約60点も併せて展示されている。
展示資料の多くは万博の日本館で生糸製作の実演や説明などに当たったシルク・ガールの1人、三井静子さん(富士見町出身)の娘で米国カリフォルニア州立大教授の伊奈さつきさんが昨年6月に寄贈した。
三井さんは万博終了後、米国在住の日系2世伊奈周さんと結婚して米国で暮らしたが、ぼっ発した戦争のため夫婦とも強制収容所に収容された。収容所で生まれたさつきさんは当時両親がつづった日記などの資料をもとに02年、ドキュメンタリー映画「From A Silk Cocoon」(フロム・ア・シルク・コクーン)を制作している。
午前9時縲恁゚後5時。水曜休館。入館料は一般300円、小・中学生100円。
特別展期間中の5月13日には映画「竏茶Vルク・コクーン」の上映会と伊奈さつきさんとの対話の会が文化センターで開かれる。
問い合わせは同館(TEL82・8381)へ。 -
春の叙勲で瑞宝双光章受賞の片桐俊さん(80)
春の叙勲で上伊那郡でただ1人、飯島町七久保の片桐俊さん(80)が教育功労で瑞宝双光章を受章した。
「大変、光栄に思っている。教職に40年、退職後は飯島町教育長として2期8年間教育行政に携わった。一緒に仕事をし、共に歩んだ人たちのお陰でいただいた章。当たり前のことを当たり前にしてきただけ」と謙遜する。
七久保村(現飯島町
七久保)に生まれ、「父親の勧めや自分自身教職に憧れて」長野師範に進学。1945年10月、繰り上げ卒業し、松川町の上片桐国民学校に奉職、5年男子を受け持った。「当時の子どもたちは食べるものにも着るものにも事欠いた。お昼の弁当に新聞紙に包んだサツマイモを持って来る子ども、何も持ってこられない子どももあり、心が痛んだ」。
1949年に飯島小学校に転任し、5年生を受け持った「今もその時の教え子が同級会に招待してくれる」とうれしそう。
飯田東中学校に国語、社会科教師として着任したのは53年。全校集会の校長講話をきっかけに、生徒会が動き出し、全校を挙げて、市の支援を受け、リンゴ並木を作ったことが1番印象に残っているとか。「生徒会が今もリンゴ並木を大切に管理している。意義深い活動だった。飯田に行くたびに懐かしく思い出す」と振り返る。
常念岳を望む、安曇野の三郷中学校では、広大でゆったりとした自然の中で、伸び伸び育った生徒たちに囲まれ、穏やかな教員生活を送ったという。
児童数2千人の大規模校の上諏訪の高島小学校には4年間勤務「やる気のある若い先生方が県内各地から集まり、刺激を受け、鍛えられた」。
教頭に昇任して、松本市丸の内中学校を経て、赤穂小学校へ。「当時は2400人の大規模校で5年目に赤穂東小学校と分離した。学校を分けることの大変さを味わった」。
校内暴力が各地で表面化しつつある時期に、中川中学校に校長として着任。「グループになって暴れたり、喫煙するなど、荒れる子どもたちにいかに接し、指導するかに心を砕いた」。
定年前の5年間は伊那中へ「教職員と一緒に歩み、充実した教員生活で最後を締めくらせていただいた」と感謝する。
請われて飯島町教育長に就任したのは67歳の時。「飯島中学校の生徒指導に、校長や教頭、教諭、町とも連携して取り組んだ」。さらに頭を悩ましたのは、七久保小学校と飯島小学校の給食統合。父兄の抵抗もあり「2つのものを1つにすることの難しさを実感した」と述懐する。
最後に「飯島の子どもは素直で良い子どもたちばかり。教育は学校・家庭が依存するのでなく、それぞれが主体的な立場で連携しなくはならない」と話した。妻と2人暮らし(大口国江)。 -
駒工自走ロボット大会
駒ケ根市の駒ケ根工業高校(本間秀明校長)は26日、生徒が製作した光センサー搭載の自走ロボット大会「墨走White(ホワイト)」を開いた。情報技術科3年生約30人のうち予選を勝ち抜いた16人が出場し、優勝を目指してタイムを競った。
レースは1度に2人ずつが対戦するノックアウト方式。審判の合図の声でスタートを切ったロボットはジージーとモーターの音をたてながらコースの白い線に沿ってカーブやコーナーをスムーズに進んだ=写真。製作した生徒は心配そうな表情で愛機の動きをじっと見つめていたが、中には鋭角コーナーで何度もコースアウトを繰り返したり、トラブルを起こして進まなくなり、無念のリタイアとなるロボットもあった。コースの周囲に集まった同級生や1・2年生らからは「頑張れ」「あきらめるな」などと大きな声援が飛んでいた。
コースは全長約16メートルで、リノリウム製の黒いマットに幅約2センチの白いビニールテープを張り、直線や緩やかなカーブのほか、直角や鋭角のコーナーを複雑に組み合わせたもの。無駄な動きがなく、スムーズに速く走れるロボットを製作するためにそれぞれの生徒が設計などに独自の工夫を凝らしている。
ロボット製作は同科の必修課題。2月に行われた予選大会には同科の生徒全員が参加し、それぞれ2年間かけて作り上げた手製の愛機で決勝大会進出を懸けて戦いに臨んだ。 -
学社融合連絡会
諏訪、上伊那地区の教育関係者などを対象とした「学社融合連絡会」が27日、伊那市の県伊那合同庁舎であった。生涯教育関係者や小中学校の教諭、市町村の教育委員会事務局職員など約120人が集まり、各地で取り組まれている先進的な事例を通してそれぞれで取り組める学社融合の方向性を考えた。伊那教育事務所主催。
学社融合はそれぞれの役割を担う学校教育と社会教育が学習や活動にともに取り組みながら一体となって子どもの教育に取り組んでいこうというもの。
今回は学校、保護者、地域の協力のもと、子どもたちの豊かな人間性や感性などを育むための活動をしている諏訪市四賀小学校の「しがっ子クラブ」の取り組みと、総合的学習の時間「山裾の時間」に取り組む伊那市高遠中学校がそれぞれの活動の中で取り組まれている学社融合の事例を発表。高遠中学校の淺地広久教頭は、多くの観光客が高遠町を訪れる観桜期には同校でグラウンドを駐車場として貸し出している関係から、地域の大人とともに生徒らも車の誘導や桜茶やまんじゅうでのもてなしをしていることを紹介し「桜の時期が終わると、観光に訪れた人から手紙が届くこともある。生徒たちは楽しそうに道案内をしており、活動の中では保護者や大人も子どもたちの姿から学ぶことが多いという声も多くある」と語った=写真。
その後、小グループでの情報交換会もあった。 -
【記者室】澤か沢か? 新聞の事情
記事に名前を掲載した読者からお叱りを受けた。「私の名字は宮澤だ。・ス沢・スではない」竏秩Bお気持ちはよく分かるし申し訳ないと思うのだが、うっかりミスではないのです▼新聞で使う漢字は原則として内閣が示した常用漢字表の1945字とする取り決めがあり、これに従わなければならない。使えない字は澤のほかに壽、廣、眞などがあってそれぞれ寿、広、真を使う。ほかにも日常的に使用されているにもかかわらず使えない字がここに書き切れないほどたくさんあって閉口する▼個人的にはもっと多くの漢字を使うべきだと考えている。表記が難しいから使わないことにしよう竏窒ニいうのは、先人が営々と築いてきた日本文化の衰退につながるように思えるのだ。(白鳥文男)
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箕輪町公民館「おかあさんといっしょ!リトミック教室(前期)」開講
箕輪町公民館の「おかあさんといっしょ!リトミック教室(前期)」が25日、町文化センターで開講した。未就園児の親子29組が、ピアノに合わせて歩いたり、お母さんが子どもを抱き上げるなどしてスキンシップを図りながら楽しく体を動かした。
ピアノに合わせて体を動かしたり、カスタネットや鈴を使うなどしてリズム感覚を育てる恒例の入門講座。辰野町で音楽教室を主宰する玉田恵美子さんを講師に、7月までの全8回開く。
輪になったホースをハンドルに見立て、子どもがバスの運転手になって歌に合わせて速く、または遅く歩く、時には急ブレーキをかけて止まるなどして、室内を元気に動いた。
お母さんが子どもの手のひらや足の裏、お腹などをくすぐったり、高く抱き上げたり、ストンと床に下ろすなどすると、子どもたちは声を上げて笑い、大喜びしていた。 -
伊那市の東春近小4年生 りんご学習開始
伊那市の東春近小学校は24日、4年生の恒例行事「りんご体験学習」を、同市東春近田原の伊藤一路さん(79)・豊子さん(75)夫婦のりんご園で始めた。初回の作業はリンゴの摘蕾(らい)を体験。つぼみが大きな果実に成長するまでの作業を数回経験し、命の大切さを学んでいく。
リンゴの花が咲き始めた果樹園を訪れた児童62人(2クラス)は、伊藤さん夫婦から作業手順を教わり、「ふじ」「つがる」「王林」の3品種、計47本のリンゴの木の摘蕾作業に汗をかいた。
摘蕾、摘花などは一つの房に花が5つ咲く中から、真中の中心花だけを残し、周りの花を摘む。中心花に栄養分を集中させ、良いリンゴを実らせるためだ。
児童たちははじめての経験に少し手間取ったがコツをつかみ始めると、順調に作業を終わらせた。浦野幹君(9つ)は「大きなリンゴが生りそう。秋の収穫が楽しみ」と期待に胸を膨らませた。
同体験学習は、果樹栽培の様子や農家の苦労、願いに触れることが目的。今年で13年目を迎える行事で本年度は、5月の摘果作業、11月の収穫作業などを予定している。
「大きなリンゴになって」と期待を込めながら摘蕾作業に集中する児童ら -
AFS長野南信支部留学生歓迎会
高校生の留学機関であるエイ・エフ・エス(AFS)日本協会長野南信支部(半沢貴子支部長)は22日、07年春季で受け入れた4人の派遣留学生の歓迎会を伊那市駅前ビル「いなっせ」で開いた。留学生とホストファミリー、支部員らが、持ち寄った料理などを味わいながら歓談した。
留学生は3月末に来日し、4月から高校生活を開始。滞在は約1年で、来年2月初旬にそれぞれの母国に帰る。今季の受け入れは、オーストラリア出身で諏訪清陵高のアラナ・ジェーピークさん(17)、カナダ出身で岡谷南高のマキシム・シェリダンさん(17)、フィリピン出身で飯田風越高のデニブ・ジョセット・スギィタンさん(16)、タイ出身で飯田女子高のティティポン・クワソムワンさん(16)。
4人は母国で日本語を勉強して来日。日本語で、「日本に来て楽しい」「学校で友達ができた」と笑顔で話した。
南信支部では今後も、ローカルオリエンテーション、クリスマス会など定期的に交流の機会を設けるという。