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国道361号南箕輪で交通死亡事故
6日午後2時20分ごろ、南箕輪村南原の国道361号で、伊那市坂下区の無職、伊藤秀雄さん(60)運転の軽4自動車が進路左側の案内標識支柱に衝突する交通事故があった。伊藤さんは胸を強く打ち、収容先の病院で死亡した。
伊那署の調べによると伊藤さんは、道路を木曽方面から伊那市方面に進行していた。進路は下り坂の直線道路で50キロ規制だった。
国道361号・権兵衛トンネルが開通以来、同署管内のトンネル近くでの死亡事故は初めてとなった。 -
伊那市出身、黒河内さんが出演する「出雲の阿国」の公演、28日に
伊那市出身の黒河内雅子さんが「お松」役として出演する前進座創立70周年記念公演「出雲の阿国」が28日、伊那市の県伊那文化会館で開く伊那市民劇場第126回鑑賞会で公演される。
作品は踊りにひたむきな思いを傾ける一方、さまざまに翻弄される阿国の半生を描いた有吉佐和子の「出雲の阿国」を劇化したもの。豊臣の時代、念仏踊りで興行する一座の踊り手だった阿国は、秀吉の御伽衆の目に留まり、淀君の前で踊るまでになる。しかし、さまざまな人とのかかわりを通し、一座はばらばらになり、阿国も出雲へと帰っていく。
黒河内さん演じるお松は、阿国に憧れて一座に入り、途中、田舎に連れ戻されそうになるも一座に残る。踊り手の一人、伝介と夫婦となり、最後まで阿国と伝介を支え続けるが、自身の踊りへの情熱はなかなか実を結ばない。
黒河内さんは「天才である阿国が光ならお松は陰。器用な方でない自分も劇団に入ってから思うように動けず、腹を立てることが何度となくあった。お松はそんな自分と重なる特別な役」と語り、地元での公演に意気込みを見せる。
開演は午後6時45分。鑑賞は会員制。
観劇に関する問い合わせ・入会希望者は伊那市民劇場(TEL78・6684)へ。 -
伊那市美篶の大森英明さんが写真展
伊那市美篶の会社員大森英明さん(57)の写真展「夢幻の世界、富士山」は14日まで、伊那市荒井区錦町の市立図書館広域情報コーナーで開いている。入場無料。
五月晴れに映える茶畑、月と背景、星空など富士山の姿をさまざま場面で撮影した作品が集まる6回目の個展。近作を中心に、全紙サイズ14枚、全倍サイズ8枚の計22枚が並んでいる。
精進湖北岸から撮影の月明かりに照らされた富士、高ボッチ高原から臨む諏訪湖の夜景と富士竏窒ネど、「普段あまり目にすることのない姿を撮影した」(大森さん)。
大森さんは富士山の魅力に心を奪われ、10年以上撮り続けているアマチュアカメラマン。年間30回前後、富士を撮影するために県外などに足を運んでいる。
今年の1月は横浜ベイブリッジから富士を見ようと、毎週通ったが思うように撮れず断念。求める瞬間をじっと辛抱強く待ち、撮れた時の感動は大きいと話す。
これからも、「富士の一瞬一瞬を大切に、まだ見ぬいろいろな表情を追い続けたいと」と意気込んでいる。
月曜日は休館。午前10時縲恁゚後7時(最終日は午後5時)。 -
「伊那シニア」が全日本シニアソフトボール大会へ出場
第20回全日本シニアソフトボール大会へ出場する県代表チーム「伊那シニア」の小牧文敏監督(68)らが6日、伊那市役所を訪れ、小坂樫男市長へ大会の意気込みなどを伝えた。
伊那シニアの全国大会出場は2回目、4年ぶり。前年まで県大会9連覇の実年(50歳以上)チーム「伊那OB」を中心に、59歳以上のシニア選手らで構成する。5月中旬にあった県大会予選で優勝し、出場代表権を獲得した。
県大会は県内21チームが出場する中、決勝戦で「駒ヶ根OBソフトクラブ」(駒ヶ根市)に対し、7対0の圧勝。本年は投手の秋山清博さん、河野盈雄さんら、出場年齢を迎えた新人5人も加入し、チームは例年に比べ好調にあるという。
全国大会は9縲・1日、神奈川県の小田原市酒匂川スポーツ広場などであり、代表48チームがトーナメントを展開。初日、2日目は2試合ずつの強行だが、小牧監督は「今年は期待できる。秋山と河野の継投で乗り切りたい」と言葉に自信をのぞかせていた。
初戦は強豪チーム「鳥城シニアソフトボールクラブ」(岡山県)が対戦相手。伊藤易明主将(66)は「初戦突破で波に乗り、ベスト4を目指して勝ち進みたい」と意気込みを語っていた。 -
健康志向のまちを全国へ発信
伊那商工会議所は本年度、「中央アルプスを横断したトンネルを利用しての観光推進事業」に取り組んでいる。11月ごろにイベント「ウォーキング&食」を計画中。
この事業は、観光資源開発など小規模事業者の全国規模を視野に入れた新事業を支援する中小企業庁の新規補助事業として採択されたもの。
木曽と伊那を結ぶ権兵衛トンネルが開通したことで、地元の温泉やみはらしファームなどをつなぐウォーキングコースの設定や、新たな食の開発「伊那ブランド」づくりを盛り込んでいる。
実施に当たり「地域資源∞全国展開プロジェクト委員会」を立ち上げた。新規ビジョン特別委員会、商業連合協議会、観光接客部会、女性会、青年部の委員ら44人で構成、委員長は唐木和世さんが務める。
ウォーキングコースは複数を考え、訪れた人が南アルプスの眺望を楽しんだり、伊那の良さを感じようなコースを提案する。
「食」は、地域の食材を使った新たな開発を模索中。
商議所は「『健康志向のまち』を発信し、人の流れを呼び込みたい」と話している。
11月のイベントは今後、具体的に内容を煮詰めていく。 -
伊那市勤労青少年ホームで若年者を対象とする就職支援講座を開講
伊那市勤労青少年ホームと働く婦人の家・女性プラザ伊那は、若年離職者やニート、フリーター支援などを視野に入れた「就職支援講座「あなたの就職のお手伝い」を06年度後期講座として新たに開講する。どんな職種でも必要とされるパソコン操作の基礎やオフィスマナーに加え、民間のキャリアコンサルタント会社から迎えた講師によるコミュニケーション講座も実施。若年層が悩む人間関係の不安解消も目指す。
全国的に、公共職業安定所に登録・相談に訪れる若年者は年々増加する傾向にあり、ハローワーク伊那でも、7月の登録者の約6割が39歳以下だった。一方、即戦力を求める企業からは中途採用の募集が増えてきているが、キャリアの少ない若年者にとっては、できる仕事とやりたい仕事のギャップもあるという。
講座は、就職基礎を身に付けながら自身の適性を見直してもらい、やりたいことが分からないという人には就職への糸口を提供することで就職活動をサポートする。
ハローワークの担当者は「こうした講座は自身を見つめ直すきっかけになるし、パソコン技術はできて当たり前とする企業がほとんど。就職を考える人は大いに活用してほしい」と話す。
対象はおおむね10代縲・0代の男女。講座は全10回。定員は10人だが、講義は5人ずつに分けて行う。伊那市勤労青少年ホームで、毎週水曜の午後2時から。受講料は無料(ただし利用者の会の会費600円と教材費千円が必要)。
申し込みは12日まで。
申し込み・問い合わせは勤労青少年ホーム(TEL72・3090)、女性プラザ(TEL78・8192)へ。 -
伊那市民体育祭in太極拳
伊那市体育協議会・太極拳気功部(三沢清美部長)は3日、市民体育館で、「伊那市民体育祭in太極拳」を開き、本年初めてとなる交流表演大会をした。上伊那を中心に東京都などから約20サークル、100余人の愛好者が集まり、技術を披露し合った。
市民体育祭は3年目で、講習会を主に展開。表演会に先立って、2、3日の両日、NPO法人太極拳友好協会の小池義則さんら8人の指導があり、延べ約計200人が参加した。
表演は「簡化24式」「32式剣」「扇」などの種目で全員やサークルごとに披露。愛好者らは指先から足先まで意識を集中し、呼吸を整えながら流れるような動きを見せていた。
約20年前から普及活動に取り組んでいる三沢部長は「太極拳人口が増え、こんなに大勢の人が集まってくれたことに感謝。これからも正統派の太極拳を伊那谷に広げていきたい」と話していた。 -
コーラスグループ交歓会 美しい歌声で心豊かに
旧伊那市内の各公民館所属のコーラスグループによる発表交歓会が2日夜、市駅前ビルいなっせであった=写真。グループメンバーのほか、出演者の家族や地域住民など約160人が会場に集まり、日ごろの練習の成果を聞き合った。
29回目を迎える市内コーラスグループの合同発表会。5グループ(計約130人)がそれぞれ2、3曲ずつを歌ったほか、全員合唱などを加えた合計17曲を披露した。
ポップミュージックや歌劇など、思い思いの曲をそれぞれが発表。次々と始まるステージからは、メンバーらの透き通った美声が観客に向けられていた。
開会のあいさつで西春近公民館の唐木孝之館長は「歌うことで人間はストレスを発散し豊かな生活をおくっている。これからも豊かな人生、公民館活動をおくり、心豊かに生きてほしい」と話した。 -
高遠町女性団体連絡協議会が研修会
伊那市の高遠町女性団体連絡協議会(山川佳江会長)の定期研修会が2日、町総合福祉センター「やますそ」であった=写真。会員ら約150人が集まり、「笑って平和な暮しを…」をテーマに環境整備の感想発表、南信病院の近藤康治院長の講演などを聞いた。
婦人教育推進協議会、町婦人会、町商工会女性部など14団体でつくる連絡協議会。発足から29年目を迎え、定期研修会も同年を数える恒例行事となっている。
山川会長は「近い将来、同会も市内女団連との合併の岐路に立つ。男女共同参画を目的に、地域活動を元にして、未来を見据えていきたいと思う」とあいさつ。伊東義人町地域自治区長は「女性の元気さを市政の発展、地域の振興のために役立てて」と祝辞の言葉にした。
研修会では「豊かな家庭と住みよい町づくりのため、男女が共に輝き、元気に活躍できる町を目指す竏秩vとの宣言文の朗読もあった。 -
レディーバード会長 平沢羊子さん(53)伊那市美篶
旧伊那市の女性海外研修の参加者51人でつくる「レディーバード」の会長を務める。
97年、女性の社会参画を目指す活動を通し、まちづくりに反映することを目的に発足。
本年度は、外国籍を持つ市内在住者を対象にした「日本の家庭料理講習会」、アレチウリ駆除大作戦への参加、福祉施設利用者との交流、メンバー同士の交流を兼ねた研修などの事業に取り組んでいる。
帰化植物アレチウリの駆除には、本年初めて参加。「つるはぐんぐん伸びているのに、根は短い。つるを引っ張るとすぐ抜け、すっきりする」と楽しみながら作業に当たった。河原を歩いていると「あれ、アレチウリかな」と気にかかるようになった。「1回でも参加すれば、興味の持ち方が違う。それに自分の体験を周囲の人にも伝えることができる」と参加する意義を感じた。
「活動はまちづくりというより、人と人とのつながりの中で、みんなが喜んでくれればいいかなと思っている。それぞれができることをすればいい」
海外研修では03年11月下旬縲・2月上旬の7日間、グリーンツーリズムの先進国ドイツを訪問した。「友達が頑張っている姿を見て、50歳になって自分も何かしなくちゃいけない」と意を決しての参加だった。
農家民宿への宿泊、農家レストランなどの見学、「我が村を美しく運動」を受賞したイルゼーなどを視察。「市民農園は低所得者が対象。休憩する小屋が整備されるなど精神的な憩いの場になっている」と歴史の重み、日本との考え方の違いを学んだ。
研修に参加して大きな収穫だったのは、レディーバードのメンバーと知り合えたこと。メンバーは手芸、踊り、写真、押し花などそれぞれ特技を持ち、一人ひとりが地域で活躍する。「『年だからできない』ではなく、やる気次第でどうにでもなる。怖がっていたら、何もできない」と人生の先輩の生き方を見ながら元気をもらう。
事業の一つ、家庭料理講習会は、いよいよ9日にスタートする。「外国から嫁いでも、日本料理を作ることができない」という女性の要望に応じ、4回コースで夏野菜や根菜類の家庭料理、正月料理などを教える。予想を上回る25組から申し込みがあり「また新しい出会いがあるんじゃないか」と楽しみにしている。
趣味は旅行。「自分が運転する自動車で、北海道まで行ってみたい」。ラッピングコーディネーターであり、ドライフラワーなども手がける。
(湯沢康江) -
美篶村小・最後の卒業生 校舎で同期会
昭和の大合併=1954(昭和29)年=の年、旧美篶村立美篶小学校最後の卒業生114人のうち20人が3日、現在の美篶小学校(伊那市立)に隣接の中学校校舎(現資料館)を訪れ、小中学校時代の思い出に浸った。半世紀ぶりに訪れる人もいて、見覚えのある木造校舎を懐かしがっていた。
クラスごとの同級会はそれぞれ毎年開いているが、同期会は2回目。中学時代3年の1年間だけ世話になった元校舎を訪問し、資料館専門委員会の矢島信之さん(62)から三峰川の「三六災害」や資料館の歴史などについての説明を聞いた。
同期生らは資料館に保存してある古民具などを見学しながら、懐かしの学び舎での出来事を回想した。男性らは「2階から飛び下りて遊んだ」「窓ガラスを割ってしまった」など、少年時代の思い出話に花を咲かせていた。
50年ぶりに訪れたという、上島紀さん(64)=東京都八王子市=は「先生の顔や、その当時の皆の姿を思い出した。周りの風景は変ってしまったが、桜並木は古木になり、場所はそのままだった」と話していた。 -
教師に暴行の中学3年男子生徒を逮捕
伊那署は2日午後8時07分、傷害罪の疑いで、伊那市に住む中学3年生の男子生徒(14)を逮捕した。
調べによると男子生徒は、8月28日午後3時ごろ、市内の中学校で男性教諭(46)に対して交友関係などで因縁を付け、胸ぐらをつかみ壁に押し付けたり、足げりするなど全治2週間のけがを負わせた疑い。
同教諭からの届け出で事件が発覚した。 -
「ドラゴンファミリー」が発表会
8月の伊那まつり「市民おどり」に参加予定だった、ペアーレ伊那、伊那市総合型地域スポーツクラブ中地区クラブの親子体操教室などでつくる連「ドラゴンファミリー」の発表会が3日、同市の伊那東小学校体育館であった=写真。
7月の豪雨災害で伊那まつりが中止となり、子どもたちの練習の成果を披露する場をペアーレ伊那などの講師・根橋恵美さんらが企画。発表会は豪雨災害復興祈念の思いも込めている。
親子など約50人が当日予定していた踊りのほか、マット運動などの10演目を発表。笑顔が弾ける子どもたちの踊りに、会場に集まった家族らはビデオカメラを熱心に向けていた。
根橋さんは「子どもたちにとって今年の夏は一度きりしかない。祭りに向けて衣装もそろえてきたので、発表の場所がほしかった。ほとんどの人が出席してくれてよかった」と話していた。 -
シンガー
伊那市
湯沢加代子さん伊那北高校卒業後に渡米。ボストンにあるバークリー音楽院で2年間、ボーカル科で学び7月に帰国した。
故郷伊那での最初のステージは、8月の伊那市生涯学習センターでの「ジャズライブコンサートin伊那 思い出の映画音楽」だった。
「リハーサルが数回だけ。当日までリハーサルできなかった曲もあって不安だった」。迎えた本番。「観客との距離が近くてすごい緊張したけと、『いいよ、楽しんじゃえ』という気持ちになれて、一番よくできた。課題も残ったけど、バンドの方からもお客さんからも助けられたコンサートだった」。7曲を歌い上げ、賞賛の言葉と温かな拍手が贈られた。
音楽大学出身の母親の影響で、幼いころから音楽に親しみ、小学6年から高校3年まで駒ヶ根市の「すずらん少年少女合唱団」に所属した。「合唱は皆と一緒になれる感じがして楽しかった」。中学3年から三沢照男さんに師事し、クラシックの声楽を学んだ。合唱団の仏への演奏旅行でソロも経験。「度胸もついたし、舞台慣れさせてもらった」と振り返る。
高校受験のときにはすでに歌の世界に進路を決めていた。留学への思いが強く、英会話教室にも通った。
高校時代にゴスペルに参加。「パワフルでソウルフルでリズミカル。本当に歌っていて楽しい。今までやってきた合唱と世界が違った」。強い衝撃を受けた。大学は日本の音大を勧められたが、「本場のブラックミュージックに触れたい」と留学を決めた。
米国では幅広くボーカルを学び、特にR&Bを追求した。授業は先生1人に生徒8人くらい。一人ずつ歌いたい曲を先生と生徒の前で1曲歌ってアドバイスを受ける。レストランやイベントでも歌った。
「自分には向こうの人間性が合っていてすぐに慣れた。自分のやりたい音はもちろん、聞いたことのない音楽も、いろいろ聞かせてもらえた。いい環境で勉強になった」
授業の一つにオーディションが必要なゴスペルグループもある。約80人という大所帯は95%が黒人で、昔はアジア人は入れなかった。どうしても参加したくて、「先生お願い」と頼み込み、唯一のアジア人として無理やり席に座らせてもらった。
最初は「何だお前、みたいに視線が痛かった」。歌詞を書き写させてもらったり、よくわからくても口を合わせて歌ったり。「お前だけ音が違う」と言われないよう必死に学び、仲間になれた。「日本人はシャイだと思われている。向こうの人ばりに押していかないと。周りの空気に合わせるのはできるほう。その性格が役に立った」。なかなか利用できない学校の大ホールで、一緒に歌うことができた。「すごくうれしかった」。貴重な経験もした。
今後は、「年内は県内でライブをしたい。松本や長野を攻めたいですね」。R&Bを中心にちょっと新しいことをしたいという。
「歌から地球の匂いがするオーガニックシンガー」。友達からもらったキャッチフレーズ。「田舎育ちだから土の匂いがするのかな。自分でも大きな規模で歌いたいと思ってる。まだまだひよっこなので場を踏んで、恥をたくさんかいて大きくなって、いずれ東京に行きたい」。
シンガーとしての一歩を踏み出した。(村上裕子) -
殿島橋架け替え
第2回殿島橋架け替えワークショップ(WS)が1日夜、伊那市西春近支所であった。橋の取り付け位置を考え、伊那建設事務所が示した西春近側を現橋の上流40メートル付近に架橋することで同意した。
殿島橋は天竜川にかかり、東春近と西春近を結ぶ延長約220メートルの歩行者専用道路。7月の梅雨前線による豪雨災害で、橋脚が沈下し、西春近側から橋げた60メートルを撤去した。
現橋の安全性を確認したところ、橋脚の土台が洗掘されたり、橋げたがかしいだりと補修は難しく、国土交通省と相談して使える状況にないと判断。現橋を使っての仮橋もできないという。
その上で、橋の取り付け位置について、東春近側は現行のままで、西春近側を現行と上・下流付近で検証。現行と下流は、橋と国道153号線に高低差が生じるなどの理由から、上流がいいと結論を出した。上流は国道と交わる沢渡交差点の改良などがいるものの、高低差がない、歩行者の流れがスムーズになるなどの利点がある。殿島橋から200縲・00メートル上流の春近大橋への歩道設置は、交通の安全確保や犬田切川を渡る歩道設置などが必要となる。
上流に取り付けた場合、延長は約230メートルで、春近大橋と平行する。幅員4メートル。
本年中に詳細を煮詰め、06縲・7年度にかけて橋本体の工事を進める。08年度に交差点など周辺を整備する。
殿島橋架替促進協議会委員ら約40人は、スクリーンに写し出された橋の現況などを見ながら説明を受け、取り付け位置に同意。
設計の留意点に「西春近側の交差点付近は子どもの安全を確保できるように」「犬田切川の護岸工事をしっかりしてほしい」などを挙げた。
早急に地元説明会へ入り、図面ができた時点でWSに示して最終的なものにする。 -
ゴン太、2度目のお手柄
クマ追い競技チャンピオンとなった北海道犬の血を引く、小坂伊那市長の愛犬・ゴン太がこのほど、伊那市小沢の市長宅に出没したクマを追い払った。ゴン太は4年前、西春近に出没したクマの捕獲に貢献したこともあり、2度目のお手柄に誇らしげな表情を見せる。
7月の豪雨災害以降、竜西地区ではクマの出没情報が多数寄せられており、すでに20頭ほどが捕獲されている。
市長宅にクマが出没したのは8月中旬。午前2時ころ、普段とは違ううなるようなゴン太の鳴き声がし、外へ出たところ、自宅裏に設置してあった蜂の巣箱が壊されていたという。しかし、肝心な中身はほとんど食べられておらず「ゴン太に追われ、食べられなかったのでは」と小坂市長。
その後、元信州大学教授・建石繁明さんが調査したところ、足跡の様子や残された毛などから、出没したのは子グマであると判明。
ゴン太は今年で9歳。伊那谷を舞台とした後藤俊夫監督のふるさとシネマ「こむぎいろの天使」にも出演した過去もある。小坂市長は「まだまだ元気でサルも追う。人には忠実で吠えない。クマを恐れないのは北海道犬のDNA」と話していた。 -
富成勇夫さんの個展 ベル伊那で5日まで
信州美術会会員の洋画家、富成勇夫さん(68)=駒ヶ根市東町=の個展「野佛の詩・異文化への憧憬」は5日まで、伊那市日影のベルシャイン伊那店2階文化ホールで開いている=写真。
同店では初めての作品展。20年前から題材にしている男女の道祖神「双体野佛」の油絵、昨年3、4月の3週間、訪問した欧州の街並みなどの水彩画など計50余点を展示販売している。
昨年の欧州スケッチ旅行は約500年前、日本からローマ法王へ表敬訪問に旅立った少年4人の足跡の一部を辿り、ポルトガル、スペインの古城や教会をスケッチした。
夫婦、恋人の様に寄り添った双体野佛は愛きょう豊かな表情、欧州の風景は異文化への憧れを表現。優しさや暖かさが込められた筆のタッチに、来場者の注目が集まっている。
午前10時縲恁゚後6時30分(最終日は午後4時)。 -
伊那市美篶の上川手区 災害マップで地域助け合い
伊那市美篶の上川手区(北原伍区長)は1日夜、上川手第1公民館で災害マップ作りをした。区内20班の班長、民生委員、地域社会福祉協議会長など計約25人が参加。区内地図の上に、それぞれが把握している一人暮らしの高齢者住宅の場所などを記入し、同マップを作成した。
災害マップの必要性を学ぶため、6月に市社会福祉協議会の出前講座を利用し、区内3会場で7回の分散勉強会を実施。区の年間計画として、区民に理解を深めてもらい、有事の際に活用できるマップ作りに取り組んできた。
この日は、地域の代表者らが集まり、高齢者、障害者などの要援護者宅、土砂災害の危険がある場所、避難所などの位置を地図上に記入。高齢者などの災害弱者の場所を地図に盛り込むことは、プライバシー侵害になるとし、事前の聞き取りで開示許可のある人だけ記していった。
9日、完成したマップで避難誘導方法を確認するなど、区自主防災会の避難訓練をする予定になっている。
北原区長は災害マップ作りを通じて「地域で助け合うことができれば。普段から近所付き合いを深め、災害に備えるきっかけにしてほしい」と期待している。 -
伊那市 防災訓練で行動や避難体制など確認
「防災の日」の1日、伊那市は06年度総合防災訓練を市庁舎などで実施した。職員の災害時における対応能力を向上させるため、情報伝達、避難、消火などの訓練を通じて、有事に向けての行動確認をした。
市庁舎では直下型地震の発生を想定し、避難誘導訓練、屋内消火栓使用の消火訓練を実施。地震発生の放送があると、職員らは机の下へ身を隠し、誘導に従がって庁舎北側の駐車場へ約100人が避難した。
各階ごとの職員ら計28人で構成する自衛消防隊などは、訓練の事前に伊那消防署員から屋内消火栓、ロープを使った避難器具緩降機などの取り扱い方法を受講。地震により庁舎東側の地下にある重油タンクから火災があったとし、放水訓練をした。
この日は、悪天候で危険を伴うため、庁舎では本年初めてのはしご車による避難訓練は中止。計画した総務課の関係者は「避難器具や消火器具の取り扱い方の研修はできたので本来の目的は達成した。はしご車の避難ができなくて残念だが、来年の実施を目指したい」と総評した。
高遠町、長谷総合支所でも、停電時の電源供給などの訓練があった。 -
洋画家の富成勇夫さん 人生の中で絵は・ス楽しみ・ス
「優しさがにじみ出た絵」「ほわーんっと温かみがある作品ばかり」竏秩B
5日まで、伊那市日影のベルシャイン伊那店2階文化ホールで個展「竏猪・ナ(のぼとけ)の詩・異文化への憧憬(しょうけい)竏秩vを開く。愛きょうのある男女の道祖神「双体野佛」や、昨年の欧州スケッチ旅行で描いたポルトガル、スペインの街並みなど、油絵、水彩画の計50余点が並ぶ。
◇ ◇
駒ヶ根市在住で、伊那美術協会、信州美術会会員、新世紀美術協会準会員などの肩書きを持ち、画歴は約50年。定年退職するまでは、小中学校の図工・美術教員として、上伊那を中心に10校以上の学校で働き、現在は画家としての道を歩む。
◇ ◇
昨年3縲・月の3週間のスケッチ旅行は若桑みどり著「クアトロ・ラガッツィ竏駐V正少年使節と世界帝国竏秩v(集英社)をテーマにヨーロッパを訪問した。
「クアトロ竏秩vは500年前、織田信長の許可を受け、キリスタンの日本人少年4人がバチカンのローマ法王を表敬訪問する話。少年らは往復8年の旅路を経て本土へ戻るが、豊臣秀吉の時代へ移り変わっており、禁教令でひどい弾圧を受けて生涯を終えている。
少年たちを偲び、4人が辿った一部の足跡を追って、ポルトガル、スペインの教会、古城、街並みをスケッチ。ポルトガルのエボラ教会では少年2人が曲を演奏し、拍手大かっさいだったと記された、大聖堂のパイプオルガンなどを描いた。
ヨーロッパの美しい風景を目の当たりしたのと同時に、「少年たちは最後のことなんか予想もせず、この風景に目を輝かせていたのか」と哀れな気持ちを胸いっぱいにし、帰国の途についたという。
◇ ◇
退職後は海外へスケッチ旅行へ出掛ける機会が増えた。ヨーロッパは6年間で約5カ国を3回訪欧。500縲・00年前の石造りの建物など古い街並みを探訪する。
「日本人は異文化に憧れを持っている。観光旅行、グルメ旅行など、向かう目的は皆と同じ。写真を撮る代わりにスケッチをしてくるだけのこと」
「のんきに絵を描けることはぜいたく。金は無いけど、スケッチ旅行も続けたいし、もっと重厚な作品を描きたいね」。人生の中で絵とは・ス楽しみ・スだという。
※「富成勇夫個展竏猪・ナの詩・異文化への憧憬竏秩vは5日まで、ベルシャイン伊那店2階文化ホールで開催中。午前10時縲恁゚後6時30分(最終日は午後4時)。 -
災害時に避難所などの危険度を判定
伊那市役所で1日、県建築士会上伊那支部と伊那市の「災害時における応急危険度判定等の協力に関する協定」の調印式があった。地震や風水害など災害時に、本部施設や避難所などが安全かどうか危険度を判定する。
協定書では、市からの要請により、上伊那支部の応急危険度判定士が現地へ出向き、災害発生後8時間以内に建物の危険度を判定。危険だった場合、他避難所への移動などの手段をとる。協力のための経費は市が負担。有効期間は07年3月までだが、改廃の申し出がない場合は継続する。
調印後、松沢考資支部長=辰野町=は「お世話になっている地域への社会貢献」と話した。
小坂市長は「早期に判定することは極めて有利。市民生活が安定できるよう、専門家の協力を得ることは喜ばしい」と述べた。
県建築士会の調印は県内2カ所目。上伊那支部の判定士は100人余で、今後、上伊那の他市町村とも調印を交わす予定。市町村ごとに班分けし、担当個所も振り分けている。災害時、メンバーが対応できないときは、近隣市町村や飯伊・諏訪に応援要請する。判定士は04年の新潟県中越地震の際、民間住宅を中心に判定業務に当たった経験がある。 -
伊那地域の新たな交通ネットワーク構築へ
伊那市は秋ごろ、伊那地域の新たな交通ネットワーク構築のための検討委員会を立ち上げる。新市発足に伴う旧市町村の循環バス路線や、権兵衛トンネルを利用した広域的な交通ネットワークを検討する。
検討では、国土交通省の「公共交通活性化総合プログラム」を導入。地域の公共交通に課題があるものの、利用者のサービス維持や質の向上など地域のみで解決困難な事案について、具体的な方策を練るもの。
市内の交通手段は、合併前のまま引き継いでいるが、合併協議では「旧市町村間を結ぶ循環バスは合併後、速やかに運行できるよう関係機関と調整する」となっている。バス利用は地区や時間帯によって多少するが、交通弱者の増加で交通対策が必要な状況にある。
対象地域は伊那市とその周辺で、権兵衛トンネルの開通によって木曽も含む。
庁内プロジェクトを設け、交通状況や課題を把握。西春近地区社会福祉協議会が高齢者の交通手段の確保で取り組んでいる無償ボランティア移送サービスの実践の検証も含めながら、総合的に交通対策を考える。
検討委員会では、地域にあった交通体系のあり方、使いやすい移動手段、地域の観光資源を生かす公共交通を模索する。
委員は国交省と相談して選出するが、市や長野運輸支局などの行政機関、バス・タクシーの交通事業者、高齢者クラブ代表など利用者で構成する予定。
本年度中に方向をまとめ、必要に応じて07年度の試行運転を検討する。 -
三宅村立小学校の児童が国少で高遠体験
東京都の三宅村立小学校5年生10人が30日、伊那市高遠町の国立信州高遠青少年自然の家を訪れ、高遠北小学校の児童14人と交流した。
江戸時代に起きた「絵島生島事件」で、罪に問われた絵島と生島はそれぞれ、高遠町と三宅島に流された。そのことをきっかけに、高遠町町と三宅村は1970年に友好盟約を締結。互いのイベントに町村の代表者が参加するなど交流を深めている。三宅小の児童の「高遠体験」もその一環。昨年は高遠城下まつりに合わせて来訪し、今年もその予定だったが、豪雨災害の影響で延期された。
両校の児童は、隣同士の席に座り、こけしの絵付けに挑戦。最初は互いにはにかむ様子も あったが、次第に打ち解け、さまざまな会話を楽しんでいた。 -
4月からみはらしぶどう生産組合長に就任
伊那市西箕輪
林正隆さん(66)野菜は毎年考えて、いろんな作り方をしなければならないけど、ブドウは1年目にやったことを応用して、続けていくことができる。それに果物ってなんか、夢があるでしょ竏秩B
開園して5年目となる「みはらしぶどう園」。3年目から徐々に実がつき始め、4年目となった昨年は、これまでにない実りがあった。「今年は長かった梅雨の影響が心配だったけど、夏場の好天で持ち返した。ここは標高が高く、昼夜の寒暖差が大きいから糖度の高い果物ができる。まだ始めたばかりだから、ブドウの先進地に比べて来場者が少ないのは残念だけど」ともらす。
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退職後はゆっくりしようと考えていたが、古くからの友人に声を掛けられたことや、自宅近所でできることもあり、ぶどう園に参加することを決めた。それまで、手伝い程度に農業をすることはあったが、出荷までする本格的な農業は初めてだった。木を育てる1、2年目はそれほど手間もかからなかったが、実がなりはじめた3年目、ブドウづくりの大変さを思い知った。
6月から7月にかけ、作業は本格化する。木の剪(せん)定から始め、房作りのための摘果、種なしにするためのジベレリン処理、袋がけ、消毒竏窒ニ続く。ピオーネ、シナノスマイルなどの大粒種は、60粒を36粒ほどまで摘果し、粒が大きくなるように促すが、実が成長してしまうと摘果のはさみが入らなくなるため、作業は短期間に集中する。連日、ブドウを見上げ、腕を上げたままで作業を続けなければならないため、次第に体が悲鳴を上げ始める。また、暑さ寒さも我慢しなければならない。それまでの会社勤めと違うことばかりだった。その一方で、無事に果実が成長する姿を見続けることへの喜びも覚えた。「自分の場合、ほかに何かしているわけでもないから、ぶどう園のおかげでいつも必ず一つは楽しみがあるのはいい。こんなに手がかかるとは思わなかったけど」と苦笑いする。
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生産者のほとんどは、ぶどう園の開園と同時にブドウ作りを始めた人ばかり。専門家の技術指導を受けたり、土壌改良をするなどして試行錯誤を続けているが、味には絶対的な自信を持てるまでになった。「最初は小粒で甘味もあまり出ていなかったが、木も安定し、酸味と甘味のバランスも良くなった。これからまだまだ良くなっていくよ」と自信を見せる。だからこそ、より多くの人に来てもらいたいという思いも強い。
「より多くの人に楽しんでもらえるよう、品種を増やすことも考えている。若い人は大粒が好きだけど、お年寄りは小粒が好きな傾向にあるから、そういうことも考慮して。市内でも、ここにぶどう園があることを知らない人もいる。すぐに広めるのは無理でも、美味しいブドウをつくり続けて、徐々に知っていってもらえばと思ってるよ」 -
伊那市の矢沢保信さんに県献血推進協議会長表彰
県献血推進協議会長表彰の伝達表彰が30日、伊那市の高遠町総合支所であり、旧同町献血推進委員会の元会長、矢沢保信さん(68)=東高遠・写真=が伊東義人同支所長から賞状などを受け取った=写真。
矢沢さんは89年から17年間、同町の会長として献血活動に貢献。在任中は2月の「だるま市」の献血を定着化させるなど、地域推進活動に積極的に取り組んだ。自身も献血に協力し、50回以上の実績を持っている。
伝達表彰は7月19日、駒ヶ根市で予定していた上伊那郡市献血推進大会が豪雨災害で中止となり、この日の高遠町総合支所の朝礼で賞状などを授与。功績に対し、職員からは大きな拍手がわいていた。
伊東同支所長は「地域の献血推進のための活動に心から感謝を」と労いの言葉。矢沢さんは「この喜びは皆さま方の協力があったからこそ」とあいさつした。 -
伊那市・7月豪雨災害対応の反省事項を報告
「防災の日」に合わせて伊那市は1日、市役所で、7月豪雨災害検討会を開いた=写真。災害対応の社会福祉、建設など各課の部課長ら計約60人が参加。それぞれの課などから反省事項の報告があり、検討課題を確認し合った。
避難誘導、避難所での生活、災害現場から対策本部への情報伝達の混乱などについて、反省事項が集中。あいさつに立った白鳥孝収入役は「現場の生の声を聞いて、次に生かせる反省会にしたい」と呼び掛けた。
避難などの問題点として、「避難所が川の氾濫がある危険地域だった」「避難所に職員がいなかった」などの市民の声があったと報告。「障害者で避難できなかった市民がいた」との反省には、要援護者マップの作成と各自主防災会などでの情報の共有化がいるとした。
「避難勧告」「避難指示」といった用語の意味や危険度合いを、一部の職員らが理解できておらず、周知の必要性も提起。避難所職員が何をしてよいのか分かっていない竏窒ネどの対策で、職員研修が必要とした。
避難所、災害現場と対策本部を行き来した職員は、現地に対策本部を設置し、部長級の職員を充てることを提案。「住民の不満、要求をすぐに伝え、分かち合うことが、住民感情を和らげることになる」と「現場主義」の重要性を強調した。 -
ボーイスカウトのビーバースカウト、卒業を前に最後のゴミ広い
ボーイスカウト伊那第1団(中村洋団委員長)のビーバースカウトが27日、9月からカブスカウトに進級する2人の団員の卒業を前に、伊那市西箕輪の農業公園みはらしファーム周辺でゴミ広いをした。団員や保護者など13人が集り、種類を分別しながらごみ拾いに励んだ=写真。
ビーバースカウトは保育園・幼稚園の年長から小学2年生の9月までを対象とする部門。今年は、4人の団員が共に活動してきたが、現在2年生の2人は9月に次の部門に進級する。そのため、全員で取り組む最後の奉仕活動として、ボーイスカウトの野営場が近くにあり、普段からお世話になっている「みはらしファーム」周辺のごみ拾いをした。
団員らは目を凝らし、隅々のごみまで探し出し、分別の方法なども学んだ。
その後、みはらしファームでお別れパーティーもし、友達との最後の交流を楽しんだ。 -
高遠町地域協議会 消防署移転を了承
老朽化などに伴い、伊那消防組合高遠消防署を移転新築する。本年度中に建設用地を取得し、07年度に建設、08年度に開署したい考え。30日、第2回高遠町地域協議会で建設の候補地を示し、了承された。
消防署は建設から27年が経過、老朽化に加え、管理室など手狭になっている。さらに合併で、出動エリアが高遠、長谷、手良・美篶・富県の一部に広がり、交通面から速やかに出動できる場所が必要となった。
建設の候補地は、小原の国道152号線沿い(私有地)。冬場に車庫前が凍結しないなどの条件から選んだ。
敷地面積は2800平方メートルと現消防署の約7倍。鉄骨2階建てで、延べ床面積770平方メートル。事務室、会議室、災害時に現場の対策本部を置くことができる講堂、訓練施設、駐車場などを設ける。上伊那で初めてとなる、車両に付着した血液などを洗い流す救急衛生車庫を設置したいとした。
地域協で、委員から消防署員の負担、エリア内の出動にかかる時間、現消防署の後利用などに質問があった。
署員の体制は当面、現行通り(署長を含む20人)で、勤務体制は伊那消防署と同じ。消防署から遠い長谷の浦地区まで20キロ、所要時間は20分程度という。
委員から異議はなく、今後、地元説明に入る。
伊東地域自治区長は「市長に報告し、早急に用地を取得して完成するように努力したい」と述べた。 -
第2回高遠町地域協議会
伊那市高遠町の第2回地域協議会が30日夜、町総合福祉センター「やますそ」であった。本年度の主要事業で、委員から伊那・高遠・長谷を接続する循環バス運行に要望が相次いだ。
委員は高遠高校への通学、伊那中央病院への通院も含めた検討を臨んだ。
合併協議で、旧市町村間を結ぶ循環バスの運行は合併後、速やかに運行できるように関係機関と調整することになっている。
市側は「秋ぐらいから検討することになっている」と答えた。
そのほか、横断歩道や防火水槽の設置、足湯などによる街並みを歩く施策、消防団員が活動できる組織づくりなど要望、提案があった。
伊東地域自治区長は、新たな発想による提案を歓迎し、行政任せでなく、自主的な活動に期待した。
また、合併して5カ月後が経過し、委員から「7月の梅雨前線豪雨のとき、不安だったが、不自由しなかった。ありがいたいこと」「伊那から高遠へ来るのは遠い感覚がある。プールや図書館などまちの魅力を宣伝してほしい」「会議を伊那で開くことが多い」などの感想があった。
次回は9月28日午後7時から、やますそで。会議は公開で、傍聴できる。 -
上伊那で村井仁氏の激励会
1日に長野県知事に就任する村井仁氏(69)の上伊那地区激励会が30日、伊那市内であった=写真。集まった約200人に、村井氏は「地域の課題には、地域に関する人の協力が必要。壊された長野県を作り直すには時間がかかる。あまりせっかちに効果を期待せず、2年を節目に中間評価をしてほしい」と語り、地域からの積極的な協力を求めた。
村井氏は「重要なのは何がみなさんの生活にとって必要かを見定めること」として、市町村を主体として必要な公共事業を判断し、県としてそれをバックアップする方向を提示。その上で「地元の積極的な協力がなければ何も進まない」として、地域の課題に取り組んでいく地元協力体制の構築を求めた。
また「現在一番の無駄は、税金で雇っている県職が十分に能力を発揮できない環境にあること」と指摘。田中政権の影響が残る組織運営が決して安易でないことにふれ「私も決してやわな人間でない。しっかりした仕事をしていきたい」と語った。