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風景 濃淡で美しく表現
伊那市の西春近公民館で活動する瑞雲水墨画教室の受講生8人による作品展が30日まで、高遠町の高遠さくらホテルで開かれている。
雪景色を表現した「雪の富士」「秘境」「冬韻」をはじめ、「戸隠の里」「仙丈を望む」「つばき」など、墨の濃淡で紙の白さを生かし、黒白のコントラストの美しさを伝える。なかには、赤や青、黄色などの彩りを添えた作品もあり、全18点を並べる。
93年に発足した同教室は、瑞雲国際水墨画主宰の下平瑞雲さんに師事。「下平先生の雪景色の作品で、水墨画に魅せられた」(宮沢清美代表)受講生が多く、現在10人で月2回の勉強会や、スケッチ旅行、絵画鑑賞会などの活動を通して、和気あいあいと楽しみながら腕をみがいている。県水墨画展では毎年会員のなかから入選者がでている。
宮沢代表は「墨の使い方などを知ってもらうとともに、水墨画の魅力を感じてもらえたら」と話している。 -
初の夜間議会16日の一般質問
高遠町議会は9月定例会の一般質問を初めて夜間に開く。8月下旬の議会運営委員会で、原浩議長から「町民が議会に参加できる機会を増やそう」と提案があり、決定した。
一般質問は16日と20日を予定しているが、夜間議会は16日のみ。午後1時から午後5時までと、引き続いて会議規則に基づき延長という形で午後6時に再開する。
9月定例会は15日開会し、会期は27日(予備日28日)まで。 -
「旧馬島家住宅」10メートル移動
国道152号高遠バイパス工事に伴う、高遠町の県宝「旧馬島家住宅」の移転作業が7、8日あり、計画通り北東へ約10メートル移動させた。8日は工事が一般に公開され、地域住民が作業の様子などを見学した。
住宅の延べ床面積は約230平方メートルで、重さ40トン。工事は事前にジャッキアップした下にレールをひき、28カ所に設けたローラーを支点に、けん引して1時間で約5メートル移動させた。
「めったに見ることができない」とあって、地域住民が続々と見学に訪れた。西高遠の女性(82)は「昔と違って、効率よく動かしてすごいね」と見入っていた。
町は移転工事に合わせ住宅内の一部を改装し、建造当時に近い間取りを再現する。主に茶の間や流し間、土間、まくり戸を復元。茶の間はふき抜けにして、いろりを炊けるようにする予定だ。12月中旬の完成を目指し、「年末には見学できるようにしたい」としている。
また町教委は「保存していくだけでなく、茶の間などを利用したグループ活動などに活用してもらえるとうれしい」と話す。 -
「虹橋」改修で何色に 検討委・次回決定へ
高遠町の西高遠と伊那市美篶の芦沢地区を結ぶ、三峰川にかかる水路橋(通称虹橋)の改修に伴い、橋の色彩を検討する会の第3回が7日、町総合福祉センター「やますそ」であった。前回決まった3色から、それぞれ濃薄の6トーンを絞り込み、次回の検討会で最終決定する方針だ。
検討会では、提案された赤、青、茶色の色の濃さを、青1、赤2、茶3トーン決定した。委員からは「自然に解け込める色がいい」「変色しにくい。錆びにくい」との理由で、茶色を望む意見が多かったが、近日中に地元の町内会長を中心にアンケートし、結果を踏まえて検討する。管理道路の手すりを別色にし、ツートンカラーの橋にすることも決めた。
虹橋は橋脚がない構造で、長さ約100メートル、河床からの高さは45メートル。高遠ダムから農業用水を取水し、美篶や上の原などの農地1200平方メートルを潤している農業用水路。三峰川総合開発事業で1958(昭和33)年に完成以降、傷みが目立ち、橋と橋台を補強することになった。
また、生活道路や、小学生の通学路として利用され、管理道路の手すりの低さが危険を伴うとして、安全基準に基づき、現在の約80センチから120センチにする。06年度中の完成を目指す。 -
道路美化活動で県同盟会表彰
道路美化活動への功績をたたえ、県道路整備期成同盟会は、高遠町の勝間地区道路愛護会(岡庭剛代表、90人)と東高遠の赤羽清さんを表彰した。5日、町役場で伝達式があった。
愛護会は10年間にわたり、勝間地区の区長の呼びかけで、区内の5常会でそれぞれ年に1度、道路清掃に努めた。赤羽さんは年間を通じて県道芝平高遠線や高遠城址公園入口にある花壇を整備し、11年間にわたって道路沿いの美化に努めた。それぞれ上伊那地区会長の推薦により、10年以上の功績が認められた。
伊東義人町長は「長い間ご苦労様でした。これからもそれぞれ模範になるよう継続していってもらいたい」とたたえ、賞状と記念品を手渡した。 -
描く人物それぞれ個性光る
絵画団体「春陽会」に所属する伊那地区の女性4人よる「春陽伊那女性展」が29日、高遠町の信州高遠美術館で始まった。春陽会の全国公募展や県展での入選作品を含む洋画17点を展示している。9月19日まで。
出品者は、福澤睦子さん、中村千佐子さん、唐澤弥生さん(以上伊那市)飯島とし子さん(高遠町)。油彩画を3点ずつのほか、中村さんは水彩画2点、福澤さんはパステル画3点も飾った。
「人間を否定的に見るのではなく、信じ合ったり、助け合ったりするもの」とする福澤さんの作品は、子どもを暖かく抱く夫婦を描いた「家族A」。飯島さんは00年に同会初入選した「深大寺コーポ」、唐沢さんは「予感I」「大地I」、中村さんは「小さな対話」など、いずれも人物画を中心とし、「心象の世界を描いた」(飯島さん)個性光る作品が並んだ。
4人での展示は今回が初めて。「自分たちそれぞれの気持ちがどう伝わるか楽しみ。みなさんに批評してもらい、これからの勉強の励みにしたい。ぜひ足を運んでもらえたら」と来場を呼びかけている。 -
芸術に親しみ明日への活力を
高遠町の高遠公民館は7日、「美術館作品鑑賞会」を信州高遠美術館で開いた。美術館に足を運ぶ機会を増やしてもらうとともに、感性を養い、「明日への活力につなげてもらいたい」と企画。地域住民ら約20人が参加し、芸術への関心を高めた。
同美術館の竹内徹館長の案内で、19日まで開催している日本画家の福井爽人東京芸術大学名誉教授と、鍛金作家の宮田亮平同大副学長の二人展を鑑賞。淡い色彩で幻想的な世界を表現している福井さんの作品では、「静かさのなかに、訴えるものがある」と説明を聞いた。
また、竹内館長は美術館創立までの経緯や、町出身の伊沢修二が東京芸術大学の前身である東京音楽学校初代学長だったことを縁に、二人展が実現したことなどを話し、「町に美術館ができたことも、素晴らしい芸術家の作品展ができているのも、歴史のおかげ」と紹介した。
美術館には初めて訪れるという参加者もいた。室町の女性(76)は「普段はあまり(美術館に)足を運ぶことがないし、説明を受けながら鑑賞することがなく、非常にいい機会を設けてもらった。いくら見ても飽きないね」と話していた。 -
高遠高校文化祭「兜陵祭」
高遠町の高遠高校(清水國利校長)の文化祭「兜陵祭」が3、4日にあり、一人も欠けることなく全校生徒で作りあげたいとの願いを込め「完全無欠縲怩アれが俺等の兜陵祭縲怐vをスローガンに、作品展やステージ発表など多彩な催しを繰り広げている。
昨年に続いて取り組んだ全校製作のモザイク壁画は、「世界中で活躍する選手を見て、自分たちも夢に向って頑張ろう」と、サッカーの中田英寿選手や野球の清原和博選手らプロスポーツ選手4人を取り上げた。正面玄関横の校舎に掲げた。縦3メートル、横8・25メートルの巨大な壁画と、全校生徒の名前を記したアーチとともに来場者を歓迎している。
創立80周年記念展では、同高校の前身である町立高遠実業補修学校を開設した1926(大正15)年から現在までをたどった年表や、昨年度までの卒業生の写真、卒業文集を並べ、歴史を振り返っている。
クラス展は、2年生が12月に控える修学旅行の行き先・沖縄県をテーマに、自然や文化、食べ物などを紹介。C組では「沖縄戦争と平和」と題し、沖縄戦の経過図や戦場をイメージした粘土製作などを展示している。また、世界平和を祈り、「ハイビスカス」をデザインした約1万9千羽の折り鶴を張り出した。修学旅行でひめゆりの塔に寄贈するという。 -
命の大切さ学ぶ
高遠町の高遠、高遠北小学校5、6年生を対象とした恒例の合同性教育講演会が2日、高遠小であった。岐阜大学地域科学部の近藤真庸教授を講師に迎え、講師学年ごとに内容を変えて、「命」をテーマに語ってもらった。
5年生には、HIV感染者の事例を紹介し、感染者を取り巻く環境について述べた。「友達ができることで免疫力が増加し、ウイルスと戦う力が増えていた」とし、家族や友人の必要性を訴えた。
また、「辛いことがあっても、明日には良いことがあるかもしれない。『Just for today』(今日一日だけ)を忘れないで」と話した。
6年生には、脳死による臓器移植について解説。児童らに、心臓移植を要する患者への臓器提供の有無を投票で問い、「脳死は死ではないが、人工呼吸器を使って、心臓を動かしている状態。命について考えてほしい」と述べた。
さらに臓器提供意思表示カードの説明をし、両親や家族の同意について、「家族のなかで自分がどんな存在であるか。意思表示カードの対象となる15歳になるまで、臓器提供について勉強してみてください」と呼びかけた。 -
紅葉ゆっくり楽しんで
高遠町と町観光協会は、色鮮やかな紅葉を楽しめる高遠城址公園の「秋まつり」の期間を例年より1週間伸ばす。10月29日から11月13日までの16日間。
4回目の秋まつりは、期間延長を要望する住民からの声や、「開催期間以上に紅葉が楽しめる」という例年の実績から検討し、期間延長を決定した。
春の桜まつりとは違い、秋まつりは食べ物の出店がなく、食の提供に欠けていたが、今回は地元住民の協力を得て、長イモの名産である金井地区のボランティアグループによる「とろろご飯」や高遠そばの会の「高遠そば」などを提供し、充実させる。
まつりは、胡弓(二胡)楊興新の演奏、そば打ち体験、クイズ大会など多彩なイベントを繰り広げる。 -
訓練積んで有事に備える
「防災の日」の1日、高遠町と長谷村の各小中学校で防災訓練があり、緊急避難体制などを確認し、有事に備えた。
高遠小学校(宮下廣規校長、248人)では、授業中に震度4以上と思われる地震の発生を想定。児童たちは校内に緊急放送が流れると、教諭の指示に従い、机の下に身を隠した。
揺れの一時おさまりを告げる放送で、帽子をかぶったり、座布団で頭を覆いながら、すみやかに校庭に避難した。
宮下校長はあいさつで、1923(大正12)年に発生した関東大震災の被害を紹介し、「地震はいつ起こるかわからない。訓練だからといって安心せずに、常に緊張感をもって取り組むことが大事」と呼びかけた。
訓練終了後に各クラスで開いた反省会では、担任から「訓練とあって気持ちが緩んでいるせいか、のんびり行動する姿があった」と指摘を受ける学年もあった。
また、町内の3保育園で東海沖地震の発生を想定した園児引き渡し訓練があった。町と各保育園が連携し、町内放送によって、保護者が避難場所に園児を迎えにくるまでの一連の流れを確認した。
第一保育園(山岸加代子園長)では、非常食と水がこの日のおやつ。避難場所での食生活を体験した。
職員の指示で防災頭巾を被って、近くの高遠小学校校庭に避難。町内緊急放送で、各家庭にそれぞれの保育園の避難場所が伝えられると、保護者や家族らが迎えにきて、園児が引き渡された。
保護者のなかには、リュックサックを背負い、軍手などを身に付けて迎えにくる姿もあり、防災意識を高めていた。 -
伊那署が振り込め詐欺の被害防止の注意呼びかける
伊那署は、管内で警察本部職員をかたる振り込め詐欺の未遂事件が発生したことを受け、被害の拡大防止のための注意を呼びかけている。
調べによると、8月29日昼ころ、伊那市内に住む女性あてに警察本部交通課の者と名乗る男から、「息子さんが、今年の6月に飯田市内で他人の車を飲酒運転して事故を起こしたのを知っていますか。その件で警察から再三呼び出しをしたが出頭しないので、今日息子さんを県警本部へ連れてきた。この交通事故の弁護士費用として、お宅と車所有者とで50万円ずつ払ってもらうことになります」との電話があった。
女性は、6月に息子が県外へ出張中であったことを知っていたため、被害には逢わなかった。
伊那署では、「警察が交通事故の示談金や弁護士費用などの支払いにかかわることは絶対にない。心当たりのない振り込み要求は詐欺と疑う。振り込む前に、必ず家族などに相談する。相談相手がない場合は、警察や銀行に相談する」と呼びかけている。 -
保科家発祥の地・長野市若穂保科の住民有志来町
高遠町が進める高遠藩主・保科正之公のNHK大河ドラマ化実現に向けた署名活動に協力している、保科家の発祥の地とされる長野市若穂保科地区の住民有志でつくる長野会議(雪入 司代表)のメンバー7人が30日、町を訪れ、正之らのゆかりの場所を巡った。
会議の一員で、上伊那郷土研究会会員の堀越肇さん=飯島町出身=が研究調査のため、正之の6代前で、保科城主の正利が建立した広徳寺を訪問。その際、宮澤孝典住職や檀家の雪入代表らと出会ったのを縁に、町の活動を紹介し、賛同した約40人で3月に同会議を結成した。
保科の姓の由来は平安時代以前にさかのぼり、保科地区一帯を統治した武将が地名を性にあてたことがはじまり。戦国時代まで保科家が保科地区を占めていたとされている。
同会議は保科生誕の地として町に協力したいと、若穂を中心に署名活動を展開。6月には集まった2200人余の署名簿を町側に渡した。
今回はドラマ化実現に向けて町との交流を兼ねて訪れた。高遠城址公園を散策したり、建福寺で正之を養子とした正直と、その父である正光の墓参をした。
また、1120人分の署名簿を伊東義人町長に手渡し、「市民運動に過ぎないが、これを機会にできる限りの努力をしていきたい」と実現に向けた熱意を伝えた。
伊東町長は「発祥の地で会を設立してもらい力強く思う。献身的な努力で活動を進めていただき、本当にありがたい」と感謝した。
同会議は、長野市全域をはじめ、周辺市町村を含めた5万人以上の署名活動を推進していきたいとしている。 -
「高遠石工」の魅力を再発見
高遠町総合福祉センター「やますそ」で28日、第1回「高遠石工を考えるつどい」があった。地域住民や県内外から約180人が参加。美濃と上州での活躍に関する講演を通じて、江戸時代から現在まで受け継がれてきた高遠石工の魅力を再発見した。町文化財保護委員などでつくる実行委員会の主催。
高遠町片倉出身で、現在は岐阜県歴史資料保存協会副会長の桃井勝さんと、群馬県出身の郷土史研究家の川原嘉久治さんが講演した。
川原さんは「高遠石工の上州進出窶矧・ニその裏側」と題し、840件余の上州における高遠石工の延足跡の中から江戸時代前期の石造物を紹介。社寺関係者、在地有力者とのつながりの事例についても文献を通じて説明した。
群馬県内の高遠石工は11月に完成したものが多く、「上州では米の取り込み、養蚕が終わり収入が潤っている時期と一致する」と説明。また、正月までに出稼ぎを終えたいという石工衆の思いから「作品に出稼ぎの苦労がにじみ出ている」と話した。 -
「進徳ゼミ」地域住民に開放
高遠高校で26日、学校公開講座「アジアのことば」が始まった。3年生の総合学習の時間「進徳ゼミ」を開放し、地域住民と生徒がともに授業を受け、交流を図る初めての試み。
日韓親善伊那谷の会運営委員長の鄭康雄さん=南箕輪村=らを講師に迎え、ハングルの基本文法や母音・子音の発音、日常会話などを、06年1月末まで全13回にわたって学んでいく。
初回は、地域住民4人が参加し、同授業を選択している生徒16人とともに受講した。生徒らが「日本人と似ている」「キムチやチヂミがおいしい」などと韓国の印象を答えると、鄭さんが韓国の現状やハングルの成り立ちなどについて紹介。その後、ハングルの母音・子音の発音の仕方なども学習した。
韓国に興味があり参加したという主婦(40)は「学校を地域住民に開放し、生徒さんとともに授業を受けれる取り組みはすごく良い試みだと思う。生徒さんの授業に対する熱心な姿勢が刺激になっている」と話していた。
講座の中盤からは、日韓の関係をはじめ、韓国の歴史や料理についても触れていく予定だ。 -
互いの「役割」体験し合って
高遠町男女共同参画推進委員会(伊藤のり子委員長)は24日夜、料理交流会を小原のJA上伊那東部支所調理室で開いた。
年1回の企画で、男女それぞれの役割とされてきたことを互いに経験することで、共同の分野を築きあげる機会としている。
家庭にある材料を使って工夫したメニューを考案。会員13人(男性6、女性7)が参加し、「ミョウガとウナギのさっぱり丼」「豚肉ときゅうりの辛味あえ」など4品に挑戦した。
「普段は妻に任せきり」という男性らは、女性からアドバイスを受けながら、野菜を切ったり、いためたりと調理。準備や片付けも率先して取り組んでいた。試食でも、「おいしいし、上出来だ」と笑顔がこぼれた。
伊藤委員長は「調理は女性の義務みたいなところがあるが、男性が慣れない手つきながらも、やってみようという気持ちになり、いいきっかけになっている」と話す。 -
一日一日が楽しく学ぶことが多かった
カナダへの語学研修(7月31日窶・2日)に参加した高遠中学校の女子生徒6人の帰国報告会が24日夕、町役場であり、現地での生活や学習成果などの体験談を語った。
生徒たちは「語学はもちろん、異文化にも触れることができ、いろいろと学ぶことが多かった」「日が経つにつれ、日常会話が成り立つようになったし、1日1日がすごく楽しく過ごせた」などと振り返った。
「帰りたくないという気持ちが高まり、涙が止まらなかった」と帰国を惜しんだ様子を話し、「英語をもっと学んで、また行きたい」と意欲をみせる生徒もいた。また、毎日の食事メニューを日記にしたことなども話した。
伊東義人町長は「語学力や現地での生活を通して、自信につながったと思う。この経験が将来、自分自身に良い影響を与えるはず。経験を生かして、国際交流もしていってほしい」と述べた。
町では生徒たちがまとめた研修報告を、10月の町広報で記載する予定だという。 -
心と体を清めよう 桂泉院で坐禅体験
高遠町公民館高遠分館(池上幸子分館長)のさわやか学級の第5回が24日、東高遠の桂泉院(有賀広徳住職)であり、主婦ら約35人が坐禅を体験した。
心と体を清めようと初めて企画。参加者のほとんどが未経験で、有賀住職から「身と息と心を調え、自然界と一体になって」と説明を受けた。
両足を組み、両手でだ円形をつくって、背筋を伸ばし、上体を左右に揺らしながら「ヒーフーミーヨーと心で数え」精神を統一。20窶・0分ごと、約1時間にわたって坐禅し、静まりかえった堂内には、せみの鳴き声が響いていた。
坐禅体験後には、有賀住職による法話に耳を傾けた。
さわやか学級は全11回を予定し、「健康」をメインテーマに、講演会や体験会を開いている。 -
高遠人権教育出前講座
高遠町三義地区社会人権同和教育推進協議会(伊藤平市会長)主催の人権教育出前講座は21日夜、三義生活改善センターであった。20人が、ゲームなどを交えた参加型の講座で、角度を変えて物事を見ることの大切さを考え合った。
町内5地区で開く出前講座の第1回。「わたし発!人権21世紀縲怩墲スしたちのまちを探検しよう!縲怐@笑顔からはじまる人権」をテーマに、伊那教育事務所教育支援主事の唐沢孝則さんを講師に招いた。
唐沢さんは、「普段とは別の角度でものを考えて」と話し、参加者は街並みのイラストを見て気付いたことをグループで発表。「同じものを見ても、感じ方は人それぞれ違う」ことを改めて認識した。
人権クイズの一つ、若い女性と年老いた女性が見える1枚の絵を例に、「思い込みがあると見えないことがある。一面を見て全てわかった気になる前に、もう一度ほかの面もあるのではと気付いていくことが大切」と指摘。「目に見えないところで起きている地域の課題に気付き、自分でできることは何か考え、できることからやっていけたらいい。だれもが自分らしく暮せる地域づくりをしてほしい」と語った。 -
自然に触れ歴史を学ぶ
千葉県香取郡多古町の小学生20人が17日から3泊4日の日程で、高遠町に訪れている。多古町教育委員会主催の夏休みを利用したツアーで、希望する児童が参加。6泊7日で、多古町と縁のある高遠町と静岡県を周り、自然体験などを通して協調性や自主性などを養う。
多古町との縁は、豊臣秀吉が小田原攻めで北条氏を降伏させ、天下を統一した際、1590(天正18)年、徳川家康を関東八州の領主に任命。家康の家臣だった高遠藩主・保科正之の祖父にあたる正直が下総多胡1万石を賜り、およそ11年間従事していたことが始まり。
3日目の19日は、東高遠の樹林寺(川上宥円住職)を訪問し、本堂に安置される夕顔観音像を拝観した。
夕顔観音は、平安時代に多胡付近にある寺が火災で全焼したときに、農民が夢想によって、実際に夕顔の中から取り出したとされる。正直の長子である正光が夕顔観音を深く信仰し、下総多胡から高遠に移り、樹林寺を建て、夕顔観音を写し作って、勧請し安置したと言われている。
川上住職が高遠と多古との縁や夕顔観音の沿革を説明。児童たちは真剣に耳を傾け、両町の歴史のつながりに理解を深めた。
一行は国立信州高遠少年自然の家を拠点に、期間中、森屋山登山や町内の自然探索などを体験。20日に町内を散策して、静岡県に向う予定。 -
「新伊那市」誕生周知へ
高遠町は、伊那市、長谷村との合併が、総務大臣から12日付で官報告示されたことを受け、「平成18年3月31日 新『伊那市』誕生」などと記したPR用の看板2枚を町役場入口ロビーに設置した。
看板は、伊那まつりの市民おどり(6日)に参加した際、連で引いたリアカーの両サイドに付けていたものを使用。祭り後の有効活用を考え、「(官報に告示されたことで)町民に改めて合併を認識してもらおう」と、来庁したときに目に付く場所として、総合受付前の天井につり下げた。
町は「早めに合併をアピールしていくことは大事。今後も、できることは町独自でもPRしていきたい」としている。 -
地域住民の生活道路拡幅早期完成へ起工
高遠町上山田の押出地区から小原地区に抜ける、町道押出小原線の拡幅工事のうち、国の地方道路交付金事業で進める、芝平入口交差点から下山田の清水坂交差点までの800メートル間の起工式が18日、現地であった。伊東義人町長をはじめ、関係者ら約30人が出席し、工事の安全を祈願した。
全幅は2・5メートルの片側歩道を含む9・25メートルにする予定で、07年度の完成を目指す。総事業費は3億円で、国から55%の補助を受ける。
伊東町長はあいさつで「地域住民の生活道路として、目的を達成できるよう一日でも早く、無事故で完成させたい」と述べた。
また、00年に着手し、昨年12月に終了した押出地区の県道西伊那線交差点から金井地区西側交差点までの780メートル間のしゅん工式が同日、上山田公民館であった。
幅員の狭さから、大型車のすれ違いに困難が生じていたことを受け、町単独の過疎対策事業として、片側1車線で、全幅7メートル、車道幅は5・5メートルに拡幅。総事業費4億4600万円。 -
人間社会の愚かさなど表現
高遠町の信州高遠美術館で28日まで、国画会会員の柴田久慶さん(60)=駒ケ根市赤穂=によるギャラリー展が開かれている。
近作の「MAN 振れる人間」は、十字型で、逆さづりのようになった男が、振り子のように振れている姿を描き、「天から地へ落ちていくような感じで、戦争が絶えない世の中である人間社会の愚かさ」を表現している。
正面と側面を向いて立つ男4人を描いた「MAN」は、「融合できない人間関係」を表し、「相手がいて自分がいることを伝えたかった」。ほかにも、油彩やアクリル画全13点を並べる。
伊那市手良出身。信州美術会、伊那美術協会の会員でもある柴田さんは「まだ未熟の身。批評してもらい、勉強していきたい」とし、「作品の意図が少しでも伝われば」と来場を呼びかけている。
午前9時から午後5時まで。入館料は一般500円、小中学生150円。問い合わせは、信州高遠美術館(TEL94・3666)へ。 -
高遠さくらホテル花火大会
今年で10年目となる高遠町勝間の高遠さくらホテルの夏の花火大会が15、16日、隣接する高遠湖の湖半であった。
宿泊客に楽しんでもらうことを目的として始まった花火大会は、8月と2月に開かれ、地元住民も多数見物に訪れる。8月は盆に合わせて、関東方面などからの予約も増え、15日までは満室だったという。中には、花火大会に合わせて宿泊する人もいる。
例年通り、子どもの誕生を祝う花火から打ち上げが始まり、スターマインや湖上を横断するものなど、さまざまな花火が打ち上げられた。水面に花が咲いたように見える水上花火が上がると、多くの見物客から歓声があがった。
花火は2日間で240発打ち上げられ、夏の夜空を鮮やかに彩った。 -
高遠町四日市場、最後盆踊り大会
地元の人も帰省する人も一緒に、楽しみながら先祖を送ろう窶狽ニ15日、今年で最後となる高遠町の四日市場の盆踊り大会があり、惜しまれつつ20年の歴史の幕を閉じた。
四日市場は全25世帯の小さな集落だが、毎年の大会には、近隣地区や帰省者も多数参加し、にぎわいを見せてきた。しかし、高齢化に伴い年々参加者が減少し、実行委員も高年となるなど、大会維持が困難となり、20回の節目となる今年、休会を決めた。
華々しく終わりたい窶狽ニの声にこたえ、しばらく打ち上げていなかった花火も復活した。好評の無料屋台は、今年も大にぎわい。イノシシ肉の煮物やいもの煮っころがし、マツタケ入りのおむすびなど、地元の人の手作り郷土料理も並び、参加者を喜ばせていた。
大人も子どもも、1つの円となって踊り、大会の最後を惜しんでいた。 -
ちびっこ広場で高校生ボランティア
保育園などに通う前の幼児を遊ばせたり、母親同士が交流できる伊那市の生涯学習センターのちびっこ広場で11日、夏休み中の高校生が、子どもと遊んだり紙芝居の読み聞かせをした。
週に3回ほど広場の管理をしている子育て支援グループ「子どもネットいな」が、夏休みに合わせ「幼児とあまり接する機会のない高校生にも、子どもと触れ合ってもらおう」と、高校生ボランティアを募集。35人の応募があった。
この日は、高遠高校福祉コースの1年生、池上エリカさん(16)と矢野成美さん(15)が参加。同校は、就業体験の一環として介護施設や保育園での現場実習をしており、生徒も積極的に臨んでいるという。
最初はぎこちなかった高校生も、楽しみながら紙芝居の読み聞かせをするなどして、徐々に打ち解け、笑顔で子どもと触れ合っていた。 -
高遠高校創立80周年で記念CD製作へ
高遠町の高遠高校(清水國利校長)は今年で創立80周年を迎え、10月下旬に予定している記念式典に向けて、記念CDの製作に取り組んでいる。合唱部や吹奏学部、音楽コースの生徒約40人が12日、伊那市駅前ビル「いなっせ」ホールで校歌などを収録した。
同校同窓会、振興会などでつくる式典実行委員会が、音楽コースを取り入れる特色を生かし、手作りのCD製作を考案。約700枚を作って、式典で生徒や出席者らに配る。
収録するのは、応援歌「アルプスおろし」、逍遥歌「朝に仰ぐ」のほか、校歌をピアノ伴奏で斉唱、吹奏楽部伴奏で斉唱、ピアノのみの演奏の3パターンで録音。
2週間集中的に練習した生徒たちは「自分たちの演奏がCDになって、いろんな人に聞いてもらえるなんてうれしい」と張り切って取り組んでいた。 -
三峰川を知るためのサイクリング・ツアー
サイクリングをしながら暮らしを支える三峰川を知ろう窶狽ニ12日、三峰川みらい会議は「三峰川サイクリングツアー」を開いた。
アレチウリ駆除や自然学校など、三峰川に関する活動に取り組んできた同グループだが「原点に戻り水について学ぼう」と、流域住民や夏休み中の小学生などを対象に、ツアーを企画。約20人が集まった。
コースは伊那市役所からスタートし、三峰川沿いを上流、高遠方面に向かって進むもの。途中、流入河川の水質検査も行った。
pHや透明度などの調査には、子どもたちも挑戦。意外にも上流の方が透明度が低い結果となったのは、前日に降った雨の影響だという。
今回は雨のため、予定の半分しか回れなかったが、普段あまり見る機会がない三峰川に触れた子どもたちは、その面白さを再発見したようだった。
三峰川みらい会議は、来年も8月初旬に同ツアーをしたいとしている。 -
人口定住対策・小原の集合型町営住宅起工
高遠町が小原地区に建設する、集合型町営住宅ハイツ小原南F棟の起工式が11日あり、関係者約20人が出席して、工事の安全を祈願した。
集合型は人口定住対策の一環として、95年から99年にかけて、瀬戸にA、B棟を、小原南にC、D、E棟を建設。6棟目となるF棟は、プライバシーの確保や日当たりの良さを考慮し、C棟北側に隣接して建てる。
来年1月末に完成を予定し、12月初旬から入居者を募集する。
伊東義人町長あいさつで「入居者も目的に合うよう、若者に入ってもらい、さらに町の活性化にもつながれば」と期待した。
F棟は、鉄筋コンクリートの三階建て。延床面積は約600平方メートル。2LDKで9世帯。建設費は1億円余。 -
水しぶき・歓声大きく 海洋スポーツ満喫
高遠町の高遠湖にある「B&G海洋センター」が11日、無料開放された。12日までの2日間のみで、カヌーやヨットなどの海洋スポーツを多くの人に親しんでもらおうと計画。お盆間近だけに毎年、帰省客らでにぎわいをみせている。
通常は予約制で、1時間ごとに料金設定がされているが、この機会には好きなときに、好きな分だけ楽しむことができる。インストラクターの指導で、カヌーやミニヨット、手こぎボートも体験できるとあって人気だ。
千葉県から実家の伊那市に帰省してきたという、青嶋こずえさん(45)ひかるさん(12)親子は、約1時間にわたってカヌーなどを体験。「臨場感あふれて、おもしろい」と楽しんでいた。